JPS6223237B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は、流動床式熱交換器に関し、特に、流
動床内で粒状燃料を燃焼させることによつて熱を
発生させる熱交換器に関する。

流動床の使用は、熱を創生するための好適な手
段として古くから認められている。通常の流動床
装置においては、高硫黄分瀝青炭などの燃料とそ
の燃焼によつて生じる硫黄を吸収するための吸収
材との混合物を含む粒状物質の床を支持する有孔
板または格子を通して空気を吹込む。それによつ
て粒状物質床は沸謄する液体のように挙動し、燃
料の燃焼を促進する。このような構成の基本的な
利点は、熱伝達率が比較的高いこと、床の温度が
実質的に均一であること、燃焼温度が比較的低い
こと、石炭の搬送および処理が容易であること、
腐食やボイラ付着物を減少させること、およびボ
イラのサイズを小さくすることが可能であること
である。

流動床の燃焼過程において石炭と吸収材は、適
当な供給器、注入器などによつて連続的に床内へ
導入され、使用ずみ石炭および吸収材は、床の下
方部分から、通常、熱交換器の壁を貫通して延長
させた重力ドレン管または上記有孔支持板に穿設
した排出口を通して排出される。しかしながら、
この種の装置においては、通常、最少限の数の供
給器または注入器が熱交換器の壁を貫通して装備
されるので、床内での粒状物質の分布および混合
が不良になり、反応効率が低下する。この問題
は、反応効率を高めるために良好な混合および分
布を必要とする例えば高反応性の粒状石炭や、比
較的微小粒子の石炭を使用した場合特に厳しくな
る。

従つて、本発明の目的は、床内の床物質の混合
および分布を比較的廉価で簡単な態様で向上させ
るようにした流動床式熱交換器を提供することで
ある。

本発明の他の目的は、床を流動化させるのに使
用する空気とは別の空気源を用いて床物質を床内
で循環させるようにした流動床式熱交換器を提供
することである。

本発明の更に他の目的は、追加の床物質を空気
中に懸濁させて流動床内へ導入し、床物質に運動
量を与えて床物質を循環させるような態様に差向
けるようになされた流動床式熱交換器を提供する
ことである。

本発明によれば、床物質の分布および混合を最
適にするために空気と粒状物質の混合体を、床内
の床物質の拡散および循環を誘起するような態様
で床内へ導入する。

本発明の叙上およびその他の目的ならびに利点
は、以下に添付図を参照して記述した説明から一
層明らになろう。

第１および２図を参照すると、例えばボイラ、
燃焼器またはプロセス反応器などの流動床式熱交
換器の主要部を構成する囲い体１０が示されてい
る。囲い体１０は、前壁１２と、後壁１４と、両
側壁１６，１７とから成つている。図示の実施例
では、各壁は、複数の垂直管１８を平行に並置
し、それらの管の両側から管の全長に亘つて突設
した細長いフイン２０を結合することによつて構
成された慣用の壁である。囲い体１０の上方部分
は、図示の便宜上示されていないが、対流部と、
頂壁と、燃焼ガスを排出させるための排出口を備
えており、この構成も慣用のものである。

粒状物質床２２は、囲い体１０内に収容し、囲
い体の下方部分に水平に延設した有孔板２４上に
支持させる。床２２は、例えば瀝青炭のような粒
状燃料と、その燃焼によつて放出される硫黄を吸
収するための石灰石のような吸収材との混合物で
あつてよい。

有孔板２４の真下に充気室２６を設けてあり、
充気室２６へは外部空気源（図示せず）から入口
２８を通してダンパ３０の制御下で高圧空気を導
入する。

壁１４を貫通してドレン管３４を延長させその
入口端部分３４ａを囲い体１０の内部に整合させ
床２２の下方部分に連通させる。ドレン管３４は
従つて、床内で下降してくる使用ずみ床物質を受
取り、それを囲い体１０から重力により排出さ
せ、スクリユウ式冷却器や、コンベアベルト（図
示せず）などへ搬送する役割を果す。

有孔板２４の複数個の孔にそれぞれ空気分配器
即ち空気ノズル３６を装着する。各ノズルは、垂
直筒状部材であり、ボルト止めや、溶接によつて
有孔板２４に固定する。ノズル３６は板２４から
床２２内へ所定の長さだけ上向きに延長させその
下端は充気室２６から空気を受入れるようにす
る。この構成により充気室２６からの空気はノズ
ル３６から床２２へ噴出する。空気は囲い体１０
内で対流により上昇し、燃焼生成ガスと共に囲い
体の上部の排出口（図示せず）を通して流出する
ので、各ノズルの水平上端部分より上方の床物質
は流動化される。また、各ノズルの垂直周面の周
りには粒状物質の静止層が形成され、その静止層
はノズルより上方の熱交換器内で創生された熱か
ら有孔板２４を隔絶する働きをする。

粒状物質を床２２内へ導入するための１対の管
４０，４２を設ける。管４０，４２は囲い体１０
の外部の後壁１４の上方部分に近い部位から後壁
を水平に対して僅かな傾斜角で貫通させ、次いで
垂直に床２２内を下向きに延長させ、ノズル３６
の噴出端の水平平面の上方に終端させる。管４
０，４２の囲い体１０の外部に位置する外端部分
は、外部空気源（図示せず）から高圧空気を受取
るようにし、１対の粒状物質供給管４４，４６を
それぞれ管４０，４２に接続し、管４４，４６内
に配設した弁４８，４９の制御により粒状物質を
管４０，４２内へ導入するようにする。

供給管４４，４６から各管４０，４２へ導入す
る粒状物質は、例えば破砕石炭であつてよく、あ
るいは破砕石炭と、その燃焼により放出される硫
黄を吸収するための石灰石のような吸収材との混
合物であつてよい。別法として、破砕石炭を管４
４から管４０へ導入し、吸収材を管４６から４２
へ導入するようにしてもよい。

粒状物質が管４０，４２内を空気内に懸濁（浮
遊）した状態で搬送されてノズル３６の僅かに上
方で床２２内へ排出されるように管４０，４２内
の空気量に対する粒状物質の比率を調整する。

管４０，４２の下端から流出する粒状物質およ
び空気の進路内で該下端の真下に位置するように
１対の凸状偏向器５０，５２を配置し、有孔板２
４に取付ける。偏向器５０，５２は図示のような
形状であり、粒状物質と空気の混合体を第１図に
矢印で示される方向に即ち下向き、かつ横方向
（床を横切る方向）に偏向させ、粒状物質を床内
に拡散および循環させる。

１対の補助空気管５４，５６を充気室２６を通
して上向きに延長させ、偏向器５０，５２の真下
に有孔板２４に穿設された拡大開口に整合させ
る。管５０，５２内には空気の流れを制御するた
めのダンパ５８，６０を設ける。第１図に示され
るように、偏向器５０，５２には、管５４，５６
からの空気を床２２内へ排出させるための複数の
開口をほぼ水平方向に穿設する。

粒状物質と空気の混合体、ならびに補助空気が
上述のようにして床２２内へ排出される結果とし
て、床物質に運動量が与えられ、床内の物質を拡
散および循環させるので粒状物質の良好な分布お
よび混合が得られる。ノズル３６から噴出される
流動化用空気の流量、管４０，４２からの搬送用
空気の流量、及び偏向器５０，５２から噴出され
る空気の流量が、各構成部品の設計及びダンパ３
０，５８，６０の調節によつて制御され、粒状物
質供給管４０，４２の下方出口の直ぐ上に位置す
る床２２の帯域の単位面積当り総空気量をその周
りの床部分より少くするようになされる。かくし
て、供給管４０，４２の下方出口の直ぐ上に粒状
物質の比較的稠密なコラム粒状物質の柱状密集体
が形成され、それによつて、供給管４０，４２の
下方部分に沿つて下向きの粒状物質の流れを促進
し、床２２内の下方部分における粒状物質供給管
４０，４２の出口から横方向への粒状物質の分配
を促進する。

始動に当つて床に慣用の態様で点火するための
床点火バーナ６２は、有孔板２４の直ぐ上の位置
で前壁１２を貫通して装備する。１対のヘツダ６
４を前壁１２と後壁１４を構成する管１８に接続
し、他の１対のヘツダ６６を側壁１６を構成する
管１８に接続する。ヘツダ６４，６６と同様なヘ
ツダを側壁１７の両端と壁１２，１４，１６の上
端に接続する。この構成により、加熱すべき流体
を順次に、または同時並列的に壁１２，１４，１
６，１７に通して流動床から熱を吸収するように
することができる。

作動において、充気室２６のダンパ３０を開放
し、加圧空気を充気室に導入し、ノズル３６を通
して有孔板２４の平面より上方の平面において床
２２内へ上向きに噴出させる。かくして、ノズル
３６の上端より上の床２２内の粒状物質が流動化
され、一方、ノズルの上端と有孔板２４の上面と
の間に存在する粒状物質は静止したままである。

次いで、点火バーナ６２を点火して床内の物質
を加熱し、所定の温度にまで昇温させる。次いで
管４０，４２を通して追加の粒状燃料および吸収
材を床２２の上面へ排出し、偏向器５０，５２に
よつて上述したように床内へ分配する。管５４，
５６からの補助空気は偏向器５０，５２の内部か
らほぼ水平方向に差向けられる。

床２２が所定の温度に達したならば、点火バー
ナ６２を消し、燃焼により失われ、ドレン管３４
から排出された物質を補給するために所定の供給
割合で粒状物質を管４０，４２から床の上面上へ
引続き分配する。上述したように、本発明の構成
によれば、床物質は運動量を付与され床内で拡
散、循環されることにより十分に混合および分布
される。また、有孔板２４の上面とノズル３６の
上端の平面との間に存在する粒状物質の休止層は
有孔板に対する断熱層の役割を果す。

加熱すべき流体（例えば水）は、ヘツダ６４，
６６内へ通され、そこから並列に、あるいは直列
に壁１２，１４，１６，１７の管１８を通して通
流され、流動床から熱を吸収した後外部装置へ排
出されて処理される。

以上、本発明の実施例を説明したが、本発明の
範囲から逸脱することなく、各構成要素にいろい
ろな変更を加えることができる。例えばノズル３
６は、上述したものとは別の形状としてもよく、
ノズルおよび供給管の数、配置および向きなど
も、上述した目的が達成される限り、変更するこ
とができる。また、囲い体１０内に、水を床２２
に対して熱交換関係をなして循環させるための一
連の、または一列の伝熱管を設けることもでき
る。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明の流動床式熱交換器の一実施例
の垂直断面図、第２図は床物質を除去して第１図
の線２―２に沿つてみた縮小断面図、である。 図中、１０は囲い体、２４は有孔板、２６は充
気室、３６は空気ノズル、４０，４２は供給管、
５０，５２は偏向器。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 粒状物質の床を支持するようになされた有孔
   板と、該粒状物質を流動化させるために該有孔板
   の孔を通して空気を導入するための流動化用空気
   導入手段と、前記床の一区域内へ空気と追加の粒
   状物質の混合物を導入するために該床より上方の
   区域から該床内へ延長した垂直部分を有する少く
   とも１つの供給管と、前記混合物の流れを該床を
   横切るほぼ水平方向に偏向させるために前記供給
   管の直ぐ下に、該供給管から排出される混合物の
   流れ経路内に配置された偏向手段と、該偏向手段
   内へ追加の空気を導入するための手段とから成
   り、該偏向手段は該追加の空気を前記床を横切る
   ほぼ水平方向に向けて該床内へ噴出させるための
   手段を備えており、床の前記一区域内に粒状物質
   の、下向き方向かつ該床を横切る方向の循環を誘
   起するために該床に粒状物質の比較的稠密なコラ
   ムが形成されるように、混合物を導入するための
   前記供給管、前記流動化用空気導入手段、及び偏
   向手段内へ追加の空気を導入するための前記手段
   が制御されるようになされていることを特徴とす
   る流動床式熱交換器。 ２ 前記偏向手段は、前記有孔板によつて支持さ
   れた少くとも１つの偏向器を含むものである特許
   請求の範囲第１項記載の流動床式熱交換器。