JPS6224288B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 産業上の利用分野 本発明は弾性的に支持されている車輌座席であ
つて、その座席フレームが、交差点で互いにヒン
ジ結合されたリンクから成るリンク機構と、引張
ばね及びダンパから成るばね緩衝ユニツトとによ
つて、車輌底部に配置された下部フレームに支持
されており、後方へ向かつて斜め上方に延びてい
る方のリンクはその上端部で旋回軸を介して座部
フレームにヒンジ結合されておりかつこの旋回軸
を越えて付加部によつて延長されており、この付
加部には、引張ばねの一方の端部が係合してお
り、引張ばねの他端部が座部フレームに固定され
たヒンジ軸に固定されている形式のものに関す
る。

従来の技術 西独国実用新案登録第6811419号に開示された
この種の弾性的に支持された車輌座席では、付加
部が上向きに座部フレームの下方に配置され、引
張ばねがその一端で付加部に固定的に支持されか
つその他端で中間部材に懸架され、この中間部材
の中央部に結合片の自由端がほぼ中央で制御レバ
ーに係合し、この制御レバーの一端が座部フレー
ムに旋回可能に支承されかつその他端がスピンド
ルナツトを支持しており、このスピンドルナツト
がねじスピンドルを介して座部フレームの長手方
向に移動可能である。このように部品点数の多い
この車輌座席は座部フレームの下方に比較的大き
な設置スペースを要すると共に、座席に坐る人間
のそれぞれの体重にばね特性を適合させるために
引張ばねのブレロードを変化させなければならな
い。しかしこのことを行なうためには、特に座席
に坐つた状態でばね特性の適合を得ようとすれ
ば、極めて大きな労力が要求される。

本発明が解決しようとする問題点 そこで本発明の課題は、部品点数が少なく、座
部フレームの下方にスペースを要しない構造を有
し、各自の体重にばね特性を適合させるのに労力
を要することのないような冒頭に述べた形式の車
輌座席を提供することにある。

問題を解決するための手段 上記課題を解決した本発明の要旨は、付加部が
前記旋回軸からほぼ後方へ延びており、前記ヒン
ジ軸が付加部の上方で座部フレームに取付けられ
ており、付加部とヒンジ軸との間には、付加部を
上向きに引張り負荷するようにばね緩衝ユニツト
が配置されており、付加部の下縁が、座席の無負
荷状態において前記ヒンジ軸を中心とする円弧の
形状に形成されており、引張ばねの下方の端部
が、これに取付けた案内部材を介して付加部の下
縁に係合しており、この案内部材が移動調節部材
によつて付加部の下縁に沿つて移動調節可能に案
内されており、これによつて、引張ばねのプレロ
ードを変化させることなく、付加部への引張ばね
の作用点と旋回軸との間のてこ腕の長さを調節す
るように構成したことにある。

本発明の作用・効果 本発明構成によれば座部フレームの下方にスペ
ースを設ける必要がまつたくない。個人の重量に
座部の振動のふるまいを適合させるには付加部の
円弧状の下縁に沿つて引張ばねの作用点を移動す
ればよい。これによつて引張ばねの長さ変化が回
避され、従つて前述の適合が労なく得られる。

実施例 本発明に基づく車輌座席は背もたれ３及び座部
クツシヨン４を備えている。座部クツシヨン４は
座部フレーム５に固定されており、座部フレーム
はこれの両側に位置する交差したリンク６，７か
ら成るリンク機構を介して、車体の図示しない下
部フレームに支持されており、リンク６，７はそ
の交差点で旋回ピン８によつて互いに結合されて
いる。各リンク６の上端はローラ９を備えてお
り、ローラ９は断面Ｃ字形の案内として座部フレ
ーム５に係合している。

リンク７の上端は旋回軸１０によつて座部フレ
ーム５に旋回可能に結合されている。リンク７は
旋回軸１０を越えて後方へ延びる付加部１１によ
つて延長されている。付加部は２つの側板１１ａ
から成り、この側板１１ａは互いに平行に位置し
て両方のリンク７の間に位置しており、かつ管１
２に溶接されており、この管１２は外側に位置す
るリンク７の端部１３に固定的に結合されてい
る。

座部フレーム５は上方へ延びる側壁２０を備え
ており、側壁２０はその上端にヒンジ軸１８を支
持しており、このヒンジ軸１８に引張ばね１７の
一方の端部が固定されている。引張ばね１７の他
方の端部は案内部材１５に支持された軸１６の端
部に係合している。付加部１１の側板１１ａの下
縁１４はヒンジ軸１８を中心とする円弧の形状で
延びており、かつ案内部材１５と協働する調節案
内を形成している。

ヒンジ軸１８にダンパ２１の上端のアイ１９が
係合しており、ダンパの下端のアイは、付加部１
１の側板１１ａの後方の自由端にピン２２によつ
て保持されている。付加部１１の両方の側板１１
ａの後方の自由端の間には旋回支承部材２５が配
置されており、この旋回支承部材内にねじスピン
ドル２４が回転可能かつ軸方向移動不能に保持さ
れており、ねじスピンドルの外方の自由端にハン
ドグリツプ２３が配置されており、ねじスピンド
ルの内側の端部は、軸１６に回転不能に固定され
たナツト２６に螺合している。

ハンドグリツプ２３を回転させると、ナツト２
６と旋回支承部材２５との間隔が変化し、これに
よつて付加部１１の側板１１ａへの引張ばねの作
用点が移動する。引張ばねのこの調節形式によれ
ば、引張ばね１７のプレロードが変化しないため
に、座部に坐る人間の体重下で調節を行なつても
著しい労力は不要である。

ナツト２６と協働するねじスピンドルの代わり
にボーデンケーブル等を調節部材として設けるこ
ともできる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明の１実施例の部分断面側面図、
第２図は第１図を右方から見てハンドグリツプを
欠載して示す図である。 ３……背もたれ、４……座部クツシヨン、５…
…座部フレーム、６，７……リンク、８……旋回
ピン、９……ローラ、１０……旋回軸、１１……
付加部、１１ａ……側板、１２……管、１３……
端部、１４……下縁、１５……案内部材、１６…
…軸、１７……引張ばね、１８……ヒンジ軸、１
９……アイ、２０……側壁、２１……ダンパ、２
２……ピン、２３……ハンドグリツプ、２４……
ねじスピンドル、２５……旋回支承部材、２６…
…ナツト。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 弾性的に支持されている車輌座席であつて、
   その座部フレーム５が、交差点で互いにヒンジ結
   合されたリンク６，７から成るリンク機構と、引
   張ばね１７及びダンパ２１から成るばね緩衝ユニ
   ツトとによつて、車輌底部に配置された下部フレ
   ームに支持されており、後方へ向かつて斜め上方
   に延びている方のリンク７はその上端部で旋回軸
   を介して座部フレーム５にヒンジ結合されており
   かつこの旋回軸を越えて付加部１１によつて延長
   されており、この付加部１１には、引張ばね１７
   の一方の端部が係合しており、引張ばね１７の他
   端部が座部フレーム５に固定されたヒンジ軸１８
   に固定されている形式のものにおいて、付加部１
   １が前記旋回軸１０からほぼ後方へ延びており、
   前記ヒンジ軸１８が付加部１１の上方で座部フレ
   ーム５に取付けられており、付加部１１とヒンジ
   軸１８との間には、付加部１１を上向きに引張り
   負荷するようにばね緩衝ユニツトが配置されてお
   り、付加部の下縁１４が、座席の無負荷状態にお
   いて前記ヒンジ軸１８を中心とする円弧の形状に
   形成されており、引張ばね１７の下方の端部が、
   これに取付けた案内部材１５を介して付加部の下
   縁１４に係合しており、この案内部材１５が移動
   調節部材２４，２１によつて付加部１１の下縁１
   ４に沿つて移動調節可能に案内されており、これ
   によつて、引張ばね１７のプレロードを変化させ
   ることなく、付加部１１への引張ばね１７の作用
   点と旋回軸１０との間のてこ腕の長さを調節する
   ように構成したことを特徴とする弾性的に支持さ
   れている車輌座席。 ２ ヒンジ軸１８が、座席フレーム５の下縁から
   上方へ延びる側壁２０に支持されている特許請求
   の範囲第１項記載の車輌座席。 ３ ヒンジ軸１８がダンパ２１の上端を支持して
   おり、かつ、ダンパの下端が付加部１１の後方の
   自由端に係合している特許請求の範囲第１項又は
   第２項記載の車輌座席。