JPS62110451A - 回転電機のコイル - Google Patents

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 【発明の属する技術分野】

本発明は素線導体にフィルムからなる、あるいはフィル
ム基材にマイカシートをはり合わせたものからなる絶縁
テープを複数回巻回した後合成樹脂を含浸硬化させて対
地絶縁を施した回転電機のコイルに関する。この種のコ
イルにおいて、特に高電圧回転電機の場合に所期の絶縁
性能を確保するためには、前記合成樹脂が前記絶縁テー
プの巻回各層内に十分に含浸され所謂空隙のない絶縁層
を構成することが肝要である。

【従来技術とその問題点】

従来回転電機のコイルの対地絶縁としては、−最に耐熱
性、電気特性に優れかつ経済的にも有利なフィルムテー
プ＠絶縁あるいはフィルム基材マイカテープ巻絶縁が広
く行われている。その場合前者のフィルムテープ巻ｗＡ
縁はポリエステルフィルムあるいはポリイミドフィルム
などの合成フィルムからなるテープを素線導体に巻回し
、エポキシ樹脂あるいはポリエステル樹脂などの熱硬化
性樹脂の真空加圧含浸を行った後加熱硬化させて対地絶
縁を形成させるものである。この種の絶縁では合成フィ
ルムのｌに比較して含浸される熱硬化性樹脂の量が少ノ
ｚいことから、合成フィルム自体の耐熱性をそのまま形
成された対地絶縁の絶縁性能に生かすことができ、直流
回転電機のコイルなどの絶縁には適しているが、誘導機
あるいは同期機などの交流月転電機のコイルの絶縁に適
用する場合には、合成フィルムテープの巻回層間に樹脂
が完全に含浸し龍いことから絶縁層内に空隙が残存し、
特に定格電圧が６ｋＶ以上の高電圧回転電機のコイルの
場合には絶縁層内の前記空隙における部分放電によって
フィルム層が侵食され予期せぬ事故の発生が懸念される
ため、この種の絶縁は高電圧交流回転電機のコイルに対
しては好ましくない。 また後者のフィルム基材マイカテープ巻絶縁は合成フィ
ルム基材に集成マイカシートなどをはり合わせてなる絶
縁テープを素線導体に巻回し、熱硬化性樹脂の真空加圧
含浸を行った後加熱硬化させて対地絶縁を形成させる如
くにし、絶縁層における樹脂含浸性を改善して絶縁層内
の前記部分放電の原因となる空隙の残存を極力防止しよ
うとするものである。この種絶縁は例えば３ｋＶ以下の
交流回転電機の場合におけるが如く、素線導体に巻回さ
れる絶縁テープの層が比較的に少なくしたがって対地絶
縁層が薄い場合には合成樹脂が絶縁層内に完全に含浸さ
れ良好な対地絶縁コイルが得られるが、３ｋＶより高い
電圧の交流回転電機の場合の如く素線導体に巻回される
絶縁テープの層が多く、したがって対地絶縁層が厚くな
る場合にはやはり絶縁層内に樹脂の含浸し難い部分が空
隙として残存し、前記空隙内に発生する部分放電によっ
て対地絶縁の特性の劣化が生じる。 前記何れの絶縁においても対地絶縁テープとしであるい
は該テープの基材としてフィルムを使用し合成樹脂を加
圧含浸して加熱硬化させる限りにおいて、巻回される絶
縁テープ層内への合成樹脂の含浸性が良（ないという難
点があり、良好な対地絶縁性を備えた回転電機のコイル
を形成することは困難であるという欠点が伴なっている
。

【発明の目的］ 従来のフィルムテープあるいはフィルム基材マイカテープを巻回し合成樹脂を加圧含浸した後加熱硬化させる如くにして対地絶縁を施した回転電機のコイルが有する前記の如き欠点に鑑み、本発明は極めて簡易な手段により合成樹脂の含浸性が著しく改善された、したがって所謂空隙のない対地絶縁を備えた回転電機のコイルを提供することを目的とする。 【発明の要点】

前記の目的を達成するために本発明では首記のコイルに
おいて、前記対地絶縁をなすフィルムテープあるいはマ
イカテ、−ブのフィルム基材の適所に、含浸される合成
樹脂が流通するための複数個の貫通孔を設ける如くにす
ることにより、前記絶縁テープの各巻回層間に前記合成
樹脂が容易にかつ完全に含浸する如くにするものである
。

【発明の実施例】

次に図面に表わされた実施例にもとづいて本発明の詳細
な説明する。 第１図に示す絶縁テープにおいてはその厚さ０．１ない
し０．５Ｂのポリエステルフィルムあるいはポリイミド
フィルムを１５ないし５０ｍ＠ｔｉにスリットしてなる
合成フィルムテープ２に、その厚さ方向に該テープの幅
寸法に応じて直径０．５ないし５鮪の含浸合成樹脂の流
通用の貫通孔１が設けられている０貫通孔ｌの位置は対
地絶縁層の絶縁耐力を考慮した場合通常素線導体に絶縁
テープをｍ数回半掛は巻きするのが最も効果的であるこ
とから、合成フィルムテープ２の幅を２分したその片側
のほぼ中央部に設ける如くにするのが良い。また貫通孔
ｌの個数は合成樹脂をフィルムテープ２の巻回眉間に全
面的に浸入させる意味においては多い程良い理屈である
が、フィルムテープ２を巻回し合成樹脂の加圧含浸と加
熱硬化とを行って最終的に形成される対地絶縁の絶縁耐
力を考慮すると、フィルムテープ２の長さ１０ｃｍ当た
り１個ないし３個程度にするのが望ましい、また貫通孔
ｌの加工は合成フィルムテープ２がスリット以前のシー
ト状である際に、あるいは前記シートをスリットしてボ
ビン化する過程において打ち抜きあるいはドリル穴明け
などによって行う如くにする。 前記の如き合成フィルムテープ２を半掛は巻きで所要回
数巻回した導体３を部分的に例示する第２図において見
られる如くに合成樹脂流通用貫通７Ｌ　１はフィルムテ
ープ２の巻回層の隔層毎に位置することになり、したが
って従来のこの種フィルムテープを巻回した場合には合
成樹脂の前記巻回層間への浸入口はフィルムテープの端
部４に限うれていたもの力瓢本発明の合成フィルムテー
プ２の場合には前記端部４に加えて貫通孔１からも浸入
するから前記テープ２の巻回層間への合成樹脂の浸入口
が増加するとともにその浸入路そのものも短小になり、
したがってフィルムテープ２の各巻層間における合成樹
脂の含浸が容易かつ確実になるから、従来の対地絶縁に
おけるが如くこの種フィルムテープの各巻層間における
合成樹脂含浸の不徹底による残存空隙のために絶縁耐力
が低下する懸念はなくなる。 一方第３図及び第４図に例示する如く合成フィルムシー
トに無焼成タイプ集成マイカあるいは焼成タイプ集成マ
イカからなるマ、イカシート５をはり合わせ、前記合成
フィルムテープ２の場合と同様にスリットしてなる幅寸
法１５ないし５０＋ａｍの合成フィルム基材マイカチー
１６においても、その合成フィルム基材２１に含浸合成
樹脂の流通用貫通孔１が前記の合成フィルムテープ２の
場合と同様の位置に同様の個数設けられている。この場
合においても第５図に例示するクロく、導体３に合成フ
ィルム基材マイカテープ６の半掛は巻きを所要回数族し
た後熱硬化性合成樹脂の真空加圧含浸を行いその後加熱
硬化させるに際し、前記合成樹脂は単に絶縁テープ６の
端部４からだけでなく前記絶縁テープ６の巻回層におい
て隔層毎に存在する前記貫通孔ｌからも浸入するから、
従来のこの種フィルム基材マイカテープを巻回した場合
に比較して、前記テープ６のマイカＦＩ５と各巻回層間
に対する前記合成樹脂の浸入口が増加するとともにその
浸入路そのものも短小になり、したがって前記合成樹脂
の含浸が容易かつ確実になるだけでなく、従来の合成フ
ィルム基材マイカテープの場合には合成樹脂の浸入口が
限られておりかつ浸入路も長大であるために合成樹脂の
含浸が徹底し難いとの理由で、交流電圧６ｋＶ以上の高
電圧回転電機のコイルにはその絶縁耐力が高いにもかか
わらず合成樹脂の含浸性に劣る焼成タイプ集成マイカか
らなる合成フィルム基材マイカテープはほとんど適用さ
れなかったが、本発明の如く合成樹脂の含浸性を顕著に
改善することにより集成マイカの相異にもとづく樹脂含
浸性の劣性に拘束されることなく、焼成タイプ集成マイ
カからなる合成フィルム基材マイカテープを６ｋＶ以上
の高電圧回転電機のコイル絶縁にも適用し得る如くにな
る利点がある。 第６図は本発明に関わる前記絶縁テープのｍ＆を特性と
従来のこのＩＪｖ１１縁テープのそれとの比較を例示す
るもので、曲＆ｉ　Ａは従来の合成フィルムテープを、
また曲線Ｃは本発明の合成フィルムテープをそれぞれ素
線導体に２０回巻回した後、更に曲＆’Ａ　Ｂは従来の
合成フィルム基材マイカテープを、又曲線りは本発明の
合成フィルム基材マイカテープをぞれぞれ１０回巻回し
た後、何れもエポキシ樹脂の真空加圧含浸を行い加熱硬
化させ゛ζ形成した回転；様のコイルにおいて行った絶
縁特性試験における　ｔａｎδ−電圧特性を表わしてい
る。第６図により明らかな如（に、従来の前記ＭＡ縁テ
ープを巻回したコイルの場合の曲ｖＡＡ及び曲線Ｃの特
性においては低い印加電圧から　ｔａｎδの増加が始ま
りかつｔａｎδそのものの値も大であることから、従来
の前記絶縁テープをＳ回したコイルでは合成樹脂の含浸
が徹底せず絶＆を層内に空隙が残存していてコイルの対
地絶縁における信頼性が低いことが示されている。 これに反して本発明に関わる前記絶縁テープを巻回した
コイルの場合の曲＆？Ｉ　Ｂ及び曲線りの特性において
は、電圧の変化に対してｔａｎδがほぼ一定している上
にｔａｎδの値そのものが低い値に安定しており、この
場合のコイルでは合成樹脂の含浸が完全に行われ空隙の
残存は認められないからコイルの対地絶縁における信転
性が著しく高いことが示されている。 なお以上回転電機のコイルについて説明したが本発明に
関わる絶縁テープは同様に素線導体に絶縁テープを巻回
し合成樹脂の如（比較的に含浸し難い？ＸＸ外性絶縁物
含浸する如くにしたコイル、例えば油入変圧器の如き電
気機器のコイルにも同様に通用して有効であることは言
うまでもない。 【発明の効果］ 本発明は以上に説明した如く、素線導体にフイルムから
なるあるいはフィルム基材にマイカシートをはり合わせ
たものからなる絶縁テープを複数回巻回した後合成樹脂
を含浸硬化させて対地絶縁を施した回転電機のコイルに
おいて、前記フィルムテープあるいはマイカテープのフ
ィルム基材の適所に、含浸される合成樹脂が流通するた
めの複数個の貫通孔を設ける如くにすることにより、従
来のコイルに比較して巻回された前記絶縁テープの巻回
眉間に対し含浸される合成樹脂の浸入口が増加しかつ浸
入路が短小化されコイルに熱硬化性樹脂が完全に含浸さ
れるから、特に高温で使用されるコイルの絶縁において
部分放電による発熱あるいは侵食の虞れのない対地絶縁
が得られ、また樹脂含浸性が著しく改善されるため高粘
度の樹脂を使用することができるからコイルの長寿命化
が期待され、かつ合成フィルム基材に耐部分放電特性に
優れた焼成タイプ集成マイカをはり合わせてなるマイカ
テープの積極的な使用が可能になるから絶縁層を薄くす
ることができ、製造コストの低減したがって回転電機の
コイルの低廉化を実現できるなどの効果がある。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明の合成フィルムテープの正面図を、第２
図は素線導体に本発明の合成フィルムテープを半掛は巻
きで５回巻回したコイルの部分縦断面図を、第３図及び
第４図は本発明の合成フィルム基材マイカテープの縦断
面と正面図を、第５図は本発明の合成フィルム基材マイ
カテープを半掛は巻きで３回巻回したコイルの部分縦断
面図を、更に第６図は本発明に関わる絶縁テープと従来
の絶縁テープとの誘電正接ｔａｎδ−電圧特性を示す曲
線図を表わす。 に合成用脂流通用貫通孔、２．２１：合成フィルムテー
プ、３：素線導体、５：マイカシート、６：合成フィル
ム基材マイカテープ。 第２１！１ 第３１！１ 第４図 第５図

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １）素線導体にフィルムからなるあるいはフィルム基材
   にマイカシートをはり合わせたものからなる絶縁テープ
   を複数回巻回した後合成樹脂を含浸硬化させて対地絶縁
   を施した回転電機のコイルにおいて、前記フィルムテー
   プあるいはマイカテープのフィルム基材の適所に、含浸
   される合成樹脂が流通するための複数個の貫通孔を設け
   てなることを特徴とする回転電機のコイル。