JPS622291Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本考案は、ガソリンのような自動車用液体燃料
の供給装置に関するものである。

〔従来の技術〕

前記のような液体燃料供給装置として、第１図
に示すように、プランジヤ式燃料ポンプ１の作動
により燃料タンク２からフイルタ３、前記燃料ポ
ンプ１を経てキヤブレタのフロート室４に燃料を
供給するものが、一般に用いられている。

このような液体燃料供給装置として、従来、米
国への輸出車などに、第２図に例示するように燃
料ポンプの停止時に燃料タンク側からキヤブレタ
側への燃料漏出を防止するようにしたものが用い
られている。

すなわち、第２図において、符号１はプランジ
ヤ式燃料ポンプであり、この燃料ポンプ１は、ポ
ンプ筐体６内に筒状のプランジヤ７が嵌合され、
このプランジヤ７が電磁コイルＡの断続的励磁に
より、バネＢ，Ｃに抗して左右方向に往復動する
に当りプランジヤ７が右方向に移動すると、室Ｄ
の圧力が負圧になるところから、燃料タンク２か
らの燃料は、ポンプ筐体６左端側に取付けられた
バネ付バルブＥを開放して室Ｄ内に吸入されて溜
るが、次にプランジヤ７が左方向に移動すると室
Ｄ内の燃料は、圧縮されてその圧力が上昇するか
ら、プランジヤ７の左端側に取付けられたバネ付
バルブＦを開放して室Ｇ内に送出され、さらにポ
ンプ筐体６の一端部に設けた吐出口８からキヤブ
レタのフロート室へホース９を経て燃料が供給さ
れように構成された通常のものである。

ところで、前記プランジヤ７の吐出側端部には
流通孔１０′を有する弁体１０が嵌合固定され、
この弁体１０とこれにピン１１によつてシール用
パツキング１２が固定されて成るバルブ５は、こ
のパツキング１２が燃料ポンプ１の停止時に燃料
ポンプ１の吐出口であるポンプ筐体６の吐出口８
周辺の段６ａに、内側からバネＣより強力なバネ
Ｂにより圧接されて、燃料ポンプ１の停止時に燃
料タンク側からキヤブレタのフロート室側への燃
料漏出を防止するバルブ５が構成されている。

〔考案が解決しようとする問題点〕

しかし、このようなものでは、自動車の走行後
に、燃料ポンプとキヤブレタとの間の燃料圧が上
昇した場合に、圧力の逃げ場がキヤブレタ側しか
ないために、そのニードルバルブの締切圧を燃料
圧が越えてフロート室内に燃料が漏出し、エンジ
ンの再始動不良を発生する問題があつた。

もつとも、実開昭51−61424号公報に示される
ようなフユーエルリターン系路を設ければこの問
題は解消できるが、通路構成が複雑化する。そこ
で従来、第３図に示すように、燃料ポンプ１のプ
ランジヤ７の吐出側端部に設けたバルブ５のシー
ル用パツキング１２とポンプ筐体６の吐出口８周
辺の段６ａとの間に連通溝１３を形成し、あるい
は前記バルブ５にプランジヤ７内と吐出口８とを
連通させる小径の連通孔を形成して、燃料ポンプ
とキヤブレタとの間の燃料圧が上昇した場合に、
圧力をキヤブレタ側から燃料ポンプ内に逃がすよ
うにしたものがある。

しかし、これは、燃料ポンプの停止時に、燃料
タンク側からキヤブレタ側への燃料漏出を防止す
るというロールオーバ対策本来の目的を十分に達
成することができず、逆に作用してしまうという
問題がある。

本考案は、前述した事情に鑑みてなされたもの
で、燃料ポンプの停止時に、燃料タンク側からキ
ヤブレタ側への燃料漏出を確実に防止できるもの
でありながら、燃料ポンプとキヤブレタとの間の
燃料圧が上昇した場合には圧力を逃がすことがで
きて、エンジンの再始動不良を発生することがな
い、自動車用液体燃料供給装置を比較的簡単な構
成で提供することを目的としている。

〔問題点を解消するための手段〕

この目的を達成するために、本考案は、プラン
ジヤ式燃料ポンプの停止時に燃料タンク側からキ
ヤブレタ側への燃料漏出を防止するバルブを前記
燃料ポンプの吐出口側に設けた自動車用液体燃料
供給装置において、前記バルブは、プランジヤの
吐出側端部に固定され流通孔を有する弁体とポン
プ筐体の吐出口内側周辺に固定したシール用パツ
キングまたは前記弁体とこれに固定されるシール
用パツキングとより形成し、かつ前記弁体または
バルブには、燃料タンク側とキヤブレタ側とを連
通させる連通路を形成すると共に、燃料ポンプと
キヤブレタとの間の燃料圧が所定以上に上昇した
場合にだけ前記連通路を開くチエツクバルブを設
けたことを特徴とするものである。

〔実施例〕

以下、本考案の一実施例につき第４図、第５図
を参照して説明する。

第４図、第５図において、符号１はプランジヤ
式燃料ポンプであり、この燃料ポンプ１はポンプ
筐体６内に筒状のプランジヤ７が嵌合され、この
プランジヤ７の往復動により、ポンプ筐体６の一
端部の吐出口８からキヤブレタのフロート室へホ
ース９を介して燃料が供給される、第２図に示す
ものと同様の基本構成を有している。

前記プランジヤ７内の吐出側端部に、周縁に流
通孔１４′を有する弁体１４が嵌合固定され、こ
の弁体１４と対向して燃料ポンプ１の吐出口であ
るポンプ筐体６内の吐出口８周辺の段６ａにほぼ
環状をなし弁座を構成するシール用パツキング１
５が支持され、かつこのパツキング１５がポンプ
筐体６に固定され、前記弁体１４と前記パツキン
グ１５とにより、燃料ポンプ１の停止時に燃料タ
ンク側からキヤブレタのフロート室側への燃料漏
出を防止するバルブ１６が構成されている。この
バルブ１６の弁体１４には、小孔からなる連通路
１７が形成され、この連通路１７は、燃料タンク
側すなわちプランジヤ７内とキヤブレタ側すなわ
ち吐出口８側とを常時連通させている。また、弁
体１４には傘型のチエツクバルブ１８が設けら
れ、このチエツクバルブ１８は、燃料ポンプ１と
キヤブレタとの間の燃料圧が所定以上に上昇した
場合にだけ、前記連通路１７を開くようになつて
いる。

なお、本実施例の液体燃料供給装置の前述した
以外の構成は、第１図、第２図に示す従来のもの
と同様であるから説明を省略する。

本実施例の液体燃料供給装置は、燃料ポンプ１
の停止時に燃料タンク側から圧力がかかつても、
第６図に示すようにバルブ１６およびチエツクバ
ルブ１８が閉じているために、燃料が燃料ポンプ
１のプランジヤ７内から吐出口８側に漏出するこ
とを防止できる。また、燃料ポンプ１の停止時
に、これとキヤブレタとの間のホース９内などの
燃料圧が所定以上に上昇すると、第７図に示すよ
うにバルブ１６は閉じているが、チエツクバルブ
１８が開くために、燃料が吐出口８側から連通路
１７を経てプランジヤ７内に導かれることによ
り、燃料タンク側に圧力を逃がすことができる。
従つて、キヤブレタのフロート室内に燃料が漏出
してエンジンの再始動不良を起すようなことはな
い。

なお、本実施例において、連通路１７の断面
積、数は適宜変更できる。また、本考案は、弁体
およびシール用パツキングを貫通する連通路を設
け、この連通路を燃料ポンプとキヤブレタとの間
の燃料圧が所定以上になつた場合に開くチエツク
バルブを弁体などに装着することにより、第２図
に示すようなバルブを用いたものにも適用でき
る。

〔考案の効果〕

以上説明したように、本考案の自動車用液体燃
料供給装置は、プランジヤ式燃料ポンプの吐出口
側に設けたバルブを、プランジヤの吐出側端部に
固定され流通孔を有する弁体とポンプ筐体の吐出
口内側周辺に固定したシール用パツキングまたは
前記弁体とこれに固定されるシール用パツキング
とより形成し、かつ前記弁体またはバルブに連通
路とチエツクバルブとを設けるという簡単な構成
でありながら、前記燃料ポンプの停止時に、燃料
ポンプとキヤブレタとの間の燃料圧が所定未満の
場合には、前記バルブおよびチエツクバルブが閉
じていることにより、燃料タンク側からキヤブレ
タ側への燃料漏出を確実に防止でき、しかも燃料
ポンプとキヤブレタとの間の燃料圧が所定以上に
上昇した場合にはチエツクバルブが開くことによ
り、連通路を経て圧力を燃料ポンプのプランジヤ
側に逃がすことができるので、エンジンの再始動
不良を発生することもないという効果がある。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来の自動車用液体燃料供給装置の一
例を示す概略構成図、第２図は同燃料ポンプ吐出
部の側断面図、第３図は従来の自動車用液体燃料
供給装置の他例を示す燃料ポンプ吐出口部の側断
面図、第４図は本考案の一実施例による自動車用
液体燃料供給装置を示すポンプ吐出口部の側断面
図、第５図は第４図の−線に沿う断面図、第
６図および第７図は本考案の一実施例のポンプ吐
出口の互に異つた状態をそれぞれ示す作用説明用
の側断面図である。 １……プランジヤ式燃料ポンプ、２……燃料タ
ンク、３……フイルタ、４……キヤブレタのフロ
ート室、５……バルブ、６……ポンプ筐体、６ａ
……段、７……プランジヤ、８……吐出口、９…
…ホース、１０……弁体、１０′……流通孔、１
１……ピン、１２……シール用パツキング、１３
……連通溝、１４……弁体、１４′……連通孔、
１５……シール用パツキング、１６……バルブ、
１７……連通路、１８……チエツクバルブ。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. プランジヤ式燃料ポンプの停止時に燃料タンク
   側からキヤブレタ側への燃料漏出を防止するバル
   ブを前記燃料ポンプの吐出口側に設けた自動車用
   液体燃料供給装置において、前記バルブは、プラ
   ンジヤの吐出側端部に固定され流通孔を有する弁
   体とポンプ筐体の吐出口内側周辺に固定したシー
   ル用パツキングまたは前記弁体とこれに固定され
   るシール用パツキングとより形成し、かつ前記弁
   体またはバルブには、燃料タンク側とキヤブレタ
   側とを連通させる連通路を形成すると共に、燃料
   ポンプとキヤブレタとの間の燃料圧が所定以上に
   上昇した場合にだけ前記連通路を開くチエツクバ
   ルブを設けたことを特徴とする自動車用液体燃料
   供給装置。