JPS6210012Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案はダイヤモンドチツプバイトの改良に関
するものである。

従来から存在するダイヤモンドバイトは、第１
図に示すようにシヤンク１１の先端寄りが、左勝
手用、或は右勝手用と、左右勝手の相違により左
方、或は右方に屈曲せられ、屈曲部の基部１１ａ
側の上面から屈曲部先端１１ｂの上面にわたり押
え蓋嵌合用溝１２が形成せられ屈曲部先端１１ｂ
の平面即ち上記溝底は先細りの鋭角三角形状を呈
し、上記溝底より先方に更にダイヤモンドチツプ
嵌合溝１３を形成し、上記嵌合溝の平面と略同形
同大の平面形を有するダイヤモンドチツプ１４を
上記嵌合溝１３に嵌合接着すると共に、押え蓋嵌
合用溝１２に押え蓋１５を嵌合接着して、押え蓋
１５の先端下面によりダイヤモンドチツプ１４の
上面を押えていたのである。公知のダイヤモンド
バイトは、上述のようにシヤンク自体が左勝手
用、右勝手用と夫々の勝手別に構成され、且ダイ
ヤモンドチツプはシヤンクに着脱不能に固定され
ているため１箇のダイヤモンドバイトにより左勝
手、右勝手両用に使用することができず又バイト
の使用中、ダイヤモンドチツプに欠け、ヒビ等が
発生し、使用不能となつた場合にはシヤンクを含
めたダイヤモンドバイト全体が使用不能となり、
当該ダイヤモンドバイトについて云えば再研磨等
の手数を必要とした。

本考案は一本のシヤンクにより必要に応じダイ
ヤモンドチツプを左勝手用、右勝手用と付けかえ
て使用することを可能とし、左右両勝手のダイヤ
モンドバイトを夫々用意しておく必要がなく経済
的であるばかりでなく又ダイヤモンドチツプの付
けかえ操作は簡単であり、更に又、シヤンクに取
付けられたダイヤモンドチツプは乱動することな
く堅牢且安定して支持される。又ダイヤモンドチ
ツプに欠け、ヒビ等が発生した場合には、直ちに
他のダイヤモンドチツプと交換することができる
と共に切削作業を手勝手よくおこなうことができ
るダイヤモンドチツプバイトを提供することを目
的とするものであつて、その要旨とするところは
平面略二等辺三角形状を呈し、相当の厚みを有す
るダイヤモンドチツプと、先端に前記ダイヤモン
ドチツプの基部が嵌合されるための、前面開放の
溝底と、溝底の奥方において溝底から起立する２
面の溝壁とからなる嵌合溝を形成し、上記２面の
溝壁の平面における角度は前記ダイヤモンドチツ
プの等しい底角と等しく形成され、且嵌合溝に合
致して基部が埋め込まれたダイヤモンドチツプの
先端がシヤンク先端斜前方に突出することが可能
にシヤンク先端が形成せられたシヤンクとからな
り、シヤンクの前記嵌合溝に合致して埋込まれた
前記ダイヤモンドチツプはビスによりシヤンクと
着脱可能に固定されてなるダイヤモンドチツプバ
イトにある。

図面に示す実施例について本考案を説明すれば
次の通りである。

平面略二等辺三角形状を呈し、その頂角部分に
切刃部２１を有する相当の厚みを有するダイヤモ
ンドチツプ２０を形成する。上記ダイヤモンドチ
ツプ２０を取付けるためのシヤンク３０はその先
端にダイヤモンドチツプ２０の基部２０′が嵌合
されるための、前面開放の溝底３２と、上記溝底
３２の奥方（シヤンクの基部寄り）において溝底
３２から平面Ｖ状に起立する２面の溝壁３３，３
４とからなる嵌合溝３１が形成される。上記２面
の溝壁３３，３４のなす平面Ｖ状の角度Ｐは前記
ダイヤモンドチツプ２０の平面二等辺三角形状の
等しい底角Ｑ，Ｒと等しい角度に形成されてい
る。又シヤンク先端は、ダイヤモンドチツプ２０
の基部２０′の底角を前記溝壁３３，３４のなす
Ｖ状の角度に合致させて嵌合溝３１に嵌合させた
際に、ダイヤモンドチツプ２０の先端のダイヤモ
ンド切刃部２１がシヤンク先端斜前方に突出する
ことが可能に形成してある。即ち図示の実施例に
おいては、シヤンクの先端が先細りとなるように
テーパ面３５，３６が形成されているが、ダイヤ
モンドチツプ２０の先端がシヤンク先端よりも斜
前方に突出するための手段としては図示のものに
限るものではない。ダイヤモンドチツプ２０の平
面における頂角の二等分線上であつてシヤンク３
０の嵌合溝３１の溝底３２上に達する位置に、そ
の上面から下面に貫通してビスのネジ部を挿通す
る孔２２を設け、シヤンク３０の嵌合溝３１の溝
壁３３，３４によつて形成されるＶ状部分にダイ
ヤモンドチツプ２０の基部２０′の一方の底角に
相当する部分を嵌合合致した状態における前記孔
２２の直下にネジ孔３７を設け、ダイヤモンドチ
ツプ２０の上面からネジ３８を螺入してダイヤモ
ンドチツプをシヤンク３０に固定する。

第８図は右勝手用にダイヤモンドチツプをシヤ
ンクに取付けた状態を示し、第９図は左勝手用に
ダイヤモンドチツプをシヤンクに取付けた状態を
示す。猶図示の実施例においては、ダイヤモンド
チツプ２０の上面とシヤンク３０の上面とが面一
となるように構成した実施例を示したが、必ずし
も面一である必要はなく、ダイヤモンドチツプ２
０の上面がシヤンク３０の上面より下方に位置す
るように構成してもよく、又ダイヤモンドチツプ
２０の上面がシヤンク３０の上面よりも上方に位
置するように構成してもよい。

而して本考案においてはビス３８の螺合触解に
より極めて簡単にダイヤモンドチツプ２０とシヤ
ンク３０とを着脱することができるのみならず、
ダイヤモンドチツプの平面を二等辺三角形状を呈
せしめ、且シヤンク先端に設けたダイヤモンドチ
ツプ２０の基部が嵌合されるための嵌合溝３１は
前面開放の溝底３２と上記溝底３２の奥方におい
て溝底から起立する２面の溝壁３３，３４とから
なり、上記溝壁３３，３４の平面における角度が
前記ダイヤモンドチツプの等しい底角と等しく形
成され、又嵌合溝に合致して埋め込まれたダイヤ
モンドチツプ２０がシヤンク３０の先端斜前方に
突出することが可能なようにシヤンク先端が形成
せられていることが相関連してダイヤモンドチツ
プ２０をシヤンク３０に対し左勝手にも右勝手に
も取付けられ、且取付けられたダイヤモンドチツ
プ２０はビス３８と、その二等辺三角形状の底角
に相当する部分を溝壁３３，３４により形成され
るＶ状溝に嵌合して支持されることにより濫動す
ることなく、堅牢に支持される。又ダイヤモンド
チツプ２０先端のダイヤモンド切刃部２１はシヤ
ンク先端より斜前方に突出して取付けられている
ため切削作業を手勝手よくおこなうことができる
のである。

本考案は以上述べた如く、一本のシヤンクによ
り必要に応じ、ダイヤモンドチツプを左勝手用、
右勝手用と付けかえて濫動することなく、堅牢に
支持して使用することを可能とし、左右両勝手の
ダイヤモンドチツプバイトを夫々用意しておく必
要がなく経済的であるばかりでなく、又ダイヤモ
ンドチツプの付けかえ操作は簡単であり、更に又
シヤンクに取付けられたダイヤモンドチツプは乱
動することなく堅牢且安定して支持される。又ダ
イヤモンドチツプに欠け、ヒビ等が発生した場合
には、直ちに他のダイヤモンドチツプと交換する
ことができると共に、切削作業を手勝手よくおこ
なうことができる等の効果がある。

【図面の簡単な説明】

第１図は公知のダイヤモンドバイトの斜視図、
第２図は本考案におけるダイヤモンドチツプの平
面図、第３図は第２図の正面図、第４図は第２図
Ｘ−X′線の縦断面図、第５図は本考案における
シヤンクの平面図、第６図は第５図の正面図、第
７図は第５図Ｙ−Y′線の縦断面図、第８図は右
手前用に形成した本考案のダイヤモンドチツプバ
イトの一部の拡大斜視図、第９図は左手前用に形
成したダイヤモンドチツプバイトの一部の拡大斜
視図である。 ２０……ダイヤモンドチツプ、２１……切刃
部、２０′……ダイヤモンドチツプの基部、２２
……透孔、３０……シヤンク、３１……嵌合溝、
３２……溝底、３３，３４……溝壁、３５，３６
……テーパー面、３７……ネジ孔、３８……ネ
ジ。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 平面略二等辺三角形状を呈し、相当の厚みを有
   するダイヤモンドチツプと、先端に前記ダイヤモ
   ンドチツプの基部が嵌合されるための、前面開放
   の溝底と、溝底の奥方において溝底から起立する
   ２面の溝壁とからなる嵌合溝を形成し、上記２面
   の溝壁の平面における角度は前記ダイヤモンドチ
   ツプの等しい底角と等しく形成され、且嵌合溝に
   合致して基部が埋め込まれたダイヤモンドチツプ
   の先端がシヤンク先端斜前方に突出することが可
   能にシヤンク先端が形成せられたシヤンクとから
   なり、シヤンクの前記嵌合溝に合致して埋込まれ
   た前記ダイヤモンドチツプはビスによりシヤンク
   と着脱可能に固定されてなるダイヤモンドチツプ
   バイト。