JPS6211847Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、低位置から任意の高位置に、被搬送
物品を連続的に搬送するコンベア装置の改良に関
するものであり、コンベア装置を水平コンベアと
傾斜コンベアとで構成することにより被搬送物品
に応じて、両コンベアの材質や形状を異ならせる
ことにより経済性を向上させ、また両コンベアの
高さや傾斜角を、駆動系の調節を要することな
く、調整でき、設置場所が搬送高さの選択の自由
度を大きくなしうると共に、単一の駆動モータに
より二つのコンベアを駆動でき、設備費や動力費
を低くしうるコンベア装置を提供することを目的
としている。

低位置から高位置まで被搬送物品を連続的に搬
送する従来の装置としては、物品供給位置の直下
から直接、傾斜コンベアを配置したものがある
が、傾斜コンベアの桟に供給された物品が当た
り、物品が飛散する欠点があるし、また物品供給
位置の直下に水平コンベアを配置し、これに傾斜
コンベアを連続させ、１枚のコンベアベルトを掛
け廻したものもあるが、コンベアベルトの搬送面
の形状や材質を異ならせることができない欠点が
ある。更には、水平コンベアと傾斜コンベアとを
別系統としたものでは、２個の駆動モータを要
し、動力費が嵩むし、１個の駆動モータで両コン
ベアを駆動するように構成したものでは、高さや
傾斜角度の調整が困難であり、何れも満足すべき
装置では無かつた。

本考案は、実用新案登録請求の範囲に記載する
構成とすることにより、別系統の水平コンベアと
傾斜コンベアより成りながら単一の駆動モータで
駆動でき、しかも高さや傾斜角度の調整を容易に
行ないうるコンベア装置を得たものである。

以下、図示例についてその構成を説明する。

第１図において、床面１に、移動自在に立設さ
れている第１の支柱２に、水平方向に移動するエ
ンドレスの水平コンベア３のフレーム４が、ブラ
ケツト５、連結棒６、蝶ねじ７、ナツト８、締付
ボルト９により上下に位置調節自在に配設されて
いる。

第３図に示されるように、フレーム４の上頂面
に沿つて連続移動する水平コンベア３上には、ホ
ツパー１０を介して被搬送物品が落下、供給され
る。

フレーム４の後端１１には、横溝１２が削設さ
れており、ここに第１図および第４図に示される
ように、スライダー１３を介して軸１４が摺動自
在に軸支され、この軸１４に水平コンベア３の案
内ロール１５が回転自在に支持されている。

フレーム４には、ブラケツト１６が固着され、
このブラケツト１６に螺合された押ねじ１７の先
端１８が前記スライダー１３に当接され、スライ
ダー１３と軸１４、従つて、案内ロール１５をフ
レーム４の後端側に押し、水平コンベア３に張り
を与えている。

フレーム４の前端には、第１図および第７図に
示されるように、後述する連結板１９に回転自在
に軸支された駆動ロール軸２０に、水平コンベア
３の駆動ロール２１が固着されており、駆動ロー
ル２１の作動により、水平コンベア３は、矢印Ａ
方向にエンドレスに移動される。第１図，第３図
および第７図において符号２２は水平コンベア３
に臨むフレーム４の側板、符号２３は側板２２の
蓋板である。

他方、床面１に立設されている第２の支柱２４
には、下方から斜上方へ向つて移動するエンドレ
スの傾斜コンベア２５のフレーム２６がブラケツ
ト２７、連結棒２８，２９、ナツト３０、蝶ねじ
３１、固定ピン３２により、上下の位置調節と傾
斜角度の調節とを自在に行ないうるよう配設され
ている。

前述のフレーム２６には、支持板３３が固定さ
れており、連結棒２９、蝶ねじ３１によつて、こ
の支持板３３すなわちフレーム２６がブラケツト
２７に対して任意の傾斜角に固定される。

また支柱２４には、上下方向に複数の孔３４が
穿設されており、その中の選ばれた孔に固定ピン
３２を嵌入させることにより、前記ブラケツト２
７、従つてフレーム２６の高さが任意に調節さ
れ、固定される。

前述の傾斜コンベア２５には、直角に、多数の
桟３５が立設、固定され、被搬送物品を掻き揚げ
うるように構成されている。

またフレーム２６の上端には、横溝３６が削設
され、ここに、第１図に示されるようにスライダ
ー３７を介して軸３８が摺動自在に軸支され、こ
の軸３８に傾斜コンベア２５の案内ロール３９が
回転自在に支持されている。フレーム２６にはブ
ラケツト４０が固着されており、該ブラケツト４
０に螺合された押ねじ４１の先端４２が、前記ス
ライダー３７に当接され、スライダー３７と軸３
８、従つて案内ロール３９をフレーム２６の上端
側に押し、傾斜コンベア２５に張りを与えてい
る。

フレーム２６の下端には連結板１９がボルト４
３等により固定されている。

この連結板１９には傾斜コンベア２５の駆動ロ
ール４４を固着された駆動ロール軸４５が回転自
在に軸支されている。

また該連結板１９には、１個の駆動モータ４６
が固着され、その駆動軸４７端に固着されたスプ
ロケツトホイール４８と、既述の駆動ロール軸２
０と４５との各軸端４９，５０に固着されたスプ
ロケツトホイール５１，５２との間に、チエン５
３が掛け廻わされ、駆動モータ４６によつて、水
平コンベア３の駆動ロール２１と傾斜コンベア２
５の駆動ロール４４とが、同方向に回転されるよ
うに構成されている。

なお、水平コンベア３のフレーム４は、連結板
１９に対し駆動ロール軸２０を介して回動自在に
結合されているが、その回動範囲を規制するた
め、連結板１９には、駆動ロール軸２０の中心を
中心とする円弧軌跡に沿つて円弧溝５４が削設さ
れ、この円弧溝５４にフレーム４から突設された
ピン５５が嵌入され、フレーム４の回動範囲を規
正している。

なお、第１図中、傾斜コンベア２５のフレーム
２６には、側板５６、蓋板５７が設けられてい
る。

本考案に係るコンベア装置は、以上説明した構
成であるから、被搬送物品が合成樹脂成形品か
ら、その成形直後に切除されたランナー等の高熱
物品の際には、水平コンベア３を耐熱材で製作
し、傾斜コンベア２５を非耐熱材製とすることも
できるものである。

またホツパー１０から落下供給された被搬送物
品は、水平に走行する平滑な水平コンベア３に堆
積されるだけであるため、飛散等を生ずることが
無く、比較的運動エネルギーの少ない状態で傾斜
コンベア２５側に移行され、飛散等を生ずること
が少ない。

また被搬送物品を下方から上方へ移動する傾斜
コンベア２５のみに、被搬送物品の材質や形状等
に応じた桟３５を設ければよく、水平と傾斜との
両コンベア３，２５の材質や形状は被搬送物品に
応じて任意に異ならせうるものである。

また両コンベア３，２５の高さ、傾斜角の調節
は、第１の支柱２側の蝶ねじ７と締付ボルト９を
緩め、また第２の支柱２４側の蝶ねじ３１をも緩
め、固定ピン３２の嵌入される孔３４の位置を選
択変更することにより容易に行なうことができ、
その際、第１の支柱２は床面１に移動自在とされ
ているので、傾斜角の調節の際に、水平コンベア
３側の位置移動を許容し、角度の調節を自由なら
しめる。

上述の調節において、駆動ロール２１，４４、
駆動モータ４６等は連結板１９に組み付けられ
て、傾斜コンベア２５と水平コンベア３と一体に
変位するので、駆動系の変更を要することなく、
前述の高さや傾斜角度の調節に順応しうる。

本考案は、以上説明した構成，作用のものであ
り、被搬送物品を低位置から高位置へ連続的に搬
送するコンベア装置を、水平コンベアと傾斜コン
ベアとで構成したので、被搬送物品の形状とか性
質に応じ、両コンベアの材質や形状を異ならせ、
作業性，経済性を向上させうる効果がある。

また、水平コンベアと傾斜コンベアとを、それ
ぞれ支柱に上下位置や傾斜角度を調節できるよう
支持し、かつ水平コンベアの支柱を床面に対し移
動自在としてあるので、コンベア装置全体として
の上下位置や傾斜角度の調節の自由度が大きく、
従つてコンベア装置の設置場所や搬送高さの選択
の自由度を大きくなしうる効果がある。

更に、傾斜コンベアのフレームに固定されてい
る連結板に、水平コンベアの駆動ロールと、傾斜
コンベアの駆動ロールと、これらの駆動ロールの
駆動モータとが支持されているので、前述の上下
位置や傾斜角度の調節に当り、駆動系の調節の必
要がなく、調節作業を容易ならしめる効果もあ
る。

また水平コンベアと傾斜コンベアとの各駆動ロ
ールが単一の駆動モータで駆動されるので、両駆
動ロールの同期運転が簡単かつ確実に行なわれ、
しかも単一の駆動モータしか使用しないので、設
備費や動力費を低くしうる効果もある。

【図面の簡単な説明】

第１図は実施の１例を一部断面として示した側
面図、第２図は第１図中−線断面図、第３図
は第１図中−線断面図、第４図は、第１図
−線断面図、第５図は第１図中−線断面
図、第６図は第１図中−線断面図、第７図は
第１図中−線断面図である。 １……床面、２……第１の支柱、３……水平コ
ンベア、４……フレーム、１９……連結板、２１
……水平コンベアの駆動ロール、２４……第２の
支柱、２５……傾斜コンベア、２６……フレー
ム、４４……傾斜コンベアの駆動ロール、４６…
…駆動モータ。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 床面に移動自在に立設されている第１の支柱
   に、水平方向に移動するエンドレスの水平コンベ
   アが上下に位置調節自在に配設されており、床面
   に立設されている第２の支柱に、下方から斜上方
   に向つて移動するエンドレスの傾斜コンベアが、
   上下の位置と傾斜角度とを調節自在に配設されて
   いると共に、前記傾斜コンベアのフレーム下端に
   は、連結板が固定されており、この連結板に、水
   平コンベアの駆動ロール軸と、傾斜コンベアの駆
   動ロール軸と、これらの駆動ロール軸を駆動する
   １個の駆動モータとが支持されており、前記連結
   板に対し、水平コンベアのフレームは、回動自在
   に組み付けられていることを特徴とするコンベア
   装置。