JPS6213985B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】

本発明は、耐候性の極めて優れた塩素含有樹脂
組成物に関する。 公知の如く塩素含有樹脂は熱、光、酸素、オゾ
ン等に影響され劣化し易く、その劣化を防止する
ために安定剤としてステアリン酸鉛、ステアリン
酸カドミウム、ステアリン酸カルシウム、ステア
リン酸バリウム、ステアリン酸亜鉛等の金属石鹸
類、有機錫マレエート系化合物、有機錫含硫黄系
化合物、有機錫脂肪酸塩等の有機錫系安定剤、エ
ポキシ化合物、有機亜燐酸エステル、抗酸化剤等
を使用し、様々な成型品を製造している。 これらの安定剤のなかで、金属石鹸類は単独あ
るいは組み合わせて使用され、塩素含有樹脂の熱
劣化を防止しているが、当該樹脂組成物の成型品
の大部分は自然界に曝露しておくと比較的短期間
で着色し、失透し、更には物理的強度が低下する
等の欠点が現われ、未だ充分満足すべきものでは
ない。更に有機錫系安定剤のなかで有機錫含硫黄
系化合物及び有機錫マレエート系化合物は一般に
熱安定化効果が極めて優れるため、塩素含有樹脂
を成型する際、特に苛酷な加熱条件が与えられる
硬質製品を成型する際に広く使用される。また有
機錫脂肪酸塩類は加工時に必要とされる滑性効果
を高め、成型性を改善するため、しばしば利用さ
れる。ところが有機錫系安定剤で安定化された塩
素含有樹脂組合物は屋外の厳しい自然条件に対応
するだけの充分な耐候性を有しているとはいえな
い。例えば、有機錫系安定剤のなかでジアルキル
錫ビス（アルキルメルカプトアセテート）、ジア
ルキル錫ビス（アルキル３―メルカプトプロピオ
ネート）等の有機錫含硫黄系化合物で安定化され
た樹脂組成物は極めて優れた熱安定性及び透明性
を有しているが、自然界に曝露しておくとごく短
期間で著しく着色する。またジアルキル錫マレエ
ートポリマー、ジアルキル錫ビス（アルキルマレ
エート）、ビス（ジアルキル錫アルキルマレエー
ト）マレエート等の有機錫マレエート系化合物で
安定化された樹脂組成物は有機錫系安定剤のなか
でも比較的優れた耐候性を有しているが、長期間
の天然曝露に耐えることができず、着色、失透す
る。特にこれらの有機錫マレエート系化合物で安
定化された農業用ビニルハウス用硬質シート、透
明板等の屋外透明製品はよく使用されているが、
直接紫外線の照射を受け、雨、その他の自然現象
に晒されるために劣化し、長期間の使用に耐えな
くなる。またジアルキル錫ジラウレート等の有機
錫脂肪酸塩で安定化された樹脂成型品は失透し易
い。このような理由により、有機錫系安定剤で安
定化された樹脂組成物においても耐候性は未だ不
充分である。 本発明者等はこれらの欠点を考慮し、種々研究
した結果、塩素含有樹脂に対して＞Ｃ＝Ｎ−OH
基を有する窒素含有化合物を添加することにより
長期間の天然曝露に耐え得る耐候性の極めて優れ
た塩素含有樹脂組成物が得られることを見出し本
発明を完成した。 本発明に用いられる＞Ｃ＝Ｎ−OH基を有する
窒素含有化合物の使用量は特に制限されるもので
はないが好ましくは塩素含有樹脂100重量部に対
して0.05〜５重量部である。またこの窒素含有化
合物の例を示すと、 等を挙げることができる。 本発明の実施に際しては、通常、前記した窒素
含有化合物に熱安定剤が併用される。熱安定剤は
使用量及び種類に特に制限されるものではなく、
また種類の異なる安定剤を組み合わせて使用する
こともできる。該安定剤のなかで有機錫系安定剤
の例としては、ジブチル錫マレエート、ジオクチ
ル錫マレエート等のモノマー及びポリマー、ジブ
チル錫ビス（アルキルマレエート）、ジオクチル
錫ビス（アルキルマレエート）、ビス（ジブチル
錫アルキルマレエート）マレエート、ジブチル錫
メルカプトアセテート、ジオクチル錫メルカプト
アセテート、ジブチル錫ビス（アルキルメルカプ
トアセテート）、ジオクチル錫ビス（アルキルメ
ルカプトアセテート）、ジメチル錫ビス（アルキ
ル３―メルカプトプロピオネート）、ジブチル錫
ビス（アルキル３―メルカプトプロピオネー
ト）、ジオクチル錫ビス（アルキル３―メルカプ
トプロピオネート）、ジブチル錫３―メルカプト
プロピオネート、ジオクチル錫３―メルカプトプ
ロピオネート、ジブチル錫サルフアイド、ビス
（ジブチル錫アルキル３―メルカプトプロピオネ
ート）オキサイド、モノブチル錫トリス（アルキ
ルメルカプトアセテート）、モノオクチル錫トリ
ス（アルキルメルカプトアセテート）、モノブチ
ル錫トリス（アルキル３―メルカプトプロピオネ
ート）、モノオクチル錫トリス（アルキル３―メ
ルカプトプロピオネート）、ジブチル錫ジラウレ
ート、ジオクチル錫ジラウレート、モノブチル錫
トリベヘネート等を挙げることができる。また金
属石鹸類の例としては、ステアリン酸鉛、ステア
リン酸カドミウム、ステアリン酸カルシウム、ス
テアリン酸バリウム、ステアリン酸マグネシウ
ム、ステアリン酸ストロンチウム、ステアリン酸
亜鉛、二塩基性ステアリン酸鉛、三塩基性硫酸
鉛、ラウリン酸カルシウム、オレイン酸カルシウ
ム、リシノレイン酸バリウム、マレイン酸バリウ
ム、安息香酸カルシウム等を挙げることができ
る。その他エポキシ化大豆油、エポキシ樹脂、有
機亜燐酸エステル、抗酸化剤、紫外線吸収剤等を
併用することができる。更にその他必要に応じ
て、滑剤、可塑剤、充填剤、発泡剤、帯電防止
剤、難燃剤、加工助剤、顔料等を併用することも
できる。 本発明に用いられる塩素含有樹脂とは、塩化ビ
ニル樹脂、塩化ビニリデン樹脂、後塩素化塩化ビ
ニル樹脂、塩素化ポリエチレン、並びに塩化ビニ
ルを主成分としこれとアクリル酸エチル、アクリ
ロニトリル、スチレン、酢酸ビニル、イソブチレ
ン、エチレン酢酸ビニルの各々との共重合体、ま
た塩化ビニル樹脂と耐衝撃性補強剤、例えば
ABS樹脂、MBS樹脂等とのブレンド樹脂を挙げ
ることができる。 次に、本発明を実施例で説明するが本発明はこ
れらに限定されるものではない。 実施例中、部とあるのは重量部を表わす。また
実施例中の化合物番号は前記窒素含有化合物例の
番号に該当する。 実施例 １ 塩化ビニル樹脂〔Geon103Ep―８・日本ゼオ
ン(株)製〕100部に表―１に示される添加剤を混合
した後、テストロールにて170℃で５分間混練
し、厚さ0.6mmのシートを作製した。このシート
を30Kg／cm²、160℃にて20分間プレス後、30mm×
100mmの大きさに切断し、６枚のシートを作製し
た。更にこのシートを傾斜角45゜の南に面した曝
露台に張り付けた。試料は半年毎にシートを１枚
ずつ取りはずし、観察評価した。評価基準はシー
トの色及び透明度を 無色透明…Ａ 淡黄色透明…Ｂ 淡黄色半透明…Ｃ 黄色透明…Ｄ 黄色半透明…Ｅ 黄褐色透明…Ｆ 黄褐色半透明…Ｇ 褐色…Ｈ 黒色…Ｉ とし、結果を表―１に示した。

【表】

【表】 実施例 ２ 塩化ビニル樹脂（Geon 103Ep―８）100部に
表―２に示す添加剤を混合し、実施例１と同様に
観察評価した。結果を表―２に示す。

【表】 実施例 ３ 塩化ビニル樹脂（Geon 103Ep―８）100部に
表―３に示す添加剤を混合し、実施例１と同様な
操作手順を行ない、３ケ月毎に観察評価した。結
果を表―３に示す。

【表】

【表】 実施例 ４ 塩化ビニル樹脂（Geon 103Ep―８）100部に
表―４に示す添加剤を混合し、実施例１と同様な
操作手順を行ない、３ケ月毎に観察評価した。結
果を表―４に示す。

【表】

【表】

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ 塩素含有樹脂に対して、＞Ｃ＝Ｎ−OH基を
   有する窒素含有化合物を添加して成ることを特徴
   とする塩素含有樹脂組成物。