JPS6216408Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 この考案は、転動体を搬送、貯留するコンベヤ
に係り、特に転送中の転動体に接するドツグの制
御装置に関する。

傾斜したスキツドレール（以下レールという）
を利用して転動体を搬送し、貯留するコンベヤの
従来の一般的な構造は、第１，２図に例示するよ
うに、複数個のレール１を傾斜して並設し、その
傾斜した低い側の端部にレール１上の転動体Ａに
当接する停止片２をレール１上に出没自在に設け
る。このレール１に沿つて一段低い高さにチエン
レール３を併設する。このチエンレール３の両端
に鎖車４を配設して、このチエンレール３の上面
に鎖車４の上部が同じレベルになるように揃え
る。チエンレール３の上下を回動するように鎖車
４に無端のコンベヤチエン５を張架する。

コンベヤチエン５には、等間隔を以てドツグ６
を設け、このドツグ６は第１図のようにＢ方向に
回動するコンベヤチエン５に対して、Ｃ方向にの
み倒伏可能な構造にする。転動体ＡがＢ方向に転
送されるとき、ドツグ６は転動体Ａの前面に接し
て転動体Ａをコンベヤチエン５と等速に制御す
る。スキツドレール１の低い側の端部近傍に停止
して貯留された転動体Ａに、Ｂ方向へ移動するド
ツグ６が接すると、ドツグ６はＣ方向に倒伏し
て、貯留転動体６の下を通過するのである。

前記ドツグ６の詳細構造を第３，４図を参照し
て説明する。コンベヤチエン５のサイドリンクプ
レート７の間に、枢止ピン８を介して腕桿９の一
端を回動自在に枢支する。この腕桿９の自由端に
はトツプローラ１０を回転自在に軸支し、腕桿９
のＢ方向の側面には腕桿９が起立したときにサイ
ドリンクプレート７と干渉する回転止め１１を固
着する。サイドリンクプレート７の間に倒伏した
ドツグ６を起立するには、鎖車４の歯の頭部によ
つて、サイドリンクプレート７の間から腕桿９を
押し起こし、回転止め１１をサイドリンクプレー
ト７の上縁に当接させて起立し、トツプローラ１
０をチエンレール３上に突出して進む。

この起立した腕桿９はトツプローラ１０を介し
てレール１上を転走する転動体Ａの速度をコンベ
ヤチエン５の速度以下に制御する。貯留中の転動
体Ａにトツプローラ１０が接触すると、腕桿９は
転動体Ａの抵抗によりＣ方向に倒伏し、転動体Ａ
の下を通過して、チエンレール３の下を返走し
て、元の位置に戻つてさらに循環するのである。
なお１２はコンベヤチエン５のローラである。

しかし、鎖車４の歯の推進面にドツグ６のはめ
合い切り欠きを設けた特殊の歯形を必要とするの
で、チエン５に取り付けるドツグのピツチと、鎖
車４の歯数との組み合わせに設計上の制限を生じ
たり、チエン５の回動が不規則になつたりする欠
点があつた。

この考案は、前記欠点に鑑み正規の歯形のま
ま、ドツグを起立させ得る鎖車とドツグとを備え
たコンベヤを提供することを目的とする。

この考案の転動体コンベヤは、傾斜したスキツ
ドレールとチエンレールとを並設して、このチエ
ンレールの上下を回動するドツグ付きのコンベヤ
チエンを設けたコンベヤにおいて、前記コンベヤ
チエンにこれを跨ぎ頭部にトツプローラを回転自
在に軸支した支持台を、前記コンベヤチエンの進
行方向と反対方向側にて揺動しトツプローラがス
キツドレールより突出する起立と没入する倒伏が
可能なように起伏自在に装着し、該コンベヤチエ
ンを張架する上流側の鎖車に、前記支持台をコン
ベヤチエンに連結する連結ピンの近傍の外形と噛
み合い、該支持台が鎖車を反転し終わつたとき起
立するカム形の歯形を有するカム板を並行同心に
鎖車に固着して設けたことを特徴とするものであ
る。

この考案の一実施例を図面により説明する。

第５図は本考案の一実施例を示す要部側面図、
第６図は第５図のＥ−Ｅ矢視断面図を示し、従来
と共通する部材は同じ符号を用い説明を省略す
る。

第５，６図において、鎖車４を前記チエンレー
ル３の両端に配設してコンベヤチエン５を回動自
在に張架する。このコンベヤチエン５のサイドリ
ンクプレート７を外側から側板１３ａ，１３ａに
て挟むように、コンベヤチエン５を跨いだ支持台
１３を、コンベヤチエン５に連結ピン１４を介し
て回動自在に装着する。そしてこの支持台１３に
は、その頭部にトツプローラ１５を回転自在に軸
支し、その前端部（第５図矢印Ｂ方向端）にはサ
イドリンクプレート７の上縁に当接するように、
回転止め１６を左右の側板１３ａ，１３ａの内側
に跨つて設ける。

また、前記鎖車４の側面には、鎖車４に平行同
心のカム板１８を固着して設ける。このカム板１
８の外周には、支持台１３が連結ピン１４に支持
される近傍の外形と噛み合い、支持台１３が鎖車
４を反転し終わつたとき起立する凹状のカム形が
鎖車４の歯谷に臨んで形成されている。

前記構成の作用を次に説明する。

支持台１３がコンベヤチエン５と共にＦ方向に
回転する鎖車４を迂回して反転するとき、カム板
１８の凹状のカム形が倒伏した支持台１３の連結
ピン１４の近傍の外形と噛み合い、鎖車４の回転
に伴なつてカム板１８のカム形の推進面が支持台
１３の外形面を押して回転し、支持台１３をＨ方
向に回動させトツプローラ１５がスキツドレール
１より突出するようにチエンレール３上に起立さ
せる。起立した支持台１３は、トツプローラ１５
を介して転動体Ａに接し、転動体Ａの転送速度を
コンベヤチエン５の速度以下に制御する。トツプ
ローラ１５が貯留した転動体Ａに当接すると、支
持台１３は倒伏してその下を通過し、鎖車４はコ
ンベヤチエン５を円滑に回動させることができ
る。

以上説明したようにこの考案は、コンベヤチエ
ンに起伏自在に支持台を跨装したことにより、左
右のバランスがとれ、コンベヤチエンを単列のま
ま使用することができる。従つて鎖車も単列のま
ま使用できコンベヤの製作が容易である。

また、チエンを張架する鎖車に、前記支持台と
噛み合うカム板を同心に設けたことにより、カム
板が支持台と噛み合つて支持台を起立させ、この
支持台をチエンレール上に進めるようにしたもの
であるから、チエンを円滑に運転しながら支持台
を確実に起立させることができるものである。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来の転動体コンベヤの側面図、第２
図は第１図の平面図、第３図は従来のドツグ取り
付け部の側面図、第４図は第３図のＤ−Ｄ矢視断
面図、第５図は本考案の一実施例を示す要部側面
図、第６図は第５図のＥ−Ｅ矢視断面図である。 １：スキツドレール、３：チエンレール、４：
鎖車、５：コンベヤチエン、１３：支持台、１
８：カム板。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 傾斜したスキツドレールとチエンレールとを並
   設して、このチエンレールの上下を回動するドツ
   グ付きのコンベヤチエンを設けたコンベヤにおい
   て、前記コンベヤチエンにこれを跨ぎ頭部にトツ
   プローラを回転自在に軸支した支持台を、前記コ
   ンベヤチエンの進行方向と反対方向側にて揺動し
   トツプローラがスキツドレールより突出する起立
   と没入する倒伏が可能なように起伏自在に装着
   し、該コンベヤチエンを張架する上流側の鎖車
   に、前記支持台をコンベヤチエンに連結する連結
   ピンの近傍の外形と噛み合い、該支持台が鎖車を
   反転し終わつたとき起立するカム形の歯形を有す
   るカム板を並行同心に鎖車に固着して設けたこと
   を特徴とする転動体コンベヤ。