JPS62234523A - 高分子複合膜によるガス分離方法 - Google Patents

高分子複合膜によるガス分離方法

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JPS62234523A
JPS62234523A JP31447086A JP31447086A JPS62234523A JP S62234523 A JPS62234523 A JP S62234523A JP 31447086 A JP31447086 A JP 31447086A JP 31447086 A JP31447086 A JP 31447086A JP S62234523 A JPS62234523 A JP S62234523A
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▲さい▼合 彰
Akira Saiai
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伊藤 卓爾
Tomio Ueda
富雄 上田
Toshiaki Momoki
桃木 利明
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Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は、高分子複合膜を用いて混合ガスを分離するこ
とに関する。更に詳しくは、高分子複合膜を用いて、水
素、窒素、一酸化炭素、メタンおよび炭素数2以上の炭
化水素化合物から選択される二成分以上を含有する混合
ガスから炭化水素化合物を分離濃縮あるいは分離除去す
ることに関するものである。
(従来の技術) ガソリンは、原油の常圧蒸留法、灯軽油留分の熱分解法
および軽油や常圧蒸留残渣油の流動接触分解法といった
方法によって製造されている。流動接触分解法は、反応
器の内部にシリカ、シリカアルミナ、珪藻土あるいはゼ
オライトといった触媒をスチームおよび原料油によって
流動させ、原料油を高温条件下に接触分解させる方法で
あり、当該流動接触分解の反応装置には再生装置が付設
され触媒に沈積した炭化物を酸化焼却している。
この反応装置から排出される排出ガスには、エチレンや
プロピレンといった軽質炭化水素が約1〜30容量%含
有されるため、従来この排出ガスをナフサ等の石油留分
て吸収して窒素等の非炭化水素ガスと分離する方法が採
用されている。
日本は原油のほぼ100%を産油国からの輸入に頼って
おり、大型タンカーで原油を運搬し国内の原油タンクに
陸上げしている。・このタンカーから原油タンクへの荷
揚げ作業は、原油の回収率を高めるため不活性ガスで油
槽を加圧し原油をパージする作業を必要とする。原油の
パージにより、該パージ後のガスにはプロパン、ブタン
或いはペンタン等の軽質炭化水素が含有されることにな
る。
石油製品の出荷に際しても同様のパージ作業が採用され
、高濃度の軽質炭化水素ガスが発生する。
このため、石油製品出荷の場合は製品タンクがらのパー
ジガスを吸収塔に導きナフサ等の吸収液と接触させて窒
素等の不活性カズを含む軽質炭化水素ガスから軽質炭化
水素を分離回収する手段が採用されている。
石油精製工場では、石油製品の製造に当り石油留分を水
素と接触し、触媒の存在下に反応させて硫黄化合物や窒
素化合物を除去する水素化精製法や、水素化分解法等の
装置が設定され、大量の水素が消費されている。これら
の反応用水素は、オクタン価の高いガソリン或いは石油
化学工業の原料であるベンゼン、トルエン及びキシレン
等を得る接触改質装置からの副生ガスも利用されている
が、通常スチームを炭化水素とともに高温の反応器で還
元して製造されている。水素化精製法や、水素化分解法
等の装置から出るガスは主に水素、メタン、エタンから
成るが、反応に用いるほど水素純度が高くないので、燃
料として用いるか、前記の方法で水素を製造する原料、
あるいは冷却法により水素を製造するのに用いられてい
る。
LPGといった燃料ガスは燃焼性、輸送性などの特性が
うけて家庭用燃料や工業用ガスをはじめ各方面で需要が
増加している。しかしながら、日本のエネルギー情勢は
近年、省資源、省エネルギー化に移行し、石油需要が低
下しつつあるため、石油精製業界では原油輸入量を減少
するとともに原油処理費を漸時減らす方向にある。この
為、従来のようにLPG供給源を原油留分に求めること
はできず、中東などの産地から直接輸入するという状況
が強まりつつある。また、これと併行してLPGを天然
ガスから分離して製造しようとの動きも活発化する方向
にある。
油田における原油弁から随伴して発生する石油随伴ガス
は主成分のメタンを通常60〜90%含存し、エタン、
プロパン及びブタンといった炭素数が2以上の炭化水素
ガスを10〜30%程度含み、他に炭酸ガス、水蒸気な
どの無機ガスを包含している。
石油随伴ガスからLPGを回収する方法としては、従来
■冷凍方式、■吸着方式及び■吸収方式などの方法が実
施されている。■冷凍方式は、冷凍機を用い高圧の石油
随伴ガスをLPG原料の液化温度以下に冷却し分離する
方法である。■吸着方式は、活性炭やシリカゲルなどの
固体吸着剤を用い、この吸着剤の層に石油随伴ガスを通
し、炭素数の大きな高級炭化水素を吸着させた後、熱ガ
スを作用させ当該高級炭化水素ガスを追い出し、更に冷
却液化させてLPGを得る方法である。また■吸収方式
は、吸収塔を使用し該吸収塔の上部から軽油等の吸収油
を導入し、下部から石油随伴ガスを供給することにより
高級炭化水素を吸収させ、次いで吸収油をLPG成分の
沸点以上に加熱することにより高級炭化水素を追い出し
更に冷却し液化させる方法である。
これらの方法で回収したLPGは、蒸留塔に供給して段
階的にエタン、プロパン、ブタン及び炭素数5以上の炭
化水素留分に分離している。天然ガスの場合も、上記石
油随伴ガスの場合と同様の方法が採用され実施されてい
る。
一方、製鉄工場においては、鉄鉱石を精練するためにコ
ークスが使用されており、コークス炉から排出されるガ
スには種々雑多な化合物が含有され煩雑な分離精製工程
を経てガスが処理されている。即ち、コークス炉排ガス
には、微量ではあるが芳香族化合物が含まれているので
該排ガスを冷却し芳香族化合物を凝縮させることにより
分離回収しているのが現状である。また、芳香族化合物
以外の炭化水素化合物については、ナフサや灯軽油さら
には他の特殊な化合物を吸収液として用いる吸収法など
が採用されている。
近年、膜を利用して混合ガスを分離する方法が開発され
、同位体元素、希ガスの分離濃縮、水素、酸素分離濃縮
、人口肺などの人口臓器、人口えらなどに応用されはじ
めている。、これを分離の原理に関する膜の種類でみる
と、同位体元素の濃縮にはバイコールガラスや酸化アル
ミニウムの焼結物からなる平均径500  以下の無機
系の隔膜、テフロン膜等が用いられ、水素分離濃縮には
30  未満の平均孔径を存する膜(いわゆる均質膜)
が用いられている。これらの膜は膜厚を小さくすると気
体の透過量が増加しを利となるので、膜を非対称膜、複
合膜の形状とし、分離に効果ある部分を薄くした膜が用
いられる。
多孔膜を用いたときのガス分離方法は、自由分子流れ、
あるいはクヌーセン流れと称する流れが利用される。こ
の時の各ガスの透過率(後述)は、基本的に、ガス分子
量の分子量の 乗に反比例することが理論的に明らかに
されている。各ガスの分子量が異る時、透過率が違うの
で膜を介して分離が可能となる。
多孔膜を用いたガス分離方法として、多孔膜と気体分子
間の相互作用を利用する方法も考えられる。分子量の大
きな気体または高沸点気体は比較的低温において大きな
透過率を示すことが多くの文献に報告されている。この
流れは、ガス状分子が細孔内表面に吸着し移動すること
により生ずる、と言われており、表面拡散流れ、などの
名称が与えられている。
現行の手段では細孔を確認できない孔径が30“λ以下
の高分子III(非多孔質高分子膜、または均質高分子
膜などと称する)を用いたときのガス分離機構は、ガス
状分子の膜中への溶解度および拡散速度の差を利用する
溶解拡散機構と呼ばれるものである。酢酸セルロース、
ポリイミドなどから成る多くの均質高分子膜は、水素あ
るいはヘリウムをメタン、一酸化炭素、窒素などに比べ
より多く透過させることが知らせており、これら高分子
を薄膜の非対称膜あるいは複合膜の形状として、気体分
離の実質的な薄膜化を行った上で、工業的な利用を図る
ことが研究され、一部実用化されている。
一方、溶解拡散機構によってガスを分離する非多孔質高
分子膜のうちでもシリコンゴムなどで代表されるオルガ
ツボ・リシロキサンから成る膜は他の高分子に比べて気
体透過係数(後述)が10〜lOcm(STP)・cl
Il/cI12・see −cmllg (以下PUと
略す)と、極めて吠きく(他の高分子の多くは1O−1
°〜10−14 Pυ)古くから気体分離用均質膜材料
として注目されてきた。
ここで、気体透過係数とは次のように定義される。
膜を介して気体が透過する時、その透過速度Q[cd(
STP)/s]は次式で表わされる。
ρ ΔP:膜前後前後体分圧の差[cmllC]x  :l
l厚E cm ] 気体透過係数は、多くの場合、ガス種類、温度のみの関
数であり、その膜中の、そのガスの、その温度における
透過性の尺度である。
また、気体透過率とは次式で示されるRであり、気体透
過速度との間にQ−R−A・ΔPの関係がある。
気体透過率Rは、実際に用いる膜の厚みと気体透過係数
の関数となり、厚みのある膜の、そのガス、その温度に
おける透過性の尺度である。
(発明が解決しようとする問題点) 上記の如く、流動接触分解装置からの排出ガスはナフサ
等の吸収液によって分離回収しているのが現状であるが
、この方法では排出ガス中の炭化水素回収率が低く、そ
の回収率を高めようとすれば装置の設置費および装置の
運転費を高めざるを得ない。
また、石油タンクからのパージガス中の炭化水素を回収
する場合についても同様な問題点が指摘されており、原
油タンカーのパージガスについては、未だ炭化水素の回
収作業は実施されておらず省資源および公害防止上その
対策が急務とされている。これらナフサによる吸収法が
、炭化水素の回収率の割に高い運転費を要するのは、吸
収される炭化水素の沸点がナフサよりもかなり低くナフ
サへの溶解性が悪いためであるから、当該炭化水素を選
択的に透過しつる膜を用いれば炭化水素の回収率を格段
に向上しうるものと考えることができる。
石油随伴ガス及び天然ガスは、産地にもよるが通常70
26以上ものメタンを含有している。即ち、エタンやプ
ロパンなどの炭化水素に比べてメタンが圧倒的多量の組
成となっているため、前記各方式では分離操作における
平衡が不利となり結果的に設備コストや運転コストの増
大を招いているのが現状である。石油随伴ガスは、かつ
て中東や東南アジア地域などでは当該ガスをフレアース
タックで燃焼させていたが、今後は石油随伴ガス中のL
PGは省資源の観点から積極的に回収してゆこうという
動きにあり、鋭意回収プロジェクトもJIE進されつつ
ある。従って設備コストや運転コストが小さく効率的な
LPGの回収方法の出現が切望されている状況である。
膜を用いるガス分離方法としては前記のとおり(a)バ
イコールガラス等の膜を用いる方法、(b)酢酸セルロ
ース等の均質高分子膜を用いる方法、および(C)シリ
コンゴム等のオルガノポリシロキサン膜を用いる方法が
知られている。
しかしながら、(a)バイコールガラスやテフロン膜等
の多孔膜の透過率比はきわめて小さく、例えば、空気を
何らかの多孔膜を用いて分離した時の透過速度比は1.
07であり、この様なわずかな透過率比を利用した分離
は、ウラン同位体分離など特殊な用途には採用しつるが
、炭化水素の回収に利用することには技術上の問題があ
る。また多孔膜と気体分子間の相互作用を利用する方法
では、この流れが存する時の各ガス透過率比が小さく、
炭化水素ガスの分離に利用するには不充分である@また
、(b)酢酸セルロース、ポリイミドなどの高分子は水
素あるいはヘリウム以外のガス透過性が悪いので、炭化
水素ガス混合物を工業的に分離するのは困難である。
さらに、(C)オルガノポリシロキサン膜は、材料の強
度が小さいため薄膜化が困難であり、25μm以上の厚
さのフィルムは報告されているが((i、E、、511
1con Unbacked ; D、L、2111g
、et、al、。
Journal or Membrane 5cien
ce、  6.259(1980))、24μm以下の
フィルムは知られていない。現在知られている膜厚のオ
ルガノポリシロキサン膜では気体透過係数Pは大きいも
のの膜厚lが大きいために気体透過率Rが低く、炭化水
素を含有するガス混合物の工業的分離には適用できない
天然ガスをを有機高分子の膜を用いてガス分離する方法
としては、例えば特開昭58−183905号にてアル
キン単量体のポリマーを主体とする分離膜が提案されて
いる。この特許出願によれば、単量体として2−オクチ
ン、三級ブチルアセチレンあるいは2−デシンなどを原
料として夫々ポリ−2−オクチン、ポリ(三級ブチルア
セチレン)およびポリ−2−デシンを製造し、これを用
いて窒素、酸素、炭酸ガス並びに水素などの混合ガスの
ガス分離を検討している。そして当該分離膜は天然ガス
では、ヘリウムとメタンの分離に応用しつると記載され
ている。しかしながら、天然ガスからエタン以上の炭化
水素を分離することについては記載がなく、かような分
離特性を有する分離膜の出現がま・たれている。
(問題点を解決するための手段) 本発明者らは、高分子薄膜を利用する工業的ガス分離方
法に関し、種々の観点から鋭意検討を加えた結果、多孔
性薄膜の孔部分がオルガノポリシロキサンで閉寒充填さ
れた薄膜が、大きな気体透過率を有すること、更に該薄
膜を使用すれば水素、窒素、一酸化炭素、メタンおよび
炭素数2以上の炭化水素から成る成分のうち二成分以上
を含有する混合ガスから炭化水素を効率的に分離しうる
ことを見い出し、本発明を完成した。
本発明の目的は、水素、窒素および炭化水素等からなる
ガス混合物から炭化水素を高率で回収する方法を提供す
ることである。また本発明の第二の目的は、比較的安価
に分離装置を設置し該装置を経済的に運転することによ
り効率的に炭化水素ガスを分離する方法を提供すること
である。
本発明は、ポリオレフィンからなる多孔性薄膜の孔部分
が、オルガノポリシロキサンで閉寒充填された高分子複
合膜を用いて気体状混合体が水素、窒素、一酸化炭素、
メタンおよび炭素数2以上の炭化水素化合物から選択さ
れる少なくとも2以上の成分を含有し、その内少なくと
も一成分が炭化水素化合物である混合ガスから、少なく
とも一種の炭化水素化合物を分離することを特徴とする
ガス分離方法を要旨とするものである。
又、分離条件として、分離器温度については低温の方が
分離効率が高<−10〜20”Cで、特に好ましくは0
〜10℃である。混合ガスの供給速度としては、膜の厚
さ、採用する温度、圧力条件、回収率、カットにもよる
が、多くの場合膜厚がlμfilで膜面積1 cJ当り
0.5〜40cm 3(STP)/S好ましくは1〜3
0cm3(STP)/Sを採用することができる。
ここでam” (STP)とは0℃1気圧の状態に換算
した気体体積である。
次に、本発明のガス分離方法の一例を第1図を用いて説
明する。第1図は、流動接触分解装置からの排出ガスに
含有される炭化水素化合物を、窒素や一酸化炭素の無機
系ガスから分離する方法を示したものである。
流動接触分解装置は、反応塔(1)、再生塔(2)、精
留塔(3)及びガス分離装置(4)から構成される。
原料油は反応塔下部に導入され反応塔内で触媒と接触し
分解される。分解生成物は、反応塔上部から抜き出され
て精留塔へ導入され、沸点の差によってガス、ガソリン
、軽質軽油・重質軽油及び塔底油とに分留される。
反応塔内の触媒は、流動床を形成し一定時間原料油の分
解反応に供せられた後、表面に付着堆積した炭化物を除
去するため再生塔へ移送される。
再生塔では、その下部のブロワ(20)から空気が圧送
され高温(約1000〜1400℃)に加熱されること
により触媒から炭化物が焼却され、触媒の活性が回復す
る。活性が回復した触媒は、再び反応塔へ移送され分解
反応に供されることになる。
再生塔において発生した燃焼生成ガスは、動力回収袋f
fi (30)のエキスパンダータービンにより運動エ
ネルギー、熱エネルギーがを効利用されたあと、流量制
御されCOボイラ(40)へ導入され燃焼される。
精留塔の塔頂から抜き出されるガスは主に窒素、水素、
メタン、エタン、エチレン及びプロピレンから成るので
、ガス分離装置でエタン、エチレンとプロピレン、特に
プロピレンを回収すべく処理される。分離膜装置は一種
のa過装置であり、中間に高分子複合III (6)の
隔壁を有している。隔壁は図の如く平膜として設置して
もよいし、プリーツ状と称せられる折り畳んだ形状でも
よいし、スパイラル状と称せられる巻き込んだ形状でも
よい。
分離膜装置では、排ガス中の膜に対して易透過性ガス(
エタン、エチレン、プロパン及びプロピレン等の炭化水
素)が30容量%以上の高率で高分子複合膜を透過する
ように条件が設定される。分離膜装置は低温に設置され
るほど、ガス分離効率が高<、−10〜20℃特に、O
〜10”Cの条件で運転した場合、排ガス中のプロピレ
ンを50容量%以上分離することができる。
ガスは、分離膜装置内で短時間滞留することにより膜に
対し易透過性ガスと難透過性ガスとに分離され、夫々バ
ルブ(34)と(3G)とにより系外へ抜き出される。
こうして抜き出されたガスは、エタン以上の炭素数を有
する炭化水素を主成分とするためエチレン及びプロピレ
ンを回収するための原料、またはエチレン及びプロピレ
ンを製造する原料とされるか、ガス燃料として製品化さ
れる。一方、難透過性ガスは窒素及び水素を主とするた
め、ガス分離装置を設置する以前の排ガスの利用方法と
同じく燃料として使用される。
又、第2図は、高分子複合膜を用いて石油随伴ガスから
LPGを分離回収する方法を示したものである。
本発明の方法は、石油随伴ガスの予備冷却工程、膜分離
工程及び後処理工程から構成される。予備冷却工程は、
石油随伴ガス(50)をクーラー(51)によって−5
℃〜5℃の範囲に冷却し次の膜分離工程における分離の
性能を向上させる工程である。
膜分離工程は、混合ガスを分離膜装置(4)によって処
理しエタン、プロパン及びブタンを他のガスと分離する
工程である。分離膜装置は一種の濾過装置であり、中間
に高分子後・金膜(6)の隔壁を有している。隔壁は図
の如く平膜として設置してもよいし、プリーツ状と称せ
られる折り畳んだ形状でもよいし、スパイラル状と称せ
られる巻き込んだ形状でもよい。分離膜装置では、石油
随伴ガスの膜に対して易透過性ガス(エタン、プロパン
及びブタン等の炭化水素)が30容量%以上の高率で高
分子化合物を透過するように条件が設定される。分離膜
装置は低温に設置されるほど、ガス分離効率が高く〜、
−10〜20℃特に、0〜10℃の条件で運転した場合
、ガス中のエタン以上の炭化水素を50容量%以上分離
することができる。
ガスは、分離膜装置内で短時間滞留することにより膜に
対し易透過性ガスと難透過性ガスとに分離され、夫々バ
ルブ([io)と(B1)とにより糸外へ抜き出される
。こうして抜き出された難透過性ガスは、メタンを高濃
度で含有するため高圧セールスガスとして利用される。
また易透過性ガスは、次いで後処理工程へ送られる。後
処理工程は、エタン等からなる易透過ガスを冷凍機(8
0)及び蒸留塔(95,98,97)により各成分に分
離、する工程である。
分離膜装置からの易透過性ガスは、コンプレッサー(7
0)により圧縮されて冷凍機へ導入される。大気圧から
lO気圧程度に圧縮された易透過性ガスは、冷凍機によ
って−100〜−50℃に冷却される。冷凍機によりエ
タン、プロパン及びブタンは液化し、セパレータ(90
)へ導入され、メタン等の混入ガスは経路(91)によ
り予備冷却媒体としてクーラーへ導入される。セパレー
タからの液化ガスは、蒸留塔即ち脱エタン塔(95)、
脱プロパン塔(9G)及び脱ブタン塔へ順次導入されて
、夫々エタン・プロパン、ブタン及びペンタン以上の炭
素数を存する炭化水素に分離される。
分離されたエタンは自家燃料として利用され、プロパン
及びブタンはLPGとして、またペンタン以上の炭素数
を有する炭化水素は天然揮発油として利用される。
次に、本発明の高分子複合膜について詳細に説明する。
本発明において用いるポリオレフィンは、オレフィンの
単独重合体または共重合体の、結晶性の線状ポリオレフ
ィンで、その重量平均分子量が5×10 以上、好まし
くはlXl06〜1×lo7のちのである。例えば、ポ
リエチレン、ポリプロピレン、エチレン−プロピレン共
重合体、ポリブテン−11ポリ4−メチルペンテン−1
などがあげられる。これらのうちではWffi平均分子
量がI×10B以上のポリエチレンまたはポリプロピレ
ンが好ましい。ポリオレフィンの重量平均分子量は、得
られる複合膜の機械的強度に影響する。超高分子量ポリ
オレフィンは、超延伸により極薄で高強度の製膜を可能
とし、自己支持性気体選択透過膜の実用化ができる。f
fi量平均分子量が5×105未満のポリオレフィンで
は、超延伸による極薄高強度の膜が得られない。
本発明で用いるオルガノポリシロキサンは、1個のケイ
素当り少くとも1個以上のケイ素一酸化炭素結合を有し
、ケイ素一酸化炭素結合(−81−O−31−)をくり
返し単位とする高分子化合物である。その重合度は一般
に10以上、特に10〜to、oooのものが好ましい
。オルガノポリシロキサンの具体例としては、を機基が
・メチル基であるポリジメチルシロキサンポリマーを基
本とし、ポリシロキサン鎖の末端または内部に水素、ビ
ニル基、ヒドロキシルぶ、アミノ基、カルボキシル基、
エポキシ基、メタクリロキシ基、メルカプト基、長鎖ア
ルキル基、フェニル基、塩素またはフッ素などか結合し
た変性ポリシロキサン、さらには主鎖に非ポリシロキサ
ン部分をもつもの、例えばアルキレンオキシド変性ポリ
シロキサン、シリコーン変性共重合体、アルコキシシラ
ン変性重合体などがあげられる。これらオルガノシロキ
サンのうちではポリメチルビニルシロキサン、ポリメチ
ルフェニルビニルシロキサン、ポリメチルフルオロビニ
ルシロキサンあるいは末端が水酸基封鎖ポリジメチルシ
ロキサンなどポリシロキサン鎖の内部または末端にビニ
ル基あるいは水酸基などが結合した変性ポリシロキサン
が好ましい。
また、オルガノポリシロキサンには必要に応じて架橋剤
または補強材を添加して用いることができる。
本発明における多孔性薄膜・の厚さは、0.1〜20μ
m好ましくは0.15〜8μm、更に好ましくは0.2
〜5μmである。厚さが0.1μm未満では支持膜とし
ての機械的強度が小さく実用に供することが難かしい。
一方、20μmを超える場合は炭化水素の透過速度が低
下して好ましくなく、さらに溶液塗布法では気体選択透
過層の形成において実質的な極薄化が図れない。また、
多孔性薄膜の気孔率は、30〜95%が好ましく、より
好ましくは50〜90%の範囲である。気孔率が30%
未満では単位膜面積当りの気体透過能が不十分であり、
一方95%を超えると支持膜としての機械的強度が小さ
くなり実用に供することが難かしい。また、その平均貫
通孔径は、0.001〜1μmが好ましく、より好まし
くは、0.005〜0.1μmの範囲である。平均貫通
孔径が0.001μm未満になると炭化水素の透過速度
が低下し、一方、1μmを越えるとガス分離操作を行う
際の圧力差で気体選択透過層が変形しやすくなりピンホ
ールの発生をひき起し易くなり好ましくはない。さらに
、その破断強度は200kg/c−以上を有することに
・より支持膜としての実用化を可能とする。
上記のような多孔性薄膜は次のような方法で製造できる
。超高分子量ポリオレフィンを流動パラフィンのような
溶媒中に1〜15重量%加熱溶解して均一な溶液とする
。この溶液からシートを形成し、急冷してゲル状シート
とする。このゲル状シート中に含まれる溶媒量を、塩化
メチレンのような揮発性溶剤で処理して10〜90%f
f1ffiとする。このゲル状シートをポリオレフィン
融点以下の温度で加熱し、面倍率で10倍以上に延伸す
る。この延伸膜中に含まれる溶媒を、塩化メチレンのよ
うな揮発性溶剤で抽出除去した後に乾燥する。
本発明におけるオルガノポリシロキサンによる多孔性薄
膜の孔部分の閉塞充填は、オルガノポリシロキサンが多
孔性薄膜の孔部分を連続して被覆閉塞かつ充填あるいは
連続被覆しかつ閉塞充填、さらには非連続被覆による充
填閉塞が包含されるが、ガス透過性の上からは非連続被
覆による充填閉塞、特にオルガノポリシロキサンの膜が
孔部分に選択的に形成されたものが好・ましい。
また、上記におけるオルガノポリシロキサンの閉塞充填
した膜厚は、20μm以下が好ましく、より好ましくは
0.1〜20μmの範囲である。膜厚は可能な限り薄く
することが好ましいが、過度に薄くするとピンホールが
発生し、一方、20μmを越える厚さでは気体透過性を
低下させるために好ましくない。また、多孔性薄膜の孔
部分に選択的に充填して薄膜を形成するオルガノポリシ
ロキサンの量は、5〜90重量%が好ましく、より好ま
しくは10〜80重量%である。
なお、上記の多孔性薄膜に閉塞充填したオルガノポリシ
ロキサンは、強度を向上してピンホールを防止するうえ
から架橋状態であるものがより好ましい。
本発明の高分子複合膜の製造方法としては、例えば、■
前期の多孔性薄膜にオルガノポリシロキサンの液または
希釈溶液をコーティングする方法、■多孔性薄膜上でオ
ルガノシロキサンモノマーを重合製膜してオルガノポリ
シロキサン膜を形成する方法、■多孔性薄膜の製造工・
程でオルガノポリシロキサンを充填して加熱延伸して製
膜す、る方法などあげられる。
コーティング方法としては、多孔性薄膜に対して非溶媒
である有機溶剤に溶解したオルガノポリシロキサンの溶
液を多孔性薄膜へスプレー、塗布あるいは護膜を液中に
浸漬、その他のコーティング操作があげられる。有機溶
剤を蒸発固化させた膜はさらに架橋を行うことがより好
ましい。コーティング厚さは複合膜として0.1〜20
μmとすることが好ましい。
本発明の高分子複合膜の製造方法のうちでは、特に多孔
性薄膜の製造工程でオルガノポリシロキサンを充填して
加熱延伸する方法が、オルガノポリシロキサンの薄膜を
形成するうえから好ましい。
この製造方法について以下に説明する。
ffff1平均分子ffi 5 X 105以上のポリ
オレフィンを、溶媒中で加熱溶解して均一な溶液に調製
する。
このときの溶媒としては、該ポリオレフィンを十分に溶
解できるもので、例えば飽和脂肪族炭化水素、環式炭化
水素、芳香族炭化・水素またはこれらの混合物などがあ
げられる。好適な例としては、パラフィン油、デカン、
ウンデカン、ドデカン、テトラリン、などの脂肪族また
は環式の炭化水素あるいは沸点がこれらに対応する鉱油
留分などがあげられる。加熱溶解は、該ポリオレフィン
が溶液中でゲル化する温度よりも高く溶媒中に完全に溶
解する温度で行なわれる。温度はポリオレフィンの種類
および使用される溶媒により異なるが、−mには140
〜250”Cの範囲である。また・溶液中に存在するポ
リオレフィンの濃度は1〜15ffl(2t%、好まし
くは2〜8重量%である。このポリオレフィン溶液を適
宜選択されるダイスからシート状に押し出し、あるいは
支持体上に流延し、水浴、空気浴、溶剤などでゲル化温
度以下、好ましくは15〜25℃の温度に少なくとも5
0℃/分の速度で冷却してゲル状シートを成形する。ゲ
ル状シートの厚さは通常0.1〜■5關程度に成形する
ゲル状シート中の溶媒とオルガノポリシロキサンの置換
は、予め脱溶媒処理を行った後または未処理のゲル状シ
ートについて行・うことかできるが、置換をより容易に
行うためには予め脱溶媒処理を行った後に行うことが好
ましい。
ゲル状シート中の溶媒を除去する方法としては、ゲル状
シートの加熱による溶媒の蒸発除去、圧縮による除去、
揮発性の溶剤による溶媒の抽出除去、凍結乾燥によりゲ
ル状シートの網状組織を保ったままでの溶媒の除去など
があげられるが、ゲル状シートの構造を著しく変化させ
ることなく溶媒を除去するためには、揮発性溶剤による
抽出除去が好ましい。ゲル状シート中の溶媒は1重量%
以下まで除去することが好ましい。この揮発性溶剤とし
ては、例えばペンタン、ヘキサン、ヘプタン、トルエン
などの炭化水素、塩化メチレン、四塩化炭素、三塩化三
フフ化エタンなどのハロゲン化炭化水素、ジエチルエー
テル、ジオキサンなどのエーテル類、その他のメタノー
ル、エタノールなどのアルコール類などがあげられる。
脱溶媒処理を行ったゲル状シートは、脱溶媒処理の揮発
性溶剤の存在下または不存在においてオルガノポリシロ
キサン液もしくはその稀釈溶液中に浸漬またはそれをコ
ーティングすることによって置換できる。また、溶媒を
含む未処理のゲル状シートは、オルガノポリシロキサン
液もしくはその稀釈溶液を圧入することによって置換す
ることができる。このオルガノポリシロキサンの置換方
法のうちでは、オルガノポリシロキサン稀釈溶液に、脱
溶媒処理後の揮発性溶剤存在下のゲル状シートを浸漬す
る方法がオルガノポリシロキサンの置換をより容易にす
るうえから好ましい。
上記で用いるオルガノポリシロキサンは、例えば、シリ
コーンオイル、シリコーン生ゴムとして市販されている
重合度が10以上、好ましくはlo〜10.000のも
のが利用できる。重合度が10未満では後述の加熱延伸
における揮発逸散が無視できなくなり好ましくない。ま
た重合度が100を大きく越えると高粘度となるため、
ゲル状シートへ均一に充填することが困難となるので、
前期のような揮発性溶剤で稀釈することが望ましい。稀
釈濃度は、ゲル状シート中に充填するオルガノポリシロ
キサンの量によって異なるが、少なべとも0.0511
fff1%が好ましく、特に0.5重量%以上が好まし
い。濃度が0.05重量%未満ではゲル状シート中に充
填されるオルガノポリシロキサンが不足し、後述の加熱
延伸でピンホールが生じ易くなる。さらに、溶液の粘度
は、ゲル状シート全体にわたって均一に充填するために
、25℃において500cst未満が好ましく、特に1
00cst未満が好ましい。
なお、上記のオルガノポリシロキサンまたはその稀釈溶
液には必要に応じてオルガノポリシロキサンの架橋剤、
例えばを機過酸化物、3個以上の官能基を有する有機ケ
イ素化合物、アルキルオルソシリケート、金属系触媒あ
るいは合成シリカなどの補強材、その他の添加剤を少量
調合してもよい。
ゲル状シートへのオルガノポリシロキサンの充填量は、
5〜90重量%が好ましく、特に10〜80重量%が好
ましい。オルガノポリシロキサンの充填量が5重量26
未満では、後述の加熱延伸においてピンホールを生じ易
い。一方、90重量%を越えると後述の加熱延伸で余分
なオル・ガノボリシロキサンが表面にしみ出して彼覆す
るためにオルガノポリシロキサン膜の実質的薄膜化を図
れない。このオルガノポリシロキサンの充填量は、ゲル
状シート中に存在する揮発性溶剤中、オルガノポリシロ
キサン溶液の濃度、ゲル状シートのオルガノシロキサン
溶液への浸漬時間などによって調節できる。
なお、ゲル状シートをオルガノポリシロキサン溶液中に
浸漬あるいはそれでコーティングする前の、該ゲル状シ
ート中に含まれる揮発性溶媒の著しい蒸発は、該ゲル状
シートの網状組織の緻密化が進み過ぎて必要量のオルガ
ノポリシロキサン溶液の充填が困難となるために避ける
ことが必要である。
ゲル状シート中の揮発性溶剤中の過度の蒸発を防ぐ手段
としては、例えば脱溶媒処理からオルガノポリシロキサ
ン溶液への浸漬またはコーティング操作の迅速化または
その雰囲気を揮発性溶剤の飽和蒸気で満たすなどの方法
があげられる。
オルガノポリシロキサン溶液で置換したゲル状シートは
揮発性溶剤を除去してオルガノポリシロキサンをゲル状
シートの網状組・織中に充填する。
揮発性溶剤の除去は、自然蒸発によるかまたは減圧下で
強制蒸発することによって達成できる。
ゲル状シートは、置換されたオルガノポリシロキサン溶
液中の揮発性溶剤の蒸発に伴ないゲル状シートが3軸方
向への収縮やたわみを生ずるために、これを防止し、均
一で高倍率の延伸を可能とする平滑で二軸(縦、横)方
向に収縮の小さい原反を得るため、ゲル状シートを厚さ
方向に選択的に収縮させることが好ましい。その収縮率
は、厚さ方向に50%以上、好ましくは70%以上で、
また2軸方向には20%以下であることが好ましい。ゲ
ル状シートの厚さ方向への選択的な収縮は、例えば、ゲ
ル状シートを平滑な支持体へ密着2軸方向からの把持あ
るいは多孔質板で挾むなどの状態で易揮発性溶剤を蒸発
させる方法があげられる。
延伸は、オルガノポリシロキサンを充填したゲル状シー
トの原反を加熱し、通常のテンター法、ロール法、圧延
法、もしくはこれらの方法の組合せによって所定の倍率
で2軸延伸する。2軸延伸は、同時または遂次のどちら
で・あってもよい。
加熱温度は、原反のポリオレフィン結晶分散温度から結
晶融点+20℃までの範囲が好ましい。具体的にはポリ
エチレンで90〜180℃の温度範囲で、さらには11
0〜140℃の範囲で加熱するのが好ましい。加熱温度
が結晶分散温度未満では、樹脂の軟化が不十分で延期伸
において破膜し易く高倍率の延伸ができない。一方結晶
融点を大きく越える場合には、樹脂の過度の溶融により
延伸ができない。
また、延伸倍率は、原反の厚さによって異なるが、1軸
方向で少くとも2倍以上、好ましくは5倍以上、面倍率
で10倍以上、好ましくは25倍以上である。面倍率が
10倍未満では高強度の薄膜が得られないために好まし
くない。なお、延伸後に熱処理を施すことにより熱安定
性および強度などを改善することができる。
また、本発明の高分子複合膜に充填されたオルガノポリ
シロキサンは、架橋処理を行うことによって強度をより
向上することができる。架橋は、熱架橋性オルガノポリ
シロキサ“ン、または有機過酸化物、金属系化合物の架
橋触媒などをオルガノポリシロキサン100ffi m
部に対し0.005〜5重量部を予め添加したオルガノ
ポリシロキサンを充填したゲル状シートを加熱延伸時に
架橋する方法、あるいはオルガノポリシロキサンを充填
したゲル状シートの加熱延伸後の薄膜に放射線(r線、
電子線)IMrad以上、好ましくは5〜2014ra
d照射する方法もしくは延伸後の薄膜と水、水蒸気など
と接触させて水架橋する方法などがあげられる。
以上の本発明のガス分離方法を流動接触分解装置からの
排出ガスの分離に適用した場合、又石油随伴ガスからL
PGを回収する方法に適用した場合、及び本発明に使用
される高分子複合膜について詳述したが、本発明は当該
排出ガスを対象とするものに限定されるものではない。
原油タンカーあるいは石油タンクからのパージガスを対
象とする場合は、該パージガスを昇圧して高分子複合膜
を設置したガス分離装置へ導入し上記と同様の条件で分
離操作を行なえばよい。分離回収した炭化水素はタンク
へ・戻すかボイラー等の燃料ガスとして使用され、分離
した窒素等は清浄化されているので大気へ放出すること
ができる。
またコークス炉排ガスを対象とする場合は、従来のナフ
サによる吸収装置に代えて、高分子複合膜を有するガス
分離装置を設置し排ガスを該分離装置へ通過することに
よりエタン、プロパン及びペンタン等の直鎖状軽質炭化
水素のみならずベンゼン、トルエン及びキシレンといっ
た芳香族系炭化水素をも分離回収することができる。
本発明によれば、水素θ〜99容量%、窒素0〜99容
量%、一酸化炭素0〜99容量%、メタン0〜99容二
%および炭素数2以上の炭化水素化合物1〜70容量%
からなるガス混合物から炭化水素を効率的に分離するこ
とができる。
例えば、このような組成を有するガスとして天然ガスが
挙げられる。天然ガスからエタン以上の炭素数を有する
炭化水素を回収する場合、上記石油随伴ガスの場合と同
様にして実施することができる。この場合、石油随伴ガ
スよりもメタンの含有量が数%〜30%程度多いため・
冷凍条件及び膜分離条件に留意する必要がある。即ち、
予備冷却工程では一1O℃〜θ℃、膜分離工程では−1
5℃〜−15℃特に−5℃〜5℃更に後処理工程の冷凍
段階では一120℃〜−80℃の温度条件が採用される
(作用) 本発明において高分子複合膜は、ポリオレフィンにより
製造された多孔性薄膜と該薄膜の孔部分を閉寒充填する
オルガノポリシロキサン膜から成り、多孔性薄膜は特定
平均分子量のポリオレフィンのフィルム状延伸物で、し
かも該薄膜はオルガノポリシロキサンにより複合化した
極めて薄い成形膜である。
従って、本発明の複合膜は有機高分子薄膜の上に有機置
換基をもつ無機系高分子をコートした構造を有するため
、炭化水素に対し適度な親和性を冑し窒素や水素といっ
た無機ガスに対して非親和性である。このため、水素、
窒素及び一酸化炭素といった無機ガスとメタン、及び炭
素数2以上の炭化水素といった有機ガスとの混合ガスを
複合膜と比較的低温で接触させれば、複合膜に対し吸着
性高拡散性の炭化水素が選択的に透過し無゛機ガスから
烏効率で分離することができるものと考えられる。
(実施例) 実施例1 窒素15厘o l % sプロピ1冫16水素、炭化水
素混合ガス(FCC排出ガス類似組成)を本発明の高分
子複合模本を用いて分離した。
温度は0℃、上流圧力は10kg / cj に 、下
流圧力は0、1〜0.21(g/ cd G 、カット
(ガス洪給量に対する透過量の割合)は25〜31%と
した。その結果、第1表に示す如く高いプロピレン回収
率が得られた。
*テストピースの直径(宵効部分)3c+n〃   の
面積(”)7cシ 第1表 実験番号        12 複合膜厚さ、μm       0.9    8上流
圧力、kg / cシG      10    t。
下流圧力、kg/cdG      O.2   0.
1ガス供給速度、cm3(STP)/9 3B.0  
 3.8透jn 4 1K、cm3(STP)/S  
  9.0   1.1カツト、%         
2531透過窒素、llol%      2.9  
 3.7透過プロピレン、Mo1S  3430プロピ
レン回収率、%   5357 この結果から、 (1)透過ガス中の窒素は2.9〜3.7 a+o1%
と減じ、プロピレンは30〜34IIIo1%と濃縮さ
れ、(2)より薄い複合膜がより多くのガスを透過する
、ことがわかる。
実施例2 窒素51mo1%、プロピレン49mo1%の混合ガス
を本発明の高分子複合膜*を用いて分離した。温度は0
〜30℃、上流圧力は3 kg / cd G 、下流
圧力は0.10〜0.2kg / eJ G 、カット
は9〜23%とした。
その結果、第2表に示すデータを得た。 1零テストピ
ースの直径(有効部分) 3cm〃   の面積(” 
 )?cd 第2表 複合膜厚さ、μm     O,90,96[1温度、
”C30253010 上流圧力、kg/ cl G    3.0 3.0 
3.0 3.0下流圧力、kg/ +j G    O
,10,20,10,1供給量度、CDI” (STP
)/S  45.8 15J  6.787.07透過
速度、ctrr” (STP)/S4.0 3.5 0
.820.90カツト、%         9 23
  12 13透過窒素、1IlO1%     11
 11  16  7透過プロピレン、IQo1%  
89 89  84 93プロピレン回収率、%   
1G  42  21 24第2表から、 (1)透過ガス中の窒素は7〜IQmo1%と減じ、プ
ロピレンは84〜93mo1%と濃縮された。
(2)より薄い複合膜がより多くのガスを透過し、選択
性は両者間で差が小さい。
(3)低温の方が選択性が良く、透過性は差が小さい、
ことがわかる。
実施例3 メタン67.8 llol%、エタン19.On+o1
%、プロパン10.2 Mo1S、ブタン3.Oa+o
1%を含む、炭化水素混合ガス(石油随伴ガス類似組成
)を本発明の高分子複合膜*を用いて分離した。上流圧
力10.0kg / cj G 、下流圧力0.0〜1
.0 kg/ cIfG 、カット(ガス供給量に対す
る透過量の割合)は10.0〜30.1%とした。その
結果、第1表に示す如くエタン・プロパン及びブタンが
濃縮された。
*テストピースの直径(有効部分)3cm〃   の面
積(〃)7cm 第3表 腹合膜厚さ1.[u    2.9  2.8  2.
[l  2.Q分離器温度、’C112−L   G 
  −2上VIE圧力、kH/eシG   10,0 
10.0 10.0 10;0下流圧力、kg/I!j
G   O,00,0G、0  1.0t+ua速度、
am” (STlす/SlB、[l  18.0 4.
18 4.11透過速度、am’ (ST1つ/S1.
all  1.[141,2[i  1.2BプJ・ソ
ト、 %             LO,tl   
 ltl、2  1111.1   20.11(フィ
ード) 透過CI、Mo1S   4Q、Q  41.0 G+
1.ll  r+5.1  ([i7.8)C2,11
101%    Z[i、8 28.22G、1 24
.1  (l11.0)C3,1101%      
  2U、tl   22.3 10.0  1G、2
    (10,2)lc4.1101%     4
.0 4.7. 3.2  Ll  (L、’1)oc
4、Mo2S     2.0 2=u  1.u  
1.7  (L、1)C2濃縮倍率(倍>     1
.4  1.fi  1.1  1.1C2(り濃)1
旧き率((n)   2.0  2.B   L、[l
   1.5この結果、次のことが言える。
(1)透過ガス中のメタンは41.9〜55.11Il
o1%と減じエタンは24.9〜28.2+go1%、
プロパンは15.2〜22.3瓜o l % sブタン
は4.8〜7.6■o1%と;層線された。
(2)分離器の温度を32℃と−1”Cとし、その他の
条件をほぼ同一とした場合、−1℃の方がエタン及びプ
ロパン以上の炭化水素の回収倍率が高い。(実験番号1
と2)このことから本発明によるガス分離は低温の方が
好ましい。
(3)供給ガス量に対する透過ガス量の割合(カット)
を10%から30%へ上昇させた場合(他の条件はほぼ
同一)エタン、プロパン、ブタンの濃縮倍率は低下する
(実験番号2,3)。カット割合を上げることは透過ガ
ス量を多く得ることになるが、濃縮倍率を考えると低め
の方が良い。
(4)透過ガスの圧力を0.0 kg/cm2Gから1
.0 kg/ cj Gとした場合(他の条件はほぼ同
一)エタン、プロパン以上の炭化水素の回収倍率はほぼ
同じである(実験番号3.4)。一般の膜分離において
は透過ガスの圧力が高くなると、濃縮倍率は低下すると
予想される。一方、透過ガスの圧力は若干でも正である
ことが好ましい。本発明によるガス分離は、実験番号3
.4かられかるように透過ガスの圧力を若干の正にして
も分離の性能が変らないので、実用上好都合である。
比較例−1 信越シリコーンKn−103なる商品名のシリコーンオ
イル95重量部に対し同添付触媒5重量部をノルマルヘ
キサン溶媒を用いて10%に希釈し、ガラス板上に展開
し溶媒を蒸発させ24時間以上室温にて放置し、架橋硬
化させてポリジメチルシロキサン膜、いわゆるシリコン
ゴム膜を得た。
このシリコンゴム膜の厚みは290μmであった。
実施例2と同じ混合ガスを、シリコンゴム膜を用いて分
離した。温度は0〜30℃、上流圧力は3 kg/ c
j G 、下流圧力を0.0kg/ cd G 、カッ
トは11〜13%とした。その結果、第4表に示すデー
タを得た。
第4表 温度、℃030 上流圧力、kg / cシG      3.0  3
.Q下流圧力、kg/ cd G      O,00
,0供給速度、cm” (STP)/S    O,1
430,130透過速度、Cff13(STP)/S 
   O,0180,014力ツト1%       
   13   11透過窒素、a+o1%     
  6   14透過プロピレン、so1%    9
486プロピレン回収率、%     2419第4表
から、 (1)透過ガス中の窒素は6〜14a+o1%と減じ、
プロピレンは86〜94−01%と濃縮された。この結
果を実施例2(第2表)と比べると、シリコンゴム膜の
選択性は、本発明の高分子複合膜の選択性とほぼ同じで
ある。本発明の高分子複合膜の選択性は基本的に孔部分
を閉塞充填して一一るオルガノポリシロキサン(実施例
2ではポリジメチルシロキサン)の選択性に拠っている
ことが示されている。
(2)透過速度を実施例2(第2表)のそれ゛と比べる
と、それら膜の厚さに反比例しており、本発明の高分子
複合膜がはるかに多くのガスを処理できる◎従って、本
発明の高分子複合膜が工業上、非常にを効である。
比較例−2 実施例3と同じ混合ガスを比較例1に使用したシリコン
ゴム膜を用いて分離した。温度は0〜30℃上流圧力は
10kg/cシロ1下流圧力を0.0噌/ cd01カ
ットは10〜11%とした。その結果、第5表に示すデ
ータを得た。
第5表 実験番号     1314 温度、’0        31   0上流圧力、I
<g/ cd G    10.0  10.0下流圧
力、kg/c+JG    o、o   o、。
供給速度、cm3(STP)/S  O,1680,1
60透過速度、cm3(STP)/S  O,017G
、01Bカツト、%       10.2  10.
0(フィード) 透過、 CI 、 a+o1%   4B、4  42
.2  (87,8)C2、”     2B、5  
28.5   (19,0)C3、”      20
.5   21.5   (10,2)IC4、”  
    4.1    4.8    (1,9)nC
4、”      2.5    3.0    (1
,1)C24縮倍率(倍>   1.4  1.5C3
(+)a縮倍率(倍)  2.1  2.2第5表から
、 (1)エタンは、1.4〜1.5倍に濃縮され、プロパ
ンとブタンは合わせて2.1〜2.2倍に濃縮された。
この結果を実施例3(第3表)と比べると、シリコンゴ
ム膜の選択性は、本発明の高分子複合膜の選択性とほぼ
同じである。本発明の高分子複合膜の選択性は基本的に
孔部分を閉塞充填しているオルガノポリシロキサン(実
施例3ではポリジメチルシロキサン)の選択性に拠って
いることが示されている。
(2)透過速度を実施例3(第3・表)のそれと比べる
と、それら膜の厚さに反比例しており、本発明の高分子
複合膜がはるかに多くのガスを処理できる。従って、本
発明の高分子複合膜が工業上、非常に存効である。
(発明の効果) 本発明によれば、水素、窒素及び一酸化炭素といった無
機ガスとメタン、エタン、プロパン及びブタンといった
炭化水素からなる混合ガスから、エタン以上の炭素数を
存する炭化水素を効率的に分離することができる。
従って、流動接触分解装置からの排ガス、原油タンクあ
るいは石油タンクからのパージガス、コークス炉からの
排ガス中に比較的多量に含まれる炭化水素を高率で回収
しつる。又、石油随伴ガスや天然ガスの中に比較的多量
に含まれるエタン、プロパン、及びブタンなどを高率で
回収することができる。
しかも本発明は設備費が少く、運転が容易で安全であり
さらには、省資源、公害防止といった面からも極めて優
れた効果を発揮しうるものである。
【図面の簡単な説明】
第1図は、本発明の高分子腹合膜によるガス分離方法に
係る一実施例を示す説明図で、第2図は石油随伴ガスの
分離方法を示す説明図である。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1)ポリオレフィンからなる多孔性薄膜の孔部分が、オ
    ルガノポリシロキサンで閉塞充填された高分子複合膜を
    用いて、少なくとも一種の炭化水素化合物を含有する混
    合ガス常態で気体状混合体から少なくとも一種の炭化水
    素化合物を分離することを特徴とするガス分離方法。 2)高分子複合膜が、0.1〜20μmの厚さである特
    許請求の範囲第1項の方法。 3)多孔性薄膜が、5×10^5以上の重量平均分子量
    を有する特許請求の範囲第1項の方法。 4)高分子複合膜が、ポリオレフィン溶液からゲル状シ
    ートを成形し、該ゲル状シートに含有される溶媒をオル
    ガノポリシロキサンと置換した後に、加熱し延伸して製
    造されたものである特許請求の範囲第1項の方法。 5)気体状混合体が、水素、窒素、一酸化炭素、メタン
    および炭素数2以上の炭化水素化合物から選択される少
    なくとも2以上の成分を含有し、その内少なくとも一成
    分が、炭化水素化合物からなる混合ガスである特許請求
    の範囲第1項の方法。 6)混合ガスが、石油の流動接触分解装置からの排出ガ
    スである特許請求の範囲第1項又は第5項に記載の方法
    。 7)混合ガスが、石油随伴ガスである特許請求の範囲第
    1項又は第5項に記載の方法。 8)混合ガスが、天然ガスである特許請求の範囲第1項
    又は第5項に記載の方法。
JP31447086A 1985-12-28 1986-12-25 高分子複合膜によるガス分離方法 Granted JPS62234523A (ja)

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