JPS6215255B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】

本発明は、静電エアレスガンに関し、常に静電
効果の良好な位置にノズルチツプの向きを固定で
きるようにし、併せてパターンの向きの調整を不
要としたものである。 従来、静電エアレスガンにあつて、ノズルチツ
プを取り付けるためにチツプ台カバーを締め付け
た後、噴霧される扇形のパターンの向きを真横又
は真直な縦にするためには、カバーによつて固定
されたノズルチツプ台の向きをモンキーやスパナ
で回転させて調節をする必要があり作業中にこれ
を行ない、チツプ台の向きを真横又は真直な位置
に位置合わせすることは、煩雑さを伴うものであ
る。 又、ノズルチツプ台の前面には、電極が固定さ
れ、絶縁材よりなる銃身部を隔てて後方に位置す
る接地部材が対向電極として作用しているため、
ノズルチツプ台の向きを変えることは、先端電極
と対向電極との最適な静電効果を奏する条件を変
えることにもなり、ノズルチツプ台の向き（電極
の位置）如何によつては静電効果を減じることに
もなるものである。 本発明は、上記実情からノズルチツプの向きを
はじめから横パターンか、縦パターンのいずれか
に固定され調整を不要とするとともに、併せて先
端の電極と対向電極の位置が常に最適条件位置で
セツトされ安定した静電効果が得られる静電エア
レスガンを提供することを目的とするものであ
る。 以下、本発明の構成を図示の実施例について説
明すれば次の通りである。 １は絶縁材製の銃身部２と導電性のハンドル部
３と銃身部２の先端に設けられた先端霧化部４よ
りなる静電エアレスガンで、銃身部２には上部に
塗料通路５が縦貫し、ニードル弁６が引金７の操
作にて進退自在に設けられており、該銃身部２の
下部には先端に高抵抗体８を鋳込み他端に高電圧
ケーブル挿入孔９を形成した絶縁材製のＬ型ケー
シング１０がハンドル部３にわたつて嵌入され、
電気通路部１１が、前記塗料通路５と離隔して設
けられている。 又、ハンドル部３は導電性材料で形成され、上
部にて前記銃身部２と固定されており、該ハンド
ル部３の下部は前記銃身部２に嵌入されたＬ型ケ
ーシング１０の他方を内包し高電圧ケーブル１２
が高電圧ケーブル挿入孔９に嵌入されている。１
３は金属製の塗料パイプで、基端はハンドル部３
に固定され、先端は引金７の前方を通り銃身部２
の下方より銃身部２の横を通つてハンドル部３の
上側面に設けた塗料導入部１４に接続され、塗料
は該導入部１４よりスリーブ１５を通り塗料通路
５側へと送り込まれる。 又、銃身部２の先端に設けた先端霧化部４は中
央部に偏平に開口するノズル口１６を有すノズル
チツプ１７を嵌合したノズルチツプ台１８がカバ
ー１９により銃身部２に取り付けられており、ノ
ズルチツプ台１８は第２図、第３図に示すよう
に、その後面１８ａに、中心に対して90゜の角度
差を有する２つの凹部２０，２０′が穿設され、
対面する銃身部２の先端面２ａに突設された凸部
２１にいずれかが嵌合され銃身部２に装着されて
いる。この場合、ノズル口１６はノズルチツプ台
後面１８ａの凹部２０，２０′のいずれかに対
し、噴霧されるパターンが真横か真直な縦のいず
れかに位置決めされた向きでノズルチツプ台１８
に嵌合されている。２２はノズルチツプ押えを示
す。又、該ノズルチツプ台１８にはノズルチツプ
１７のわずか前方で塗料噴射軸よりわずかに離れ
た位置に尖端をもつ荷電電極２３が突設され、該
荷電電極２３より塗料の噴射軸を横切つて相対向
する位置に受電部２４と該受電部２４より前方に
位置し、ノズルチツプ１７の中心軸より外れた位
置にその先端が延出する電界電極２５を有する浮
電極２６が設けられている。 次に、本発明の作用を説明すると、先ず、銃身
部２の先端面２ａに、ノズルチツプ１７を嵌合し
たノズルチツプ台１８を取り付けるものであるが
この場合、ノズル口１６はノズルチツプ台後面１
８ａの凹部２０，２０′のいずれかに対し噴霧さ
れるパターンが真横か真直な縦のいずれかに位置
決めされた向きで、ノズルチツプ台１８に嵌合さ
れている。ここで、ノズルチツプ台１８は、その
後面１８ａに穿設した中心に対して90゜の角度差
を有する２つの凹部２０，２０′のいずれかに銃
身部２の先端面２ａに突設のガイドとなる凸部２
１が嵌合し、更に、カバー１９を螺合緊締し、銃
身部２に固定される。この状態でハンドル部３を
握り引金７を引くとニードル弁６が後退し加圧圧
送された塗料が塗料通路５に連通するノズル口１
６より噴霧される。ノズル口１６より噴霧される
パターンは、前記のようにノズル口１６が予め真
横か又は真直な縦のいずれかのパターンになるよ
うノズルチツプ台１８に位置決めされて嵌合され
ているため、扇形の真横のパターンか又は扇形の
真直な縦のいずれかのパターンとなつて噴霧され
る。 塗料の噴霧とともに、高電圧が銃身部２、ハン
ドル部３に内包されたＬ型ケーシング１０内の電
気通路１１を通り、先端霧化部４の荷電電極２３
に供給されると、該荷電電極２３から相対向する
浮電極２６の受電部２４に、ノズル口１６より噴
霧された塗料膜を横切つて放電し塗料粒子に荷電
するとともに、更に該受電部２４より前方に延出
する電界電極２５の先端から、被塗物及び対向電
極となる金属製の塗料パイプ１３間に安定した電
界形成を行ない静電効果を安定させることにな
る。 本発明が適用されるガンにおける対向電極はガ
ン先端の浮電極２６の電界電極２５に最も近い接
地部材である塗料パイプ１３が対応することにな
り、浮電極２６がチツプ台向きに対して上、下方
向に位置する場合には、第４図イの様に、銃身部
２の下で引金７の前方に位置する塗料パイプ１３
のＡ部が対応し、又左右方向に位置する場合に
は、第４図ロの様に銃身部２よりハンドル部３の
側面に曲折する塗料パイプ１３のＢ部が対応する
ことになる。しかし、対向電極となる塗料パイプ
１３の形状が上述の様に、銃身部２の下面で且つ
引金７の前方にあつて、これより銃身部２の横を
通り、後方のハンドル部３の側面に折曲した形状
の場合は、この対向電極側により近く浮電極２６
がセツトされたときに有効な静電効果（つきまわ
り性）を得ることは明らかである。 即ち、電界電極２５を有する浮電極２６が、ガ
ン正面より見て下側或は左側にセツトされたとき
は、先端の荷電電極２３より対向する浮電極２６
に荷電された電荷が、対向電極へ流れやすくなり
放電をすると放電分の電荷が荷電電極２３より浮
電極２６へチヤージされ、ノズル口１６より噴霧
された塗料膜を横切つて放電が行なわれることと
なる。一方、逆に対向電極に近く荷電電極２３が
セツトされた場合は、該荷電電極から直接対向電
極に放電する傾向が出て来て、噴霧された塗料膜
を横切つての放電が抑制され、静電効果が落ちる
傾向が判明する。茲に、発明者の行なつた実験に
よるチツプ台向き（浮電極の位置）と静電効果の
つき廻り値との関係を示す。

【表】 上述の様に本発明は、ノズルチツプを嵌合した
チツプ台を銃身部先端面に装着するに際し、チツ
プ台後面に中心に対して90゜の角度をずらした２
つの凹部を穿設し、該凹部に銃身部先端面に突出
形成した凸部を嵌合する構成とし、ノズル口がノ
ズルチツプ台後面の前記凹部のいずれかに対して
噴霧パターンが、横か又は縦のいずれかとなるよ
う位置決めされてチツプ台に嵌合されているた
め、従来のような噴霧時におけるチツプ台の向き
の調節は不要となり、きちんと横又は縦の噴霧パ
ターンの位置に決まる。 しかも、チツプ台前面には、高電圧が印加され
る荷電電極と該電極に相対向して設けられた浮電
極が固定され、該浮電極と絶縁材よりなる銃身部
を隔てて設けられた塗料パイプよりなる対向電極
の最前部とがより短かい距離を維持して設けられ
ているため、チツプ台が90゜の角度差をもつて２
つの位置のいずれかに固定された場合でも安定し
た静電効果を保つことができる。 即ち、本発明の構成にすれば、ノズルチツプ台
の電極向きは、必らず静電効果のよい縦、横２方
向のいずれかにセツトされることとなり、前記し
た目的を達成することができるものである。

【図面の簡単な説明】

図面は本発明の実施例を示すもので、第１図は
縦断側面図、第２図はノズルチツプ台部の断面
図、第３図は同背面図、第４図イ，ロは対向電極
を示す説明図である。 １……静電エアレスガン、２……銃身部、２ａ
……同先端面、１３……塗料パイプ、１７……ノ
ズルチツプ、１８……ノズルチツプ台、１８ａ…
…同後面、２０，２０′……凹部、２１……凸
部、２３……荷電電極、２５……電界電極、２６
……浮電極。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 先端中心に設けた偏平な開口を有する噴霧ノ
   ズルと、該霧噴ノズルのわずか前方に荷電電極と
   浮電極とを夫々対向して設置したノズルチツプ台
   と、絶縁性の銃身部を隔てて前記噴霧ノズルの中
   心に対し非対称位置にその最前部が位置し、前記
   浮電極と対向電極を構成する接地部材を有する静
   電エアレスガンにおいて、前記浮電極は噴霧ノズ
   ルの中心軸より外れた位置にその先端が延出した
   電界電極を有し、該電界電極を含むノズルチツプ
   台を静電エアレスガン先端に取り付けた時、前記
   電界電極の先端と前記対向電極を構成する接地部
   材との距離が、より短い距離を維持して90゜の角
   度差をもつ、唯２つの位置にのみ着脱自在に固定
   されるよう構成したことを特徴とする静電エアレ
   スガン。 ２ 電極を固定したノズルチツプ台は、その後面
   に中心に対し90゜の角度差をもつて穿設された２
   つの凹部が、該２つの凹部のいずれかに嵌合する
   凸部を設けた銃身部先端面に嵌合されることを特
   徴とする前記特許請求の範囲第１項記載の静電エ
   アレスガン。