JPS6219130Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） この考案は、農用作業機における折りたたみ式
ツールバーの支承装置に関するものである。

（従来の技術） 一搬に、農用作業機においては、その直接的及
び間接的な能率向上を計るため、例えば干草処理
等の農作業時には、広巾の干草を同時に処理可能
にするためツールバーを水平状態に伸長させ、ま
た、路上走行時には外側ツールバーを機体の上方
へ折りたためるようにする必要があり、（例え
ば、ツースハロー、牧草反転機等）、このような
農用作業機の走行時における機巾を狭めるため、
作業機を設けた外側ツールバーを、そのヒンジピ
ンを中心として農用作業機の中央部よりに、僅か
に傾斜するように折りたたむ必要があり、このツ
ールバーの折りたたみは、単動又は複動シリンダ
の伸縮によりなされている。そして、この操作を
複動シリンダにより行えば、トラクタ上の運転席
からの操作を容易に行える反面、その操作に２系
統の配管を要するためトラクタと作業機間の配管
構造が複雑となると共に、コトスト高を招くとい
う問題点があるので、従来は単動シリンダが多く
用いられている。

（従来技術における問題点） ところが、従来の単動シリンダを用いるものに
あつては、ピンヒンジより内側に傾斜起立する外
側ツールバーの重心位置が、ピンヒンジより内側
に位置するため、油圧シリンダの圧油を排出した
後においても、外側ツールバーは依然としてその
起立状態を維持するものであであつたため、外側
ツールバーを、直立位よりやや農用作業機の中央
部よりに傾斜する起立状態から、人手により機体
外側の水平な作業位置に回動させるという煩雑な
操作をする必要があり、また、この外側ツールバ
ーを直接人手により、その起立位置から外側へ回
動操作する場合には危険が伴ない、安全対策上好
ましくないとう問題点があつた。

この考案は、このような従来例に鑑み、作業機
を取付ける折りたたみ式ツールバーを、油圧単動
シリンダのシリンダ本体とそのピストンロツドと
の間に、該ピストンロツドが縮小位近傍にあると
きのみに圧縮されるばねを設けることにより、複
雑な配管等を要することなく、単動シリンダの圧
油解放直後に、起立状態にある外側ツールバー
を、前記ばねの複元力により自動的に外側へ押
圧、伸長させ得るようにした農用作業機における
折りたたみ式ツールバーの支承装置を提供しよう
とするものである。

（問題点を解決する手段） この考案は、前記のような従来技術の問題点を
解決するため、内側ツールバーの両端に、ピンヒ
ンジを介して外側ツールバーの一端を起伏自在に
設けると共に、前記外側ツールバーが、前記ピン
ヒンジを越えて内側ツールバー側に傾斜できるよ
うに構成した農用作業機の折りたたみ式ツールバ
ーの支承装置において、前記内側ツールバーと外
側ツールバー間に油圧単動シリンダを設けると共
に、該油圧単動シリンダのシリンダ本体とそのピ
ストンロツドとの端部間に、前記ピストンロツド
が縮小位近傍にあるときのみ圧縮されるばねを設
けたものである。

（作用） 内側ツールバーと外側ツールバー間に設けた油
圧単動シリンダの一側に圧油を送油し、ピストン
ロツドを縮少させて外側ツールバーを起立させる
ことにより、農用作業機を機巾の狭い路上走行姿
勢とし、また、油圧単動シリンダの圧油を排出さ
せると同時に、ピストンロツドが収縮して圧縮状
態にあるばねの復元力により、起立状態にある外
側ツールバーをそのピンヒンジの直上位を越え
て、内側ツールバー（機体）外側の水平位へ自動
的に回動させて、広い機巾での牧草の反転、集草
等の農作業姿勢位とする。

（実施例） 以下、この考案に係る農用作業機における折り
たたみ式ツールバーの支承装置の一実施例を、第
１図及び第２図を参照して説明する。

両図において、１は内側ツールバー、２は内側
ツールバーの両端部ピンヒンジ３，３により軸着
した外側ツールバー、１Ａは内側ツールバー１の
中央部上方に設けたブラケツト、２Ａは外側ツー
ルバーの内方部に設けたブラケツト、４は農用作
業機としての牧草反転機のタイン、５は油圧単動
シリンダ、５Ａはシリンダ本体、５Ｂはピスト
ン、５Ｃはピストンロツド、５Ｄは連結部、５
Ｅ，５Ｆはシリンダヘツド部、６はばね、７はス
トツプ弁、８は油圧単動シリンダ５の圧油給排用
ポート、Ａは農作業機、Ｐはポンプ、Ｔはタンク
である。

次に、この実施例の作用を説明する。

まず、第１図の鎖線位（作業位）２Ｂにある外
側ツールバーを、同図の実線位２のように内側ツ
ールバー１に対して略直角に起立させて路上走行
位にするには、ポンプＰの圧油をストツプ弁７、
ポート８を介してシリンダ本体５Ａの油室（第２
図の右側室）へ送油し、ピストンロツド５Ｃを左
方へ移動させて縮小させ、外側ツールバー２が、
第１図の鎖線位２Ｂから実線位２のように、その
ピンヒンジ３の直上を越えて農用作業機Ａの中央
（内側ツールバー１）側に僅かに傾斜して起立し
た位置で、ストツプバルブ７を閉じて油圧単動シ
リンダ５をロツクし、これにより第２ツールバー
２をその位置にロツクする。

なお、このピストンロツド５Ｃが縮小した状態
において、ピストンロツド５Ｃ端部に固定された
ピストン５Ｂとシリンダヘツド５Ｆ内側との間に
挿入されたばね６が圧縮されるが、このばね６の
圧縮度は、ストツプ弁７によりシリンダ本体５Ａ
の圧油をタンクＴへ放出させた際、圧縮されたば
ね６の復元力で伸長するピストンロツド５Ｃによ
り、外側ツールバー２がピンヒンジ３の直上を越
えて外側へ回動させることができる程度のものと
する。

次に、第１図の実線位２のように起立状態にあ
る外側ツールバー２を、同図の鎖線位２Ｂの外側
（作業位）へ倒すには、まず、ストツプ弁７を開
くと圧縮されているばね６の復元力によりピスト
ン５Ｂに固定されたピストンロツド５Ｃが、第２
図の右方（イ方向）へ押されて同方向へ移動する
のであるが、タイン４部を含む外側ツールバー２
部の重心位がピンヒンジ３の直上位を僅かに越え
ると、以後はその自重により外側に傾倒すること
になる。したがつて、このばね６力の外側ツール
バー２部の重心位がピンヒンジ３の直上位を越え
るように押すだけの強さで足り、以後は外側ツー
ルバー２及びこれに装着されるタイン４部の自重
によりシリンダ本体５Ａ内の圧油が引続きタンク
Ｔ側へ排出され（なお、この間に排出される圧油
には、排出油路の形状等に基づく流動抵抗が作用
するので外側ツールバー２部の降下速度は緩和さ
れる）、外側ツールバー２が同図の鎖線位２Ｂと
なり、内外側のツールバー１，２に取付けられた
タイン４により、広巾干草の反転、集草等の農用
作業をする態勢となる。

次に、この考案に係る農用作業機における折り
たたみ式ツールバーの支承装置用の油圧単動シリ
ンダの他の実施例を、第３図を参照して説明す
る。なお、前記第１図及び第２図に示した実施例
を共通する部分には、同一名称及び同一符号を用
いる。

この実施例は、単動シリンダ５の圧油を導入す
る側のシリンダヘツト５Ｅの外側と、ピストンロ
ツド５Ｃの端部５Ｄとの間に、同ピストンロツド
５Ｃが縮小位近傍にあるときだけ圧縮されるばね
６Ａを設けたもので、ばね６Ａの設置位置を、前
記第２図のシリンダベツド５Ｆとピストンロツド
５Ｃ端部との間に設ける代りに、シリンダヘツド
５Ｅの外側とピストンロツド５Ｃの端部５Ｄとの
間に設けた外は、前記第１図及び第２図に示した
実施例の油圧単動シリンダと変りがなく、その作
用も前者と略同様であるから、その詳細な説明は
省略する。

（考案の効果） この考案は、前記のような構成を有し、作用を
するから、次のような効果が得られる。

(1) 外側ツールバーと内側ツールバー部間に、ば
ね付油圧単動シリンダを配設したから、外側ツ
ールバーの起伏操作を、ばね付油圧単動シリン
ダへ圧油を給排するだけで、外側ツールバー部
に直接人手を触れることなく行える。

(2) 油圧単動シリンダを用いるので、油圧回路を
単純化でき、コストメリツトがある。

(3) シリンダ本体の端部とピストンロツド間に、
ピストンロツドが縮小位近傍にあるときのみ縮
圧されるばねを設けたから、外側ツールバーの
引起力を僅かに越える油圧単動シリンダを設け
れば良く、小型軽量に構成できる。

なお、前記油圧単動シリンダの圧油を導入しな
い側のシリンダヘツド内側とピストンロツドの端
部間に、該ピストンロツドが収縮位近傍にあると
きのみ圧縮されるばねを設ければ、同ばねが単動
シリンダ内側に収容されるから、その保守が容易
となる。

また、前記油圧単動シリンダの圧油導入側シリ
ンダヘツド外側とピストンロツドの端部間に、該
ピストンロツドが収縮位近傍にあるときのみ圧縮
されるばねを設ければ、同ばねの装脱を容易に行
える。

【図面の簡単な説明】

図面は、本考案の一実施例を示すももので、第
１図はこの考案を実施した牧草反転集草機の背面
説明図、第２図は油圧単動シリンダの一実施例の
断面図、第３図は油圧単動シリンダの他の実施例
の断面図である。 １……内側ツールバー、２……外側ツールバ
ー、３……ピンヒンジ、５……油圧単動シリン
ダ、５Ｃ……ピストンロツド、５Ｄ……ピストン
ロツド端部、５Ｅ，５Ｆ……シリンダヘツド、
６，６Ａ……ばね。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 (1) 内側ツールバーの両端に、ピンヒンジを介し
   て外側ツールバーの一端を起伏自在に設けると
   共に、前記外側ツールバーが、前記ピンヒンジ
   を越えて内側ツールバー側に傾斜できるように
   構成した農用作業機の折りたたみ式ツールバー
   の支承装置において、前記内側ツールバーと外
   側ツールバー間に油圧単動シリンダを設けると
   共に、該油圧単動シリンダのシリンダ本体とそ
   のピストンロツドとの端部間に、前記ピストン
   ロツドが縮小位近傍にあるときのみ圧縮される
   ばねを設けたことを特徴とする農用作業機にお
   ける折りたたみ式ツールバーの支承装置。 (2) 前記油圧単動シリンダの圧油を導入しない側
   のシリンダヘツド内側とピストンロツドの端部
   間に、ばねを設けたことを特徴とする実用新案
   登録請求の範囲第１項記載の農用作業機におけ
   る折りたたみ式ツールバーの支承装置。 (3) 前記油圧単動シリンダの圧油導入側シリンダ
   ヘツド外側とピストンロツドの端部間に、ばね
   を設けたことを特徴とする実用新案登録請求の
   範囲第１項記載の農用作業機における折りたた
   み式ツールバーの支承装置。