JPS6217902Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） この考案は自動販売機の価格設定装置に関す
る。

（従来技術とその問題点） 従来の自動販売機における価格設定装置として
は、たとえばデイツプ（DIP）スイツチと、デイ
ツプスイツチから得られたたとえば８ビツト信号
の内容に応じて対応する商品の価格を表わすデイ
ジタル信号を生じるプライスボードとを備え、プ
ライスボードから得られる価格信号を料金処理部
に印加するようになつていた。さらにこの種の従
来の価格設定装置は１つの商品に対しては１個の
デイツプスイツチを備えているだけであつたた
め、１つの商品に対しては１種類の価格しか設定
出来なかつた。

従来、自動販売機の販売商品数は少なく、１つ
の商品に対して１種類の価格しか設定できないよ
うになつており、割引き価格で販売する際、価格
設定スイツチを操作しなければならない作業も数
が少ないため、充分間に合つていた。

しかしながら、近来、自動販売機の大型化が進
み、商品価格設定の数が増えてきている今日、従
来のように一々設定しているのでは、作業が面倒
で、長時間の作業となるため、間違いが発生し易
くなる問題点を生じ、その解決が急がれていた。

そして、同一商品であつても、日によつては正
規の価格から所定の割引率で割引いた価格販売す
るような場合には、上述のような従来の自動販売
機の価格設定装置では、１商品につき１種類の価
格しか設定出来ないので、商品正規価格で販売す
るか割引価格で販売するかによつて、その度毎に
価格設定スイツチの操作をしなければならず、操
作が煩雑であるとともに、価格の設定を誤り易い
という欠点があつた。

（考案が解決すべき課題） この考案は従来の自動販売機の価格設定装置に
おける上述の欠点、即ち１商品について１価格し
か設定できないことに由来する価格設定操作が煩
雑で誤りを生じ易いという欠点を排除するために
なされたものであつて、通常価格および割引価格
の設定が正確に行え、かつ通常価格および割引価
格の切り換えも簡単にできるようにした自動販売
機を提供することを目的とする。

（課題を解決する手段） この考案は商品の正規の価格を設定する第１の
価格設定スイツチと、商品の変更された価格を設
定する第２の価格設定スイツチと、商品を正規の
価格で販売するか変更された価格で販売するかを
選択するように切換えられる選択スイツチと、選
択スイツチの切換によつて、第１の価格設定スイ
ツチか第２の価格設定スイツチかのいずれかに電
圧を供給し、電圧が供給された側の価格設定スイ
ツチから設定価格情報を販売動作制御用の制御装
置に印加する回路とを備えたことを特徴とする。

（作用） 上述の構成において、第１の価格設定スイツチ
には正規な価格が設定され、また第２価格設定ス
イツチには割引価格が設定される。そして選択ス
イツチにより第１の価格設定スイツチを選択する
と、この第１価格設定スイツチに電圧が印加さ
れ、第１の価格設定スイツチから正規価格を示す
信号が制御装置に印加され、自動販売機は正規価
格で販売動作する。選択スイツチにより第２の価
格設定スイツチを選択すると第２の価格設定スイ
ツチに電圧が印加され、たとえば割引価格を示す
信号が制御装置に印加され自動販売機は割引価格
で販売動作する。

（実施例） 以下に、この考案の一実施例を添付図面ととも
に説明する。

第１図において、１は自動販売動作を制御する
制御装置で、一点鎖線で囲んで示す価格設定装置
２から販売しようとする商品の価格を示すデイジ
タル信号を受けるとともに、図示しないコインメ
ツクから投入金額を示すデイジタル信号を受け
て、商品の放出制御や、釣銭の演算等の自動販売
動作に必要な制御をおこなうものである。

上記価格設定装置２において、３−１と３−２
とは、デイジタルスイツチを用いた正規価格設定
用の第１のスイツチで、接点３−１−１は10円、
３−１−２は20円、３−１−３は40円、３−１−
４は80円に対応し、また３−２−１は100円、３
−２−２は200円、３−２−３は400円、３−２−
４は800円に対応している。

各接点３−１−１乃至３−２−４は、共通に、
上記制御装置１内に設けられた電界効果形トラン
ジスタ（以下に、FETと記す）４−１がオンと
なつたとき、ハイレベルの信号を受けて、たとえ
ば、第１図中に示すように、スイツチ３−１の接
点３−１−２と３−１−３、スイツチ３−２の接
点３−２−２が閉とされた場合には、スイツチ３
−１から“0110”、即ち、60円を示す４ビツト信
号、スイツチ３−２から“0010”、即ち、200円を
示す４ビツト信号が送出される。この場合には、
両スイツチ３−１，３−２によつて正規価格260
円が設定されたことを示す。

６−１と６−２とは、デイジタルスイツチを用
いた割引価格設定用の第２スイツチで、各接点６
−１−１乃至６−１−４は、それぞれ、10円，20
円，40円，80円に対応し、また、接点６−２−１
乃至６−２−４は、それぞれ、100円，200円，
400円，800円に対応している。

各接点６−１−１乃至６−２−４は、上記制御
装置１内に設けられたFET４−２がオンとなつ
たとき、ハイレベルの信号を受けて、第１スイツ
チ３−１，３−２と同様に所定の価格信号を生じ
るようになつている。

７は、商品を正規価格で販売するか割引価格で
販売するかを選択する選択スイツチで、このスイ
ツチ７の各接点７−１と７−２の一方の接点は、
共通に、所定の電圧を有する直流電源５−２に接
続され、各接点７−１と７−２の他方の接点は、
それぞれ、上記FET４−１のゲートとFET４−
２のゲートにハイレベル信号を印加するように接
続されている。そして、このスイツチ７を正規価
格側Ｘに切換えると、FET４−１のゲートにハ
イレベルの電圧が印加され、該FET４−１はオ
ンとされ、第１のスイツチ３−１，３−２が選択
され、一方、割引価格Ｙ側に切換えられると
FET４−２のゲートにハイレベルの電圧が印加
されて、該FET４−２はオンとされ、第２のス
イツチ６−１，６−２が選択されるようになつて
いる。

８−１，８−１−２，……，８−１−４，およ
び８−２−１，８−２−２，……，８−２−４
は、ともに、２つの入力端子を有するオアゲート
である。

オアゲート８−１−１の一方の入力端子は、上
記第１のスイツチ３−１の接点３−１−１と接続
されるとともに、他方の入力端子は、上記第２の
スイツチ６−１の接点６−１−１と接続され、か
つ、このオアゲート８−１−１の出力端子は、上
記制御装置１の10円の位を示す入力端子T₁₀に接
続されている。さらに、他のオアゲート８−１−
２，……，８−２−１，……８−２−４も、上述
したオアゲート８−１−１と同様にして、それぞ
れ、上記第１のスイツチ３−１および３−２の各
接点３−１−２，……，３−２−１，……，３−
２−４，並びに、第２のスイツチ６−１および６
−２の各接点６−１−２，……，６−２−１，…
…，６−２−４と接続され、かつ、各オアゲート
の出力端子は、それぞれ、上記制御装置１の20
円，40円……，100円……，800円の位を示す入力
端子T₂₀，……T₁₀₀，……，T₈₀₀と接続されてい
る。

９は、割引き価格で自動販売動作がおこなわれ
る動作モード状態であることを表示する、たとえ
ば、発光ダイオードである。この発光ダイオード
９は、上記FET４−２のドレーンと接続されて
おり、上記選択スイツチ７を割引価格側Ｙに切換
えてFET４−２がオンされたとき点灯するよう
になつている。

なお、当該自動販売機が、各種の商品を販売
し、かつ、各商品の価格を割引して販売するもの
である場合には、各商品に対応して、上述した価
格設定装置２、および、発光ダイオード９を設け
るようにすればよい。

次に、上記構成の価格設定装置の動作を説明す
る。

当該自動販売機において、商品の正規価格が
260円であり、特売日等において、該商品は、た
とえば、値引価格210円で販売されるものとす
る。

この場合には、図示するように、第１のスイツ
チ３−１の20円に相当する接点３−１−２と、40
円に相当する接点３−１−３とを閉にするととも
に、スイツチ３−２の200円に相当する接点３−
２−２を閉にして、正規価格260円の設定をおこ
なう。

一方、第２のスイツチ６−１の10円に相当する
接点６−１−１と、スイツチ６−２の200円に相
当する接点６−２−２とを閉にして、値引（変
更）価格210円の設定をおこなう。

正規価格での販売動作 選択スイツチ７を正規価格側Ｘに切換える
と、直流電源５−２から、上記スイツチ７を介
して、FET４−１のゲートに、所定レベルの
電圧が印加され、該FET４−１はオンとされ
る一方、もう一つのFET４−２はオフとされ
る。したがつて上記FET４−１から所定のハ
イレベルの電圧が、正規価格設定用の第１のス
イツチ３−１と３−２との各接点に印加され
る。よつて、スイツチ３−１から４ビツト信号
“0110”即ち、60円を示すデイジタル信号がオ
アゲート８−１−１乃至８−１−４を介して、
制御装置１の端子T₁₀乃至T₈₀に印加されると
ともに、スイツチ３−２から４ビツト信号
“0010”、即ち、200円を示すデイジタル信号が
オアゲート８−２−１乃至８−２−４を介し
て、制御装置１の端子T₁₀₀乃至T₈₀₀に印加され
る。

一方、FET４−２は、オフとされることに
より、第２のスイツチ６−１および６−２の各
接点には、ハイレベルの電圧が印加されず、よ
つて、両スイツチ６−１と６−２の各接点の出
力は、全て、ローレベルとされる。

この結果、当該自動販売機は、正規価格260
円での販売動作をおこなう。

割引価格での販売動作 選択スイツチ７を割引価格Ｙ側に切換える
と、直流電源５−２から、選択スイツチ７を介
して、FET４−２のゲートに所定のハイレベ
ルの電圧が印加され、該FET４−２はオンと
される一方、FET４−１はオフされる。した
がつて、上記FET４−２から、所定のハイレ
ベルの電圧が、割引価格設定用のスイツチ６−
１と６−２との各接点に印加される。よつて、
スイツチ６−１と６−２から、それぞれ、４ビ
ツト信号“0001”、即ち、10円を示すデイジタ
ル信号と、“0010”、即ち、200円を示すデイジ
タル信号がそれぞれ、オアゲート８−１−１乃
至８−１−４と、８−２−１乃至８−２−４を
介して、制御装置１の端子T₁₀乃至T₈₀と、T₁₀₀
乃至T₈₀₀に印加される。

一方、FET４−１はオフとされることによ
り、第１のスイツチ３−１と３−２の各接点に
は、ハイレベルの電圧が印加されず、よつて、
両スイツチ３−１と３−２の各接点の出力は、
全てローレベルとされる。

この結果、当該自動販売機は、割引価格210
円での販売動作をおこなう。

また、上記FET４−２がオンとされると同
時に、このFET４−２のドレーンから発光ダ
イオード９に給電され、該発光ダイオード９は
点灯する。

その後、選択スイツチ７を正規価格Ｘ側に切
換えれば、前述の動作によつて自動販売機は、
再び、260円の正規価格で販売動作をおこな
う。

なお、上述の第２のスイツチは、商品を割増
価格等、正規とは異なる価格で販売するときに
も使用できることは勿論のことである。

上記構成の価格設定装置２においては、第１
および第２のスイツチ３−１と３−２，および
６−１と６−２は、デイジタルスイツチとする
ことにより、従来のものにおけるように、プラ
イスボードを要せず、それだけ、装置全体を小
型なものにすることができる。

（考案の効果） 以上に詳述したように、この考案に係る自動販
売機の価格設定装置は、正規価格を設定する第１
スイツチと、変更価格を設定する第２スイツチを
設けるとともに、第１スイツチと第２スイツチと
のいずれかを選択する選択スイツチを設けて、上
記選択スイツチを操作するだけで、販売価格の切
換えをすることができるから、価格の変更が簡単
かつ容易になり、また、変更頻度が高くても、正
確に、価格設定操作をおこなうことができる。ま
た商品の種類が増えても短時間で通常および割引
価格の設定を簡易に行うことができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は、この考案に係る自動販売機の価格設
定装置の一実施例を示す回路図である。 １……制御装置、２……価格設定装置、３−
１，３−２……正規価格設定用のスイツチ、４−
１，４−２……電界効果形トランジスタ
（FET）、５−２……直流電源、６−１，６−２
……割引価格設定用のスイツチ、７……選択スイ
ツチ、９……発光ダイオード。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 商品の正規の価格を設定する第１の価格設定ス
   イツチと、商品の変更された価格を設定する第２
   の価格設定スイツチと、商品を正規の価格で販売
   するか変更された価格で販売するかを選択するよ
   うに切換えられる選択スイツチと、選択スイツチ
   の切換によつて、第１の価格設定スイツチか第２
   の価格設定スイツチかのいずれかに電圧を供給
   し、電圧が供給された側の価格設定スイツチから
   設定価格情報を販売動作制御用の制御装置に印加
   する回路とを備えたことを特徴とする自動販売機
   の価格設定装置。