JPS6219386Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案はトランスフアプレスのフイードバーに
連結して用いるプツシヤ装置に関するものであ
る。

従来、トランスフアプレスのフイードバーに連
結して進退し、ブランク材をプレスに向けて搬送
するプツシヤ装置では、マガジンに積載して搬入
した板材をリフトシリンダでプツシヤ部材に向け
て押し上げ、上から１枚ずつプツシヤ部材の押金
に係合させて押し出し、搬送しているが、押し出
される板材の挙動が不安定で、特に異形材を取扱
う場合に著しく、トラブルが発生して製品が不良
となつたり、金型を損傷したりすることが多いと
いう欠点があつた。

本考案の目的はこれらの欠点を除き、押し出さ
れる板材を安定化させると共に、板材がプツシヤ
部材の正しい位置にない場合は検出できるプツシ
ヤ装置を提供することにある。以下本考案の実施
例について図面を参照して説明する。

第１図及び第２図において、プツシヤ部材１は
板材１０の搬送方向に向けてプレスの機体に進退
自在に設けられ、連結バー２を介してプレスのフ
イードバー３に連結されている。連結バー２とフ
イードバー３との連結部分はフイードバー３のア
ドバンス・リターン運動方向（搬送方向）に拘束
され、それと直角方向には逃げる慣用の構造とな
つている。プツシヤ部材１の底面には、底面に向
けて押し上げられた板材１０に係合して押し出す
ための押板４が設けられている。板材１０が押し
上げられて接するプツシヤ部材１の底面部には所
要数の電磁マグネツト５と近接スイツチ６とがそ
の下端面を底面と一致させて取付けられている。
マガジン１１に積載された板材１０はコンベア１
２に乗せて定位置に搬入される。コンベア１２は
通常第１図において紙面と垂直方向に設けられる
が便宜上図の如く表わした。定位置の下部にはリ
フトシリンダ１４が設けられ、それに昇降自在に
適合したピストン１５のピストンロツドにはリフ
ト部材１６が設けられている。リフト部材１６は
板材１０をガイドバー１３に沿つて押し上げる。
プツシヤ部材１の押金４は最上部の１枚の板材１
０だけが係合する厚みを持つている。

プツシヤ部材１により押し出される板材１０を
受けるためのシユート９がプレスの機体に設けら
れている。プツシヤ部材１のピン８に枢着された
複数の爪７はシユート９上に押し出された板材１
０ａを更に１０ｂの位置まで押し出し、プツシヤ
部材１が後退するとき１０ａの位置に押し出され
ている板材に押し上げられて回動し板材１０ａを
押す位置に戻る構造となつている。

第３図において、リフトシリンダ１４に供給さ
れる圧縮エアの回路を示す。上昇用流体室１７は
絞り弁ユニツト１９、電磁弁２０及び調圧弁２１
を介して圧縮エア源２５に連結されている。また
下降用流体室１８は絞り弁ユニツト２２、電磁弁
２３及び調圧弁２４を介して圧縮エア源２５に連
結されている。調圧弁２１で調整された圧力によ
りピストン１５が受ける上昇力はマガジン１１に
積載された板材１０を急速にプツシヤ部材１まで
持ち上げるため板材１０の総重量の数倍の力と、
板材１０がガイドバー１３と接触して受ける摩擦
力との和に見合つている。調圧弁２４で調整され
た圧力はピストン１５に下降させるだけの力を与
えるだけでよい。そこで、調圧弁２１で調整され
た圧力と調圧弁２４で調整された圧力との差によ
つてピストン１５に与える力をピストン１５及び
その上に積載される板材１０の総和より若干大と
なるように調整しておく。

次に作用について述べる。第４図においてプレ
スのフイードバー３はプレスのクランク角300゜
から60゜までの間前進し、120゜から240゜までの
間後退する。フイードバー３に連結されたプツシ
ヤ部材１も同様に前進、後退を行なうのでプレス
のクランク軸と連動するロータリカムスイツチ
（図示せず）の信号により本装置を次のように制
御する。第１図乃至第３図においてリフト部材１
６により押し上げられた板材１０はプツシヤ部材
１の底面に強く押しつけられている。クランク角
300゜においてロータリカムスイツチからの信号
で電磁マグネツト５は励磁されて板材１０を吸着
し、近接スイツチ６は通電されて板材１０を検出
し、電磁弁２３は切換えられて下降用流体室１８
に給気し、上昇用流体室１７に給気されている圧
力と相殺して、ピストン１５に加わる押上力を弱
める。そこでプツシヤ部材１が前進し、板材１０
１枚を押し出す。このときピストン１５の押上力
が弱いので次の板材１０との間の摩擦力が小さ
く、互に傷つけるおそれがなく、また押し出され
る板材１０が不安定となることが少ない。押し出
された板材１０は電磁マグネツト５で吸着されて
いるので挙動が安定している。もし板材１０の位
置がずれていると、近接スイツチ６の何れか１つ
又は全部が板材１０を検出しないのでその信号に
よりプレスを非常停止させ、トラブルを未然に防
止する。

クランク角60゜においてプツシヤ部材１が前進
端に達し停止すると同時に電磁マグネツト５及び
近接スイツチ６の回路を断とし、板材１０はシユ
ート９上の１０ａの位置に置かれる。電磁弁２３
も切換えられ、ピストン１５の押上力を増す。電
磁弁２３は別にクランク角240゜で切換えてもよ
い。プツシヤ部材１が後退すると爪７は板材１０
ａに押し上げられて回動しつつ後退し、板材１０
ａを押す位置に復帰する。次のプツシヤ部材１の
前進で上述の制御を繰返すほか爪７は板材１０ａ
を１０ｂの位置に押し出し、以後フイードバー３
により搬送される。マガジン１１に積載された板
材１０の搬送が終ると電磁弁２０に信号を送りリ
フト部材１６を下降限まで下げマガジン１１を入
れかえる。

以上の説明から明らかなように、本考案によれ
ば、電磁マグネツトで吸着して板材を搬送するの
で板材が安定し、従つて搬送速度が上げられる。
搬送される板材が位置ずれしていれば近接スイツ
チで検出しプレスを停止させるのでトラブルを未
然に防止できる。板材を押し出す時にはリフトシ
リンダの圧力調整をするので板材の摩耗が少なく
板材の安定化にも役立つ。など実用上の効果と利
点は極めて大きい。

【図面の簡単な説明】

第１図は実施例の一部断面の縦断面図、第２図
はプツシヤ部材の一部断面の下面図、第３図はリ
フトシリンダ装置用エア回路図第４図はクランク
角に対する工程図、である。 １はプツシヤ部材、２は連結バー、３はフイー
ドバー、４は押金、５は電磁マグネツト、６は近
接スイツチ、７は爪、８はピン、９はシユート、
１０は板材、１１はマガジン、１２はコンベア、
１３はガイドバー、１４はリフトシリンダ、１５
はピストン、１６はリフト部材、１７は上昇用流
体室、１８は下降用流体室、１９は絞り弁ユニツ
ト、２０は電磁弁、２１は調圧弁、２２は絞り弁
ユニツト、２３は電磁弁、２４は調圧弁、２５は
圧縮エア源、２６はプレス本体、である。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. トランスフアプレスのフイードバーと連動して
   前進後退するプツシヤ装置において、プツシヤ部
   材下方の定位置に設けられ、積載した板材をプツ
   シヤ部材の底面に向けて押し上げるリフトシリン
   ダと、該リフトシリンダで押し上げた板材の上面
   に対応させてプツシヤ部材に設けられ、プツシヤ
   部材の前進開始時にプレスから発信される信号に
   より、プツシヤ部材の前進中板材を吸着保持する
   電磁マグネツトと、前記電磁マグネツトを動作開
   始させるプレスからの信号で前記リフトシリンダ
   の押上力を一時弱める手段とを具備することを特
   徴とするプツシヤ装置。