JPS6220824Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案はカメラの電磁駆動シヤツターに関し、
さらに詳しくは電磁駆動シヤツターにおけるシヤ
ツター羽根の閉じ検出信号発生回路に関する。

カメラシーケンス回路と組合されてレンズフオ
ーカス、レンズリセツト、フイルム巻上げ、巻戻
し等のカメラの全自動シーケンス作動を行わせる
電磁駆動シヤツターにおいては誤動作を阻止して
順序作動を確実に行わせるためにシヤツター作動
が終了してシヤツター羽根が閉じ位置に動かされ
たことを検知してシヤツター羽根閉じ検出信号を
発生させてシーケンス回路に与える手段が必要で
ある。

従来はこの種のシヤツター羽根閉じ信号を発生
させる手段としてセクターリングの運動を利用し
て作動される有接点スイツチが使用されていたが
このような有接点スイツチはそれ自体機械的可動
部材の運動による負荷損失や接点の接断による電
気的損失等を伴うために望ましいものではなかつ
た。

本考案は電磁駆動シヤツター本来の機能を行う
電磁部材を効果的に利用して無接点スイツチを構
成して何等附加的な有接点スイツチ部材を使用し
ないで負荷損失を生ずることなくシヤツター羽根
閉じ検出信号を発生させてカメラシーケンス回路
によりカメラの全自動シーケンス作動を可能とな
す電磁駆動シヤツターを提供することを目的とす
る。

以下に添付図面を参照して本考案の望ましい実
施例を説明する。

第１図において本考案を組込んだ電磁駆動シヤ
ツターの１実施例が示されているが、このシヤツ
ターは丸孔１ａおよび長孔１ｂを有する例えば５
枚１組のシヤツター羽根１と、丸孔１ａに嵌合す
るピン３を有するセクターリング２と、長孔１ｂ
に嵌合するピン５を有する図示されないセクター
押え板と、シヤツター開口４ａを有する地板４と
を有し、セクターリング２が反時計方向に回転す
るとシヤツター羽根１が閉じ位置に動かされ、セ
クターリング２が時計方向に回転されるとシヤツ
ター羽根１を開き位置に動かすようになつてい
る。

セクターリング２には円周部にＵ形の切欠溝２
ａと、突出腕２ｂとが設けられている。

シヤツター羽根１を閉じ位置に動かすために電
磁駆動モーター６が設けられ、このモーター６は
ヨーク６ａと、固定コイル６ｂと永久磁石回転子
６ｃと、この回転子６ｃと１体の作動腕６ｄとよ
り成り、作動腕６ｄに植設したピン６ｅが前記切
欠溝２ａに滑動係合して、モーター６が附勢され
た時に回転子６ｃが時計方向に回転されてセクタ
ーリング２を反時計方向に回転させ、第１図に実
線で示されたようにシヤツター羽根１を閉じ位置
に動かす。

シヤツター羽根１を開き位置に動かすようにセ
クターリング２を時計方向に附勢するためにセク
ターリング２の突出腕２ｂに設けた孔２ｃと地板
４上のピン４ｂとの間に開き用ばね７が張られて
いる。

シヤツター羽根１を閉じ位置に保持するように
セクターリング２の突出腕２ｂの折曲部２ｄを吸
着保持する永久磁石８ａと、附勢することによつ
てこの永久磁石８ａの磁力を減殺させて開き用ば
ね７の作用によりセクターリング２の吸着保持を
解除させてセクターリング２をシヤツター羽根１
の開き位置に動かすように働く組合せコイル８ｂ
とより成る電磁ホールド手段即ち複合マグネツト
８が設けられている。このように構成された電磁
駆動シヤツターは作動のためにカメラシーケンス
作動制御回路からの入力により先ずシヤツター制
御回路によつて組合せマイル８ｂを短時間附勢し
て永久磁石８ａの磁石を減殺させてセクターリン
グ２の吸着を解除させ、開き用ばね７の作用でシ
ヤツター羽根１を開き位置に動かすようにセクタ
ーリング２を回転させる。その後は開き用ばね７
の作用により組合せコイル８ｂが滅勢された状態
でシヤツター羽根１は開き位置に保持される。

組合せコイル８ｂの附勢と同期してシヤツター
制御回路の露出制御回路が作動されて適正露出時
間の計測が行われ、適正露出時間に達すると電磁
駆動モーター６の固定コイル６ｂにシヤツター閉
じ信号が出力されて回転子６ｃを時計方向に、セ
クターリング２を反時計方向に回転させてシヤツ
ター羽根１を閉じ位置に動かす。

この時既に組合せコイル８ｂは滅勢されている
から永久磁石８ａの吸着カムよりセクターリング
２はシヤツター羽根１の閉じ位置に保持される。

第２図は第１図の電磁駆動シヤツターの変形実
施例が示されているが、第１図のものと異なる点
は第１図の電磁駆動モーター６の代りに永久磁石
９，９，９と、同環状にこれらの永久磁石を連接
する鉄心１０と、鉄心１０上に滑動可能に配置さ
れる可動コイル１１と可動コイル１１の運動範囲
を制限する地板４上のストツパーピン４ｃ，４ｄ
とを使用し、可動コイル１１に取付けた腕１２の
長孔１２ａがセクターリング２に設けたピン１３
に嵌合して可動コイル１１がセクターリング２と
１体的に回転されるようになつていることであ
る。作動は第１図のものと同様である。

第３図は後述するカメラのシーケンス作動回路
と接続された本考案によるシヤツター制御回路を
示す。

第３図においてシヤツター制御回路の露出制御
回路１４はカメラのシーケンス作動回路のフオー
カス回路１５よりの信号によりピント合せ終了時
に短時間出力パルスを発出するワンシヨツト回路
１６の出力に接続されて、この出力パルスにより
露出制御回路１４により適正露出時間を計測する
とともにワンシヨツト回路１６の出力はまたトラ
ンジスター１７のベースに接続され、トランジス
ター１７のコレクターおよびエミツターを介して
前述の複合マグネツト８の組合せコイル８ｂが電
源１８に接続され、ワンシヨツト回路１６の出力
パルスによりトランジスター１７が導通されて組
合せコイル８ｂを附勢し既述のようにシヤツター
羽根１を開くようになつている。

また露出制御回路１４の出力はトランジスター
１９のベースに接続され、トランジスター１９の
コレクターおよびエミツターを介して電磁駆動モ
ーター６または可動コイル１１が電源１８に接続
され、適正露出時間後に発出される露出制御回路
１４の出力パルスによつてトランジスター１９が
導通されると電磁駆動モーター６または可動コイ
ル１１が附勢されて既述の如くシヤツター羽根１
を閉じるようにセクターリング２を回転して、閉
じ位置にセクターリング２を複合マグネツト８に
よつて保持する。

本考案の特徴とするところはシヤツター羽根閉
じ位置にセクターリング２が回転して突出腕２ｂ
が永久磁石８ａに当接した時に永久磁石８ａの磁
界が変化し、これによつて組合せコイル８ｂに誘
起電圧が発生することを効果的に利用してシヤツ
ター羽根閉じ検出信号を発生させる点にある。

そのために第３図に示されるようにワンシヨツ
ト回路１６の出力に接続されるトランジスター１
７のエミツターの出力を点ａに分岐してアンド回
路２０の１方の入力に接続するとともに露出制御
回路１４の出力に接続されるトランジスター１９
のエミツターの出力を点ｂにて分岐してアンド回
路２０の他方の入力に接続してアンド回路２０の
出力によりシヤツター羽根閉じ検出信号を得るよ
うになすのである。

即ちシヤツター羽根１は開かれた後で閉じる時
には必らず露出制御回路１４からシヤツター羽根
閉じ信号を発して、これによりトランジスター１
９を介して電磁駆動モーター６または可動コイル
１１を附勢してセクターリング２をシヤツター羽
根閉じ位置まで回転させなければならず、従つて
誤動作を阻止して確実にセクターリング２を閉じ
位置まで回転させるにはセクターリング２の突出
腕２ｂが永久磁石８ａに当接した後たとえ短時間
でも暫時電磁駆動モーター６または可動コイル１
１の附勢を続ける必要がある。１方組合せコイル
８ｂに誘起される電圧はセクターリング２の突出
腕２ｂが永久磁石８ａに当接した瞬間に発生する
のであるからシヤツター羽根１が閉じ位置に達し
た瞬間にはアンド回路２０の両方の入力にともに
入力信号が入り、これによりアンド回路２０の出
力が高レベルになつてシヤツター羽根閉じ検出信
号が得られるのである。この信号は第５図に示さ
れるカメラシーケンス制御回路のレンズリセツト
回路２１に入力される。

第４図は第３図の回路の各出力信号およびシヤ
ツター開き作動特性のタイムチヤートである。

第５図は本考案のシヤツター羽根閉じ検出信号
発生回路を組込むに適したカメラシーケンス作動
制御回路を示。

このシーケンス作動制御回路自体は本考案に直
接関係がないので詳述しないが、レリーズ回路２
２、バツテリー・チエツク回路２３、アンダー・
オーバー・チエツク回路２４、電磁レリーズ回路
２５、フオーカス回路１５、第３図の露出制御回
路１４を含むシヤツター回路２６、遅延回路２
７、レンズ・リセツト回路２１、フイルム巻上回
路２８、フイルム終了検出回路２９、フイルム巻
戻回路３０、測距回路３１、電源ラツチ回路３
２、測光回路３３、等を含み、図示のように接続
されていて、フオーカス回路１５にはレンスＬが
連動され、シヤツター回路２６にはシヤツターＳ
が接続されて制御されるとともにフイルム巻上回
路２８とフイルム終了検出回路２９にはフイルム
Ｆが連動される。本考案によるシヤツター羽根閉
じ検出信号発生回路Ｄは破線で示されるようにシ
ヤツター回路２６とレンズリセツト回路２１に接
続されている。

本考案は上述のように無接点スイツチを何等附
加的な部材を使用せずに構成してシヤツター羽根
閉じ検出信号を発生できるからコストが安く、エ
ネルギー消費も少なく、優れた効果を有するので
ある。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案を組込むに適した電磁駆動シヤ
ツターの要部を示す平面図。第２図は第１図の変
形形態の平面図。第３図は本考案によるシヤツタ
ー羽根閉じ検出信号発生回路を示す回路図。第４
図は第３図の各出力のタイムチヤート。第５図は
本考案のシヤツター羽根閉じ検出信号発生回路を
組込むに適したカメラのシーケンス作動制御回路
を示す回路図。 １……シヤツター羽根、２……セクターリン
グ、４……地板、６……電磁駆動モーター、７…
…開き用ばね、８……電磁ホールド手段即ち複合
マグネツト、８ａ……永久磁石、８ｂ……組合せ
コイル、９……永久磁石、１１……可動コイル、
１４……露出制御回路、１６……ワンシヨツト回
路、１７，１９……トランジスター、２０……ア
ンド回路、２６……シヤツター回路、Ｄ……シヤ
ツター羽根閉じ検出信号発生回路、Ｆ……フイル
ム、Ｌ……レンズ、Ｓ……シヤツター。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. シヤツター羽根を開き位置に動かすように開き
   用ばねによつて常時附勢されているセクターリン
   グを前記開き用ばねの作用に抗してシヤツター羽
   根の閉じ位置に保持する電磁ホールド手段を含
   み、前記ホールド手段が前記セクターリングをシ
   ヤツター羽根閉じ位置に吸着保持する磁力を有す
   る永久磁石と、制御回路によつてレリーズ信号が
   発された時に附勢されることにより前記永久磁石
   の磁力を減殺して前記永久磁石によるセクターリ
   ングの吸着保持を解除するように附勢可能の組合
   せコイルとより成つていて、さらにまた前記レリ
   ーズ信号により作動されて前記制御回路により計
   測された所定露出時間経過後に発出されるシヤツ
   ター羽根閉じ信号により附勢されて前記セクター
   リングをシヤツター羽根の開き位置から閉じ位置
   に動かすように該セクターリングを駆動する電磁
   駆動手段を含む電磁駆動シヤツターにおいて、前
   記セクターリングが前記電磁駆動手段によりシヤ
   ツター羽根閉じ位置に動かされた時に前記永久磁
   石に当接して該永久磁石の磁界を変化させること
   により前記組合せコイルに誘起させる電圧と前記
   シヤツター羽根閉じ信号とをともに入力した時に
   のみシヤツター羽根閉じ検出信号を発する回路を
   含むことを特徴とする電磁駆動シヤツター。