JPS6218839B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 〔発明の技術分野〕 本発明は、主として火力、原子力発電所に使用
される熱交換器の改良に関する。

〔発明の技術的背景とその問題点〕

従来のこの種の熱交換器は第１図乃至第２図に
示されるように、本体胴４に設けられた蒸気流入
口６を経て導入されるタービンから抽気された加
熱用蒸気が本体胴４上部の蒸気通路１２を流通
し、さらに管支持板８によつて支えられている一
群の管巣１３，１４の外表面を流通し、この管巣
１３，１４を構成するＵ字形状の加熱管７の中を
流れる給水を加熱し、その蒸気は凝縮してドレン
となり本体胴４の底部にたまるように構成されて
いる。

一方給水は、給水入口２より水室１に流入し、
加熱管７を流通し、水室１を経て給水出口３から
流出される。なお５は管板、８は支持板、１０は
ドレンクーラ、１１はドレンをそれぞれ示す。

ところで上記構成を有する従来の熱交換器にお
いて、蒸気入口６より導入された蒸気は、第２図
の蒸気流れ１５，１６で示されるように通路部２
９を通して管巣１３，１４の外周囲よりその内部
に向つて流れる。そして、管巣１３，１４の内部
に向つて流れる蒸気は、やがて凝縮してドレンと
なり、他方この間生成される不凝縮ガスは、本体
胴４の軸線に沿つて設けられている空気抽出管９
を通して外部に導かれるようになつている。とこ
ろが、上記通路部２９の下方に流れる蒸気流れ１
６は、顕熱をかなり失つており、また通路部が比
較的狭くなつている関係上、図示のように管巣１
４の真下から流れ込むことが比較的少なく、その
結果、熱交換中に生成される不凝縮ガスは、図
中、斜線で示されるガス停溜部１７に集まること
が往々にしてあるという不具合があつた。

かかる不具合を解消するものとして第３図に示
されるように、空気抽出管９の両側に整流板１
８，１８を対設すると共に、管巣１４の下部外周
面にも整流板１８，１９を設けたものがある。か
かる構成にすると、図中、斜線で示されるガス停
溜部１７に集まつたガスは空気抽出管９に流入す
るが、整流板１８，１９によつて蒸気流れ１６が
強制的に変えられるため、圧力損失が増し、あま
すところなく蒸気の顕熱を利用することができ
ず、結果的に性能低下の要因となる等の欠点があ
る。

〔発明の目的〕 本発明は、上述の不具合、欠点に改善を加え、
もつて高性能な熱交換器を提供することを目的と
する。

〔発明の概要〕

本発明は、上記管巣の軸方向に沿つてＵ字形状
の空気抽出管を挿入し、さらにこの空気抽出管の
一端を管板に隣接して設けられた隔室に連通さ
せ、この隔室を介して不凝縮ガスを抽出するよう
にしたことを特徴とする。

〔発明の実施例〕

以下本発明の実施例を図面を参照して説明す
る。

第４図、第５図は本発明に係る熱交換器の概略
を示した図である。なお、図中、第１図乃至第３
図における構成部分と同一のものには同一符号を
付してある。

同図において、符号５は水室１と本体胴４とを
画成する管板を示し、この管板５に隣接するよう
隔板２６とドレンクーラ１０とによつて隔室２７
が画成されている。また、上記隔室２７には空気
抽出管２２が連通されており、この空気抽出管２
２は本体胴４の軸方向に沿つて延設され、途中か
ら反転してドレンクーラ１０の隔板２５に固設さ
れる。上記空気抽出管２２は適宜に設けた支持板
８によつて支持されると共に、軸方向に沿つてガ
ス捕集口２８を有する。このガス捕集口２８は各
支持板８によつて区画された各セクシヨンを通る
蒸気中に含有される不凝縮ガス量に見合うように
穴径が選定されている。なお３０はガス出口管を
示す。

上記の構成において、蒸気が支持板８によつて
支えられた管巣１３，１４を通過する際、生成さ
れる不凝縮ガスは空気抽出管２２のガス捕集口２
８を通して、隔室２７に集められ、ここで冷却さ
れ、その後ガス出口管３０を通して外部に放出さ
れる。また、上記のように不凝縮ガスがガス捕集
口２８から空気抽出管２２に流入するのに伴なつ
て、周辺に存在するまだ利用可能な潜熱を保有し
た蒸気も空気抽出管２２に流入するが、この随伴
蒸気も隔室２７において冷却され、その保有する
潜熱は無駄に捨てられることなく有効に回収され
ることとなる。

したがつて、不凝縮ガスは熱交換器内に滞留す
ることがなく、また随伴蒸気の保有する熱が回収
されるから、熱交換器全体としての性能向上を図
ることができる。

なお、第４図に示すように、加熱管７が内部を
貫通するように隔室２７を設けておけば、随伴蒸
気の保有する熱を回収する上で有効である。

〔発明の効果〕

以上説明したように、本発明は、管巣中の蒸気
停滞を解消し不凝縮ガスを効果的に排出するた
め、管板に隣接するよう隔室を設け、この室にガ
ス捕集口を有する空気抽出管を連通するようにし
たから、本発明によれば不凝縮ガスによる加熱管
の腐食を防止することができるばかりでなく、隔
室においてこの不凝縮ガスに随伴する蒸気の保有
潜熱を有効に回収することができ、しかも従来の
ように整流板を設ける必要がないから管巣内の圧
力を増加させることもなく、熱交換器の性能を向
上させることができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来の熱交換器の概略を示す断面図、
第２図は第１図の―方向線から失視切断した
図、第３図は従来の他の熱交換器の概略を示す断
面図、第４図は本発明に係る熱交換器の実施例を
示す図、第５図は第４図の―方向線から矢視
切断した図である。 ４……本体胴、５……管板、１０……ドレンク
ーラ、１３，１４……管巣、２２……空気抽出
管、２５，２６……隔板、２７……隔室、２８…
…ガス捕集口。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ Ｕ字状に形成された加熱管が多数集合してな
   る管巣の軸方向に沿つてＵ字状に挿入された空気
   抽出管と、該空気抽出管の一端部に連通するよう
   管板に隣接して画成された隔室とを備え、器内の
   不凝縮ガスを前記空気抽出管から隔室を経て排出
   するようにした熱交換器。