JPS6214415B2 - - Google Patents

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JPS6214415B2
JPS6214415B2 JP52029503A JP2950377A JPS6214415B2 JP S6214415 B2 JPS6214415 B2 JP S6214415B2 JP 52029503 A JP52029503 A JP 52029503A JP 2950377 A JP2950377 A JP 2950377A JP S6214415 B2 JPS6214415 B2 JP S6214415B2
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JP
Japan
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hydraulic
piston
hydraulic pump
oil
type hydraulic
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JP52029503A
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JPS53114148A (en
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Yasuo Kita
Shigeo Kawasue
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Shimadzu Corp
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Shimadzu Corp
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Publication date
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Publication of JPS53114148A publication Critical patent/JPS53114148A/ja
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 この発明は、歩行が困難な人が利用する車イ
ス、特に油圧によつて駆動する油圧駆動式車イス
に関する。
〔従来の技術〕
車イスは現在種々のものが開発されているが、
通常左右の車輪を外側に車輪と同心に手回し用リ
ールを取り付け、これを手で操作して走行するも
のが一般的である。
〔発明が解決しようとする問題点〕
しかしながら、このような形式のものは、平坦
路の走行にはさして問題はないにしても、坂路の
登坂や段差のある所を上るときには手の労力が大
きくなり、不都合なことが多い。
この発明は、このような不便さを解消し、利用
者は片手操作によつて常時一定の力で前後等にレ
バーを揺動するだけで足り、それにより駆動され
る油圧機器類の油圧動力が走行上の負荷の変動に
対処して力を提供して、前述の手回りリール式の
問題点をすべて解決するような車イスを提供しよ
うとするものである。
〔問題点を解決するための手段〕
この発明は、油圧駆動式車イスを次のように構
成することにより上記課題を達成した。すなわち
この発明に係る油圧駆動式車イスは、一端が機枠
に揺動自在に軸支された手操作用揺動レバーと、
ピストンロツドの一端が前手操作用揺動レバーの
長手方向に揺動自在に係合すると共にシリンダが
前記機枠に揺動自在に支持され前記手操作用揺動
レバーの揺動により圧油を吐出する往復動ピスト
ン形油圧ポンプと、左右両車輪軸をそれぞれ出力
回転軸とした一対の油圧モータと、前記往復動ピ
ストン形油圧ポンプの吐出口と前記各油圧モータ
の吸込油路とを流路的に接続しさらに前記各油圧
モータの排出油路と前記往復動ピストン形油圧ポ
ンプの吸込口とを流路的に接続して圧油を循環す
る各油圧回路と、前記両油圧モータへの前記往復
動ピストン形油圧ポンプからの油圧回路を切り換
える切換弁と、機枠に固定され前記往復動ピスト
ン形油圧ポンプの吐出口と前記切換弁とを流路接
続する油圧回路に介設されて、かつピストンロツ
ドの一端で前記往復動ピストン形油圧ポンプのシ
リンダに係合しそのシリンダを揺動自在に支持し
て油圧がピストンに作用することにより前記往復
動ピストン形油圧ポンプのピストンロツドの一端
を前記手操作用揺動レバーの支軸方向に付勢する
よう作動する単動式油圧アクチユエータと、その
往復動ピストン形油圧ポンプのピストンロツドの
一端を前記単動式油圧アクチユエータが油圧によ
つて作動する方向と反対方向に付勢するよう作用
するばねとを備えたことを要旨とする。
〔作用〕
この発明に係る油圧駆動式車イスにおいては、
手操作用揺動レバーを前後方向等に揺動させる
と、その手操作用揺動レバーにピストンロツドの
一端が係合された往復動ピストン形油圧ポンプ
は、揺動しながらそのピストンロツド及びピスト
ンが往復動して圧油を吐出し、この圧油が油圧回
路を介して油圧モータへ送られ、油圧モータが回
転して車輪を回転駆動させる。この際、手操作用
揺動レバーを揺動させつつ切換弁によつて左又は
右の油圧モータだけに圧油を送ると、一方の車輪
だけが回転し、これによつて車イスの進路を方向
転換することができる。そしてまた、走行路の傾
斜度や路面状態により車イスの走行時における車
輪の抵抗が増減して油圧モータの負荷抵抗が変化
すると、油圧回路の循環路中に介設された単動式
油圧アクチユエータのピストンに作用する油圧が
増減し、ばねの付勢力と均衡しながら単動式油圧
アクチユエータが作動して前記ピストンロツドの
一端を手操作用揺動レバーの長手方向に摺動させ
て変位させ、これにより、手操作用揺動レバーに
加える力が一定であつても手操作用揺動レバーの
揺動によつて油圧ポンプのピストンに作用する力
が増減し、油圧ポンプから油圧モータへ送られる
油圧を増減させて車輪の回転駆動力を変化させる
ことができる。
〔実施例〕
以下、図面を参照しながらこの発明の好適な実
施例について説明する。
第1図はこの発明の1実施例である油圧駆動式
車イスの外観全体を示す斜視図である。図におい
て、フレーム1は金属製パイプの溶接によつて構
成されている。シート2は厚地の布やレザー等で
作られており座席と左右両側および背もたれ部分
でフレーム1に装着されている。手操作用揺動レ
バー3はその一端で支持軸4に軸支されている。
支持台5はでフレーム1と一体に固定されてい
る。この支持台5にはブラケツト6、ガイド7お
よびレバー比切換用単動式油圧アクチユエータ8
が固定されている。手操作用揺動レバー3は支持
軸4を支点として前後に揺動運動を行なうが、支
持軸4の上方に長溝9があり、この長溝9には往
復動ピストン形油圧ポンプ10のピストンロツド
11の軸端部にある係合ピン12が挿入され、係
合ピン12は長溝9に長手方向に摺動可能な状態
で係合している。揺動枠13はフレーム1に固定
されており、揺動枠13に設けられた2本の揺動
支軸14によつて油圧ポンプ10を揺動可能な状
態に支持している。また図中15は係合枠であ
る。係合枠15には一対の係合ピボツト16が設
けられており、油圧ポンプ10のシリンダを両側
より係合支持している。油圧ポンプ10は油圧パ
イプにより油タンク17につながり、油タンク1
7は係合枠15の上に載つている。次に手操作用
揺動レバー3の長溝9の上方には方向切換弁18
が取り付けられており、方向切換弁18は油圧管
によつて後方左右の油圧モータ19のデストリビ
ユータ19′につながれている。油圧モータ19
の出力軸20は左右の車輪21の主軸を形成し、
車輪のハブ22に固定されている。レバー比切換
用単動式油圧アクチユエータ8のピストンロツド
23はその上端部が係合枠15に常に接してお
り、またピストン25は圧縮コイルばね24によ
り係合枠15およびピストンロツド23を介して
単動式油圧アクチユエータ8の内部で常時一定の
高さ以上に押し上げられている。尚、図中26は
キヤスターで車輪の駆動に応じて走行方向に向き
を転換し走行をガイドする。27は足置き台であ
る。
次にこの実施例装置の動作について述べる。説
明の便宜上第2図によつて行なうが、第2図はこ
の発明の実施例装置の油圧系統説明図である。
いま手操作用揺動レバー3の握りを持つて前後
に揺動操作を行なう場合、手操作用揺動レバー3
の握りから支持軸4までの距離をL、係合ピン1
2と支持軸4までの距離を1とし、手で手前に引
く力をFとすると次の等式が成立する。
F・L=f・1 ……(1) 但し、fは油圧ポンプ10のピストンを押し込
む力とする。(1)式でFは概ね一定の力とするとL
は一定なので、f・1は一定となる。従つて1の
変動に応じてfも変えることができる。
次に往復動ピストン形油圧ポンプ10は第3図
に示すような構造からなつており、手操作用揺動
レバー3を手前に引いた時係合ピン12、ピスト
ンロツド11を経てピストン11′は図で下方に
押され、内部の作動油に圧力を加え、吐出管(油
圧回路)30より圧油を吐出する。ピストン1
1′には矢印方向に油を流入させるための2個の
孔28が開いており、その孔に油の逆流を阻止す
る逆止弁29が設けられている。また吸込管(油
圧回路)31の開口部にも逆止弁29′が設けら
れている。
吸込管31は油タンク17に接続していて、油
タンク17内の油は大気圧を受けているのでピス
トン11′が下へ下がるとシリンダ内でピストン
の上側には吸込管31より作動油が流入する。手
操作用揺動レバー3を逆に前方に押した時ピスト
ン11′は上昇しシリンダ内でピストン11′より
上方にある油は圧力を受けるが逆止弁29′は吸
込口を塞ぎピストン11′の2個の逆止弁29は
開放され油は孔28を通つてピストン11′の下
方に流入する。またこの油圧シリンダ10で圧力
を受けた作動油は吐出管30を通つてレバー比切
換用単動式油圧アクチユエータ8に入り、第2図
に示すようにピストン25は下に押し下げられ
る。この場合、ピストン25は圧縮コイルばね2
4の弾発力に打ち勝つて下方に下がるので、これ
に係合する係合枠15も下に引かれ、従つて係合
ピボツト16を介して油圧ポンプ10のシリンダ
は揺動支軸14を支点として手前下りに傾く。こ
の結果(1)式における1は小さくなる。従つて手操
作用揺動レバー3の次の手前に引く操作では、操
作する力Fが前と等しくてもfは大きくなり、油
圧ポンプ10で発生する油圧は前よりは大とな
る。従つて吐出管30を通り、レバー比切換用単
動式油圧アクチユエータ8、排出管(油圧回路)
32を経て方向切換弁18に送られる油圧は前よ
りも大きくなる。
さて排出管32は手操作用揺動レバー3に取り
付けた方向切換弁18の吸込口33に接続されて
いる。方向切換弁18の内部の構造は第4図のよ
うになつている。第4図は方向切換弁18の断面
図で34はスプール弁本体でバネ35により両側
から押され通常の場合は中央の中央位置に保持さ
れている。スプール弁本体34は内部に油路が
a,b,cの3つあり、中立位置ではちようど中
央の油路aが吸込口33につながる状態となる。
中央の油路aは中間で2つに分岐し、それぞれが
排出口36,37につながるようになつている。
なお、排出口36,37には導管(油圧回路)3
8と39とが接続されており、導管38と導管3
9とはそれぞれ両側の車輪軸20に一体に取り付
けられたデストリビユータ19′に接続されてい
る。いま、仮に手操作用揺動レバー3を左に押す
と方向切換弁18の個所から手操作用揺動レバー
は左に斜めに傾き、同時に方向切換弁18の内部
のスプール弁本体34は弁本体から外方へ突出し
たピン(図示せず)が左へ動かされ、左側のバネ
35を圧縮しつつ左に移動し、aの中央油路は左
にずれ、代わりに油路bが吸込口33と排出口3
6とを接続する位置に来て、作動油は導管38に
のみ導かれる。その結果、圧油は右の車輪軸20
に付いた油圧モータ19のみに送られることにな
る。逆に手操作用揺動レバー3を右に倒したとき
は前記と反対に左の油圧モータ19だけに圧油が
送られる。なお方向切換弁18からデストリビユ
ータ19′に形成される油圧回路の導管38又は
導管39の中途に切換弁40を設ける場合があ
る。またデストリビユータ19′の排出口54よ
り油タンク17に油を戻す戻り油回路(油圧回
路)42および43には逆止弁41、切換弁40
が配設される。
その間の油圧回路を第5図に示している。方向
切換弁18を経由して油圧ポンプ10からの圧油
が導管38を通つて切換弁40の左側の回路から
送りこまれると、右側のバネ44が圧縮され弁体
45が右方に移動し、圧油はデストリビユータ1
9′の吸込口53から油圧モータ19に送りこま
れる。この圧油によつて油圧モータ19は矢印方
向に回され、車輪が駆動され、戻り油が逆止弁4
1および切換弁40を経由して戻り油回路42ま
たは43を通つて油タンク17に戻される。手操
作用揺動レバー3の手動操作を停止すると油圧回
路38の圧油の圧力は低下し、切換弁40の弁体
がバネ44によつて左方に押し戻され、第5図の
位置となつてデストリビユータ19′の吸込およ
び排出口との回路が連結される。従つてこの状態
で車輪が回転するとき、例えば車椅子が惰走する
ときは、油圧モータ19は車輪21によつて回さ
れ、油圧ポンプとしての作用をなし、前記のとお
り短絡された回路を圧油が循環することとなる。
この場合、油圧ポンプとしての油圧モータ19の
回転抵抗、循環回路の圧油抵抗が車輪の自由回転
に対して制動力として作用するが、後に詳述する
回転抵抗が極めて少なくフリーホイールとして空
転可能な形の油圧モータを用いると、この不都合
を解消し、車輪の自由回転を可能にするものであ
る。ここに述べた切換弁40は軽量小形車の場合
は省略することができる。
今坂道、悪路などによつて車輪の走行回転に負
荷抵抗が増大した場合、油圧回路38,32,3
0の油圧が上昇するとレバー比切換用単動式油圧
アクチユエータ8のピストン25は第2図で下へ
押し下げられ、従つて係合ピボツト16を介して
油圧ポンプ10のシリンダは支軸14を支点とし
て手前下りに変位し、これに伴つて係合ピン12
の位置は長溝9に沿つて下へ下がる。このため1
は小さくなるので(1)式により逆にfは大きくなり
油圧ポンプ10のシリンダにおけるピストンの圧
力は増大し、油圧ポンプ10より吐出される圧油
の圧力は前より大となる。この結果油圧モータ1
9を駆動する油圧は大きくなり、負荷抵抗の増大
に対抗することとなる。即ち前記対応動作は車輪
の走行抵抗の増減に対して自動的に連続して行な
われ、油圧モータ19の連続的な自動変速を可能
とし、しかも変速に伴なうトルク変換を負荷の要
求に合致させて行なうことができる。第6図はこ
の発明の実施例にかかるフリーホイールとして出
力軸が空転可能な形のラジアルピストン形油圧モ
ータ19の主要部の断面図であり、第7図はこの
ラジアルピストン形油圧モータ19を車輪ハブ2
2に一体に取り付けた状態における縦断面図であ
る。図において22は車輪ハブで、油圧モータの
ケース46の外周インロー部に一体に取り付けら
れている。47はトルクプレートで前記ケース4
6の外周近傍円周上に等配されケース46にピン
止めされている。ピストン48は、シリンダブロ
ツク49の中心O2に向かつて放射状に等角度間
隔で設けられた5本のシリンダにそれぞれはめ合
わされている。またピストンの底部近傍にはピス
トンリングがはめ込まれシリンダとのシールを保
持している。主軸20の両端部は車イスのフレー
ム1に一体に取り付けられたデストリビユータ1
9に固定され、軸端部はオイルシール50でシー
ルされた上、カバー51で蓋をされている。主軸
20の中央部は偏心軸部を形成している。前記主
軸20の偏心部に隣接して左右に取り付けられて
いるコロガリ軸受52は、ケース46を回転自在
に支えている。また前記偏心軸はシリンダブロツ
ク49を回転自在に支承している。前記デストリ
ビユータ19には油路53,54が設けられてお
り、油路53は吸込油路、54は排出油路で、と
もに前記偏心軸部の中央部の二面取部にそれぞれ
開口し、かつ両端において圧油回路38または3
9、戻り油回路42または43にそれぞれ接続さ
れている。ピストン48のトルクプレート47と
接触している頂部中央には凹みが設けられ、ピス
トン48を貫通する小孔からシリンダ内の圧油が
導かれるようになつている。ケース46に植え込
まれたタイミングピン55はそれにタイミングリ
ング56が、シリンダブロツク49の外周部に等
配された半月形の凹部57と係合するようにひつ
かけられている。
次にこのラジアルピストン形油圧モータの作動
について説明する。
油圧ポンプ10から油圧回路38を経て吸込油
路53に送り込まれた圧油によつて、AおよびB
位置にある2個のピストン48がトルクプレート
47に押しつけられると、トルクプレート47を
介してF1,F2の合力F0がケース46に作用す
る。
第6図に示すこの合力F0はシリンダブロツク
49を支承している偏心軸部の中心O2をよぎる
半径方向を外向きに指向することとなる。一方主
軸20によつてコロガリ軸受52を介して回転自
在に支承されているケース46の回転中心はO1
であるため、偏心量1 2の合力F0に対する正弦
1 3だけのトルクアームが合力F0に与えられ
る。従つてケース46は合力F0によつてトルク
が与えられることとなり、O1を回転中心として
矢印の時計方向に回される。その回転に伴つて、
EおよびD位置のピストン48はトルクプレート
47によつて内方へ押し込まれ、戻り油が排出油
路54から排出され、C位置のピストン48のシ
リンダは吸込油路53と連結する。この場合D,
E位置においてそれぞれピストン48よりトルク
プレート47が反力を受け、その合力が中心O1
に対してケース46を反時計方向に回すトルクを
生ずるが、その絶対値は前記のものと比べて小さ
い。つぎの段階において前記のA位置、B位置を
それぞれB位置、C位置のピストン48が占める
こととなり、前記のとおりケース46が時計方向
に回され、E位置、D位置を占めるピストン48
によつて戻り油が排出油路54から排出される。
以上の動作が引き続いてなされることによつて回
転が持続して行なわれ、ケース46と一体に取り
付けられているハブ22を介して車輪21が駆動
されることとなる。ピストン48とトルクプレー
ト47の接触部には前述のとおりシリンダ内の圧
油が導かれ静圧軸受が形成され、ピストン48の
頂部と底部とで作用する圧油間の平衡がほぼ成立
しているので、実際上のピストン48のトルクプ
レート47に対する接触圧は非常に小さい。従つ
てケース46が回転するにつれて、ピストン48
の頂部とトルクプレート47との間に僅かな摺動
運動を生ずるが、その間の摩擦損失は極めて僅少
となる。説明の便宜上圧油によつてピストン48
がトルクプレート47に押し付けられると前記し
たが、正しくはピストン径にほぼ等しい圧油の柱
が直接トルクプレート47を押し付けるのであ
る。直接圧油がトルクプレート47を押し付ける
のであるが、トルクプレート47とピストン48
間の接触部の油洩れは極めて少なくすることがで
きる。
次にラジアルピストン形油圧モータがフリーホ
イールとして空転する特性を有することについて
説明する。手操作用揺動レバー3の前後揺動操作
を停止すると、前記のようにラジアルピストン形
油圧モータには油圧ポンプ10からの圧油の送り
込みが止まり、吸込油路53と排出油路54とが
油圧回路38、切換弁40、油圧回路42によつ
て短絡され、従来のラジアルピストン形油圧モー
タにおいては車輪が回転している間は油圧ポンプ
の作用をして圧油を循環させる。このラジアルピ
ストン形油圧モータにおいては、車輪の回転即ち
ケース46の時計方向の回転によつてE,D位置
のピストン48がトルクプレート47を介して内
方に押し込まれ、圧油が排出油路54、油圧回路
42を経て油タンク17に戻され、油圧回路が大
気圧に殆ど近い所まで低下し、ケース46内のド
レン圧力の方がむしろ高圧となる。その結果、こ
の両者の差圧によつてピストン48がシリンダ内
に引き込まれ、シリンダブロツク49の外周から
ピストン48が全く突出せず、ピストン48がト
ルクプレート47と干渉しなくなり、ケース46
がフリーホイールとして自由に空転することとな
る。従つて車輪が回転している間の圧油の循環は
生じない。この場合、油圧モータの運転再開に備
えてトルクプレート47とピストン48との円周
方向の関係位置がある範囲内に規制されているこ
とが必要である。
この用をなすのが、タイミングピン55で、タ
イミングリング56を介してシリンダブロツク4
9の外周の半月形をした凹部57と接触すること
によつてケーシング46の回転に追従してシリン
ダブロツク49が回され、トルクプレート47と
ピストン48との円周方向の関係位置が規制され
ることとなる。
この実施例のラジアルピストン形油圧モータは
抜群の体積効率(99%程度)と機械効率(96%程
度)とから95%以上の総合効率を有しており、流
体的エネルギはその調節が容易であることに基づ
いて、広範囲の連続的な速度ならびにトルクの変
換を自動的に行なうことを可能とする。また機械
的な接続が断たれるために負荷に生じた衝撃や振
動を運転者に伝えにくいという長所を有する。
以上発明の1実施例について述べたが、車輪を
駆動する油圧モータとしては歯車モータ、アキシ
ヤルプランジヤモータ、ラジアルプランジヤモー
タ等がそれぞれの特性を考えながら適宜利用でき
るものである。
次にこの発明における実施例装置における方向
変換操作について述べる。
一部前述したが、方向変換に際しては手操作用
揺動レバー3を変換すべき方向に横に倒す操作を
行なうと、例えば右に方向変換するとき操作レバ
ー3を右へ倒すと既述のように方向切換弁18の
作用により圧油は左の車輪軸に付いた油圧モータ
19だけに送られることとなり、右の車輪軸に付
いた油圧モータには圧油は送られなくなる。
従つて右の油圧モータでは切換弁40の中でバ
ネ44の作用により油圧回路は内部で短絡されて
しまう。ここで第8図は右車輪の制動機説明図で
あるが、図で右のブレーキレバー58を操作して
ブレーキ用ワイヤ59を手つ張るとブレーキシユ
60が矢印方向に回転し、右の車輪の回転を制動
する。ここで左の車輪の回転のみで走行すると車
イスは右に方向変換することができる。図で61
はカバーケースであるが、その天板部の手操作用
揺動レバー3の運動範囲には長孔62があけられ
ている。なお左車輪用制動機は第8図に準じてフ
レーム1の左前の支柱部に同様の機構部品を設置
すればよい。
〔効果〕
以上実施例によつてこの発明を詳細に説明した
が、この発明の油圧駆動式車イスによれば、常に
1本のレバー操作によつて油圧モータの駆動が行
なわれ、走行中における車輪の負荷抵抗の大きさ
に対応して即時に車輪の回転出力が変換されて自
動変速が可能であり、さらに切換弁によつて左又
は右の油圧モータだけに圧油を送るようにすれば
片方の車輪だけが回転して方向変換も可能であ
る。そして坂道の登坂や段差のある悪路や段階な
ど道路抵抗の変化に対して自動的、連続的にかつ
大幅に対応できることになり、一方平坦な道での
走行速度を手操作用揺動レバーの前後揺動操作を
強く頻繁に行なうことによつて上げてゆくことに
対しては何等の支障も与えない。
以上のように、車イスは病院などの建物へ出入
りすることが多く、玄関車寄せの坂道、扉敷居の
通過にあたつて難渋するのが例であつたが、この
発明の車イスはこれらの問題を解決し得た。また
道路の横断、車道から歩道への移行、さらには緩
階段の登坂にも油圧駆動の威力を発揮するなど、
従前の手回しリール式の車イスでは到底見られな
い実用上の効果の高い車イスをこの発明は提供し
得たものである。
【図面の簡単な説明】
第1図はこの発明の1実施例である油圧駆動式
車イスの外観全体を示す斜視図、第2図はこの車
イスの油圧系統説明図、第3図は往復動ピストン
形油圧ポンプの構造説明図、第4図は方向切換弁
の作動状態を説明するための断面図、第5図はラ
ジアルピストン形油圧モータと切換弁とをつなぐ
油圧回路説明図、第6図は車輪軸用油圧モータの
断面図、第7図は上記油圧モータの縦断面図、第
8図は右車輪の制動機説明図を示す。なお、図中
使用した次の符号はそれぞれ附記の部分を示す。 1…フレーム、2…シート、3…手操作用揺動
レバー、4…支持軸、5…支持台、6…ブラケツ
ト、7…ガイド、8…レバー比切換用単動式油圧
アクチユエータ、9…長溝、10…往往動ピスト
ン形油圧ポンプ、11…ピストンロツド、11′
…ピストン、12…係合ピン、13…揺動枠、1
4…揺動支軸、15…係合枠、16…係合ピボツ
ト、17…油タンク、18…方向切換弁、19…
油圧モータ、19′…デストリビユータ、20…
駆動軸または車輪軸、21…車輪、22…ハブ、
23…ピストンロツド、24…圧縮コイルバネ、
25…ピストン、26…キヤスタ、27…足置
台、28…穴、29,29′…逆止弁、30…吐
出管(油圧回路)、31…吸込管(油圧回路)、3
2…排出管(油圧回路)、33…吸込口、34…
スプール弁本体、35…バネ、36,37…排出
口、38,39…導管(油圧回路)、40…切換
弁、41…逆止弁、42,43…戻り油回路(油
圧回路)、44…バネ、45…弁体、46…ケー
ス、47…トルクプレート、48…ピストン、4
9…シリンダブロツク、50…オイルシール、5
1…カバー、52…コロガリ軸受、53…吸込油
路、54…排出油路、55…タイミングピン、5
6…タイミングリング、57…半月形の凹部、5
8…ブレーキレバー、59…ブレーキ用ワイヤ、
60…ブレーキシユ、61…カバーケース、62
…長穴。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 1 一端が機枠に揺動自在に軸支された手操作用
    揺動レバーと、ピストンロツドの一端が前記手操
    作用揺動レバーの長手方向に揺動自在に係合する
    と共にシリンダが前記機枠に揺動自在に支持され
    前記手操作用揺動レバーの揺動により圧油を吐出
    する往復動ピストン形油圧ポンプと、左右両車輪
    軸をそれぞれ出力回転軸とした一対の油圧モータ
    と、前記往復動ピストン形油圧ポンプの吐出口と
    前記各油圧モータの吸込油路とを流路的に接続し
    さらに前記各油圧モータの排出油路と前記往復動
    ピストン形油圧ポンプの吸込口とを流路的に接続
    して圧油を循環する各油圧回路と、前記両油圧モ
    ータへの前記往復動ピストン形油圧ポンプからの
    油圧回路を切り換える切換弁と、機枠に固定され
    前記往復動ピストン形油圧ポンプの吐出口と前記
    切換弁とを流路接続する油圧回路に介設されて、
    かつピストンロツドの一端で前記往復動ピストン
    形油圧ポンプのシリンダに係合しそのシリンダを
    揺動自在に支持して油圧がピストンに作用するこ
    とにより前記往復動ピストン形油圧ポンプのピス
    トンロツドの一端を前記手操作用揺動レバーの支
    軸方向に付勢するよう作動する単動式油圧アクチ
    ユエータと、その往復動ピストン形油圧ポンプの
    ピストンロツドの一端を前記単動式油圧アクチユ
    エータが油圧によつて作動する方向と反対方向に
    付勢するよう作用するばねとを備えてなることを
    特徴とする油圧駆動式車イス。
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