JPS6214133Y2

JPS6214133Y2 -

Info

Publication number: JPS6214133Y2
Application number: JP11259382U
Authority: JP
Priority date: 1982-07-23
Filing date: 1982-07-23
Publication date: 1987-04-10
Also published as: JPS5917774U

Description

【考案の詳細な説明】本考案は紡績の精紡、撚糸又はタイヤコードの
撚糸等に用いられるバルーンコントロールリング
の改良に関するものである。

従来、化合繊繊維或いはその混紡の精紡、合撚
糸、又はタイヤコードの撚糸等の工程において
は、近時ますます高速化が図られているが、溶融
糸の発生、静電気の発生、糸毛羽の発生等の弊害
を伴い高速化を困難ならしめ、かつ製品の品質を
阻害している。これは、従来のバルーンコントロ
ールリングが一本の綿材で形成され、糸はその環
体の内周面で横方向に螺旋状にしごくよう、強く
摩擦されるため、糸の表皮が発熱して溶融糸を生
じたり、糸毛羽を発生し、又繊維の種類によつて
は摩擦により静電気を発生して種々の弊害を生
じ、満足すべき高速化と良品質糸の生産を実現で
きないというのが現状である。

このため、バルーンコントロールリングの内周
面を鼓型の彎曲面に形成して、バルーンコントロ
ールリングに対する糸の押圧力を上下に幅広く均
等は分散して、糸の単位部分における押圧力を軽
減し、さらに、バルーンコントロールリングの内
周面に減摩油剤、除電油剤等を供給して溶融糸の
発生と静電気の発生とを防止したものが考案され
ている。

しかし、上記バルーンコントロールリングでは
横方向に螺旋状にしごく作用は解決できず、摩擦
による溶融糸の発生、糸毛羽の発生を完全に防止
するに至つていないのが現状である。

また、彎曲面に巾広く接触して、横方向に螺旋
状にしごかれるため、紡出張力が高くなり、電力
消費量が高くなるという欠点がある。

本考案は上記欠点を除去するためになされたも
のである。

以下、本考案の一実施例を図面に基いて説明す
る。

実施例１第１図イ及びロに示すように、１は一部に精紡
機、撚糸機等の機台へ取り付けるための取着部２
を有し、かつ内周面が10゜の角度αをもつて内側
下方に向け傾斜する円筒環状のホルダであり、３
はアルミニウム合金又は熱硬化性合成樹脂で以て
外周面が上記ホルダ１の内周面と一致する傾斜を
有するように形成した摺動環体で、この摺動環体
３は少なくともその上面及び内周面に四フツ化エ
チレン樹脂のコーテイング層Ｃを形成する。

上記摺動環体３はホルダ１に嵌合され、所要個
所において取付部材４により固定される。

５は肌焼鋼により形成され、上記摺動環体３に
回転自在に遊嵌配置される円筒状回転体であり、
上部外周面に鍔６を有し、上記鍔６の下面と胴部
外周面が摺動環体３との摺動面を構成している。
また、上記円筒状回転体５の上面には段部を有
し、かつ所要深さを有する貯油槽８を全周に亘つ
て設け、上記貯油槽７の底部にはフエルト、耐油
性スポンジ等からなる保油部材９が、貯油槽８の
深さの1/3〜2/3まで、１枚〜複数枚配置されてい
る。

さらに、上記貯油槽８の上面段部にはネオプレ
ンゴム、合成樹脂等より成る蓋１０が設けられ、
この蓋１０の一部に給油口１１が形成されてい
る。

しかも、貯油槽８から円筒状回転体５の内周面
に向つて貫通する給油孔１２が複数個設けられ、
この給油孔１２には給油糸１３が配置されてい
る。なお、給油孔１２は円筒状回転体５の内周面
に、斜め輪切り状の線上に位置するよう等間隔に
設けられるのが好ましく、この場合、貯湯槽内に
保油された、化合繊に用いられる油剤又は減摩油
剤等の油剤が全周で、かつ全巾に亘つて均一に給
油される。

また、円筒状回転体５の内周面は糸との摺接面
であり、円筒状回転体５の高さＨを半径Ｒとする
円弧面で形成され、円筒状回転体５の外周下部に
は摺動環体３からの抜け止め防止用の止め輪７が
嵌着されている。

尚、上記肌焼鋼にかえ焼結金属を用いる場合
は、給油孔１２を設ける必要はなく、しかも、糸
との摺接面以外は封孔処理を施すことが好まし
い。

上記のように、ホルダ１と摺動環体３と円筒状
回転体５とからバルーンコントロールリングが構
成されているため、糸の単位部分における押圧力
を軽減して、紡出張力を安定させ、糸の摺動環体
に対する横方向のしごき作用を減少させて、溶融
糸の発生及び糸毛羽の発生を大巾に減少させる。
しかも、油剤を円筒状回転体の内面に給油してい
るため、摩擦抵抗をさらに減少し、また円筒状回
転体の糸との摩擦による発熱を冷却するため、溶
融糸の発生を一層少なくすることができる。

実施例２第２図に示すように、１は一部に精紡機、撚糸
機等の機台へ取り付けるための取着部２を有し、
かつ内周面が15゜の角度αをもつて内側下方に向
け傾斜する円筒環状のホルダであり、３は四フツ
化エチレン樹脂により形成され、外周面が上記ホ
ルダの内周面と一致する傾斜を有する摺動環体で
ある。

上記摺動環体３はホルダ１に嵌合され円環状の
取付部材４により固定される。

５は肌焼鋼により形成され、上記摺動環体３に
回転自在に遊嵌配置される円筒状回転体であり、
上部に鍔６を有し、上記鍔６の下面と胴部外周面
が摺動環体３との摺動面を構成している。

尚、上記円筒状回転体は含油焼結合金で構成す
ることもある。

また、円筒状回転体５の内周面は糸との摺接面
であり、円筒状回転体５の高さＨを半径Ｒとする
円弧面で形成されている。

さらに、円筒状回転体５の外周下部には摺動環
体３からの抜け止め防止用の止め輪７が嵌着され
ている。

上記のように、ホルダ１と摺動環体３と円筒状
回転体５とからバルーンコントロールリングが構
成され、しかも、糸と摺接する摺動環体３が回転
自在に配置されており、摺接面が糸のバルーン形
状に略一致しているため、糸の単位部分における
押圧力を軽減するだけでなく、糸の摺動環体に対
する横方向のしごきが少くなり、溶融糸の発生及
び糸毛羽の発生を大巾に減少することができる。

上記各実施例において、ホルダ１の内周面を５
゜〜15゜の角度をもつて傾斜させているが、角度
αが５゜より小さいと、内周面の加工精度を良く
しないと、取付部材で固定してもガタツキが発生
して回転体が回転せず、15゜より大きいと、ホル
ダ全体の外径が大きくなり、隣接するホルダと接
触して取付けられない。

本考案のバルーンコントロールリングは上記構
成であるため、糸の単位部分における押圧力が減
少し、しかも摺動環体に対する横方向のしごきが
少なくなるため、溶融糸の発生及び糸毛羽の発生
を大巾に減少することができると共に、紡出張力
が減少し、リングとトラベラ間の摩擦抵抗も減少
するため、スピンドルにかかる負荷が少なくな
り、電力消費量が少なくなる。

このため、紡機の高速化が計れ、生産量の増大
が期待できる等実用的効果の大きい考案である。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案のバルーンコントロールリング
の一実施例を示し、イは平面図、ロはイにおける
Ａ−Ａ線拡大断面図、第２図は本考案の他の実施
例を示す断面図である。１……ホルダ、２……取着部、３……摺動環
体、４……取付部材、５……円筒状回転体、６…
…鍔、７……止め環、８……貯油槽、９……保油
部材、１０……蓋、１１……給油口、１２……給
油孔、１３……給油糸。

Claims

【実用新案登録請求の範囲】１機台へ取り付ける取着部を有する円筒環状の
ホルダと、上記ホルダに嵌合固定され、かつ少
なくとも上面及び内周面に四フツ化エチレン樹
脂より成る摺動面を有する摺動環体と、上記摺
動環体に回転自在に遊嵌配置され、かつ摺動環
体の摺動面に夫々摺接する摺動面を有し、しか
も糸と接触する内周面が円弧で形成された円筒
状回転体とにより構成された精紡、撚糸用バル
ーンコントロールリング。２ホルダ内周面を内側下方に向け５゜〜15゜の
角度で傾斜させ、上記傾斜面に沿うように摺動
環体を嵌合固定した実用新案登録請求の範囲第
１項記載の精紡、撚糸用バルーンコントロール
リング。３摺動環体を四フツ化エチレン樹脂により形成
した実用新案登録請求の範囲第１項又は第２項
記載の精紡、撚糸用バルーンコントロールリン
グ。４摺動環体を金属、軽合金若しくは熱硬化性合
成樹脂により形成し、少なくとも円筒状回転体
との摺動面に四フツ化エチレン樹脂層を設けて
なる実用新案登録請求の範囲第１項又は第２項
記載の精紡、撚糸用バルーンコントロールリン
グ。５円筒状回転体を金属又は焼結金属から形成さ
れた実用新案登録請求の範囲第１項、第２項、
第３項又は第４項記載の精紡、撚糸用バルーン
コントロールリング。６円筒状回転体の上部に全周に亘つて縦溝状の
貯油槽を設け、上記貯油槽の底部に保油部材を
配置し、上面に蓋を設けてなる実用新案登録請
求の範囲第１項、第２項、第３項、第４項又は
第５項記載の精紡、撚糸用バルーンコントロー
ルリング。