JPS6222707B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 この発明は直流アーク溶接に使用される位相制
御方式直流定電圧アーク溶接電源に関するもので
ある。

従来この種の電源として第１図に示すものがあ
つた。１は主トランス、２はその２次出力を位相
制御して直流出力に変換するための位相制御器、
３は相間リアクトル、４は溶接ケーブル、５は溶
接ケーブル４に接続されたチツプ、６はワイヤリ
ール、７はワイヤ送給モータ、８は駆動ローラ
で、ワイヤ送給モータ７により駆動され、上記ワ
イヤリール６にまかれたワイヤ９を送り出すも
の、また１０は母材、１１はアースケーブル、１
２は上記母材１０とワイヤ９の先端部に発生する
アーク、１３は上記主トランス１と同じ結線の制
御トランス、１４はその出力を整流するための整
流器、１５は出力電圧を設定するための出力設定
器、１６は出力電圧を帰還するための帰還ケーブ
ル、１７は上記出力設定器１５の出力信号と上記
帰還ケーブル１６により帰還された出力電圧信号
を入力とする差動演算増巾器、１８は差動演算増
巾器１７によつて増巾された出力設定信号を位相
制御信号として変換するための位相制御信号発生
器、１９は点弧信号発生器である。

次に動作について説明する。主トランス１に入
力された３相交流は位相制御器２および相間リア
クトル３を通して直流に変換される。この直流の
正極を溶接ケーブル４とチツプ５を通してワイヤ
９に通電する。このワイヤ９はワイヤ送給モータ
７により回転駆動する駆動ローラ８によつてワイ
ヤリール６から供給され、母材１０にタツチす
る。母材１０にはアースケーブル１１を通して直
流の負極が接続されており、母材１０とワイヤ９
との間に短絡電流が流れ、その熱でワイヤ９が溶
けて燃え上り母材１０との間にアーク１２が発生
する。この際、直流の出力電圧は位相制御器２の
制御位相角によつて大きさが決まる。この位相角
は出力設定器１５の設定信号を差動演算増巾器１
７を通して、３組の位相制御信号発生器１８に入
れて大きさが決められ、位相制御信号として点弧
信号発生器１９に入り点弧信号となつて位相制御
器２を所定の位相角で点弧する。また主トランス
１と同一結線の制御トランス１３の出力が整流器
１４を通して上記３組の位相制御信号発生器１８
に入り、位相制御器２の各相のすべての位相制御
素子を同じ位相で正常に点弧するよう同期をとつ
ている。すなわち、制御トランス１３と整流器１
４とにより点弧同期回路が構成されている。さら
に入力電源電圧の変動などにより直流出力電圧が
変動したさいこの変動分を修正して常に一定の電
圧になるよう出力電圧を帰還ケーブル１６を通し
て差動演算増巾器１７に帰還して安定した直流ア
ーク溶接電源になるよう作られている。

なお、出力設定器１５及び差動演算増巾器１７
により、出力電圧の設定値と、位相制御器２で変
換された出力電圧の帰還信号との差を出力設定信
号として出力する出力設定回路を構成している。

従来の溶接電源は以上のように構成されている
ので溶接途中などにワイヤ９が母材１０に短絡し
た場合帰還信号が極端に小さくなりこの結果位相
制御器２は全点弧に近い状態となり出力電圧が急
上昇してワイヤ９は極端に燃え上る、すると帰還
信号は急に大きくなりその結果逆に出力電圧は小
さくなる。その時再びワイヤ９が母材１０に短絡
してハンチングを起し溶接欠陥を生ずることがあ
る。すなわち、溶接ケーブル４に接続されたチツ
プ５から帰還ケーブル１６を介して得た帰還信号
は入力電圧の変動による出力電圧の変動だけでな
く、他の要因による出力電圧の変動を含んだ信号
となつているから、精度よく入力電圧の変動補償
が行なえないという欠点があつた。

この発明は上記のような従来の欠点を除去する
ためなされたもので、制御トランスの出力を整流
する整流器の出力から入力電圧の変動に比例して
変動をする帰還信号を得ることにより、簡単な回
路構成でもつて入力電源電圧の変動を精度よく補
償することができる。位相制御方式直流定電圧ア
ーク溶接電源を提供することを目的とする。

以下第２図に示すこの発明の一実施例について
説明する。第２図において第１図と同一符号は同
一またま相当部分を示すのでその説明を省略す
る。２０は３つの等しい分圧器で構成されたる相
分圧器、２１はスイツチング用整流器で位相制御
信号発生器１８の出力が低レベルの時にスイツチ
オンするよう結線されている。２２は逆電流阻子
用整流器である。

次にこの発明の動作について説明する。主トラ
ンス１に入力された３相交流は位相制御器２およ
び相間リアクトル３を通して直流に変換される。
この直流の正極を溶接ケーブル４とチツプ５を通
してワイヤ９に通電する。このワイヤ９はワイヤ
送給モータ７により回転駆動する駆動ローラ８に
よつてワイヤリール６から供給され母材１０にタ
ツチする。母材１０にはアースケーブル１１を通
して直流の負極が接続されており、母材１０とワ
イヤ９との間に短絡電流が流れその熱でワイヤ９
が溶け母材１０との間にアーク１２が発生する。

この際、直流の出力電圧は位相制御器２の制御
位相角によつて大きさが決まる。この位相角は、
出力設定器１５の設定信号を差動演算増巾器１７
を通して、３組の位相制御信号発生器１８に入れ
て大きさが決められ、位相制御信号として点弧信
号発生器１９に入り点弧信号となつて位相制御器
２を所定の位相角で点弧する。また主トランス１
と同一結線の制御トランス１３の出力が整流器１
４を通じて上記３組の位相制御信号発生器１８に
入り、位相制御器２の各相のすべての位相制御素
子を同じ位相で正常に点弧するよう同期をとつて
いる。そして入力電源電圧の変動があつた場合、
整流器１４を通して全波整波した３組の３相電圧
は上記変動に比例して変動するので、３相分圧器
２０によつて適当に分圧すれば、各位相制御信号
発生器１８の出力が能動状態のとき、言いかえれ
ば位相制御器２の位相制御素子が点弧状態のと
き、各々の相に対応したスイツチング用整流器２
１がスイツチオフすなわち非導通になる。このた
め逆電流阻止用整流器２２を通して差動演算増巾
器１７に入力電源電圧の変動が帰還信号として伝
達される。この帰還信号によつて位相制御器２の
位相を修正すれば出力電圧を一定にすることがで
きる。すなわち、分圧器２０、スイツチング用整
流器２１及び逆電流阻止用整流器２２により出力
電圧帰還回路が構成され、分圧器２０の分圧出力
を、直流出力電圧の帰還信号として、位相制御器
２の位相制御素子が点弧状態の時、出力設定回路
の構成要素である差動演算増巾器１７の出力電圧
帰還信号入力端子へ入力する出力電圧帰還回路を
構成している。なお逆電流阻止用整流器２２は、
スイツチング用整流器２１がスイツチオンしてい
るときに上記帰還信号をゼロとするために必要で
ある。第３図は第２図の一部分を示し、第４図に
その各所の電圧波形を示す。第３図中２０ａは３
相分圧器２０の部分素子、２１ａはスイツチング
用整流器２１の部分素子、２２ａは逆電流阻止用
整流器２２の部分素子である。２３は１相の全波
整流電圧波形、２４は位相制御信号波形、２５は
上記整流波形２３を上記位相制御信号にてスイツ
チングした場合のスイツチング電圧波形、２６は
その波形を逆電流阻止用整流器２２ａにて正の部
分だけを取り出した帰還電圧波形になつている。
２７は位相制御信号発生器１８の出力の能動状態
期間である。すなわち位相制御器２の１相の素子
が点弧する期間にほぼひとしくなる。そしてこの
期間で点弧した出力電圧波形を上記帰還電圧波形
２６で近似して出力の帰還信号とすることによ
り、入力電源電圧変動を補償している。

なお上記実施例中のスイツチング用整流器２１
および逆電流阻止用整流器２２のかわりにトラン
ジスタだけを用いても同じ効果を得ることができ
る。第５図はその場合の実施例の１部分を示す。
位相制御信号発生器１８の出力が能動状態の時ト
ランジスタ２８のベースには十分なベース電流が
流れ、そのために上記トランジスタ２８には入力
電源電圧に比例したコレクタ電流が流れるので、
これを帰還信号としても先に述べた実施例と同じ
効果を得ることができる。

以上のようにこの発明によれば点弧同期回路の
整流器の出力から出力電圧帰還信号を得ているか
ら、溶接ワイヤに通電するチツプ側から出力電圧
の帰還を必要とせず数個の半導体素子と分圧器を
従来の制御装置に組み込むだけで出力電圧に近似
した電圧が得られこれを上記帰還のかわりに用い
ているので、精度よく入力電源電圧変動補償が行
なえる等効果がある。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来の位相制御方式直流アーク溶接電
源を示す回路図、第２図はこの発明の一実施例を
示す回路図、第３図はこの発明の要部の詳細を説
明するための説明図、第４図は第３図の各部の信
号波形を示す波形図、第５図はこの発明の他の実
施例の要部を示す回路図である。 図において、１は主トランス、２は位相制御
器、３は相間リアクトル、１３は制御トランス、
１４は整流器、１５は出力設定器、１７は差動演
算増幅器、１８は位相制御信号発生器、１９は点
弧信号発生器、２０は３相分圧器、２１はスイツ
チング用整流器、２２は逆電流阻止用整流器であ
る。なお図中同一符号は同一または相当部分を示
すものとする。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ ３相交流電圧が印加される主トランスと、前
   記主トランスの出力電圧を直流電圧に変換し、該
   直流電圧をアーク電圧として出力する複数の位相
   制御素子から構成された位相制御器と、前記主ト
   ランスと同一結線であり、該主トランスと同一位
   相の電圧を出力する制御トランスと、前記制御ト
   ランスの出力電圧を全波整流する整流器と、前記
   整流器の出力電圧を分圧した電圧を出力する相分
   圧器と、前記分圧電圧が正電位のときに該分圧電
   圧を出力する逆電流阻止用整流器と、前記位相制
   御器が出力すべき直流電圧の大きさに対応する設
   定電圧を出力する出力設定器と、前記逆電流阻止
   用整流器を介して出力される分圧電圧と前記設定
   電圧との差に対応する出力設定信号を出力する差
   動演算増幅器と、前記分圧電圧に基づいて、前記
   位相制御素子が同位相で点弧するように各相の同
   期を図るとともに、前記出力設定信号に基づい
   て、該位相制御素子の点弧位相角に対応する位相
   制御信号を発生する位相制御信号発生器と、前記
   位相制御信号に基づいて、前記位相制御素子を点
   弧する点弧信号を発生する点弧信号発生器と、前
   記位相制御素子が点弧状態のときは、前記逆電流
   阻止用整流器を介して出力される分圧電圧を前記
   差動演算増幅器に印加するスイツチング用整流器
   とを備えたことを特徴とする位相制御方式直流定
   電圧アーク溶接電源。