JPS6215255Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 技術分野 この考案はリング精紡機、リング撚糸機等の紡
機に係り、特に機台の長手方向の一側にスピンド
ル駆動用のモータと全錘一斉の管替装置用の駆動
機構とを並設してなる紡機に関するものである。

従来技術 一般にこの種の紡機においては、駆動モータの
モータ軸上に設けられた変速プーリを含む変速機
構の作用により、糸の性質等に合わせて糸巻取り
用のスピンドルの回転速度を変更するようになつ
ている。ところが、近年紡績工程においては、多
品種で広範囲な紡出糸を短時間に生産する傾向に
あり、それに伴つて糸の性質に合わせるため糸巻
取り用スピンドルの回転速度を大幅に増減変更す
る必要が生じ、前述した１つの変速機構による速
度変更では対処することができなかつた。そのた
めに、前記駆動モータのモータ軸上の変速プーリ
を脱着変換して、変速機構を変速比の異なつたも
のと頻繁に取替える必要があつた。

しかしながら、全錘一斉の管替装置を備えたリ
ング精紡機、リング撚糸機等の紡機においては、
通常、管替装置を駆動するための駆動機構が機台
の長手方向の一側に前記駆動モータと並べて設け
られており、そのモータ軸上に設けられた変速プ
ーリの側方が閉塞されていることが多い。そのた
めに、前記変速プーリの脱着変換作業には多大な
手数を要し、その変速プーリが大重量であること
も要因となつて、通常ではこの作業を二人掛りで
行つていた。

又、この種の紡機では、半年に一回くらいの点
検保全が行われて変速プーリを脱着する必要が生
じ、その度に前記と同様に煩雑な変速プーリの脱
着作業を強いられていた。

目 的 この考案は前記のような従来技術における欠陥
を解消するためになされたものであつて、その目
的は駆動モータのモータ軸上に設けられた変速プ
ーリを必要に応じて一人作業でも至極容易に脱着
することができる新規な紡機における変速プーリ
取替装置を提供することにある。

実施例 以下、この考案をリング精紡機に具体化した一
実施例を図面に基づいて詳細に説明すると、第１
図に示すように精紡機の機台１には多数の糸巻取
り用スピンドル２が立設支持され、機台１の長手
方向に延設された駆動軸３の回転に伴い図示しな
いチエーンプーリ、スピンドルテープ等を介して
全錘一斉に回転駆動される。機台１の長手方向の
一側には側枠４が設けられ、その内部に前記駆動
軸３が延在している。側枠４の上部には制御ボツ
クス５及びフイルタボツクス６が載置され、側部
には管替装置（図示しない）のための駆動機構７
が並設されていて、側枠４の上方及び左右両側方
は実質的に閉塞された状態にある。

第２図及び第３図に示すように前記側枠４の底
部には１個の係合孔８が形成されている。この係
合孔８に係合ピン９を係合した状態で側枠４の底
部上面には回転支持台１０が回転自在に載置さ
れ、その上面には４個の支持脚１０ａが突設され
ている。そして、この支持台１０は第３図に実線
で示す位置に回動された状態で、４個のボルト１
１により側枠４の底部に固定することができる。
支持台１０の支持脚１０ａ上には駆動モータ１２
が４個のボルト１３により固定され、その一側に
はモータ軸１２ａが突設されている。モータ軸１
２ａには変速プーリ１４が取替可能に挿嵌され、
図示しないねじ等により固定されている。変速プ
ーリ１４と対応して駆動軸３の端部にはプーリ１
５が設けられ、両プーリ１４，１５とその間に掛
渡されたベルト１６とにより変速機構が構成され
ていて、前記駆動モータ１２の回転に伴いこの変
速機構の設定された変速比に従つて駆動軸３が回
転駆動される。

そして、この実施例においては、第１，２図及
び第３図に実線で示すように駆動モータ１２を支
持台１０とともに回動させて、ボルト１１により
支持台１０を側枠４の底部上面に固定した状態
で、駆動モータ１２はそのモータ軸１２ａが駆動
軸３と平行に延びる作用位置に配置固定される。
又、駆動モータ１２を支持台１０とともに前記作
用位置から第３図の時計方向へ回動させた際に
は、同図に鎖線で示すように駆動モータ１２は、
そのモータ軸１２ａが駆動軸３とほぼ直交する方
向に延びて変速プーリ１４が側枠４内から機台１
の前面側に臨むプーリ取替位置に配置される。

従つて、紡出糸の性質等に合わせて糸巻取り用
スピンドルの回転速度を大幅に増減変更する必要
がある場合、あるいは定期的な点検保全等を行う
場合には、一人作業でベルト１６を変速プーリ１
４から外した後ボルト１１を緩めれば、駆動モー
タ１２を支持台１０とともに第３図の実線で示す
作用位置から鎖線で示す取替位置へ簡単に回動さ
せることができ、この状態で変速プーリ１４が側
枠４内から前方に突出するため、その変速プーリ
１４をモータ軸１２ａに対して前方から容易に脱
着して新しいものと交換したりすることができ
る。

効 果 以上詳述したようにこの考案は、機台の長手方
向の一側にスピンドル駆動用のモータと管替装置
用の駆動機構とを並設してなる紡機において、前
記モータを、スピンドル駆動軸と平行に延在させ
てモータ軸上の変速プーリ、ベルト及び駆動軸上
のプーリを介して駆動軸に動力を伝達する作用位
置と、駆動軸とほぼ直交する方向に延在させて変
速プーリが機台の前面側に臨むプーリ取替位置と
配置させ得るように、機台上に回動可能に載置し
たことにより、変速プーリを必要に応じて一人作
業でも至極容易に脱着することができるという優
れた効果を奏する。

【図面の簡単な説明】

第１図はこの実施例を示すリング精紡機の部分
正面図、第２図は駆動モータの取付構成を拡大し
て示す部分破断正面図、第３図は同じく平面図で
ある。 １……機台、２……スピンドル、３……駆動
軸、４……側枠、７……管替装置用の駆動機構、
１０……回転支持台、１２……駆動モータ、１４
……変速プーリ、１５……プーリ、１６……ベル
ト。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 機台の長手方向の一側にスピンドル駆動用のモ
   ータと管替装置用の駆動機構とを並設してなる紡
   機において、前記モータを、スピンドル駆動軸と
   平行に延在させてモータ軸上の変速プーリ、ベル
   ト及び駆動軸上のプーリを介して駆動軸に動力を
   伝達する作用位置と、駆動軸とほぼ直交する方向
   に延在させて変速プーリが機台の前面側に臨むプ
   ーリ取替位置とに配置させ得るように、機台上に
   回動可能に載置したことを特徴とする変速プーリ
   取替装置。