JPS6223064B2 - - Google Patents

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JPS6223064B2
JPS6223064B2 JP55060586A JP6058680A JPS6223064B2 JP S6223064 B2 JPS6223064 B2 JP S6223064B2 JP 55060586 A JP55060586 A JP 55060586A JP 6058680 A JP6058680 A JP 6058680A JP S6223064 B2 JPS6223064 B2 JP S6223064B2
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cathode
gas
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Shizuka Yamaguchi
Naotatsu Asahi
Kazuyoshi Terakado
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Hitachi Ltd
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Publication of JPS6223064B2 publication Critical patent/JPS6223064B2/ja
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    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C23COATING METALLIC MATERIAL; COATING MATERIAL WITH METALLIC MATERIAL; CHEMICAL SURFACE TREATMENT; DIFFUSION TREATMENT OF METALLIC MATERIAL; COATING BY VACUUM EVAPORATION, BY SPUTTERING, BY ION IMPLANTATION OR BY CHEMICAL VAPOUR DEPOSITION, IN GENERAL; INHIBITING CORROSION OF METALLIC MATERIAL OR INCRUSTATION IN GENERAL
    • C23CCOATING METALLIC MATERIAL; COATING MATERIAL WITH METALLIC MATERIAL; SURFACE TREATMENT OF METALLIC MATERIAL BY DIFFUSION INTO THE SURFACE, BY CHEMICAL CONVERSION OR SUBSTITUTION; COATING BY VACUUM EVAPORATION, BY SPUTTERING, BY ION IMPLANTATION OR BY CHEMICAL VAPOUR DEPOSITION, IN GENERAL
    • C23C8/00Solid state diffusion of only non-metal elements into metallic material surfaces; Chemical surface treatment of metallic material by reaction of the surface with a reactive gas, leaving reaction products of surface material in the coating, e.g. conversion coatings, passivation of metals
    • C23C8/06Solid state diffusion of only non-metal elements into metallic material surfaces; Chemical surface treatment of metallic material by reaction of the surface with a reactive gas, leaving reaction products of surface material in the coating, e.g. conversion coatings, passivation of metals using gases
    • C23C8/36Solid state diffusion of only non-metal elements into metallic material surfaces; Chemical surface treatment of metallic material by reaction of the surface with a reactive gas, leaving reaction products of surface material in the coating, e.g. conversion coatings, passivation of metals using gases using ionised gases, e.g. ionitriding
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C21METALLURGY OF IRON
    • C21DMODIFYING THE PHYSICAL STRUCTURE OF FERROUS METALS; GENERAL DEVICES FOR HEAT TREATMENT OF FERROUS OR NON-FERROUS METALS OR ALLOYS; MAKING METAL MALLEABLE, e.g. BY DECARBURISATION OR TEMPERING
    • C21D1/00General methods or devices for heat treatment, e.g. annealing, hardening, quenching or tempering
    • C21D1/34Methods of heating
    • C21D1/38Heating by cathodic discharges

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  • Physics & Mathematics (AREA)
  • Thermal Sciences (AREA)
  • Crystallography & Structural Chemistry (AREA)
  • Solid-Phase Diffusion Into Metallic Material Surfaces (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は金属材料などの導電性材料を低圧容器
内に装入してグロー放電によつて熱処理する方法
に係り、特に被処理品の加熱方法にホロー陰極効
果を用いた発熱体の加熱源を設けて処理する方法
及び処理装置に関する。
金属材料の表面処理技術の1種であるグロー放
電表面処理法が近年脚光を浴びてきている。その
代表例がイオン窒化処理である。イオン窒化処理
法は少なくとも10-1Torr以下に減圧されている
減圧容器(以下炉体と記すことがある)に処理に
必要なガス体を導入し、被処理品が陰極となるよ
うに電極を設け(炉体を陰極とすることもある)
これに外部の直流電源から電圧を印加してグロー
放電を発生させて表面硬化処理を行うものであ
る。第1図はイオン窒化処理装置の概要を示した
ものである。一般には被処理品2が陰極となり、
炉体1が陽極となつている。炉体1は処理中の加
熱により各種の機器や部品(気密用パツキング
等)が過熱されるのを防ぐために水冷構造になつ
ている。イオン窒化処理では真空装置9で炉体内
を少なくとも10-1Torr以下に減圧しながら、水
素ガスと窒素ガス或いはアンモニアガスなどの処
理ガス6を導入して1〜10Torrの範囲の所定の
圧力に保持し、直流電源から300〜1500Vの電圧
を印加してグロー放電を発生させて窒化処理を行
つている。なお第1図において、3は直流電源、
4は陽極端子、5は陰極端子、7はガス導入口、
8は真空装置9が接続されたガス排気口、10は
真空計端子、11は光高温計、12は制御盤であ
る。
被処理品の加熱はグロー放電エネルギーによつ
ているので外部からの熱源を必要としない。従つ
てグローを発生している表面が加熱源となるの
で、被処理品の温度は体積に対する表面の割合に
よつて変化する。すなわち同一形状で比較的単純
な形状の被処理品では全体がほぼ均一な温度にな
り均一な処理ができるが、複雑な形状、特に体積
に対する表面積が異なる部品では同一被処理品で
も場所により温度が異なり、それに伴い拡散原子
の濃度、深さが大きく変動し、均一な処理ができ
なくなるという欠点がある。更に、被処理品を常
温から所定の処理温度に昇温させるには比較的長
時間を要する。これは被処理品が冷えているとグ
ロー放電が不安定になり、被処理品表面に付着し
ている不純物(例えば油分、汚れまたは被処理品
自体から発生する吸着ガス等)が昇温の際に放出
されてアーク放電に移行し易くなり、アーク放電
が発生すると溶解による損傷が生じる。一方この
グロー放電処理では加熱のための熱源はすべてグ
ロー放電エネルギーであるので被処理品の温度
は、被処理品の大きさ、形状などによつて異なつ
てくる。その対策の一つとして、前者の場合この
現象を防止するために一般のイオン窒化処理で
は、初期の昇温過程では出力及びガス圧力を低く
してアーク放電に移行しないように制御しながら
段階的に出力及びガス圧力を高くして所定の温度
に昇温する。しかし、この方法では出力及びガス
圧力の値の決定及び調整等は作業者の経験によつ
て行われており、更にそれらは被処理品の形状あ
るいは表面積によつて変化するものであるためそ
の制御は困難である。一方後者の1つの対策とし
て、被処理品を外部から加熱する方法があり、こ
の方法として次のものが公知である。被処理品の
加熱及びその処理温度の保持のための熱源として
グラフアイトまたはモリブデンヒータ等の発熱体
を装備し、それに電源(交流電源)を加え電圧を
印加して加熱してその輻射熱を併用する。また被
処理品である陰極とは別に、被処理品から離れた
位置に補助電極を設けてこの電極を陰極とし、被
処理品を陽極とする方法もある。この場合、被処
理品は電気的に中立あるいは陽極として関与す
る。そして被処理品が所定の温度に上昇した後に
初めてグロー放電を発生させて処理温度に保持す
る。この場合、輻射用の陰極はグロー放電の発生
を中止するか、場合によつては継続する。
しかし、これらの方法においても、前者ではグ
ロー放電用電源の他に発熱体用の電源を必要と
し、その電源容量はグロー放電用と同等あるいは
それよりも大容量を必要とするために装置全体が
大型化して複雑になるとともに、その装置が高価
になるという欠点があつた。また後者では、被処
理品が昇温過程では電気的に中立あるいは陽極で
あるためにグロー放電のスパツタクリーニング効
果がないために導入した処理用酸素で酸化する。
更に輻射用の陰極のスパツタリングにより生じた
陰極材微粒子が付着し、その後の表面処理に悪影
響を及ぼして均一な処理が行えない。また、この
場合の補助の陰極はグロー放電のみで加熱するた
めに熱効率が悪く、たかだかイオン窒化の予備加
熱(300℃程度)に使える程度である。また、被
処理品の極性を陽極とした場合には、前述の欠点
とともに局部的に陽極柱を生じた場合にその部分
は温度が不均一になるとともに被処理品が表面粗
化の問題があつた。更に被処理品を輻射熱のみで
昇温させるには輻射用の陰極温度を被処理品温度
よりも高くする必要があり、被処理品のみをグロ
ー放電エネルギーで昇温した場合よりも電気エネ
ルギーを多量に必要とするために処理費用が高く
なり、経済性が悪いという欠点があつた。
本発明は、被処理物表面をグロー放電のホロー
カソード効果を利用した輻射熱により加熱するこ
とにより被処理物に物理的又は化学的変化を与え
る方法に関する。
本発明の一例では、減圧容器内の被処理品であ
る、陰極に接続された材料と、この材料と対向し
て配置された陽極との間にグロー放電を発生さ
せ、表面処理を行う材料のグロー放電表面処理方
法において、被処理品の外周すなわち減圧容器の
内周に、被処理品を陰極とする電極とは別に被処
理品から離れた位置に一定間隙を保つた複数個の
陰極を設置し、イオン処理中に処理ガスの圧力を
所定範囲で変動させることによつてこの複数個の
陰極にもグロー放電を発生させてホロー陰極放電
を生じさせる。そして、その効果によつて被処理
品以外の陰極部の被処理品側を、被処理品より高
い温度部とする。この高温となつた陰極から発生
する熱によつて、グロー放電で直接加熱されてい
る被処理品を更に間接加熱して高温度に加熱ある
いは保持することにより、前記目的を達成させた
ものである。
以下、本発明について詳細に説明する。
グロー放電表面処理などイオン衝撃エネルギー
を熱エネルギーとして被処理品を加熱して、ある
温度に保持して表面処理する場合の被処理品の熱
の収受は、グロー放電エネルギーの熱交換、被処
理品間や電極などからの輻射熱であり、熱放出に
よる熱損失は輻射熱、処理ガスの対流、電極から
の熱伝導(電極の冷却水からの流出)などがあ
る。この要因の中で被処理品を所定の温度に加熱
あるいは保温に利用できる可能性としては、被処
理品及び電極間の輻射熱などである。そこで、こ
の輻射熱を積極的に利用して加熱源とする。効果
的に輻射熱を生成する方法として陰極間隔を一定
間隔とし、導入ガス圧力を所定の値に設定して、
二つの負グロー間に相互作用を起させて他のグロ
ー面よりも電流密度を高くさせることにより生じ
るホロー陰極放電のホロー陰極効果により実現で
きる。被処理物品(陰極)の周囲に一定間隙(被
処理物品との間にホローカソード効果を生じない
距離)を保つて対向する複数個の円筒状あるいは
板状等の陰極を設置し、この電極により生じる輻
射熱を被処理品の加熱及び保温のために使う。
複数個の陰極の間隙をある値に限定した場合に
は、ホロー陰極効果を生じるガス圧力の範囲が限
定される。これは、ガス組成及びガス圧力によつ
てグロー放電の陰極降下部の厚さが異なり、これ
が相互作用であるホロー陰極放電に影響するから
である。したがつて間隙が一定であればその効果
を生じるガス圧力の範囲は決定される。しかし、
グロー放電表面処理の処理過程では0.1〜10Torr
程度のガス圧力に変動させながら処理を行うため
に、この範囲内において安定にできるだけ広い範
囲でホロー陰極効果を生じさせる必要がある。つ
まり、この範囲が狭いと処理工程中の低ガス圧力
側の昇温時、あるいは高ガス圧力側の処理温度保
持中の一方において輻射効果が弱まる。したがつ
てホロー陰極効果による輻射加熱を広い範囲に渡
つて行うにはホロー陰極放電も広い範囲に渡つて
形成する必要がある。そこで、ホロー陰極放電の
消失するいずれか側のガス圧力の範囲において、
新たにホロー陰極放電を発生させるために複数個
の円筒状あるいは板状等の一方に、単独の円筒状
あるいは板状等の壁であつても円筒状あるいは板
状等の壁間でのホロー陰極放電の消失するあるガ
ス圧力の範囲においてホロー陰極放電を発生させ
る形状とする。その形状としては一定寸法の孔を
一様に分布するように設ければよいことが明らか
になつた。これらの現象を効果的に行うために
は、複数個の陰極の間隙、形状及びそれらに応じ
たガス組成の圧力設定が重要な因子になる。先ず
円筒状あるいは板状等の壁間の間隙は、一般的な
イオン表面硬化処理においては、この距離が0.5
mm以下になると陰極への処理ガスの反応が阻害さ
れる傾向にあり、一方50mm以上離れるとグロー間
での相互作用のホロー陰極効果が弱くなり陰極か
ら被処理品への輻射熱による加熱効果が低下する
とともに陰極側への熱損失ともなりエネルギーの
損失にもなる。ここで窒素ガス、水素ガス、アル
ゴンガス、メタンガスの混合ガスを用い3.5Torr
の圧力でグロー放電を発生させ陰極表面の温度を
測定した。第2図は対向する2つの陰極の距離
(間隙)と温度の関係を示したものである。距離
と温度の関係は導入ガスの比率、ガス圧力、陰極
材の材質、及びその形状などにより変動する。第
2図の場合をみると距離が0.5mm以下では補助陰
極部も600℃で他のグロー面とほゞ等しい温度に
なつている。それ以上距離が大きくなると陰極部
の温度が急激に上昇し、距離が2〜5mmでピーク
値になる。この距離の場合、陰極直下の被処理材
表面の温度は約1000℃以上になり、他のグロー面
よりも約400℃高い温度になつている。さらに距
離が長くなると温度差は漸次少なくなり約50mmで
ほゞ他のグロー面と等しい値になつている。以上
のように陰極との距離は0.5〜50mmの範囲がよ
い。
次に複数個の陰極の少なくとも一方に設ける孔
の寸法であるが、前述の理由によりこの孔による
ホロー陰極効果を用いるガス圧力の範囲によつて
変動する。第3図は、第2図の条件において、一
つの陰極のみで、孔の大きさを種々変化させた場
合の、孔の大きさと温度の関係を示したものであ
る。一般的なイオン表面硬化処理においては、こ
の径が0.5mm以下になるとホロー陰極放電が阻害
される傾向にあり、一方50mm以上になると、ホロ
ー陰極放電を生じてもその効果による影響は弱く
なり、円筒状あるいは板状等の壁から被処理品へ
の輻射熱による効果が低下する。
次にガス圧力であるが、設けた複数個の陰極の
間隙、一方のあるいは陰極に設けた孔の大きさ、
ガスの混合比率により適正な値がある。例えばこ
こで一般の浸炭窒化処理において、間隙と孔の大
きさを一定としてガス圧力を変化させた場合は第
4図aのようになる。この例では間隙6mm、孔の
大きさ2mmで、円筒状壁の温度を850℃程度を目
標としてガス圧力を変動させた例である。ガス圧
力0.5Torrでは600℃であるが1〜5Torrの範囲で
は850℃の温度となつており、5Torr以上になる
と温度は低下している。この例ではガス圧力を1
〜5Torrに保持すると円筒状壁の温度は850℃に
保たれ、被処理品への輻射の効果がある。なお、
温度は円筒状壁の間隙、孔の大きさ及びガスの組
成により変化させることができる。
本発明における他の付ずい的因子として、陰極
の大きさ及び材質、更に被処理品へのグロー放電
エネルギーの強さがある。先ず陰極の大きさは、
被処理品の周囲全面あるいは側面に設置した場合
に被処理品とホロー陰極放電を生じない間隙を持
たせた内径の大きさが好ましい。更に、一定間隙
を保つて対向して設置される複数個の陰極である
が、被処理品への輻射加熱効果を効率よくするた
めには被処理品と近接している内側の陰極がそれ
らより外側にある陰極よりも高温であつたほうが
よい。なぜならば外側の陰極が高温度になつて内
側の陰極へ熱輻射を行つても内側が低温であつた
場合にはそれに吸収されて外側の輻射熱が被処理
品へ全熱量が到達しない。一方内側が高温であれ
ば何らの障壁がないために全熱量は被処理品へ到
達する。したがつてこの条件を満たすためには同
量のイオン衝撃エネルギーが与えられた場合に温
度の上昇の効率がよい形状として内側の陰極の厚
さは他の陰極よりも薄いほうがよい。次に陰極の
材質は、処理中に被処理品の表面に悪影響を及ぼ
さない材料であればよい。次に陰極及び被処理品
へのグロー放電エネルギー供給量の問題である
が、陰極の表面は常に清浄に保たれているのでグ
ロー放電エネルギーを多量に投入することがで
き、また被処理品への輻射効果を最大限に生かす
ためにもそのエネルギーは多量であつたほうが効
率がよい。したがつて処理工程初期の昇温過程に
おいてもその投入エネルギーは多量とする。一方
被処理品は前述の陰極からの輻射熱を受けて加熱
されるとともに、被処理品自身がグロー放電エネ
ルギーによつてスパツタリングされる。しかし、
初期の昇温過程にこのスパツタクリーニングを強
くするとアーク放電に移行する可能性がある。し
たがつてこの過程においては被処理品への供給エ
ネルギー量を少なくする。しかし、これを全く消
失させると前述のような欠点を生じる。以上のよ
うに円筒状あるいは板状等の壁と被処理品への供
給エネルギー量は、処理工程中においてそれぞれ
の系に設けられた出力制御器によつて処理条件を
種々変化させることにより最適な処理を行うこと
ができる。
以下図面を参照して、本発明の実施例を詳細に
説明する。
実施例 1 第5図に示すイオン表面処理装置の内部にセツ
トした被処理品2の周囲に輻射加熱用の円筒状陰
極13a,13bを設定し、イオン浸炭窒化処理
を行つた。円筒状陰極の寸法はそれぞれ13aが
外径508mm、内径500mm、高さ815mmとし、13b
が外径540mm、内径532mm、高さ815mmとした。
被処理品は、JIS規格SCM21のクロムモリブ
デン鋼の2種類のシヤフト(直径10mm、長さ205
mm及び直径20mm、長さ205mm)をそれぞれ40本、
合計80本使用した。輻射加熱用の円筒状陰極は第
6図aに示すような構造で、SUS304で製作して
被処理品の側面に配置した。円筒状陰極13aと
13b間の距離14は12mmである。
処理は、減圧容器1内を10-2Torr以下に減圧
し、その状態で窒素ガス、水素ガス、メタンガ
ス、アルゴンガスを導入して輻射加熱用の円筒状
陰極にホロー陰極効果を生じさせて850℃となる
ように出力を410Vに調整した。ガス組成比は、
窒素ガス:水素ガス:アルゴンガスの比を1:
1:1とし、メタンガスを体積比で3%混合し
た。一方被処理品は昇温過程では出力を400Vと
小さくした状態で輻射熱による脱ガス、グロー放
電エネルギーによるスパツタリングを十分に行つ
た後に出力を670Vと上昇させて600℃になるよう
に制御し、ガス圧力を4Torrとして5時間の処理
を行つた。この処理時の温度分布を光高温計によ
り測定した。
一方、比較のために従来法でイオン浸炭窒化処
理を行つた。従来法は、第1図に示すイオン表面
処理装置により実施した。実施条件は、被処理品
の出力を930Vとし、被処理品の材質と寸法と数
量及びガス組成比は本発明の実施例と同一条件と
した。
第7図は被処理品の温度分布を示したものであ
る。本発明の処理時の温度分布は±5℃であつた
が、従来法では被処理品の大きさが異なつている
ため±30℃と不均一であつた。処理後、被処理品
を炉内で冷却し、その断面硬さ分布を測定した。
第8図は硬さ分布を示したものである。第8図に
おいて曲線aは本発明による処理後の硬さ分布で
あり、曲線b、曲線b′、曲線b″は従来法で処理し
た後の硬さ分布である。図において曲線bは正規
の600℃の処理温度、曲線b′及び曲線b″はそれぞ
れの上限630℃、下限570℃での処理結果である。
図で明らかなように本発明によつても被処理品温
度が同一であれば従来法の曲線bと同等の硬化層
が形成されており、スパツタクリーニング及び処
理中のイオン衝撃エネルギーは充分であつたこと
は明らかでありそのばらつきも少ない。一方、第
9図は従来法と本発明の処理時間を比較したもの
で、曲線cは本発明法による処理、曲線dは従来
法による処理を示す。図で明らかなように本発明
法では昇温過程の時間が短縮されるために全処理
時間を短縮することができる。したがつて省資
源、省エネルギーの上からも極めて有効である。
またこのように早い昇温を行つてもアーク放電に
よる表面粗化の形跡は認められなかつた。
以上説明した通り、本発明のグロー放電表面処
理法によれば、被処理品である金属材料に付着し
た油分、吸着ガス等を表面粗化を起すことなく効
率よく除去できるために短時間で所定の温度に昇
温させることが可能となる。また被処理品の形状
等が異なつていても均一な温度分布で表面処理を
行うこともできる。しかも処理中の加熱に要する
エネルギーを大幅に節減することが可能となつ
た。
第6図bに示す陰極は内側(被処理物品側)の
陰極板に多数の孔を有するもので、ホロー放電効
果は極板13dと極板13cとの間だけでなく、
孔内でも起る。その結果内側の温度は効率的に上
昇する。極板間の距離15及び孔16の大きさに
より表面温度が変ることは前述した通りである。
減圧容器内のガス圧力を制御することによつ
て、グロー放電条件を調整できる。ガス制御系の
構成例は、第10図及び第11図に示すようにガ
ス圧力検出器31、各種ガス流量計に接続された
電磁バルブ21、各種ガスを所定の組成に混合す
るバラストタンク35とそれに接続した電磁バル
ブ20、及びタイマーからなる。ここで第10図
に示した拡散処理を含むイオン浸炭処理の場合に
ついて説明する。被処理品と陰極を炉内に設置し
た後、10-2Torr以下の真空度に排気し、希釈ガ
スのH2ガスを0.2〜10Torr導入してグロー放電を
発生させて昇温する。H2ガスは最低励起電圧が
低いため被処理物あるいは陰極や陰極治具に付着
している油脂類を除去し、被処理品を損傷するこ
となく処理温度まで昇温できるが、必要に応じて
他のガスを導入してもよい。ただし、処理温度ま
で電流を制御して昇温する装置は既に実用化して
いる。ここでは処理温度までは被処理物温度検出
器、例えば光高温計に連動した電流計及びガスの
電磁バルブで制御され昇温する。第10図に示す
a点の温度に達すると、タイマーが作動し、イオ
ン浸炭処理の所定のガス組成となる様に希釈ガス
としてのH2ガス流量計に接続された電磁バルブ
と炭素源として炭化水素系ガス流量計に接続され
た電磁バルブが作動して、所定のガス量をバラス
トタンクに導入する。バラストタンクではガスが
均一に混合されて、ガス圧力検出器に連動した電
磁バルブにより所定の圧力まで混合ガスが炉内へ
導入される。
a点の浸炭温度が例えば950℃であるとガス圧
力は次の拡散処理の圧力よりは低く設定される。
これは、前述した様に陰極内に作られるため一定
の間隙の中で電流密度が高まつて熱輻射などの相
互作用等により温度が上昇するためである。b点
にくるとタイマーが働き、バラストタンクの電磁
弁とガス圧力検出器が作動してガス圧力は高くな
り、負グローの合体や相互作用は消失して被処理
品の温度はc点まで下がり、そこで保持され拡散
処理に入る。c点よりa点の方が温度が高いため
炭素の金属表面への侵入は多くなる。c点の温度
が保持され、d点にくると再びガス圧は低くなり
被処理品の温度は上昇する。この操作の繰り返し
により表面の炭素濃度は調整されて、浸炭不足や
過剰浸炭を防止する。また、c点からd点の拡散
処理があるため、必要以上に被処理品を高温に長
時間保持することなく、結晶粒の粗大化などが防
止される。なお、必要であれば、b点でガス圧力
が高くなると共にガス組成を変化させ、炭化水素
系のバルブを絞り、炭素の供給を減少又は停止す
ることもできる。
第11図に上述したガス制御系のブロツク図を
示す。タイマーにはバラストタンクの電磁バルブ
希釈ガス流量計に接続した電磁バルブ、炭化水素
系流量計に接続した電磁バルブ、及び電流制御系
が連動している。
なお、本発明の装置は陰極補助電極を用いたグ
ロー放電表面処理装置に係わり、ガス圧力を自動
的に制御することにより被処理品の温度を変化さ
せるものであるため、例えばガス圧力の制御をマ
イクロコンピユーターで行つても無論差しつかえ
ない。また、処理用ガスは窒素ガスやその他の表
面層形成元素を含むガスであつても良い。
本発明は、ホロー放電効果を利用した加熱源を
使用して、これを通常のグロー放電処理装置に適
用できることは勿論、その他の熱処理炉、ろう付
け、焼入れ炉など多目的炉としても使用できる。
【図面の簡単な説明】
第1図は従来のイオン窒化処理が施されるイオ
ン窒化処理装置の断面図、第2図は円筒状あるい
は平板状の輻射用陰極の間隙と温度の関係を示す
線図、第3図は輻射用陰極の一方に設ける孔の大
きさと温度の関係を示す線図、第4図は輻射用陰
極のガス圧力と温度の関係の一例を示す線図、第
5図は本発明のグロー放電表面処理方法が実施さ
れる装置の一例を示す断面図、第6図a,bは本
発明のグロー放電表面処理方法に用いる輻射用陰
極の構造を示す断面図、第7図は本発明法による
イオン浸炭窒化処理時と第1図の従来法による処
理時の被処理品の温度分布を測定したグラフ、第
8図は本発明法によりイオン浸炭窒化処理を行つ
たものと第1図の従来法による処理後の硬さ分布
を示す線図、第9図は本発明法によるイオン浸炭
窒化処理時と第1図の従来法の処理時の処理工程
を示す線図、第10図は本発明の熱処理法におけ
る処理温度制御法を示すチヤート、第11図は本
発明で使用されるガス圧制御系のブロツク図であ
る。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1 減圧容器内に置かれた被処理物に、一定距離
    だけ離された加熱面から熱エネルギーを与えて一
    定の処理を施す方法において、前記加熱面を、そ
    の背面に形成したホロー部において発生するホロ
    ーカソード放電効果によつて背面から加熱し、該
    加熱面からの幅射熱によつて前記被処理物を加熱
    するようにしたことを特徴とする熱処理法。 2 減圧容器と、その容器内に被処理物を収容し
    うる空間を形成するように配置された加熱面を有
    するものにおいて、前記加熱面の位置に一定間隙
    を保つて対向する複数個の陰極を有し且つ被処理
    物と対向する陰極の表面を加熱面となし、該陰極
    間のホロー部において発生するホローカソード放
    電によつて前記加熱面が背面から加熱されて幅射
    熱を被処理物に照射するように構成されたことを
    特徴とする熱処理装置。
JP6058680A 1980-05-09 1980-05-09 Method and device for heat treatment Granted JPS56158814A (en)

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