JPS6161821B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 （技術分野） 本発明はパツト練習器に関する。

（背景技術） 従来、室内等で使用されるゴルフのパツト練習
器において、パツトされたボールをプレーヤー側
へ返球するための構造は種々提供されている。例
えば実公昭48―18282号、同52―6380号のように
カツプインしたボールを傾斜面を利用してプレー
ヤーの方向へ返球するものにおいては、ボールを
スムーズに返すために約５゜以上の傾斜角を設け
なくてはならず、このためパツテイング練習をす
るフロアの傾斜角もそれ以上となり、練習器の大
型化を招くと共にフロアの様子が現実離れしたも
のとなつて臨場感に乏しく実戦的でないという欠
点があつた。

また、特公昭53―6578号、特開昭53―42942号
の如く、ボールをプランジヤー等によつて強制的
に返球するものにおいては、概してフロアの後方
傾斜面にポケツトを形成し、このポケツトからボ
ールをプレーヤー側に放出するためのキツク装置
を備えており、パツトする方向と強制返球する方
向が同一線上となるためパツトしたボールが返球
されるまで次のボールを打てないという欠点があ
つた。

加えて、ポケツトの深さはポケツトからボール
をキツク装置で強制的に放出させるため余り深く
できず、ポケツト内に入つたボールが容易に飛び
出してしまうおそれがあると共に、キツク装置が
電磁機構にて構成されているためかなりのエネル
ギーが必要となり、商用電源が常に必要でコード
レスにできないため、持ち運びに不便である等の
欠点を有していた。

（発明の目的） 本発明は上述の欠点を解消するべく提案された
もので、その目的とするところは、パツテイング
された方向とは異なる返球路を介してボールを確
実に返球できるようにし、フロアを必要以上に傾
斜させることなく実際のグリーンに近い感触ない
し実戦感覚が得られると共に、装置の小型化を図
り、しかも打球と返球がぶつかり合わずに連続的
な練習が行なえるようにしたパツト練習器を提供
することにある。

（発明の開示） 以下、図に沿つて本発明を説明する。

第１図および第２図は本発明にかかるパツト練
習器の斜視図および平面図であり、このパツト練
習器には第１図に示す如くプレーヤーとの間に配
設される長尺のフロアマツトFMが取付可能とな
つている。先ず、このパター練習器は、フロアマ
ツトFMに連続し、かつ表面に人工芝等を植設し
た矩形のフロア１を備え、その周囲三方を囲むよ
うに、側壁２と、中央ハウジング３と、返球路ハ
ウジング４とが立設されていると共に、フロア１
と中央ハウジング３との間には側壁２から返球路
ハウジング４方向に５゜以上の角度で下降して傾
斜し、かつ返球路ハウジング４内に至る送球路５
が形成されている。

ここで、送球路５の表面には、ボールの転動時
の摩擦抵抗を少なくするためにボールの転動方向
に沿つた細い溝が多数形成される。また、送球路
５に近いフロア１の中央には円形のカツプ６が凹
設されており、このカツプ６内には後述する如く
カツプインしたボールを送球路５内へ送出する回
動可能な送りレバー７が配設されている。

更に、中央ハウジング３の正面には表示部８お
よびメインスイツチ９が設けられ、このうち表示
部８は、カツプインしたボールの個数やカツプイ
ンせずカツプ６の左右にそれたボールの個数を表
示できるようになつている。なお、左右にそれた
ボールはフロア１上のカツプ６の奥の左右に設け
られたスイツチバネ１０，１１等からなるセンサ
ーにより検出するものである。また、図中、１２
は返球距離の調整用のツマミを示し、第２図中、
１３は内部に凹所を有する携帯用の手掛部であ
る。

次に、カツプインしたボールを送球路５内に送
り出すための送球機構Ｇを第３図および第４図に
沿つて詳述する。これらの図において、カツプ６
内の傾斜した底板６ａの奥に配設された送りレバ
ー７は枢軸１４によりほぼ90゜上方に回動可能に
なつており、またこの送りレバー７にはカツプ６
の底部に位置するリング状のボール受１５が設け
られていると共に、中央ハウジング３側の先端部
には係止ピン１６が付設されている。更に、ボー
ル受１５の透孔内には一端を支持されて下方に揺
動可能な後述の第１のモータ２１駆動用のスイツ
チバネ１７が配置され、その下方にはスイツチバ
ネ１７と接触する固定接点板１８が基板１９上に
て固定されている。

一方、中央ハウジング３の内部には基板１９よ
りも僅か上方に位置するようにモータ支持台２０
が固定されており、このモータ支持台２０の上面
に第１のモータ２１が取付けられている。このモ
ータ２１の出力軸はモータ支持台２０を貫通して
おり、かかる出力軸にはほぼ小判形の偏心板２２
が固設されて回転可能となつている。この偏心板
２２の表裏には、相対向してモータ支持台２０方
向に突設された一対の係止ボス２３と、偏心軸の
近傍において基板１９方向に垂設された一対の押
圧ボス２４が形成されている。また、押圧ボス２
４の回動経路に臨むように、この回動する押圧ボ
ス２４によつて押圧駆動されるモータ２１駆動用
のスイツチバネ２５が基板１９上に配設され、更
に、スイツチバネ２５の先端部が接触する固定接
点板２６が偏心板２２の下方に配設される。

次いで、偏心板２２の側方で送りレバー７の中
心線上には、平面ほぼＬ字形の送り板２７が配設
されている。この送り板２７の送りレバー７側の
端部には係止切欠２８が形成され、かかる係止切
欠２８は送りレバー７の係止ピン１６に係止して
いると共に、送り板２７の他端部は偏心板２２方
向に直角に折曲されて係止片２９を形成してい
る。また、送り板２７は、一端をモータ支持台２
０に固定されたスプリング３０により、送りレバ
ー７を常にモータ支持台２０方向に引張るべく付
勢されている。ここで、係止片２９の先端は偏心
して回転する偏心板２２の係止ボス２３に係止可
能で、この係止ボス２３の回動につれて送り板２
７が送りレバー７の方向へ駆動され、かつ係止片
２９と係止ボス２３との係止が解除された瞬間に
スプリング３０により送り板２７が復帰するもの
である。なお、第４図において、３１は携帯用に
電池を使用する際の電池収容ケース、３２は商用
電源を用いる場合の降圧用アダプター接続端子を
示している。

次に、ボールの返球機構Ｈを第５図ないし第７
図に沿つて詳述する。第５図および第６図に示す
ように送球路５の終端部近傍には、基板１９上に
第２のモータ３３が固定され、その出力軸には偏
心板２２と同様のほぼ小判形の偏心板３４が取付
けられ、回転可能となつている。この偏心板３４
の裏面には一対の係止ボス３５が垂設され、後述
の如く返球レバー３８の打撃片３９に係止して打
撃片３９ないし返球レバー３８をスプリング４０
に抗して駆動し得るようになつている。

一方、送球路５と返送ハウジング４との交点付
近において、基板１９上には固定接点板３６が配
設されていると共に、その僅か上方にはボールＢ
の自重によつて下方に揺動し、固定接点板３６に
接するモータ３３駆動用のスイツチバネ３７が配
置され、このスイツチバネ３７の一端は基板１９
端部に固定されている。また、固定接点板３６の
上方にはほぼ枠状の返球レバー３８が配設され、
その偏心板３４側の端部には偏心板３４方向に伸
びる打撃片３９が一体的に固設されている。更
に、返球レバー３８の返球ハウジング４側の端部
はスプリング４０を介して調整レバー４１に連結
されており、この調整レバー４１の折曲された端
部は、第６図に示す如く返球ハウジング４の側壁
に穿設されかつ返球ハウジング４の長さ方向に沿
つて段階的に形成された調整溝４２内に係止して
いると共に、その先端にはツマミ１２が付設され
ている。

すなわち、返球レバー３８はスプリング４０に
よつて常に返球ハウジング４の出口方向へ付勢さ
れており、調整レバー４１が係止される調整溝４
２を変更することでスプリング４０の支点が変わ
り、返球時に打撃片３９によつてボールに加えら
れる衝撃力、換言すればボールの返球距離を可変
とし得るものである。

次いで、第８図は返球ハウジング４内の返球路
４４を示しており、返球路４４の中央には長さ方
向全長にわたつてボールの外周面に合致する凹路
４４ａが設けられる。更に、第９図はカツプ６の
左右にそれたボールを検出するセンサーの構造を
示すもので、スイツチバネ１０，１１の下方に固
定接点板４５が設けられ、ボールによつて押され
たスイツチバネ１０，１１との接触によりカウン
ト用の信号を出力するようになつている。

しかして、その動作を説明すると、プレーヤー
がパツトしたボールがフロアマツトFMおよびフ
ロア１を経てカツプ６内に入ると、ボールは第３
図に示されるカツプ６内の底板６ａ上を転がり、
ボール受１５内に達する。同時に、ボールＢの自
重によつてスイツチバネ１７および固定接点板１
８が閉成し、第１のモータ２１および偏心板２２
が駆動される。また、これと同時にカツプインし
たボールの計数用の信号が発せられる。いま、ボ
ールＢがカツプインする前の状態における偏心板
２２の位置が第４図のようだとすると、このとき
一方の押圧ボス２４がスイツチバネ２５を押圧し
ており、固定接点板２６は開成されている。そし
て、カツプインに伴い上述の如くモータ２１が回
転すると、偏心板２２が時計回り方向に回転し、
押圧ボス２４の移動によりスイツチバネ２５およ
び固定接点板２６が閉成する。従つて、モータ２
１の回転は以後、継続される。

偏心板２２の回転により、やがて一方の係止ボ
ス２３が送り板２７の係止片２９に当接、係止
し、以後、第１０図に示す如く偏心板２２の回転
に伴つて送り板２７はスプリング３０に抗しなが
らカツプ６の方向へ移動する。このとき、係止切
欠２８に係止ピン１６が係止している送りレバー
７は、枢軸１４を中心としてボール受１５が後方
にはね上がるように回動し、最終的には第３図中
の想像線および第１１図に示す如くほぼ90゜回動
する。このためボールＢはボール受１５から送球
路５内へ送り出され、返球機構Ｈに向かつて転動
する。

一方、第１１図に示すように係止ボス２３と係
止片２９との係止が外れた後、しばらくすると偏
心板２２の周囲の直線部分が係止片２９の近傍に
到来するため、係止片２９つまり送り板２７は引
掛かりを失つてスプリング３０の復元力により瞬
時に引戻され、第４図に示すもとの位置に復帰す
ると共に、送りレバー７もカツプ６の内部に復帰
する。同時に、回動してきた押圧ボス２４がスイ
ツチバネ２５を押圧して固定接点板２６から引離
すため、モータ２１が停止し、ボールＢの送り動
作が完了する。なお、送りレバー７の回動速度は
モーター２１の回転数の調整によりある程度遅く
し、また、その復帰速度をスプリング３０の調整
によつて前記ボール送り時よりも速めることが好
ましく、これにより送りレバー７が駆動し始めた
後に次のボールがカツプ６内に入つても、ボール
は瞬間的に復帰する送りレバー７にてはじかれ、
カツプ６内に詰まる心配がない。

次いで、傾斜のある送球路５を転動したボール
Ｂは第５図に示す如くスイツチバネ３７上に到達
し、その自重にてスイツチバネ３７および固定接
点板３６を閉成する。これにより第２のモータ３
３が回転し、偏心板３４は反時計方向に回転す
る。そして、偏心板３４の回転に伴い係止ボス３
５が打撃片３９に係止し、この打撃片３９をスプ
リング４０に抗しつつ第５図中、上方へと駆動す
る。この際、送球路５と返球路４４との交点近傍
には第６図および第１２図に示す如くスイツチバ
ネ３７の基端部方向に下降して傾斜するガイド底
面４６が設けられており、ボールＢは打撃片３９
の後退につれて第１２図に示すように偏心板３４
の側方へと移動する。この時、スイツチバネ３７
が傾斜していると、打撃片３９のモータ３３によ
る移動に追従してボールＢが移動するため、ボー
ルＢと打撃片３９との間に隙間があくことがな
く、打撃音が低くなる利点がある。

その後、第１２図の状態から偏心板３４が更に
回転すると係止ボス３５と打撃片３９との係止が
外れ、しばらくして偏心板３４の周囲の直線部分
が到来すると、打撃片３９は引掛かりを失い、ス
プリング４０の復元力により返球路４４方向へ瞬
時に移動すると共に、ボールＢを打撃して返球路
４４に打出し、凹路４４ａを介してプレーヤの足
元へと自動的かつ確実に返球するものである。な
お、この実施例によれば、返球手段としてスプリ
ングの復元力を利用しているため、従来のプラン
ジヤー等、電磁機構に比べて少ない電気エネルギ
ーで確実に返球できることから、電池を電源とす
る携帯用の製品を提供でき、使用場所を選ばない
製品が得られる。同時に、打撃片およびスプリン
グ等からなる返球手段によつてボールを押出すよ
うにして返球することが可能であり、打撃音の低
減が図れる等の利点がある。

なお、図示されていないが、孔径の異なる補助
カツプを各種用意しておき、プレーヤーの技量に
応じてこれらをカツプ６に装着して使用すれば、
一層効果的なパツト練習が行なえる利点がある。
また、この実施例にあつては、パツトの成功率や
左右へのブレを正面の表示部８にて確認すること
も可能である。

（発明の効果） 以上のように本発明によれば、カツプを備えて
なるフロアと、前記カツプ内に配置され、かつカ
ツプ外に向かつて回動可能な送りレバーと、この
送りレバーにボールが保持されたことを検出して
前記送りレバーを回動させ、カツプ外に配設され
た送球路にボールを送り出す送球手段と、前記送
球路の終端部に配設され、かつ送球路から送られ
てきたボールを検出する手段と、ボールを前記フ
ロア外の返球路に打出す返球手段とを備えたか
ら、従来の如くフロアの傾斜によつてではなく自
動的かつ強制的に返球する構造であるため、フロ
アを必要以上に傾斜させる必要がなく小型化が可
能であると共に、実際のグリーンに近い臨場感が
得られ、実戦的な練習が行なえる効果がある。。

また、パツトする方向と強制返球の方向とが異
なるから、連続してパツテイングしてもボールが
互いにぶつかり合うおそれがなく、短時間で効率
的な練習ができる利点がある。

更に、返球機構としてスプリングの復元力を利
用しているため、従来のプランジヤー等、電磁機
構に比べて少ない電気エネルギーで確実に返球で
きることから、電池を電源とする携帯用の製品を
提供でき、使用場所を選ばない製品が得られる。
同時に、打撃片およびスプリング等からなる返球
機構によつてボールを押出すようにして返球する
ことが可能であり、打撃音の低減が図れる等、
種々の効果を有する。

【図面の簡単な説明】

図は本発明の一実施例を示すもので、第１図は
斜視図、第２図は平面図、第３図は第２図のＡ―
Ａ拡大断面図、第４図および第５図は要部の拡大
平面図、第６図は第２図のＣ―Ｃ拡大断面図、第
７図は同じくＤ―Ｄ拡大断面図、第８図は同じく
Ｅ―Ｅ拡大断面図、第９図は同じくＦ―Ｆ拡大断
面図、第１０図ないし第１２図は夫々動作説明図
である。 １……フロア、５……送球路、６……カツプ、
６ａ……底板、７……送りレバー、１５……ボー
ル受、２１，３３……モータ、２２，３４……偏
心板、２３，３５……係止ボス、２４……押圧ボ
ス、２７……送り板、２９……係止片、３０，４
０……スプリング、３８……返球レバー、３９…
…打撃片、４４……返球路、４４ａ……凹路、Ｇ
……送球機構、Ｈ……返球機構、Ｂ……ボール。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ カツプを備えてなるフロアと、前記カツプ内
   に配設され、、かつカツプ外に向かつて回動可能
   な送りレバーと、この送りレバーにボールが保持
   されたことを検出して前記送りレバーを回動さ
   せ、カツプ外に配設された送球路にボールを送り
   出す送球手段と、前記送球路の終端部に配設さ
   れ、かつ送球路から送られてきたボールを検出す
   る手段と、ボールを前記フロア外の返球路に打出
   す返球手段とを備えたことを特徴とするパツト練
   習器。 ２ カツプの底面は送りレバー方向に下降して傾
   斜し、かつ前記送りレバーはボールを１個ずつ保
   持し得るボール受を備えてなる特許請求の範囲第
   １項記載のパツト練習器。 ３ 送球手段は、送りレバーをボール送り時の速
   度よりも早く復帰せしめるスプリングを備えてな
   る特許請求の範囲第１項記載のパツト練習器。 ４ 送球路は、返球手段方向へ５゜以上の傾斜角
   にて下降し、かつボールの移動方向に沿つた多数
   の溝を備えてなる特許請求の範囲第１項記載のパ
   ツト練習器。 ５ 返球路は、その長さ方向に沿つたボール案内
   用の凹路を備えてなる特許請求の範囲第１項記載
   のパツト練習器。