JPS6221265Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 産業上の利用分野 本考案は、電気掃除機の除塵装置に関するもの
である。

従来の技術 従来の電気掃除機の除塵装置としては、ろ材に
設けられた振動片を振動させ、ろ材の除塵を行な
う加振体を設けたものが一般的であつたが、ろ材
に形成した襞の谷溝内に吸い込まれた綿屑の除去
は、前記加振体の往復振動による除塵だけでは不
充分となるため、前記加振体とは別個にろ材に付
着した塵埃を掻き落とすための除塵体を備えてい
た。

また、他の従来例として、棒状の加振体に除塵
用のブラシを一体に設け、これを保持手段に着脱
可能に取付けたものが提案されている（実開昭51
−79163号）。

考案が解決しようとする問題点 ところが、上記の加振体と別の除塵体を設けた
例において、除塵子を紛失しないようにするため
には別に保管する必要が生じる。電気掃除機の本
体内に収納・保管しようとすると、その保管のた
めの空間と保持手段が必要になり、本体が大型化
してしまつたり、部品点数を増やして製品価格を
高くしてしまうという欠点が生じていた。さら
に、従来の除塵体は棒状に形成されていたため、
一度の掻き落しで、断面波形に形成されたろ材の
襞の１つの谷溝しか除塵できないという問題も有
していた。

また、前記の加振体にブラシを設けた例におい
ては、使用頻度の多い加振体による加振に際して
も加振体を保持手段から着脱しなければならず、
加振による除塵作業も面倒であつた。しかも、こ
の例においても、前記ブラシによる除塵は１本の
谷溝ごとにしか行なえず、非能率であつた。

問題点を解決するための手段 上記の問題点を解決するための本考案の技術的
な手段は、断面波形に形成され、塵埃を分離・捕
集するフイルタの谷溝に設けられた振動片を摺動
自在に加振する加振体を、上記フイルタに対し着
脱自在に保持させる。そしてこの加振体の上記振
動片を加振する除塵子は、加振体にフオーク状に
一体的に複数形成されるとともに、フイルタの襞
の複数の谷溝部に同時に侵入可能な形状に形成す
るものである。

作 用 この作用は次のようになる。すなわち通常の除
塵を行なう時には加振体の往復摺動により、加振
体に一体的に設けた複数の除塵子でフイルタの振
動片を加振し、これに振動を与えて行う。フイル
タの襞の谷溝に綿屑等が奥深く侵入して通常の除
塵では除去できない時には、加振体をフイルタか
ら外し、除塵子を谷溝に差し込んだ後、谷溝に沿
つて摺動させて綿屑等を除去し、そののち加振体
を再度フイルタに保持させる。このように、加振
体を従来の除塵体と兼用させることにより除塵体
の特別な保管場所を設ける必要をなくして本体の
大型化を防ぎ、さらに、フオーク状に設けた複数
の除塵子により複数の谷溝の塵埃除去が１回の掻
き落しで行えるため、除去効果が向上するもので
ある。また、従来の加振体とブラシとを一体に設
けたものと比べ、加振に際しては加振体を取外す
ことなく、そのまま摺動させればよいので、加振
による除塵作業が簡単である。

実施例 以下、本考案の一実施例を添付図面に基づいて
説明する。

第１図〜第６図において、電動送風機１を内蔵
した電気掃除機の本体ケース２（以下、本体ケー
スとする）の前面には、塵埃を蓄積する集塵ケー
ス３が尾錠４により着脱自在に結合されている。

集塵ケース３内の前記電動送風機１に対向する
位置には、粗塵と細塵とを分離するプリフイルタ
５と、このプリフイルタ５を透過してきた細塵を
捕集する主フイルタ６とが並設されている。

前記主フイルタ６は、ろ材７とこのろ材７を張
設するフイルタ枠８とからなり、ろ材７の前記プ
リフイルタ５に対向する面には断面が波形の襞９
を形成するとともに、その裏面すなわち前記電動
送風機１に対向する面には、前記襞９に対応する
各々の位置に振動片１０が形成されている。

主フイルタの周縁にはゴムパツキン１１が装着
されていて、集塵ケース３に対し気密状態に着脱
できるようにされ、またこのゴムパツキン１１に
よつて集塵ケース３と本体ケース２の間の気密も
保たれている。

フイルタ枠の電動送風機１に対向する面には、
このフイルタ枠８の上辺部と押え板１２とによ
り、加振体１３のつまみ１４の下面に設けた摺動
板１５が挟持され、加振体１３が主フイルタ６に
対し横方向に摺動自在に保持されている。加振体
１３を横方向に案内する前記押え板１２に開口し
たガイド穴１６の上辺部には、つまみ１４の幅寸
法より少しだけ広く形成した切欠１７が設けら
れ、加振体１３のつまみ１４をこの切欠１７に侵
入させることにより、前記摺動板１５のフイルタ
枠８と押え板３２とにより挟持が解除できるよう
に形成されている。

加振体１３の下端部には、フオーク状に形成さ
れた複数の除塵子１８が、前記ろ材７に形成した
振動片１０の配設位置に臨むように設けられ、ま
たその形状は、ろ材７に形成した襞９の谷溝に同
時に侵入可能となるように、襞９の断面形状とほ
ぼ同一形状に形成されている。

また、加振体１３のつまみ１４は、集塵ケース
３の内部に蓄積した塵埃を捨てるために主フイル
タ６を集塵ケース３から取り出す時の主フイルタ
８のつまみ部となつている。

次にこの構成による作用について説明する。

上記除塵装置は、主フイルタ６の除塵にあた
り、加振体１３のつまみ１４をつかんで左右に摺
動させることにより、下方に分岐形成された複数
の除塵子１８を横方向の摺動操作でろ材７に形成
した複数の振動片１０に接触させてこれらを弾
き、ろ材７を振動させて吸入していた塵埃を効果
的に除去するものである。

次に、加振体１３の横方向の往復摺動操作では
ろ材７の襞９に詰つた綿屑などが落ちないなど除
塵効果が不充分な場合には、第４図に示すよう
に、押え板１２のガイド穴１６の切欠１７位置に
加振体１３のつまみ１４を位置合わせし、つまみ
１４が切欠１７に侵入するように加振体１３を押
え上げ、次に加振体１３の下端部より起こして摺
動板１５をガイド穴１６より取り外し、その後、
第５図に示すように下方へ抜き出して主フイルタ
６から加振体１３を分離し、第６図に示すように
各除塵子１８が襞９の谷溝に侵入するように当て
がい、上下に摺動させることによつてろ材７に付
着した塵埃を掻き落すものである。この場合にお
いて、加振板１３に形成された除塵子１８は複数
であるため、１回の上下摺動操作により除塵子１
８と同数の襞９の谷部の除塵が同時に行えるもの
であり、除塵子数に比例した倍数の効果的な掻き
落し除塵が行えるものである。

そして、掻き落し除塵後は、再び摺動板１５を
ガイド穴１６に挿入し、主フイルタ６に吸着して
使用するものであり、また加振体１３のつまみ１
４は集塵ケース３に蓄積した塵埃を捨てる時の主
フイルタ６のつまみ部となり、利用価値を一層高
めるものである。

考案の効果 以上説明したように本考案における電気掃除機
の除塵装置は、透過面に襞およびこの襞に対応す
る複数の振動片を形成したフイルタと、このフイ
ルタに対し摺動自在かつ着脱自在に取り付けら
れ、前記振動片を弾いてこれに振動を与える除塵
子を有する加振体からなり、この除塵子は襞に同
時に侵入可能に複数本フオーク状に構成したの
で、加振体を塵埃掻き落し用の道具に共用できて
塵埃掻き落し道具を保管する空間を掃除機内に別
個に設ける必要がなくなる。

したがつて、掃除機を小型に構成できる。しか
も、加振体に複数の除塵子をフオーク状に形成し
たことから、襞の複数の溝部につき同時に掻き落
しができ、作業能率が向上する。また、加振操作
による除塵についても、除塵子が複数本であるこ
とから、複数の襞山部を同時に加振できて除塵効
果が向上する。さらに、加振時には加振体を着脱
することなく摺動させれば良いので、従来の着脱
式の加振体を設けたものに比べ、加振操作が簡単
という効果がある。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の一実施例の一部を破断して示
す正面図、第２図はその要部拡大縦断面図、第３
図はその要部斜視図、第４図および第５図はその
加振体の取り外し操作説明図、第６図はその加振
体の使用例を示す斜視図である。 ６……主フイルタ、７……ろ材、８……フイル
タ枠、９……襞、１０……振動片、１２……押え
板、１３……加振体、１４……つまみ、１５……
摺動板、１６……ガイド穴、１７……切欠、１８
……除塵子。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 透過面に襞およびこの襞に対応する複数の振動
   片を形成したフイルタと、このフイルタに対し摺
   動自在かつ着脱自在に取り付けられ前記振動片を
   弾く除塵子を有する加振体とを備え、前記除塵子
   は前記襞の谷部に侵入可能な形状であつて複数本
   フオーク状に設けてなる電気掃除機の除塵装置。