JPS62189312A - エンジンの副燃焼室 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本発明は主としてディーゼルエンジンに設けられる副燃
焼室、特にセラミック製副室構成部材の外周囲に金属製
筒体を嵌合してなるｎｊ燃焼至に関する。

（従　　来　　技　　術） ディーゼルエンジンにおいては、主燃焼室に加えて渦流
室や予燃焼室等の副燃焼室がシリンダヘッドに設けられ
るが、この副燃焼！内は著しく高温の燃焼ガスに曝され
ると共に、良好な燃焼性を得るためには至内を高温に保
持する必要があり、そこで、この副燃焼室を耐熱性及び
断熱性に優れたセラミック材で形成することが試みられ
ている。

その場合に、該セラミック材は強度やシリンダヘッドへ
の取付性に欠けるので、例えば実開昭５８−１７５１１
８号公報に示されているように、上下に分割された一対
のセラミック製副室構成部材を金属製の筒体内に嵌合保
持させるのが通例である。

然してこの金Ｖ４製筒体の材料としては、所要の耐熱性
と良好な加工性等を具備すると共に、エンジン運転時に
おける温度上昇時にもセラミック材に対する保持性が維
持されるように低熱膨張係数材料で市ることが必要であ
り、そこで、このような条件を満足するものとして、従
来、５ＵＨ３や５ＵＳ４０３等のマルテンサイト系耐熱
鋼の使用が検問きれて来たく実公昭５８−５１３７１号
公報によれば５ＵＳ４３０の使用が示されている）。

しかし、この筒体が高温時にもセラミック材を十分な拘
束力で確実に保持し、しかも長期間にわたってその保持
性が維持されるためには上記のように熱膨張係数が小さ
いだけでは不十分で、焼きはめ性に優れていること、即
ち焼きばめによってセラミック材に対する締付力に対応
する十分な引張応力が冑られることや、該筒体自体の熱
間での強度が十分であること等が必要であり、更に燃焼
ガスによって酸化されることがないように耐酸化性にも
優れている必要がある。然るに、上記ＳＵ］」３や５Ｕ
Ｓ４０３等の材料はこれらの点で必ずしも満足すべきも
のではなく、実験によれば、エンジン運転中に筒体とセ
ラミック材との間に隙間が生じて、上下一対のセラミッ
ク材の合せ面における破損や、この合せ面からの燃焼ガ
スの漏出等の不具合が５Ｒ，ターし、また筒体自体二も
クランクが光生りる等の不具合が認められた。

（発　　明　　の　　ｌ］　　的） 本発明はセラミック製副室構成部材を金属製筒体内に嵌
合保持させてなるエンジンの副燃焼室に関づる上記のよ
うな実情に対処するもので、上記筒体の材料として、熱
膨張係数が小さく且つ白４熱性や加工性に優れているだ
けでなく、焼きばめ性、熱間強度、耐酸化性等にも優れ
た月利を実現し、これにより長期の使用にあっても該筒
体のセラミック材に対づる良好な保持性が維持されるよ
うにして、セラミック材の損傷や燃焼ガスの漏出等を防
止づると共に、該筒体自体におけるクラックの発生や破
損等をも防止することを目的とする。

（発　　明　　の　　構　　成） 即ち、本発明はセラミック製副室構成部材の外周囲に金
属製筒体を焼さばめしでなるエンジンの副燃焼室におい
て、上記筒体の材料の組成を、車１ｉ１１［−１０，１
３〜０．２０％のＣ＜ｍ累）、！：、０．３０〜０．７
０％のＳｉ　　（ケイ素）と、０゜５０〜１．００％の
Ｍｎ　　（？ンガン）と、１０゜５０〜１２．５０％の
ｃｒ　　＜クロム）と、０．６０〜１．００％のＭｏ　
　（モリブデン）と、０．１０〜０．３０％の■（バナ
ジウム）と、０．１５〜０．３５％のＮｂ　　にオブ）
と、０．０２〜０゜０５％の８（ホウ素）と、残部を実
質的に占めるＦｅ　　（鉄）とで構成し、且つこの材料
の組織を焼入れ及び焼戻し処理によりソルバイト組織と
したことを特徴とする。

上記組成は基本的にはマルテンサイト系耐熱鋼を構成す
るもので、上記各比率の成分は、夫々法のような働きを
有する。

即ち、０．１３〜０．２０％のＣは合金元素としてのＭ
ｏとの共存において、１０００〜１２５０℃の温度によ
る焼入れにより均一なオーステナイト相を形成するのに
必要且つ十分な聞であって、この聞より多くなると炭化
物の析出が著しくなってクリープ強度を低下させること
になる。

０．３０〜０．７０％のＳｉ　と、０．５０〜１゜００
％のＭｎとは脱酸剤として必要且つ十分な徂である。

１０．５０〜１２．５０％のｃｒは、耐熱性を向上させ
るもので、これより少いと耐熱性が不十分となり、また
多過ぎると１０００〜１３００℃付近におけるオーステ
ナイト領域が狭くなり、クリープ強度が低下する。

０．６０〜１．００％のＭｏは、焼鈍によって２次効実
現象を強化し、熱間でのクリープ強度を高める。

そして、これらの基本的組成に加えられる０゜１０に０
．３０％の■と、０．１５〜０．３５％のＮｂとは、上
記Ｍｏと同様に焼鈍によって２次効実現象を強化して熱
間でのクリープ強度を向」−させると共に、特に■は結
晶粒を微細化させて耐熱性を一周向上させ、またＮｂは
耐酸化性を向上させる。

また、０．０２〜０．０５％のＢは、熱間強度、特にク
リープ強度を茗しく向上さゼる。

そして、更に以上のような組成の材料でなる筒体をセラ
ミック製副室構成部材に焼きばめ嵌合寸る前における焼
入れ及び焼き戻し処理により、組織がマルテンサイト系
組織からソルバイト組織に変化され、該金属製筒体の引
張強度及び靭性が向上する。

（発　　明　　の　　効　　果） 以上のように本発明によれば、セラミック製副室構成部
材の外周囲に焼きばめ嵌合される金属製筒体の材料とし
て、低熱膨張係数を有し且つ耐熱性や加工性に優れてい
ると共に、焼きはめ性に優れて上記副室構成部材に対す
る所要な締付力が随時され、しかも該筒体自体としての
熱間強度及び耐酸化性等に優れた材料が実現されること
になる。

これにより、セラミック製側室構成部材の外周囲に金属
製筒体を嵌合してなるエンジンの副燃焼室として、長期
間の使用にあってもセラミック製副室構成部材が良好に
保持されて該部材の破損や合せ面からの燃焼ガスの漏出
がなく、また固体にお【ノるクラックの発生や酸化によ
る劣化等のない副燃焼室が得られることになる。

（実　　施　　例） 以下、本弁明の実施例を図面に基づいて説明づる。

第１図に示すＪ、うに、ディーゼルエンジンの副燃焼Ｔ
１は主燃焼雫２の上面を形成するシリングヘッド３内に
該主燃焼室２に対して偏心させて設けられている。この
副燃焼室１は、いずれも例えばＳｉ３Ｎ４　（ブッ化ケ
イ素）等のけラミック材で形成された上部部材４と下部
部材５とでなり且つ内部が略球状の副室６とされたｕ？
）ミック製副室構成部材７と、該部材７の外周囲に嵌合
された金属製筒体８とでなり、両者が一体化された状態
で上記シリンダヘッド３に設けられた取付凹部３ａ内に
嵌合されている。そして、副室構成部材７の下部部材５
に副室６と主燃焼室２とを連通さぜる噴口５ａが形成さ
れていると共に、下部部材４にはグロープラグ挿入孔４
ａ及び燃わｔｌ＠躬孔４１）が設けられ、シリンダヘッ
ド３に狭義されたグロープラグ９の先端が上記挿入孔４
ａから副室６内に突入され、また同じくシリンダヘッド
３に菰ルされた燃料噴射ノズル１０の先端が上記噴射孔
４ｂを介して副室６内に臨んでいる。また、上記金Ｈ製
筒体８の下端部には鍔部８ａが形成され、該鍔部８ａが
上記取付凹部３ａの下端部に圧入されていると共に、そ
の上方における筒体８の外周面と凹部３ａの内周面との
間は断熱空間１１とされている。

然して、上記金属！１１筒体８は焼きばめによってセラ
ミック製副室構成部材７の外周囲に嵌合されているが、
エンジン運転中において副室６内やシリンダヘッド３が
高温の状態となった場合にも焼きはめ効果が相持されて
副室構成部材７に対する良好な保持性が得られ、且つこ
の保持性が長期間にわたって相持される必要がある。

そこで、この実施例においては、上記の如ぎ要求を満足
する筒体８の材料として、次のような組成の材料が用い
られている。

即ち、この筒体８の材料は、重量化で、０．１４％のＣ
と、０．４３％のＳｉと、０．６６％の１ｙｌｎと、０
．０２４％のＰと、０．００２％のＳと、１１．０３％
のＣｒと、０．６４％のＭｏと、更にこれに加えて、０
．１７％のＶと、０．１８％のＮｂと、０．０２２％の
Ｂと、残部を実質的に占めるＦｅとを組成とする（第１
表参照）。

この組成は基本的にはマルテンサイト系組織鋼の組成で
あって、低熱膨張係数を有すると共に、耐熱性や加工性
に優れた性質を有するが、更に、０．１７％のを含有す
ることにＪ、り結晶粒が微細化されて耐熱性が向上され
、また、０．１８％のＮｂを含有することにより耐酸化
性が向上され、更に、０．０２２％のＢを含有すること
により熱間強度が向上されている。

そして、該筒体８は、１１００℃、６０分の加熱の後、
油冷を行う焼入れ処理を行った上で、０９０℃、３時間
の加熱後、空冷を行う焼戻し処理にＪ：す゛、組織がマ
ルテンサイト系組織からソルバイト組織に変化され、そ
の後６００・〜８５０℃の加熱下で上記０１空構成部材
７の外周囲に焼きばめ嵌合される。これにより筒体８は
収縮し、副室構成部材７に対する所要の拘束力が狩られ
ることになる。

以上のようにして、金屈製鈴体８の熱間での長期使用に
よる酸化による劣化や熱間強度が不十分なことによるク
ラックの発生や破損等が防止されると共に、セラミック
製副室構成部月７が確実に保持されて上部部材４と下部
部材５との合せ面等にｄ′３ける破損や該合ゼ面からの
燃焼ガスの漏出等の不具合が解消されることになる。

尚、この実施例に係る上記組成の材料の熱膨張係数、熱
間強度及び耐酸化性について、他のマルテンリイト系耐
熱鋼である５ＵＨ３（、比較例■）及び５ＵＳ４０３　
（比較例■）と共に確認実験を行い、またこれらの材料
でなる筒体とセラミツク製６シｌ至構成部材とでなる副
燃焼室を実際にエンジンに装備して、焼きばめ性及び該
副燃焼室の状況の確認実験を行ったので、これらの結果
を以下に説明する。

ここで、上記実施例及び比較例１．ＩＩの組成は第１表
の通りであり、また焼入れ及び焼戻しの条件は第２表の
通りである（実施例については既述の通り）。

先ず、第２図は本案実施例及び比較例Ｉ、ＩＩの組成を
イラづる月利（テストピース）の各湿度にＪ３ける熱膨
張係数を示ずもので、いずれもエンジン運転中のｎｊ湿
温時おいても、１４．０Ｘ１０稲／℃以下であって、こ
の種の焼きはめ月として十分な低熱膨張係数を右するこ
とが認められた。

次に、第３図は熱間での０．２％耐力（降伏点）を承り
もので、いずれも約５００℃近傍から耐力の低下が著し
くなるが、実施例は全温度範囲で比較例１．Ｉｌよりも
大きな伯を示ずことが確認された。

また、第４図は熱間での１０００時間クリープ破断強さ
を示すもので、この強さも温度上昇に従って低下するが
、実施例は全Ｗｌｆｆ範囲で比較例■。

■よりも大きな偵を示した。

この熱間での０．２％耐力と１０００時間クリープ破断
強さとは材料の熱間強度を示すもので、実施例の組成が
比較例Ｉ、ＩＩに比較して熱間強度が優れていることに
なる。

更に、第５図は熱間での耐酸化性を１００時間の大気放
置による酸化増量によって示すもので、実施例及び比較
例Ｉが比較例■に比べて酸化増量が少なく、耐酸化性に
優れていることがＷ１認された。

また、第６図は第１表の各組成を有する材料で形成した
筒体をセラミック製副室構成部材に焼きばめした状態で
の該筒体表面の引張応力を焼きばめしろの各値に対して
示でもので、この引張応力が大きい程、副室構成部材に
対する締付力が大きく、焼きばめ性に優れていることに
なる。尚、この引張応力の測定は、当該副燃焼室を装備
したエンジンの耐久実験（全負荷の４６５０　ｒｆ）ａ
で２分間運転し、その後、無負荷アイドルの６５０　ｒ
ｌｌｌｎで１分間運転するニューサーマル耐久実験を１
２０００サイクル行うもの）の前後に行った。

ここで、筒体と副室構成部材（Ｓｔ　３　Ｎ４　）の常
温時と運転時の温度差をΔｔｉ、Δｔ２、熱膨張係数を
α１．α２、嵌合面の直径をｄｌ、ｄ２とすれば、運転
時に両者間に隙間が生じないようにするための最小焼き
ばめしろδは、 δ＝　（ΔｔｊＸα１　　ｘｄ　　ｔ　　）−（Δｔ２
ｘα２　　ｘｄ　　２　　）で示され、これに次のよう
に具体的数値を代入ずれば、 δ−（４８０Ｘ１２．５ｘ　１０’Ｘ３０）−（６８０
ｘ３．５ｘ１０−Ｇｘ３０）＝０．　１０８６　（＋ｕ
＋） となる。従って、長期使用による筒体の応力低下を考慮
すれば、焼きばめしろとしては約１５０μが必要となる
。

そして、この焼きばめしろでの筒体表面の引張応力は、
実施例で約７０に９／ｍｍ”（耐久実験前）、５５Ｎ９
／ｍｍ”（耐久実験後〉であって、比較例１゜■に比較
して大きな値を示し、焼きばめ性に優れいてることが確
認された。

最後に、上記耐久実験後における副燃焼室の状況をまと
めると第３表の通りであり、比較例■。

■で認められたセラミック製副室構成部材及び金属製筒
体の損傷等が実施例ではなく、またカーボンの付りによ
って認められる副室構成部材の合せ面からの燃焼ガスの
漏出も実施例は比較例Ｉ、ＩＩに比べて軽微であること
が確認された。

（以下、余白） 尚、当該筒体の材料と（）で、上記実施例及び比較例Ｉ
、ＩＩのマルテンサイト系耐熱鋼以外に、オーステナイ
ト系耐熱鋼としての５ＵＳ３０４、Ｎ１ＩＪ超耐熱合金
としてのＮ　ｉｍｏｎｉｃ８０Δ（商品名）、Ｆｅ−Ｎ
ｉ基低膨張合金としてのＩ　ｎｃｏＩＯＶ９０３．９０
４　（商品名）についても確認したが、５ＵＳ３０４及
びＮ　ｉｍｏｎｉｃ８０△は熱膨張係数カ大きすぎ、ま
たｌ　ｎｃｏｌｏＶ９０３　、９０４は加工性や耐酸化
性が悪いため、この種の筒体としての使用に適さないこ
とが確認された。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明に係る副燃焼室及びその周辺の構成を示
す断面図、第２〜６図は本発明の実施例に係る材料の熱
膨張係数、０６２％耐力、クリープ破断強さ、酸化増量
、及び筒体表面の引張応力を比較例と共に夫々示すグラ
フである。 １・・・副燃焼室、７・・・セラミック製副室構成部材
、８・・・金属製筒体

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. （１）セラミック製副室構成部材の外周囲に金属製筒体
   を焼ばめしてなるエンジンの副燃焼室であって、上記金
   属製筒体の材料が、重量比で、０．１３〜０．２０％の
   Ｃと、０．３０〜０．７０％のＳｉと、０．５０〜１．
   ００％のＭｎと、１０．５０〜１２．５０％のＣｒと、
   ０．６０〜１．００％のＭｏと、０．１０〜０．３０％
   のＶと、０．１５〜０．３５％のＮｂと、０．０２〜０
   ．０５％のＢと、残部を実質的に占めるＦｅとでなる組
   成を有し、且つ該筒体の組織がソルバイト組織とされて
   いることを特徴とするエンジンの副燃焼室。