JPS6213950Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 この考案は、ピルフアープルーフ特性を有する
合成樹脂製容器蓋の係止フラツプ片の改良に関す
るものである。

〔従来の技術〕

ピルフアープルーフ特性とは瓶等の内容物を不
正に詰め替えられないよう容易に容器蓋を取りは
ずせなくすることであつて、従来からこのような
特性を有する容器蓋については多数の構造が提案
されている。

一般に、ピルフアープルーフ特性を有する容器
蓋は、天面壁の周縁に形成したスカート壁に周方
向に延びる破断ラインを形成して、破断ライン上
方の主部内面には容器に螺合する雌螺条を形成
し、破断ライン下方のピルフアープルーフ裾部内
面には容器蓋の装着回転方向に対して逆方向に向
つて半径方向内方へ傾斜して係止フラツプ片を突
出しているものである。容器蓋を口頚部に装着す
る際には、容器蓋を装着回転方向に回転すると係
止フラツプ片は弾性変形して環状係止フランジを
通過して係止フラツプの上縁が環状フランジの下
面に係合し、これによつてピルフアープルーフ裾
部の上方への移動は阻止される。容器蓋を口頚部
から開封する際には、容器蓋を装着時とは逆方向
に回転すると破断ラインには上方への応力が作用
して破断されるので、ピルフアープルーフ裾部は
主部から分離され容器蓋は開封可能となる。

しかし、従来のこのような容器蓋では係止フラ
ツプ片がいずれも単一の小薄片で形成されていた
ため、容器蓋を開封する際に、係止フラツプ片が
破損したり過度に撓んで環状係止フランジへの係
止が解かれ破断ラインが破断しないという欠点を
有していた。

また、多数の小薄片を成形することは、複雑で
困難な技術であつた。

更に、従来のフラツプ片は一般に先端が鋭く、
開封時に手指を傷つけるおそれがあり安全性に問
題があつた。

〔考案が解決しようとする問題点〕

そこで、この考案は、容器の開封時に係止フラ
ツプ片が破損したり変形したりすることのない、
従つてピルフアープルーフ特性が毀損されるおそ
れがなく、しかも成形容易で、安全な容器蓋を提
供しようとするものである。

〔問題点を解決するための手段〕

上記問題点を解決するために、この考案は容器
蓋１の係止フラツプ片１３がピルフアープルーフ
裾部８内面から内方に延びた２個の側片１４と該
側片１４先端を連結する連結片１５からなり、側
片１４は容器蓋１の装着回転方向に対して逆方向
に向つて傾斜させたものである。

〔作用〕

上記技術的手段により、この考案は以下のよう
な作用をする。

容器蓋１を口頚部１０に装着すると、係止フラ
ツプ片１３は内方に立上がり、側片上縁１４ａ及
び連結片上縁１５ａが環状係止フランジ１６下面
に係止し、連結片１５の外側面１５ｂが係止フラ
ンジ１６下部の口頚部１０外周面に密着する。従
つて、容器蓋１の開封時にピルフアープルーフ裾
部８に作用する上方への応力を側片１４及び連結
片１５で支える。

また、係止フラツプ片１３は装着中には側片１
４が弾性変形するため押し潰された形状となる
が、装着後は側片１４の弾発力により連結片１５
が口頚部１０外周面に密着し、更に開封の際には
この密着状態の連結片１５が側片１４の内方への
過度の撓みを防止する。従つて側片１４と連結片
１５は常に係止フランジ１６下面に係合すること
になる。

更に、係止フラツプ片１３は側片１４と連結片
１５とからなり従来例より大型で、シンプルな形
状であるので、係止フラツプ片１３を減少させる
ことができ容器蓋１の成形は容易である。

更に、係止フラツプ片１３は鋭い角を持たない
ので、安全である。

〔実施例〕

以下、この考案の一実施例を図面に基づき説明
する。

容器蓋１は第１図乃至第３図に示すように天面
壁２の周縁に形成したスカート壁３に周方向に延
びる破断ライン４を形成し、破断ライン４は複数
個のスリツト５と該スリツト間に位置する複数個
の橋絡部６とからなり、スカート壁３は破断ライ
ン４より上方の主部７と破断ライン４より下方の
ピルフアープルーフ裾部８とに区画されている。

主部７の内面には、容器９の口頚部１０に形成
された雄螺条１１に螺合される雌螺条１２が形成
され、ピルフアープルーフ裾部８の内面には、内
方に複数個の係止フラツプ片１３を突出形成し、
該係止フラツプ片１３はピルフアープルーフ裾部
８内面から内方に延びた２個の側片１４と該側片
１４先端を連結する連結片１５を有し、側片１４
は容器蓋１の装着回転方向に対して逆方向に向つ
て傾斜しており、係止フラツプ片１３は両側片１
４，１４間のピルフアープルーフ裾部８とともに
平面視において断面平行四辺形形状である。

口頚部１０に容器蓋１を装着するには、口頚部
１０に容器蓋１を被嵌して、容器蓋１を装着回転
方向、第３図において上方から見て時計方向に回
転すると、容器蓋１に形成している雌螺条１２が
口頚部１０に形成している雄螺条１１に螺合さ
れ、これによつて容器蓋１は下方に移動する。こ
のとき、容器蓋１の係止フラツプ片１３は、第４
図（係止フラツプ片が環状係止フランジを通過す
る状態を下方より見た部分拡大断面図）に示すよ
うに、側片１４は装着回転方向に対して逆方向に
向つて外方に弾性的に撓むことにより係止フラツ
プ片１３全体が押し潰されたような形状になるた
め、容易且つ円滑に容器９の雄螺条１１及び該雄
螺条１１下部の環状係止フランジ１６を通過する
ことができる。従つて、容器蓋１の装着時に破断
ライン４を破断してしまうおそれはない。

容器蓋１の雌螺条１２を口頚部１０の雄螺条１
１に充分螺合し、第３図に示すように、容器蓋１
を口頚部１０に充分装着すると、係止フラツプ片
１３は係止フランジ１６を完全に通過して係止フ
ランジ１６の作用を受けなくなるので、弾性的に
元の状態に戻る。このとき、係止フラツプ片１３
の連結片１５の外側面１５ｂが係止フランジ１６
下部の口頚部１０外周面に密着し、連結片１５の
上縁１５ａ及び両側片１４の上縁１４ａが係止フ
ランジ１６下面に係止する。同時に、天面壁２の
内面に形成した環状シール部１７に口頚部１０上
縁が係合し、口頚部１０が密封される。

次に、口頚部１０を開封する際には、容器蓋１
を装着回転方向とは逆方向（第３図において上方
から見て反時計方向）に回転すると、係止フラツ
プ片１３の側片１４及び連結片１５は係止フラン
ジ１６に係止させられているため、側片１４には
第５図（開封時における係止フラツプ片の係止状
態を下方より見た部分拡大断面図）に示すように
内方へ撓ませようとする力が働き、係止フラツプ
片１３全体を口頚部１０外周面に密着させようと
する力が作用する。従つて、開封時においても係
止フラツプ片１３は、その側片１４が外方に撓ま
されることにより押し潰されることはない。また
連結片１５は側片１４の内方への撓み過ぎを防止
する。従つて係止フラツプ片１３は常に確実強固
に係止フランジ１６に係止されている。

更に、容器蓋１の装着方向とは逆方向への回転
は、容器蓋１全体を上方に移動させようとする。
しかしながら、ピルフアープルーフ裾部８は係止
フランジ１６に係止されているため、更に容器蓋
１を回転すると破断ライン４の橋絡部６は破断さ
れ、ピルフアープルーフ裾部８と主部７は分離さ
れ、この主部７のみとなつた容器蓋１を口頚部１
０から離脱すれば開封は完了する。

尚、係止フラツプ片１３の連結片１５は第６図
に示すように下方に行くに従つて傾斜させてもよ
い。これにより、容器蓋１の口頚部１０への装着
を更に円滑にすることができる。

〔考案の効果〕

この考案は、以下のような特有の効果を有す
る。

第１に、係止フラツプ片１３は２個の側片１４
とこれに連結する連結片１５とから構成すること
としたので、容易に破損しない。

第２に、２個の側片１４の先端を連結する連結
片１５を形成したので、係止フラツプ片１３は過
度に撓んで係止フランジ１６から離脱することは
ない。従つて、ピルフアープルーフ特性が毀損さ
れることはなく第３に、係止フラツプ片１３は側
片１４と連結片１５とからなる、大きくシンプル
な形状としたこと及び大形化による係止フラツプ
片１３の減少により容器蓋１の成形は容易であ
る。

第４に、係止フラツプ片１３は半径方向内方先
端に鋭い角がないので、取り扱い上安全である。

【図面の簡単な説明】

第１図乃至第５図はこの考案に係る容器蓋の一
実施例であつて、第１図は容器蓋の一部破断正面
図、第２図は係止フラツプ片の詳細を示す拡大部
分斜視図、第３図は容器蓋を容器の口頚部に装着
した状態を示す一部破断正面図、第４図は装着時
において係止フラツプ片が環状係止フランジを通
過する状態を下方より見た部分拡大断面図、第５
図は開封時における係止フラツプ片の係止状態を
下方より見た部分拡大断面図である。第６図は、
係止フラツプ片の変形例を示す部分断面図であ
る。 １……容器蓋、３……スカート壁、４……破断
ライン、７……主部、８……ピルフアープルーフ
裾部、１０……口頚部、１３……係止フラツプ
片、１４……側片、１５……連結片、１６……環
状係止フランジ。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 破断ライン４の上を主部７とし、下をピルフア
   ープルーフ裾部８として係止フラツプ片１３が突
   設されている容器蓋１において、係止フラツプ片
   １３はピルフアープルーフ裾部８内面から内方に
   延びた２個の側片１４と該側片１４先端を連結す
   る連結片１５からなり、側片１４は容器蓋１の装
   着回転方向に対して逆方向に向つて傾斜している
   ことを特徴とする容器蓋。