JPS6214049B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明はバーナの制御方法に係り、特に、点火
用バーナと起動用バーナとを使用してボイラを起
動する場合に用いて好適なバーナの制御方法に関
するものである。

〔従来の技術〕

点火用バーナと起動用バーナと負荷用バーナと
を有するボイラの従来の燃料系統を第１図および
第２図によつて説明する。第１図は従来の負荷用
バーナの燃料系統を示す図、第２図は従来のボイ
ラ起動用燃料の系統を示す図である。

第１図および第２図において、ボイラを起動す
る場合に使用する起動用燃料例えば軽油は、軽油
タンク４からストレーナ５および燃料ポンプ６を
経て、圧力調整弁７によつて圧力を調整され、流
量計８によつて流量を計測されたのち、遮断弁９
を経て図示しない点火用バーナに接続するＡ系統
と、流量調整弁１０および遮断弁１１を経て図示
しない起動用バーナに接続するＢ系統とに分岐さ
れている。

一方、ボイラの負荷用バーナ３には、負荷用燃
料例えば重油が燃料切替弁１を経て、また、前述
のＢ系統の起動用燃料例えば軽油が燃料切替弁
１′を経て、夫々供給されている。そして、負荷
用バーナ３が二流体噴霧バーナである場合には、
重油を噴霧する媒体例えば蒸気または圧縮空気が
噴霧媒体切替弁２を経て、また、軽油を噴霧する
媒体例えば蒸気または圧縮空気が噴霧媒体切替弁
２′を経て、夫々供給されている。

従来のボイラの起動時には、負荷用バーナ３の
容量が大きい負荷用バーナチツプを容量が小さい
起動用バーナチツプに取り替えて、負荷用バーナ
３を起動用バーナにするとともに、燃料切替弁
１′を経て軽油を噴霧し、Ａ系統に接続してある
図示しない点火用バーナによつて点火していた。

そして、起動用バーナで軽油を燃焼することに
よつてボイラが充分に暖缶されたのち、起動用バ
ーナの容量が小さい起動用バーナチツプを容量が
大きい負荷用バーナチツプに取り替えるととも
に、蒸気を噴出して燃料配管およびバーナに残存
している軽油をパージすることによつて、起動用
バーナを負荷用バーナ３に戻して、燃料切替弁１
を経て重油を噴霧し、Ａ系統に接続してある図示
しない点火用バーナによつて点火していた。

このように、起動用バーナによつて軽油を燃焼
してボイラを起動したのち、負荷用バーナ３によ
つて重油を燃焼して負荷運転を行うのであるが、
多数のバーナのバーナチツプを起動用バーナチツ
プから負荷用バーナチツプに、また、負荷用バー
ナチツプから起動用バーナチツプに夫々取り替へ
る作業およびパージ作業は、煩雑であり手数と時
間を要する欠点がある。

このため、最近では、バーナチツプは容量が大
きい負荷用バーナチツプをそのまま使用し、燃料
だけを燃料切替弁１′によつて軽油に切り替へる
ことにより、負荷用バーナ３を起動用バーナとし
て使用するようにしている。

しかし、この方法は、容量が大きい負荷用バー
ナチツプを使用して流量が少ない軽油を噴霧して
燃焼するために、負荷用バーナ３が二流体噴霧式
バーナである場合には、蒸気または圧縮空気等の
噴霧媒体の消費量が通常の場合の消費量よりも多
くなり、負荷用バーナ３が油圧噴霧式バーナであ
る場合には、軽油の微粒化が不充分であるので不
完全燃焼によつて黒煙が発生する等の欠点があ
り、前述の欠点とともに従来から問題になつてい
た。

〔発明の目的〕

本発明は上記の問題を解決するためになされた
もので、ボイラの起動時に、負荷用バーナチツプ
から起動用バーナチツプに、また、起動用バーナ
チツプから負荷用バーナチツプに夫々取り替える
必要がなく、しかも安定した点火起動が可能なバ
ーナの制御方法を提供することを目的とするもの
である。

〔発明の概要〕

本発明は、点火用バーナと起動用バーナとを共
用する共用バーナを設けるとともに、燃料の圧力
を調整する圧力調整手段と燃料の流量を調整する
流量調整手段とをともに有する調整弁を設け、共
用バーナを点火用バーナとして使用するときには
燃料の圧力を調整し、共用バーナを起動用バーナ
として使用するときには燃料の流量を調整するこ
とを特徴とするものである。

〔発明の実施例〕

本発明の一実施例を図に基づいて説明する。第
３図は本発明のボイラ起動用燃料の系統を示す
図、第４図は本発明の調整弁を説明する図であつ
て、既に説明した第１図および第２図における部
分と同一の部分には同一の番号を用いている。

第３図および第４図において、流量計８を通過
した軽油は、従来の第２図において既に説明した
ように二系統に分岐されることなく、そのまま流
量調整弁１０および遮断弁１１を通過し、調整弁
１２を経て図示しない点火起動共用バーナに供給
されるようになつている。

調整弁１２は調整弁１２を通過したあとの軽油
の圧力を調整する圧力調整器１４と、調整弁１２
を通過する軽油の流量を調整する流量調整器１３
とを有しており、圧力調整器１４による調整弁１
２の調整と流量調整器１３による調整弁１２の調
整とを、電磁弁１５によつて切り替えるようにな
つている。

即ち、前記共用バーナを点火用バーナとして用
いるときは、点火ミスを起さないようにするため
に、点火用バーナから噴霧される軽油の圧力を一
定に調整して、安定した噴霧を行ない、良好な点
火用火炎を保持するようにしている。

また、前記共用バーナを起動用バーナとして使
用するときは、ボイラを冷却状態から徐々に加温
する必要があるため、起動用バーナによつて燃焼
する軽油の量を、ボイラの加温の程度に応じて調
整するようにしている。

このように構成してあるので、ボイラを起動す
る場合には、まず、圧力調整器１４によつて調整
弁１２を通過したあとの軽油の圧力を一定に調整
して、図示しない点火起動共用バーナに点火す
る。つぎに、電磁弁１５によつて、圧力調整器１
４による軽油の圧力調整から流量調整器１３によ
る軽油の流量調整に切り替えて、既に点火してあ
る上記の図示しない点火起動共用バーナで軽油を
燃焼してボイラを起動する。

なお、この場合は、図示していないが、負荷用
バーナには負荷用燃料例えば重油のみを供給する
燃料系統になつており、負荷用バーナは負荷運転
専用バーナとして、点火起動共用バーナとは別個
に使用される。したがつて、既に説明した第１図
に示すような、燃料切替弁１と１′とを切り替え
ることによつて重油または軽油を供給することが
できる負荷用バーナ３の燃料系統とは異なる。

〔発明の効果〕

本発明によれば、点火用バーナと起動用バーナ
とを共用する共用バーナを設けるとともに、燃料
の圧力を調整する機能と燃料の流量を調整する機
能とを有する調整弁を設けて、共用バーナを点火
用バーナとして使用するときには軽油の圧力を調
整し、共用バーナを起動用バーナとして使用する
ときには軽油の流量を調整している。したがつ
て、従来のボイラの起動時のように、負荷用バー
ナチツプから起動用バーナチツプに、また、起動
用バーナチツプから負荷用バーナチツプに夫々取
り替える必要がなくなる効果があるとともに、安
定した点火起動が可能であるという効果がある。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来のバーナの燃料系統を示す図、第
２図は従来のボイラ起動用燃料の系統を示す図、
第３図は本発明のボイラ起動用燃料の系統を示す
図、第４図は本発明の調整弁を説明する図であ
る。 １，１′…燃料切替弁、２，２′…噴霧媒体切替
弁、３…負荷用バーナ、４…軽油タンク、５…ス
トレーナ、６…燃料ポンプ、７…圧力調整弁、８
…流量計、９，１１…遮断弁、１０…流量調整
弁、１２…調整弁、１３…流量調整器、１４…圧
力調整器、１５…電磁弁。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 点火用バーナと起動用バーナとを使用して燃
   焼装置を起動する場合に、前記点火用バーナの燃
   料の圧力を圧力調整弁によつて調整し、前記起動
   用バーナの燃料の流量を流量調整弁によつて調整
   するバーナの制御方法において、 前記点火用バーナと前記起動用バーナとを共用
   する共用バーナを設けるとともに、前記共用バー
   ナの燃料の圧力を調整する圧力調整手段と、前記
   共用バーナの燃料の流量を調整する流量調整手段
   とを、ともに有する調整弁を設け、前記共用バー
   ナを点火用バーナとして使用するときには前記燃
   料の圧力を調整し、前記共用バーナを起動用バー
   ナとして使用するときには前記燃料の流量を調整
   することを特徴とするバーナの制御方法。