【発明の詳細な説明】[Detailed description of the invention]
本発明は燃料タンク用防錆剤に関するものであ
る。
従来燃料タンク、特に自動車の燃料タンク用防
錆剤としては、ワツクス、水系ラテツクス、ビチ
ユーメン、黒色塗装、ポリエン化ビニル
(PVC)タイプの防錆剤が知られている。しかし
ながらこれ等の防錆剤は、燃料タンク用防錆剤と
して要求される防錆力、密着性、吸水性、耐チツ
ピング性、塗装性等の性能のすべてを必ずしも満
足せず、更に改善された防錆剤が要求されてい
た。即ち従来の酸化ワツクスタイプ防錆剤は低温
で剥れやすい傾向を有し、水系ラテツクスタイプ
防錆剤は耐チツピング性は良好であるが、耐食性
が劣り、また塗装性がよくない。またビチユーメ
ンタイプ防錆剤は密着性、耐チツピング性および
塗装性がよくなく、水系ラテツクスタイプ防錆剤
と同様に耐食性に劣り約4%程度の水を吸水する
性質がある。黒色塗装タイプ防錆剤は防錆力に関
して外観性向上の効果はあるが、寿命向上の効果
を期待できないことが、過去の塩害耐久車および
市場回収車の調査から認められており、密着性、
耐チツピング性が必ずしも良いとは言えず、更に
PVCタイプ防錆剤はターンシートへの密着性並
びに塗装性が必ずしも良くないという欠点を有す
る。
一方燃料タンクの穴あきに関しては、タンクの
下面からの穴あきは極めて少く、プレスによるめ
つきダメージの激しい部位でかつ泥が溜りやすい
部位に多く、このような部位への塗装工法として
は、静電塗装が必要であり、この静電塗装にはワ
ツクスタイプと水系ラテツクスタイプの防錆剤が
適し、その性能、実績、コストおよび現有設備対
応を考慮するとワツクスタイプが最も好ましいこ
とを確かめた。
従つて本発明は従来のワツクスタイプ防錆剤と
は異なり、(1)静電性があり、(2)低温における耐衝
撃性に優れ、(3)表面がべたつかないことを特徴と
するワツクスタイプ防錆剤とすることにより従来
の問題点を解決することを目的としている。
このため本発明の燃料タンク用防錆剤は(イ)石油
スルホン酸金属塩15〜20重量部と、(ロ)高級脂肪族
カルボン酸の金属塩3〜8重量部と、(ハ)酸化ワツ
クスの金属塩4〜7重量部と、(ニ)石油系ワツクス
2〜6重量部と、(ホ)脂肪酸エステル3〜7重量部
を有機溶剤に混合した組成物100重量部に、着色
顔料0.5〜3重量部配合して成ることを特徴とす
る。
本発明の防錆剤の前記(イ)成分の石油スルホン酸
の金属塩は、石油留分の硫酸精製時に副生する炭
化水素のスルホン酸をアルカリ金属またはアルカ
リ土類金属塩にしたものであるが、カルシウム塩
が好ましい。石油スルホン酸の金属塩は防錆性は
もとより耐熱性、タレ防止性、増粘性に有効であ
る。この石油スルホン酸の金属塩の配合量は15重
量部より少いと、防錆剤の必要粘度維持が困難
(タレ流れ現象)で耐熱性が減少し、一方20重量
部より多くなると防錆剤の粘度が高くなり過ぎ作
業性が悪くなるので、15〜20重量部の範囲とす
る。
(ロ)成分の高級脂肪族カルボン酸の金属塩として
は、C6〜C18の高級脂肪族カルボン酸の金属塩が
好ましく、高級脂肪族カルボン酸として飽和およ
び不飽和のモノカルボン酸、飽和及び不飽和のポ
リカルボン酸の重合物をアルカリ金属またはアル
カリ土類金属塩としたものである。高級脂肪族カ
ルボン酸の金属塩はワツクスとの相溶性がよく、
防錆性向上には有効な材料であり、それ自体ゲル
化能が強く、粘度向上には有効である。但し配合
量が8重量部より多くなると粘度が高くなり、作
業性に問題があり、一方3重量部より少くなると
必要粘度維持が困難となるので、配合量は3〜8
重量部とする。
(ハ)成分の酸化ワツクスの金属塩は、石油のパラ
フイン留分を酸化して得られる酸化ワツクスのア
ルカリ金属およびアルカリ土類金属塩としたもの
で、通常ナトリウム、リチウム、カルシウム、バ
リウム等の金属塩が使用されるが、この内ではナ
トリウム塩およびカルシウム塩が好ましい。酸ワ
ツクスの金属塩はワツクスおよび他の金属塩との
相溶性がよく、防錆性向上に有効であり、配合量
が4重量部より少くても、7重量部より多くても
いずれも全般の配合バランスを崩し、防錆性に影
響するので配合量は4〜7重量部の範囲とする。
(ニ)成分の石油系ワツクスは石油のワツクス留分
で、パラフインワツクス、マイクロクリスタリン
ワツクス等があるが、マイクロクリスタリンワツ
クスが好ましい。石油系ワツクスは防錆性、造膜
性に有効な材料であるが、配合量が6重量部より
多くなると防錆剤の低温特性を低下させ、一方2
重量部より少くては塗膜として緻密に欠け、防錆
性を低下させるので、配合量は2〜6重量部とす
る。
(ホ)成分の脂肪酸エステルとしては天然油脂が好
ましく、植物性油脂、動物性油脂等多数のものが
挙げられるが、この内造膜性に優れ、低温特性の
優れた動物性油脂のラノリン或いはソルビタンモ
ノオレートが好ましい。脂肪酸エステルの配合量
は、7重量部より多くなると、不乾性油の為乾燥
性を低下させ、3重量部より少くなると低温特性
を低下させるので、3〜7重量部とする。
本発明においては、前記(イ)〜(ホ)の各成分を有機
溶剤に混合し、全体を100重量部とする。この際
用いる有機溶剤は、特に限定しないが、静電塗装
に有効な溶剤として芳香族分が必要であり、芳香
族分の多い方が好ましいが、労働安全面や、ワツ
クス溶解性等より考え合せ、芳香族・脂肪族の混
合溶剤が好ましく、その比率として芳香族系有機
溶剤40〜80重量%に対して脂肪族系有機溶剤60〜
20容量%とするのが好ましい。
以上(イ)〜(ホ)の各成分は夫々単体では著しい防錆
効果はなく、各成分の特性を生かした前記配合量
より成る配合系が重要であり、各成分の相乗効果
により防錆性能を向上させることができる。特に
前記ワツクス防錆剤は本来樹脂塗膜と異なり、ワ
ツクスの結晶粒子の重なりと連なりにて造膜さ
せ、その造膜を利用して防錆性能を得るが、石油
系ワツクスではその効果が弱く、補強剤として各
種金属塩を配合することで、その相乗効果により
著しく防錆性能を向上せしめる。特に石油系ワツ
クスは結晶性が強く、低温下ではその結晶が強固
となり、塗膜自体の柔軟性が悪くなり、塗膜がも
ろくなる欠点がある。この為石油系ワツクスを多
く配合すると低温特性を低下させる。この代替物
として造膜性、低温特性に優れた(ホ)成分の脂肪酸
エステルを配合するもので、配合比率としては(ニ)
成分対(ホ)成分の比が1:1〜1.2であるのが好ま
しい。
(ニ)成分と(ホ)成分で構成されたワツクス成分の中
に、そのツナギ材であり、また防錆効果、増粘効
果のある(イ)、(ロ)および(ハ)の成分の各金属塩を前記
各配合量の範囲内で配合することで防錆性能を低
下させることなく、高粘度でタレ流れのない、低
温衝撃性に対応できる優れた防錆剤を得ることが
できる。
前記(イ)〜(ホ)成分が規定量より少ない場合には、
生成した防錆剤は製品粘度維持が困難であり、塗
膜保持性に問題を生じ、タレ流れ等の現象があ
り、一方規定量より多くした場合は一回塗布して
厚膜として得られることが期待できるが、製品粘
度が極端に増加し、経日安定性に欠け塗布作業上
好ましくない。
本発明の防錆剤は、使用目的からみて着色化が
必要であり、前記(イ)〜(ホ)成分を有機溶剤に混合し
た組成物100重量部に着色顔料を0.5〜3重量部配
合する。
着色するには、従来防錆性、信頼性の面からア
スフアルトの使用が一般によく知られているが、
アスフアルトは低温に弱く、ワツクス防錆剤に配
合した場合、低温特性が著しく低下するため使用
することは困難である。しかし着色剤としてカー
ボンブラツクを使用することで防錆性を損うこと
なく、適度な着色度合及び乾燥塗膜表面の硬さを
改良することができた。しかし本発明において、
着色剤はカーボンブラツクのみに限定されるもの
ではなく、同様に防錆性を損わないすべての着色
剤を用いることができる。
尚前記着色剤の配合量が0.5重量部より少い場
合には塗膜としてワツクス質のベトツキが残り、
ゴミが付着しやすく、また作業性が悪い等の問題
が残ると共に表面硬さの改良にも期待できなく、
一方3重量部より多くなると塗膜の表面改良には
有効であるが防錆性の低下や低温特性の低下とな
り好ましくない。
本発明の防錆剤は前記組成を有することによ
り、静電塗装方式が可能である。
ワツクス防錆剤の一般的な塗装方法としては大
別してスプレー法、ハケヌリ法、浸漬法等がある
が、塗膜均一性、作業合理性の面からスプレー法
が多く用いられる。このスプレー法にも2種類あ
り、塗料のような比較的低粘度品はエアスプレー
方法を取るが材料が高粘度にてエアスプレー法に
て霧化困難なものはエアレス方式を使用するのが
通例であるが、本発明の防錆剤は作業性(塗布直
後のタレ流れ防止および50μm以上の厚塗りの要
求)の配慮から比較的高粘度であり、スプレー方
式としてはエアレス方式を取る。
塗布作業のスプレー方式の問題点としてスプレ
ーに向いた被塗布物の平面は均一塗膜が得られる
が、塗布面の影になる部分や裏面には塗布する事
は困難であるが、静電塗装方式では塗布面とほぼ
同等の塗膜を得ることが可能であり、それによる
防錆効果も期待できる。特に複雑な自動車の燃料
タンクへの塗布には有効な方法である。
また一方静電塗装によると静電塗装の本来効果
である材料の飛散による損失も防止でき材料ロス
防止にも有効である。
従来自動車用燃料タンクおよびシヤーシ部品は
その構造が複雑であり、通常の塗布方法では、均
一塗膜を得ることが困難であるが、前述の如く本
発明の防錆剤は前記組成を有することにより静電
塗装性を有するため、静電塗装方法をとることが
でき、これにより複雑な構造部への不均一塗膜を
解消し、作業の合理性を著しく改善するとともに
塗布効率の改善にもなり、材料ロスを著しく改善
することを可能にした。このようにして本発明の
防錆剤は、
(1) 防錆性能に優れ、
(2) 静電塗装工法が可能であり、
(3) 低温における優れた耐衝撃性を有し、
(4) ワツクス質でありながら塗膜のベトツキが少
く、
(5) 作業性が良好で、安全性が高い
等の利点を有する優れた防錆剤であり、シヤーシ
部およびその部品に一般的に使用されている黒色
塗料(シヤーシブラツク)と比べて格段の防錆性
の向上が得られ、ワツクス防錆剤の材料特性であ
る塗膜保持性に優れているため厚膜要求に対して
も十分に対応することができる。
次に本発明を実施例および比較例につき説明す
る。
尚評価方法および試験方法は次に示す通りであ
る。
(1) 防錆試験
清浄な表面を有するみがき鋼板上に乾燥被膜
として50±5ミクロンの膜厚が得られるように
試料を吹き付け24時間放置し、乾燥した後、
JISZ2371規定の方法により、塩水噴霧試験を
行い、錆の生じ始めるまでの時間を表示した。
(2) 静電性
材料を静電塗装装置(高電圧・発生装置およ
び静電スプレー機R−F−Hガン……日本ラン
ズバーグ社製)にて塗布し、その効果を見、塗
着効率を日産自動車(株)社製910車燃料タンク現
物塗布により計算した。
(3) 低温特性
清浄な表面を有するみがき鋼板上乾燥塗膜と
して50±5ミクロンおよび100±5ミクロンの
膜厚を作成し、−30℃の雰囲気に1時間入れた
後、衝撃試験(デユポン式500g・30cm)およ
び折曲げ(90゜)にて塗膜の剥離度合を見る。
(4) タレ性
清浄な表面を有するみがき鋼板の半面をマス
キングし、未乾燥膜厚200±10ミクロンになる
よう材料を塗布し、塗布後垂直にしてマスキン
グを取り、材料のタレ流れ度合を見る。
(5) 耐チツピング性
(イ) 常温
SAEJ400に準拠して飛石試験を行なつ
た。
飛石条件は次の条件で5回繰返した。
砕石 6号(15.9mm幅の網は通過するが95mm
の網は通らない大きさの濡れた道路石250
〜300個)
重さ 500g
エアー圧 5Kg/cm2
(ロ) −30℃
低温密着性を評価するため、−30℃にて飛
石試験を上記条件にて1回行なつた。結果は
画像解析にて行なつた。
実施例1〜2、比較例1〜4
下記第1表に示す組成の実施例1、2、比較例
1〜4の6種類の防錆剤をつくり、各防錆剤につ
き防錆試験を行い、更に静電性、低温特性および
タレ性を評価し、得た結果を第1表に併記する。
The present invention relates to a rust preventive agent for fuel tanks. Conventional rust preventive agents for fuel tanks, particularly automobile fuel tanks, include wax, water-based latex, bitumen, black paint, and polyenated vinyl (PVC) type rust preventive agents. However, these rust preventives do not necessarily satisfy all of the performance requirements for fuel tank rust preventives, such as rust preventive power, adhesion, water absorption, chipping resistance, and paintability, and further improvements are needed. Rust inhibitor was required. That is, conventional oxidized wax type rust inhibitors tend to peel off at low temperatures, and water-based latex type rust inhibitors have good chipping resistance but poor corrosion resistance and poor paintability. Furthermore, the bituminous type rust preventive agent has poor adhesion, chipping resistance, and paintability, and like the water-based latex type rust preventive agent, it has poor corrosion resistance and has the property of absorbing about 4% of water. Although the black paint type rust preventive agent has the effect of improving the appearance in terms of rust prevention ability, it has been recognized from past surveys of salt-damaged cars and cars recovered from the market that it cannot be expected to have the effect of improving the lifespan.
It cannot be said that chipping resistance is necessarily good, and
PVC type rust preventive agents have the disadvantage that their adhesion to turnsheets and paintability are not necessarily good. On the other hand, regarding the holes in the fuel tank, there are very few holes from the bottom of the tank, and most of them are located in areas where the plating damage caused by pressing is severe and where mud tends to accumulate. Electrostatic painting is required, and wax type and water-based latex type rust preventive agents are suitable for this electrostatic painting, and we have confirmed that the wax type is the most preferable considering its performance, track record, cost, and compatibility with existing equipment. Therefore, unlike conventional wax-type rust preventives, the present invention provides a wax-type rust preventive agent that is (1) electrostatic, (2) has excellent impact resistance at low temperatures, and (3) has a non-sticky surface. The aim is to solve the conventional problems by making it into an agent. Therefore, the rust preventive agent for fuel tanks of the present invention contains (a) 15 to 20 parts by weight of a petroleum sulfonic acid metal salt, (b) 3 to 8 parts by weight of a higher aliphatic carboxylic acid metal salt, and (c) oxidized wax. 100 parts by weight of a composition prepared by mixing 4 to 7 parts by weight of a metal salt, (d) 2 to 6 parts by weight of a petroleum-based wax, and (e) 3 to 7 parts by weight of a fatty acid ester in an organic solvent, and 0.5 to 0.5 parts by weight of a coloring pigment. It is characterized by containing 3 parts by weight. The petroleum sulfonic acid metal salt of component (a) of the rust preventive of the present invention is an alkali metal or alkaline earth metal salt of the hydrocarbon sulfonic acid by-produced during sulfuric acid refining of petroleum fractions. However, calcium salts are preferred. Metal salts of petroleum sulfonic acid are effective not only for rust prevention but also for heat resistance, anti-sag properties, and thickening properties. If the amount of the metal salt of petroleum sulfonic acid is less than 15 parts by weight, it will be difficult to maintain the required viscosity of the rust preventive (sag flow phenomenon) and the heat resistance will decrease; Since the viscosity becomes too high and workability deteriorates, the amount should be in the range of 15 to 20 parts by weight. The metal salt of a higher aliphatic carboxylic acid as component (b) is preferably a metal salt of a C 6 to C 18 higher aliphatic carboxylic acid. It is a polymer of unsaturated polycarboxylic acid made into an alkali metal or alkaline earth metal salt. Metal salts of higher aliphatic carboxylic acids have good compatibility with wax,
It is an effective material for improving rust prevention, has strong gelling ability, and is effective for improving viscosity. However, if the amount is more than 8 parts by weight, the viscosity will increase and there will be problems with workability, while if it is less than 3 parts by weight, it will be difficult to maintain the required viscosity.
Part by weight. The metal salts of the oxidized wax, component (c), are alkali metal and alkaline earth metal salts of the oxidized wax obtained by oxidizing the paraffin fraction of petroleum, and are usually metal salts of sodium, lithium, calcium, barium, etc. Salts may be used, of which sodium and calcium salts are preferred. Metal salts in acid waxes have good compatibility with wax and other metal salts, and are effective in improving rust prevention. Even if the amount added is less than 4 parts by weight or more than 7 parts by weight, it is generally effective. Since it disrupts the blending balance and affects rust prevention, the blending amount should be in the range of 4 to 7 parts by weight. The petroleum wax of component (d) is a wax fraction of petroleum, and includes paraffin wax, microcrystalline wax, etc., with microcrystalline wax being preferred. Petroleum-based wax is an effective material for rust prevention and film-forming properties, but when the amount added exceeds 6 parts by weight, it reduces the low-temperature properties of the rust preventive agent.
If the amount is less than 2 parts by weight, the coating film will become dense and the rust prevention properties will be reduced, so the amount to be blended is 2 to 6 parts by weight. As the fatty acid ester of component (e), natural oils and fats are preferred, and there are many examples including vegetable oils and animal fats, but animal oils such as lanolin and sorbitan, which have excellent internal film-forming properties and low-temperature properties, are preferable. Monooleates are preferred. The amount of fatty acid ester blended is 3 to 7 parts by weight, since if it is more than 7 parts by weight, the drying properties will be reduced because it is a non-drying oil, and if it is less than 3 parts by weight, the low temperature properties will be reduced. In the present invention, each of the components (a) to (v) above is mixed with an organic solvent to make a total of 100 parts by weight. The organic solvent used at this time is not particularly limited, but an aromatic content is required to be an effective solvent for electrostatic coating, and a higher aromatic content is preferable, but this is not recommended from the viewpoint of labor safety and wax solubility. A mixed solvent of aromatic and aliphatic is preferable, and the ratio is 40 to 80% by weight of the aromatic organic solvent to 60 to 60% by weight of the aliphatic organic solvent.
Preferably, it is 20% by volume. Each of the above components (a) to (e) does not have a significant rust-preventing effect when used alone, so it is important to have a compounding system that takes advantage of the characteristics of each component and has the above-mentioned amounts. can be improved. In particular, the wax rust preventive agent originally differs from resin coatings in that it forms a film by overlapping and connecting wax crystal particles, and uses this film formation to obtain rust prevention performance, but this effect is weak with petroleum-based waxes. By blending various metal salts as reinforcing agents, the synergistic effect significantly improves rust prevention performance. In particular, petroleum-based waxes have strong crystallinity, and the crystals become strong at low temperatures, resulting in poor flexibility and brittleness of the coating film. For this reason, if a large amount of petroleum-based wax is added, the low-temperature properties will deteriorate. As a substitute for this, component (e) fatty acid ester, which has excellent film-forming properties and low-temperature properties, is blended, and the blending ratio is (d).
The ratio of component to component (e) is preferably 1:1 to 1.2. In the wax component composed of components (d) and (e), each of the components (a), (b), and (c), which is the lumber material and has rust prevention and thickening effects, is included. By blending the metal salt within the above ranges, it is possible to obtain an excellent rust preventive agent with high viscosity, no sag, and good low-temperature impact resistance without deteriorating the rust preventive performance. If the above components (a) to (e) are less than the specified amount,
It is difficult to maintain the product viscosity of the generated rust preventive agent, causing problems in paint film retention, and phenomena such as sagging and running.On the other hand, if the amount is more than the specified amount, a thick film can be obtained with one application. However, the viscosity of the product increases dramatically and it lacks stability over time, making it unfavorable for coating operations. The rust preventive agent of the present invention needs to be colored in view of the purpose of use, and 0.5 to 3 parts by weight of a coloring pigment is blended into 100 parts by weight of a composition obtained by mixing the components (a) to (v) above in an organic solvent. . For coloring, the use of asphalt is generally well known from the viewpoint of rust prevention and reliability, but
Asphalt is sensitive to low temperatures, and when added to a wax rust preventive agent, its low-temperature properties are significantly reduced, making it difficult to use. However, by using carbon black as a colorant, it was possible to improve the appropriate degree of coloring and the hardness of the dried coating film surface without impairing the rust prevention properties. However, in the present invention,
The coloring agent is not limited to carbon black, but any coloring agent that does not impair the rust prevention properties can be used as well. If the amount of the colorant is less than 0.5 parts by weight, a waxy sticky coating will remain,
Problems such as easy adhesion of dust and poor workability remain, and improvements in surface hardness cannot be expected.
On the other hand, if the amount is more than 3 parts by weight, it is effective for improving the surface of the coating film, but it is not preferable because it causes a decrease in rust prevention properties and a decrease in low-temperature properties. Since the rust preventive agent of the present invention has the above composition, it can be applied by electrostatic coating. General methods for applying wax rust preventive agents can be roughly divided into spray methods, brushing methods, dipping methods, etc., but the spray method is often used in terms of coating uniformity and work efficiency. There are two types of spraying methods: the air spray method is used for relatively low-viscosity products such as paint, but the airless method is usually used for materials with high viscosity that are difficult to atomize using the air spray method. However, the rust preventive agent of the present invention has a relatively high viscosity due to workability (prevention of dripping immediately after application and requirement for thick coating of 50 μm or more), and an airless spray method is used. The problem with the spray method for coating work is that a uniform coating can be obtained on the flat surface of the object that is suitable for spraying, but it is difficult to coat areas that will be in the shadow of the coating surface or the back side. With this method, it is possible to obtain a coating film that is almost the same as the coated surface, and it is also expected to have a rust-preventing effect. This method is particularly effective for application to complex automobile fuel tanks. On the other hand, electrostatic coating prevents the loss of material due to scattering, which is the original effect of electrostatic coating, and is effective in preventing material loss. Conventionally, fuel tanks and chassis parts for automobiles have complex structures, and it is difficult to obtain a uniform coating film using normal coating methods. Because it has electrostatic coating properties, it is possible to use electrostatic coating methods, which eliminates uneven coating on complex structures, significantly improving the rationality of work and improving coating efficiency. This made it possible to significantly reduce material loss. In this way, the rust inhibitor of the present invention (1) has excellent rust prevention performance, (2) can be applied with electrostatic coating method, (3) has excellent impact resistance at low temperatures, and (4) It is an excellent rust preventive agent that has the following advantages: (5) Good workability, high safety, and is generally used for chassis parts and its parts. It has significantly improved rust prevention properties compared to conventional black paint (sheath black), and it can fully meet the requirements for thick films because it has excellent paint film retention, which is a material characteristic of wax rust preventive agents. I can do it. Next, the present invention will be explained with reference to Examples and Comparative Examples. The evaluation method and test method are as shown below. (1) Rust prevention test A sample was sprayed on a polished steel plate with a clean surface to a dry film thickness of 50±5 microns, left for 24 hours, and dried.
A salt spray test was conducted according to the method specified in JISZ2371, and the time until rust started to appear was displayed. (2) Electrostatic property The material was applied with an electrostatic coating device (high voltage/generator and electrostatic spray machine R-F-H gun...manufactured by Nippon Landsburg Co., Ltd.) and the coating efficiency was evaluated. was calculated by applying the actual fuel tank to a 910 car manufactured by Nissan Motor Co., Ltd. (3) Low-temperature properties Dry coatings of 50 ± 5 microns and 100 ± 5 microns were prepared on a polished steel plate with a clean surface, placed in an atmosphere of -30°C for 1 hour, and then subjected to an impact test (DuPont method). Check the degree of peeling of the coating film by bending (500g/30cm) and bending (90°). (4) Sagging property Mask one half of a polished steel plate with a clean surface, apply the material to a wet film thickness of 200±10 microns, hold it vertically after application, remove the masking, and check the degree of sagging of the material. . (5) Chipping resistance (a) A flying stone test was conducted in accordance with SAEJ400 at room temperature. The flying stone condition was repeated five times under the following conditions. Crushed stone No. 6 (15.9mm wide net passes through, but 95mm wide
250 wet road stones that are too large to pass through the net
~300 pieces) Weight: 500 g Air pressure: 5 Kg/cm 2 (b) -30°C To evaluate low-temperature adhesion, a flying stone test was conducted once at -30°C under the above conditions. The results were determined by image analysis. Examples 1 to 2, Comparative Examples 1 to 4 Six types of rust preventive agents, Examples 1 and 2, and Comparative Examples 1 to 4, having the compositions shown in Table 1 below were prepared, and a rust prevention test was conducted for each rust preventive agent. Furthermore, the electrostatic properties, low-temperature properties, and sagging properties were evaluated, and the obtained results are also listed in Table 1.
【表】【table】
【表】
実施例3、比較例5〜7
下記第2表に示す実施例3、比較例5〜7の防
錆剤につき耐チツピング性、密着性、防錆力、吸
水性を評価し得た結果を第2表に併記する。[Table] Example 3, Comparative Examples 5 to 7 The rust preventives of Example 3 and Comparative Examples 5 to 7 shown in Table 2 below were evaluated for chipping resistance, adhesion, rust prevention ability, and water absorption. The results are also listed in Table 2.
【表】
実施例3の防錆剤は実施例1の防錆剤と同様の
組成を有するもの。
表中比較例5は日本特殊塗料(株)社製、水系ラテ
ツクス。
比較例6は日本特殊塗料(株)社製ビチユーメン。
比較例7は日本ペイント社製黒色塗装。
第2表の結果から水系ラテツクス、ビチユーメ
ン、黒色塗装は燃料タンク用としては不適当であ
ることがわかる。
尚第2表の防錆力は次の塩水噴霧試験による結
果である。耐チツピングによる下地へのダメージ
を評価するため、塩水噴霧試験を耐チツピング性
試験終了後72時間行なつた。
実施例4、比較例8、9
下記第3表に示す実施例4、比較例8および9
の防錆剤を、第3表に示す塗装仕様で、清浄な表
面を有するみがき鋼板上に塗布し、外観、つきま
わり性および膜厚を評価し、得た結果を第3表に
示す。[Table] The rust preventive of Example 3 has the same composition as the rust preventive of Example 1. Comparative Example 5 in the table is a water-based latex manufactured by Nippon Tokushu Toyo Co., Ltd. Comparative Example 6 is Bityumen manufactured by Nippon Tokushu Toyo Co., Ltd. Comparative Example 7 was painted black by Nippon Paint Co., Ltd. From the results in Table 2, it can be seen that water-based latex, bitumen, and black paint are unsuitable for use in fuel tanks. The rust prevention properties in Table 2 are the results of the following salt spray test. In order to evaluate the damage to the substrate due to chipping resistance, a salt spray test was conducted for 72 hours after the chipping resistance test. Example 4, Comparative Examples 8 and 9 Example 4 and Comparative Examples 8 and 9 shown in Table 3 below
The rust preventive was applied to a polished steel plate with a clean surface according to the coating specifications shown in Table 3, and the appearance, throwing power, and film thickness were evaluated. Table 3 shows the results obtained.
【表】
表中実施例4の防錆剤は実施例1と同様の組成
を有するものであり、比較例8および比較例9の
防錆剤は夫々比較例5および比較例6と同様のも
のである。
以上の実施例の結果から本発明の防錆剤は防錆
性、低温耐衝撃性等の防錆剤として必要な性能を
すべて満足することが明らかであり、自動車シヤ
ーシ部及びその組付け部品に適合するものであ
る。[Table] In the table, the rust preventive agent of Example 4 has the same composition as Example 1, and the rust preventive agents of Comparative Example 8 and Comparative Example 9 are the same as those of Comparative Example 5 and Comparative Example 6, respectively. It is. From the results of the above examples, it is clear that the rust preventive agent of the present invention satisfies all the performances required as a rust preventive agent such as rust prevention and low-temperature impact resistance, and is suitable for automobile chassis parts and its assembly parts. It is compatible.