JPS6222163Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 ＜産業上の利用分野＞ この考案は皮靴等において衛生面を考慮した靴
の構造に関し、特に、靴内部に強制的に外部の空
気を送り込み足むれを防止する靴に関する。

＜従来の技術＞ 従来、靴の内部に足等で押圧・変形可能なエア
ーポンプ等を配設し、そのエアーポンプ等により
靴の外部から新鮮な空気を強制的に靴内部に送り
込ませたり（実開昭47−28142号公報，特開昭48
−6832号公報等参照），靴内部の空気を強制的に
靴外部へ放出させて換気するものがあつた（実開
昭52−25830号公報等参照）。

＜考案が解決しようとする問題点＞ 上述の如く、靴内部にエアーポンプ等を配設し
た靴のエアーポンプの入口部付近及び出口部付近
にはそれぞれ弁が設けられており、エアーポンプ
内に一旦入つた空気が逆流しないようにしてエア
ーポンプを機能させているが、足がむれないよう
な状態のとき、例えば冬期等のように外気が低温
で靴内部が体温よりずつと低温のときでも、常に
エアーポンプが機能して靴内部の通気や換気が行
なわれるため、靴内部があたたまりにくく、冬期
等の使用には適さなかつた。

＜問題点を解決するための手段＞ この考案は、以上のような問題点を解決し、靴
内部が略体温以上になつたときのみ通気性が保た
れて、靴内部を適温に保ち、足むれを防止する靴
を提供することを目的とするものであり、以下の
ように構成される。

すなわち、この考案の足むれ防止靴は、靴底に
足裏で押圧可能に配設されるエアーポンプによ
り、外に向けて配設される空気取入部から空気流
路を介してエアーポンプ内に空気が取り入れら
れ、足先に向けて配設される空気吹出部から他の
空気流路を介してエアーポンプ内の空気が吹き出
される靴であつて、エアーポンプに配設される入
口弁及び出口弁が略体温を境界に変形するバイメ
タルで形成される構成である。

＜作用＞ よつて、この考案は以下のように作用する。こ
の考案に係る靴を履いて歩行するとき、靴内部が
略体温以上であると、足が地面から離れた状態で
入口弁６ａ及び出口弁６ｂが平板状であるエアー
ポンプ２は、外気を空気取入部１から取入れ空気
流路４を通して内部に溜める。一方足を地面につ
けた状態で足裏がエアーポンプ２を押圧するため
に、エアーポンプ２内に溜つた空気は他の空気流
路４を通り、空気吹出部３から足先に向けて吹き
出す。

なお、靴内部が略体温以下のときは、入口弁６
ａ及び出口弁６ｂが湾曲され完全に密閉しなくな
り、エアーポンプ２は機能しなくなる。

＜考案の効果＞ この考案では、靴内部が略体温以上のときエア
ーポンプが機能して上記の作用が歩行の度に強制
的に行なわれ、空気吹出部から空気が吹き出して
通気性が保たれて足むれが防止できる。また、靴
内部が略体温以下のときはエアーポンプが機能し
ないので、通気は行なわれず、靴内部を適温に保
つことができるので、冬期等の使用にも適してい
る。

＜実施例＞ この考案の実施例を第１図，第４図，第５図に
基づいて説明する。第１図は本実施例を施した靴
の縦断面図，第４図はエアーポンプの斜視図，第
５図はエアーポンプの断面図を示している。

第１図に示すように、靴のかかと後背上部に空
気取入部１を設け、そこから管形の空気通路４を
かかとの後背部内と靴底の敷き皮内に埋設させて
ジヤバラ状のエアーポンプ２に連設する。該エア
ーポンプ２から、同様に空気通路４を埋設させて
連設し足指の付け根に当る場所に空気吹出部３を
設ける。前記エアーポンプ２はその上面を底皮の
上に出して設置し、該上面に例えば第４図に示す
ように半球形の突起５を配設する。また、エアー
ポンプ２の入口弁６ａと出口弁６ｂを、第５図の
実線で示すように、靴内温度の足のむれ易い温度
例えば37℃（略体温）以上では平板の形状を保
ち、一方、37℃より低い温度になると図の二点鎖
線で示すように、平板から空気の流れる方向に湾
曲して曲板に変化するバイメタルとする。従つて
37℃以上ではエアーポンプ２は機能するが、37℃
より低温では弁が完全に密閉しなくなり、エアー
ポンプ２は機能しなくなる。つまり冬期間外気が
非常に低温の場合でも靴内が適温に保たれること
になる。

また、エアーポンプ２の第４図に示すような半
球形の突起５は、この考案を使用する者の土ふま
ず部を絶えず刺激しているので、使用者の血行を
良くし、健康増進に役立つ効果がある。

上記実施例において、エアーポンプ２は靴底の
土ふまず部に配設されているが、足裏が押圧可能
な位置ならば他の位置でもかまわない。また、空
気吹出部３も靴底に配設されているが、靴の甲部
であつて足指に空気流が噴出する位置に配設して
もよい。また、空気流路として管を埋設している
が、かかとの後背部と底皮に管状の中空部を形成
してもよい。

上記実施例におけるエアーポンプの吸入口と排
出口を逆向きにし、空気の流れを逆向きにしても
よい。この場合空気流路中に活性炭等の防臭剤を
入れておけば、靴内の悪臭を除去できる。

【図面の簡単な説明】

第１図はこの考案の縦断面図，第２図は第１図
に示すＡ−Ａ断面図，第３図は第１図に示すＢ−
Ｂ断面図，第４図はエアーポンプの斜視図，第５
図はエアーポンプの断面図を示す。 １……空気取入部、２……エアーポンプ、３…
…空気吹出部、４……空気通路。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 靴底に足裏で押圧可能に配設されるエアーポン
   プにより、外に向けて配設される空気取入部から
   空気流路を介して前記エアーポンプ内に空気が取
   入れられ、足先に向けて配設される空気吹出部か
   ら他の空気流路を介して前記エアーポンプ内の空
   気が吹き出される靴であつて、 前記エアーポンプに配設される入口弁及び出口
   弁が略体温を境界に変形するバイメタルで形成さ
   れること を特徴とする足むれ防止靴。