JPS6211662Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 ［産業上の利用分野］ 本考案は、合成皮革や天然皮革等からなるいく
つかの布片を縫合して形成したゴルフ用手袋に関
するものである。

［従来技術とその問題点］ この種のゴルフ用手袋の従来例を第１図乃至第
３図に基づいて説明すると、親指を除く各指は、
手の甲片１から一体に伸びる背片２と、掌片３か
ら一体に伸びる腹片４と、これら背片２と腹片４
との間に縫合された襠片５とから成り、このうち
人差指Ａを構成する襠片５は、指先から手の甲側
の付根に達する甲側縫合線ａと、指先から掌側の
付根に達する掌側縫合線ｂとの２本の縫合線ａ、
ｂをもつて背片２及び腹片４に縫合されている。

ところで、右利きの人が上述の如き従来構造の
ゴルフ用手袋を左手にはめてプレイする場合を例
にとると、第１関節及び第２関節を折り曲げた人
差指と真直ぐ伸ばした親指とでグリツプを挾み、
この状態でスウイングするため、プレイを続けて
いくと人差指Ａには矢印方向の回転力が作用し、
掌側縫合線ｂが掌側に回転してしまい、グリツプ
を握る際に掌側縫合線ｂが人差指の腹とグリツプ
の間に介在してしまう惧れがあつた。そしてこの
様な特殊な状態でグリツプを握ると、掌側縫合線
ｂが指面の把握感覚を鈍化させて指の押圧を不安
定にするほか、指面の損傷と、縫目が解ける等の
欠点を生じるものであつた。

実公昭46−35381号公報にはゴルフ用手袋の食
指１、中指２、無名指３、及び小指４の隣接襠片
５の縫合線６，７のうち、各指の第一関節部分の
縫合線６，７を平行して食指方向に夫々彎曲に縫
合するゴルフ用手袋が開示されている。この公知
のゴルフ用手袋は、手袋を装着してグリツプを行
う際、特に敏感な指面とクラブグリツプ部との接
触部分に手袋の縫目を介在させず、その把握感覚
を鋭敏に保ち、指面の損傷や、縫目よりの破錠を
防止することができる。しかし、この公知の手袋
においては人差指の縫合線が掌側よりに位置して
いるため、グリツプを行つた際には確かに人差指
の腹とグリツプとの接触部分に縫合線が介在しな
い。しかしながら、プレイを続けていくに従い縫
合線が掌側に回転し、縫合線が人差指の腹とグリ
ツプの間にずれて介在してしまう原因となつてい
る。

また、実開昭51−139068号公報には５指の指袋
にクラブを握る側に縦方向の縫目を設けないよう
にしたゴルフ手袋が開示されている。この公知の
ゴルフ手袋は、手袋でクラブを握つた際には、確
かに人差指とクラブとの間に各指袋の中の縫代が
入らない。しかしながら、人差指には掌側よりに
縫合線J′があるため、プレイを続けていくに従い
縫合線が人差指の腹とグリツプの間にずれて介在
してしまう原因となつている。

また、実開昭57−130666号公報には、グリツプ
の際に、小指をしつかり握ることをシヨツト毎に
ゴルフアーに意識させることを目的とし、手袋本
体の小指の掌側面および小指球にかけて、本体と
異色の布帛片を貼着したゴルフ用手袋が開示され
ている。しかしながら、この公知の手袋には人差
指の縫合方法が示されてなく、プレイ中に人差指
の腹とグリツプとの接触部分に縫合線がずれてく
る問題を解決できない。

［問題を解決するための手段］ 上記問題点を解決するための手段として、本考
案は、ゴルフ用手袋において、手袋の人差指を、
手の甲片１に連続する背片２と掌側に位置する腹
片４とで構成し、この腹片４と背片２との縫合線
の位置を手の甲側とし、更に、この腹片４と掌片
３との縫合線の位置を人差指の付根に略一致する
ことを特徴とするゴルフ用手袋を提供する。

［作用］ 本考案による上記手段によればゴルフ用手袋を
はめてプレイする際、プレイに伴つて、手袋の人
差指が回転しても、縫合線が人差指の腹とグリツ
プの間にずれて介在することはなく、人差指の腹
に縫合線が当らず、指面の把握感覚を鋭敏に保
ち、指面の損傷や縫目が解けるのを防止したゴル
フ用手袋を提供することができる。

［実施例］ 以下、第４図乃至第７図を基に本考案の実施例
を説明すると、親指と人差指Ａを除く各指は、従
来例と同様に、手の甲片１から一体に伸びる背片
２と掌片３から一体に伸びる腹片４と、これら背
片２と腹片４との間に縫合された襠片５とからな
り、また親指は、袋状に縫合した袋片６をその付
根で前記掌片３に縫合したものである。

次に人差指Ａを詳細に説明すると、人差指Ａ
は、前記手の甲片１から一体に伸びる背片２と、
前記掌片３とは別個に裁断された腹片４とから成
り、この腹片４は、手の甲側で前記背片２に縫合
線ｃ、ｄをもつて縫合され、また掌側の付根で前
記掌片３に縫合線ｅをもつて縫合され、さらに図
示しないが付根で中指の襠片５に縫合されてい
る。従つて、前記縫合線ｃ、ｄは、共に指先から
手の甲側の付根に達する縫目となり、プレイ中に
人差指Ａが回転しても、縫合線ｃが人差指の腹と
グリツプとの間に介在してしまうことはなくな
る。

［考案の効果］ 以上の説明から明らかなように、本考案によれ
ば、手袋の人着指を、手の甲片に連続する背片と
掌側に位置する腹片とで構成し、この腹片と背片
との縫合線の位置を手の甲側とし、更に、この腹
片と掌片との縫合線の位置を人差指の付根に略一
致する様に縫合してなるため、ゴルフのプレイに
伴つて手袋の人差指が回転しても、縫合線が人差
指の腹とグリツプの間にずれて介在することはな
く、人差指の腹に縫合線が当らず、そのため指面
の把握感覚を鋭敏に保ち、指面の損傷や縫目が解
けるのを防止することができ、更に腹片を掌片と
は別個に裁断、縫合しているため、腹片が劣下し
た場合でも腹片を交換することにより修理が可能
であり、また縫合線ｅにより人差指付根が補強さ
れ、手袋の人差指に働く回転力による手袋の劣下
を防止することができる。

【図面の簡単な説明】

第１図乃至第３図は従来例を示し、第１図は手
の甲側から見た正面図、第２図は掌側から見た背
面図、第３図は第２図のＢ−B′線断面図、第４図
乃至第７図は本考案の実施例を示し、第４図は手
の甲側から見た正面図、第５図は掌側から見た背
面図、第６図は第５図のＣ−C′線断面図、第７
図は手袋の人差指を一部断面した斜視図である。 １……手の甲片、２……背片、３……掌片、４
……腹片。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 手袋の人差指を、手の甲片１に連続する背片２
   と掌側に位置する腹片４とで構成し、この腹片４
   と背片２との縫合線の位置を手の甲側とし、更
   に、この腹片４と掌片３との縫合線の位置を人差
   指の付根に略一致することを特徴とするゴルフ用
   手袋。