JPS6217518Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案はタフテング機に関し、特にパイル高さ
の非常に小さなパイル織物を製造するタフテング
機に使用されるフツクに関する。

本考案の譲受け人に譲渡されたBardsleyの米
国特許第4303025号には、タフテング機のフツク
が針通路の方に移動する時、針が裏地を貫通した
後に、針板指片を針の通路から遠ざけるようにな
つた装置が記載されている。この装置によればフ
ツクの運動通路を裏地の相対する面に密接に接近
させることができる。したがつて針板指片の形
態、すなわち針板指片の厚さによつて、製造され
るパイルの高さに加えられる制限を除去し、高さ
の低いカツトパイルを形成し得るようになる。こ
のようにすればフツクのビルの切断縁すなわち下
側と裏地との距離、したがつて形成すベきタフト
の寸法を、前記ビルの形態と、フツクの位置およ
び運動とだけによつて決定し得るようになる。針
板指片が針の通路から離れた後、すなわち前記指
片が裏地の貫通の行われる時に該裏地を支持する
と言う所期の機能を果した時に、前記裏地はフツ
クの上表面によつて支持されるようになる。した
がつて形成されるタフトの寸法はビルの形態と、
フツクの配置および運動とによつて決まる。

前記如き装置は非常に効果的であり、かつパイ
ルの高さを1.9ミリメートル（0.075インチ）とな
すことができ、このような低いカツトパイルは前
記特許による装置の導入される以前においては形
成することができなかつた。タフテング機によつ
て前記の如き低いカツトパイルを製造し得るよう
になつたために、実際的にタフト織物、すなわち
カツトパイルの布張地製品に対する全く新しい市
場が開発されるに至つた。このような織物は在来
においてはほとんど織機および編機によつて製造
されていたが、タフテング法による時は作業が速
く、かつ糸の消費が少ないから、これによつて利
点の得られることは明白である。タフト織物を製
造する時の費用の大部分は糸の価格であるから、
裏地の中に入る糸の量を減少させることが特に望
ましく、このような減少はパイルの高さを低くす
ることによつて得られる。したがつてパイルの高
さを在来の装置によつて形成されるものより低く
することによつて大きな成果が得られる。

前記の如き低いパイルはゲージの非常に小さな
機械、すなわちゲージ部分の間隔が1.59ミリメー
トル（1/16インチ）から1.27ミリメートル（1/20
インチ）までの範囲にある機械によつて製造され
るものであるから、フツクはその厚さに起因して
比較的弱くなる。ビルを単にせまくすることはそ
の強さを減少させることを意味する。

したがつて本考案の主なる目的はタフテング機
のフツクにして、この機械によつて製造される面
パイルの高さを小さくするようになつた機械を供
することである。

本考案の他の目的はタフテング機のフツクにし
て、在来のものに比してカツトパイルの低い織物
を製造し得るような形態を有するフツクを供する
ことである。

本考案のなお他の目的は、タフテング機のカツ
トパイルフツクにして、前記フツクがバーブとの
どとの間に縮少された一部分を含むビルを有し、
フツクの強さを実質的に低下せしめることなく、
その上の糸輪のパイル高さを減少せしめ得るよう
になつたカツトパイルフツクを供することであ
る。

本考案のなお他の目的はタフテング機に対する
カツトパイルフツクにして、その自由端に糸輪を
捕捉するためのバーブと、該バーブからのどの方
に向つて延びるビルとを有し、前記ビルがナイフ
と共働する下縁と上縁とを有し、該上縁が前記下
縁の方向に向つて寸法の小さくなる一部分を有す
るようになつたカツトパイルフツクを供すること
である。

本考案のなお他の目的は非常に低いカツトパイ
ルを有する織物を製造するためのタフテング機に
おいて、ゲージの小さなフツクにして、該フツク
がその自由端に糸輪を捕捉するためのバーブと、
該バーブからのどの方に延びるビルとを備え、前
記ビルがナイフと共働するための下縁と、上縁と
を有し、前記上縁が前記下縁の方向に向つて寸法
の小さくなる一部分を有するようになつたフツク
を供することである。

したがつて本考案によれば前記目的はフツクに
して、その一端に該フツクを装架するためのシヤ
ンクと、該シヤンクののどから延びかつバーブを
形成するビルとを有し、前記ビルがその一部分に
バーブから実質的に該バーブとのどとの中間に延
びる縮少厚さを有するようになつたフツクを供す
ることによつて達成される。前記ビルは下縁すな
わち切断縁と上縁とを有し、かつ前記上縁を下縁
に対してせまくすることによつて厚さの小さな一
部分が形成されるようになつている。前記縮少部
分はフツクによつて捕捉された糸輪を引寄せ、か
つ前記フツクがタフテング機械内に作動的に位置
決めされた時に前記糸輪を切断するようになつた
部分とよりなつている。なるべくは前記の如きフ
ツクの複数のものがフツクモジユール内に固定的
に装架され、タフテング機械内に正確なかつ取扱
いの容易な組立体を形成し、かつこのフツク組立
体に大きな剛性を与えるようにされる。

本考案の特色、利点および他の目的は次に添付
図面を参照して説明する実施例によつて明らかと
なる。

図には前記Bardsleyの特許に記載されている
装置と、本考案の原理にしたがつて形成されたフ
ツクとを使用したタフテングマシンの一部分が示
されている。前記特許においては針１２が裏地１
４を貫通しかつ下降運動を続ける時に、支持体す
なわち針板指片１６がフツク２８の振動と同期し
て針の往復通路から離れ、前記フツクが針通路の
方に向つて移動し、針と係合して糸輪を捕捉する
ようになる。糸輪を捕捉した後、フツクが針通路
から離れるように振動すれば、前記指片１６は針
通路の方に移動し、針が次に裏地を貫通する時に
該裏地１４を支持するようになる。前記原理およ
びこれを実施するための装置を完全に説明するた
めに、前記特許を参照する。この説明は本考案を
理解するために必要とされる部分だけに限定す
る。

普通設計のフツクを使用する前記特許の機構に
よる時は、ほぼ1.90ミリメートル（0.075イン
チ）またはほぼ1.98ミリメートル（5/64インチ）
のパイル高さを有する織物を製造することができ
る。このような織物の製造費の最も大きな要因は
糸であるからパイルの高さをほぼ1.27ミリメート
ル（0.050インチ）または1.19ミリメートル（3/6
４インチ）に減少せしめることによつて費用を著
しく軽減することができる。本考案の原理によつ
て形成されたフツク２８によればこのような可能
性が得られる。

第３図に示される如く、フツク２８はその一端
に位置するシヤンク３０、他端に位置するバーブ
すなわちビーク３２およびシヤンクののど３６か
ら前記バーブに延びるブレードすなわちビル３４
からなつている。図示の如くシヤンク３０の自由
端は大きな装架部分３８を有し、かつある数のフ
ツクは米国特許第4303024号に示される如く、な
るべくは共通一体体部４０を有するように鋳物に
よつて形成される。したがつてこのシヤンクは段
階部分を有し、該段階は縁４４に沿つてシヤンク
を切落し、該シヤンクの残りの底縁から隔置され
た縁４６を形成するようになつている。しかしな
がら本考案は普通の態様で装架されたフツクを使
用せんとするもので、この時部分４２の縁４６
が、これを拡大することなく後方に延び、すなわ
ち前記のどと平行にくびを形成し、装架部分がこ
ののどの底部から延び、シヤンクを普通のフツク
棒内に装架し得るようになつている。

のど３６から延びるビル３４の下側は尖つた底
縁４８を有し、この縁は普通のタフテング機内の
振動ナイフの刃５０と共働する固定刃として働ら
く。普通はバーブ３２の上縁は円滑に延びてビル
の上縁と一緒になり、該ビルは中断されることな
く後方のシヤンクの方に延びている。しかしなが
ら本考案においてはバーブ３２の上縁５４の終点
５２において、前記ビルの上縁はその長さの一部
分にわたつて、前記底縁４８に対し寸法が小さく
なるように、すなわちせばめられている。ビルの
この縮少部分５６はなるべくはビルの上面を研磨
することによつて形成され、かつフツクによつて
捕捉された糸輪が切断される個所をわずかに越
え、すなわちナイフ５０を前記捕捉された各糸輪
を切断する切断点６０のわずか後方の点５８に延
びている。したがつてビルの寸法を小さくするた
めにはといし車を使用することが提案されている
から、前記縮少部分５６は円孤を呈している。前
記円孤の半径によつて点５８は点６０より上方に
位置するようになるが、糸輪が点６０において切
断されるから、前記位置におけるビルの厚さだけ
がパイルの高さを決定する。一般的には点６０の
位置は前記のど３６からほぼ6.35ミリメートル
（1/4インチ）隔置されている。ゲージの小さなフ
ツク、すなわち隣接するフツクの間隔がほぼ1.59
ミリメートル（1/16インチ）から1.27ミリメート
ル（1/20インチ）までの範囲内にある時は、バー
ブの後からのどまでの長さはほぼ9.52ミリメート
ル（3/8インチ）から12.7ミリメートル（1/2イン
チ）までの範囲内にあり、前記縮少部分が実質的
にバーブの後とのどとの中間位置に延びるように
なつている。Bardsleyの米国特許第４，303，
025号に記載されている構造と、前記の如きフツ
クとを有するタフテング機によつて作業を行う時
には、捕捉された糸輪はフツクの閉鎖端の方に向
う裏地の運動により、ビルに沿つて後方に移動
し、かつ各糸輪が底縁４８に対して締付られる時
に、裏地１４と底縁４８との間隔が実質的にビル
の厚さによつて決定される。前記糸輪は点６０に
おいて次々に切断される。したがつてタフトのパ
イル高さは点５８およびビルの残余の部分ではな
く点６０におけるビルの厚さによつて決定され
る。したがつて在来技術のフツクに比して低いパ
イル高さが得られる。なおビルの厚さをその小部
分において薄くするだけで、全体にわたつて縮少
する場合よりもフツクの強さは実質的に大とな
る。常態ではフツクはのどに沿つた部分、または
バーブには設けられず、これらの部分における寸
法は変化しないから、フツクの全強度の変化は非
常に少なくまたは変化せず、特にフツクが振動を
減衰させる性質のモジユール型の体部内に装架さ
れる時は真である。

熟練技術者の容易に理解し得る如く、本考案は
実用新案登録請求の範囲を離れることなく種々の
変型を行なうことができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案によるフツクを使用したタフテ
ング機のタフト形成機構の略立面図、第２図は第
１図に示されたフツクを使用したフツクモジユー
ルの透視図、第３図はフツクの一部分を拡大して
示した側面図。 １６：針板指片；２８：フツク；３０：シヤン
ク；３２：バーブ；３４：ビル；３６：のど；４
８：底縁；５０：ナイフ；５４：頂縁；５６縮少
部分；６０：切断点。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 (1) タフテング機に使用するカツトパイルフツク
   ２８にして、平らであり、かつビル３４を有す
   る体部と、装架部分を有するシヤンク３０とよ
   りなり、前記ビルがシヤンク３０から延び、そ
   れらの間にのど３６を画定するようになつてお
   り、バーブ３２が前記シヤンクから遠ざかるよ
   うに前記ビルから延び、該ビル３４が頂縁およ
   び前記のどから前記バーブに延びる底縁４８と
   を有し、前記バーブが前記ビルの頂縁の方に傾
   斜する頂縁５４と、前記ビル４８の底縁から下
   方に隔置され、前記バーブの底縁および前記ビ
   ルの底縁を連結する結合縁を画定するようにな
   つているカツトパイルフツクにおいて、前記ビ
   ル３４の前記頂縁がその一部分６０において前
   記底縁４８に対して寸法的に縮少せしめられ、
   該縮少部分６０が前記バーブの頂縁５２に近接
   する部分から少なくとも実質的に前記結合縁お
   よび前記のどの中間部分５８に延びるようにな
   つていることを特徴とするカツトパイルフツ
   ク。 (2) 実用新案登録請求の範囲第１項記載のカツト
   パイルフツクにおいて、前記縮少部分が前記バ
   ーブの頂縁５２から、前記のど３６からほぼ
   6.35ミリメートル（1/4インチ）のところまで
   延びているカツトパイルフツク。 (3) 実用新案登録請求の範囲第１項記載のカツト
   パイルフツクにおいて、前記ビルの前記底縁４
   ８がナイフ５０と協働するように鋭利にされ、
   該ナイフが振動して前記底縁の一点においてこ
   の底縁と切断的に係合するようになつており、
   かつ前記縮少部分が前記バーブの頂部から、実
   質的に前記点の上方の位置５８に延びているカ
   ツトパイルフツク。 (4) 実用新案登録請求の範囲第１項記載のカツト
   パイルフツクにおいて、複数のフツクの各装架
   部分がモジユール４０の中に一体的に装架され
   ているカツトパイルフツク。