JPS6161034B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は熱交換器装置に関する。

本発明による熱交換器は好ましくは大型の再生
ガスタービン機構に使用され、その効率および性
能を向上させかつ運転費を低廉可能になし得る。
このような熱交換器はガスパイプを介しコンプレ
ツサ駆動機構を具備した再生ガスタービン機構と
連係されている。

過去約20年来数百もの熱交換器が再生ガスター
ビン機構用として提案されている。タービンに使
用される熱交換器の大半は使用される材料上1000
〓以下で作動されている。この場合の熱交換器は
フイン並びにプレートを有し連続作動可能に設け
られている。一方、近年の燃料費の上昇により熱
交換器には高熱効率であることが要求され、かつ
高温でも高効率で作動すると共に数千回もの起
動・停止に耐え、更には維持費が低廉であること
が望まれていた。この点を考慮し、熱伝導の遅延
なく繁多の起動・停止に耐え繰り返し1100乃至
1200〓（約594℃乃至650℃）までの温度に耐えう
るステンレス鋼製のプレート並びにフインを有し
た熱交換器も提案されている。

従来フインを具備した熱交換器においては、内
部の加圧面に、100万ポンド（約453t）以上の大
きく不均等な力がかかつていた。このような不均
等な力に対応するため外フレームにより熱交換器
を補強して裂断を防止している。しかしながら外
フレームで熱交換器を補強する場合、熱交換器の
各部に均一に応力がかかる反面、熱膨脹および熱
収縮により全体の寸法が大巾に変化することにな
り、特に配設空間が制限されるから、熱膨脹に充
分対応させねばならず、また反復して起動・停止
されるコンプレツサ駆動機構に連係して数千回も
の加熱・冷却に対応させねばならないので問題と
なつていた。

1000〓（約538℃）以上の極めて高温となる部
分が熱交換器の中心部に位置するよう形成し、そ
の中心部と熱交換器のケーシングおよび支承体と
を熱的に絶縁して、高価な材料を使用せずに熱交
換器を構成せしめ、従来の熱交換器の製造費用程
度に抑え得る各種のものが提案されている。

上述した形の熱交換器は1977年４月11日付の
「デイ・オイル アンド ガスジヤーナル（The
Oil ＆ Gas Journal）」にケイ・オー・パーカ
ー（K.O.Parker）による「プレート形熱交換器
による熱効率およびサイクル効率を上げる方法」
と題した記事に開示されている。

従来、薄手のプレートで構成された熱交換器の
圧力の保持および構造上の補強を実現する各種の
構成が提案されている。上述した熱交換器本体を
充分に保持するような外部フレーム装置が米国特
許第2997279号に開示される。また外部において
補強する装置も米国特許第2952445号および第
3229763号に開示されている。フインを有するプ
レートでなる熱交換器本体の補強および離間部材
としてサイドバー部材を用いる例が米国特許第
4006776号に示される。かつ米国特許第3780800号
にはタービンの排ガス流の流動方向に対し垂直な
平面上を熱交換器本体の周囲に延びる分離したバ
ンド部材が開示され、これにより熱交換器本体が
抑止されることなく、膨脹しうる。米国特許第
3894581号には、マニホルド流路の接合ラインお
よびフランジを補強すべくマニホルド流路が重複
構成されるプレートでなる熱交換器の補強装置が
開示されている。特殊の補強材で作られてダクト
の入口端に配置され、粘性の高い外気流に含有さ
れる粒子による損傷を防止するよう機能するプレ
ートでなる熱交換器も開示されている。

しかしながら上述の補強装置には、後述の如き
本発明の特徴的構成を有したプレートでなる熱交
換器に使用される補強装置は開示されていない。

しかして、本発明においては熱交換器基体に溶
接されマニホルド流路を補強する補強帯板を有し
た補強装置を具備する前記補強装置には、熱交換
器基体の中央部で帯板および補強サイドバー部材
を連結したビームを形成するストラツプが包有さ
れる。上記ストラツプは動作中大きな温度変化に
よる熱衝撃に対応する放熱器としても機能する。

本発明の補強装置を適用した熱交換器は複数の
フインを有した管状のプレートを溶接してなる熱
交換器基体から構成される。熱交換器基体にはマ
ニホルド流路および熱交換部が形成される。熱交
換器基体を構成するプレートの各端部にはフラン
ジが設けられ、隣接するプレートのフランジと接
合されて対をなす前記プレートおよびフインによ
り区画される空気流路が気密に形成される。プレ
ートの各端部にはカラー部により囲繞された開口
部が包有されており、プレートを介しマニホルド
流路が形成される。カラー部は熱交換器基体の側
部に沿つて開口されているので、マニホルド流路
とフインにより区画される空気流路とが連通され
る。

管状のプレートには又、プレート面より僅かに
隆起させてマニホルド流路の開口部の周囲に延び
る環状部が包有される。断面がＵ形のトラフ状の
環状部には平担な底部が具備されており、隣接す
る管状のプレートの平担な底部と背中合せに溶接
されてフインにより区画されるガス流路に対し好
適に離間され、前記ガス流路から熱交換器基体の
マニホルド流路を密封するよう機能する。

平担面相互を溶接した場合、張力に対しては比
較的弱い。熱交換器のマニホルド流路を含む空気
流路の空気は約100乃至150psi（約70t／m²乃至
105t／m²）以上の値まで圧縮されている。従つて
数千ポンド台の極めて大きな力が生じ、プレート
端部のフランジおよびトラフ状の環状部における
接合部を剥離するよう作用する。熱交換器基体の
プレートは空気流路を区画するフインおよびガス
流路を区画するフインに溶接し得るが、これのみ
では充分な補強構成を得れない。

本発明による補強帯板の肉厚はプレートより厚
く、更に前記補強帯板はマニホルド流路のフラン
ジおよびトラフ状の環状部における接合部が補強
される。補強帯板は隣接して溶接されるプレート
の環状部における接合面に橋架され、両者の接合
部が補強される。また補強帯板は隣接する２プレ
ートのフランジ間に延び、フランジ間の接合部に
加わる圧縮荷重に対応する。補強帯板によりマニ
ホルド流路の開口部が囲繞され、上述したように
前記開口部の周囲を完全に補強できる。ストラツ
プは補強帯板と補強サイドバー部材との間をプレ
ート端部のフランジに沿つて延び熱交換器中央部
の縁部を補強する。補強帯板間にストラツプを配
設でき、ストラツプは両端部が補強サイドバー部
材および補強帯板に夫々接合され、これにより流
路が好適に補強支承される。

補強帯板およびストラツプを別体になすことに
より、設計温度に相応して経済的に補強材料を
個々別々選択でき、かつ設計の際好適なプレート
の材料を選択できる。ストラツプおよび補強帯板
を好適に構成することにより、ストラツプおよび
補強帯板をプレート間に間装し積層してろう付け
し容易に熱交換器基体を構成しうる。

第１図に、上述した各種の熱交換器に使用され
るろう付けされた熱交換器基体１０を示す。図示
した熱交換器基体１０は複数個（例えば６個）組
合せて熱交換器を構成する。前記熱交換器基体１
０には空気フイン１４およびガスフイン１６と連
係する複数個のプレート１２が包有されており、
前記空気フイン１４および前記ガスフイン１６は
隣接して区画された流路に互いに逆方向に空気お
よびガスを流動させたとき、最大の熱交換率が得
られるよう機能する。また前記プレート１２に比
して厚さが厚いサイドプレート１８が熱交換器基
体１０の両端部に取り付けられている。更に熱交
換器基体の素体は相互にろう付けされ、熱交換器
基体を形成するとき中央の熱交換部２０の両側部
に空気流路と連通するマニホルド流路２２ａ，２
２ｂが区画されるように設けられている。

第１図に矢印で示すように、熱交換器と協働す
るタービンから加熱された排出ガスが熱交換器基
体１０の一側部に導入され、マニホルド流路２２
ｂの周囲から、空気フイン１４に接触し、熱交換
器基体１０の他側から流出しつつ他側のマニホル
ド流路２２ａの周囲に流れる。同時にタービンの
入口空気コンプレツサからの圧縮空気がマニホル
ド流路２２ａを経て熱交換部２０に導入され、マ
ニホルド流路２２ａ並びに２２ｂと連通されてい
る中央の熱交換部２０の内部の空気流路を通つ
て、マニホルド流路２２ｂから流出される。マニ
ホルド流路２２ｂから空気はバーナおよびタービ
ン（図示せず）に送られる。上記の排出ガスの流
動時に、排出ガスに含まれる大半の熱が圧縮空気
に与えられこの予熱された圧縮空気がタービンへ
送られる。これにより再生ガスタービン機構の動
作効率が大巾に向上される。

第２図は第１図の線２−２に沿つて切断した断
面図で、マニホルド流路２２ｂの一部および他の
熱交換器基体の構成素子を示す。同図においては
一方のマニホルド流路２２ｂのみが示されている
が、実際上は熱交換器基体１０の各マニホルド流
路２２ａ，２２ｂは寸法が僅かに異なることを除
いて対称である。かつ補強サイドプレート１８は
補強帯板３０を示すため一部切除して示してあ
る。補強帯板３０自体も熱交換器基体１０の縁部
に沿つてその一部から中央の熱交換部近傍に延び
ているストラツプ３２を示すため一部切除して示
してある。前記ストラツプ３２はタービンからの
排出ガス導入流路又は導出流路の一部に沿つて延
設され得る。

第３図は第２図の線３−３に沿つて切断した熱
交換器基体１０の一部の断面図である。補強サイ
ドプレート１８、補強帯板３０および内部補強帯
板３４がプレート１２を補強するよう前記プレー
ト１２に取り付けられる。プレート１２はその環
状のフランジ３６がマニホルド流路２２ｂの開口
部の一部を区画するよう成形される。また各プレ
ート１２にはトラフ状の環状部３８がプレート本
体の平面から隆起させて設けられ、前記環状部３
８の底部３９は密封される。補強帯板３０，３４
は環状部３８の接合部間に延び補強サイドプレー
ト１８並びにプレート１２のフランジ３６に溶接
されており、マニホルド流路の一壁面をなす前記
の環状部３８相互の接合部が補強される。

第４図に、第３図に用いる補強帯板３０の一を
示す。この場合内部補強帯板３４は前記補強帯板
３０と実質的に同様である。帯板断面がＵ形の補
強帯板３０は側面から見て環状に形成され、第３
図に示すようにマニホルド流路２２ａの開口部の
周囲全体に延びている。補強帯板３０の、熱交換
器基体１０の中央の熱交換部に隣接する部分５０
は半円より僅かに長い部分にわたつて巾が狭く形
成されている。第５図は第４図の線５−５に沿つ
て切断した補強帯板３０の断面図を示す。第６図
は内部補強帯板３４の第５図と同様な断面図であ
る。

第５図の補強帯板３０を参照するに、図におい
て上側部４４は直線であるが下側部４６は折曲さ
れている。一方第６図の内部補強帯板３４は、上
下側部４８のいずれも折曲されている。

第６図に示すように、補強帯板３０又は３４の
巾が狭められた部分にはストラツプ３２の一端部
が収容されており、前記ストラツプ３２の端部５
２はテーバ付けされ、前記補強帯板とプレートの
フランジとの間に嵌入される。補強帯板３０は隣
接するストラツプ３２との接触部を含めてマニホ
ルド流路２２ｂの開口部の周囲に連続的に延び、
補強帯板の巾に実質的に相応する空気フイン１４
（第１図参照）が収容され得、マニホルド流路２
２ａ，２２ｂと連通する空気流路が補強帯板３
０，３４に区画される。

ストラツプ３２により、隣接するガスフイン１
６を好適に離間し補強帯板３０，３４とサイドバ
ー部材との間のプレートのフランジを補強する。
この場合サイドバー部材により熱交換器基体１０
の中央の熱交換部内の縁部が形成される。第７図
および第８図に、ストラツプ３２とガスフイン１
６との関係および空気フイン１４とサイドバー部
材５６，５８とを保持するプレート１２の関係を
示している。２ストラツプ３２が、一対の互いに
当接したプレート１２のフランジの両側部に配設
され、一方空気フイン１４は前記プレート１２間
に保持されており、ストラツプ３２により空気フ
イン１４の巾が等しくされ得、かつ各ストラツプ
３２は空気フイン１４の巾の半分にされている。
５５はガスフイン１６のろう付材料等の付設体で
ある。必要に応じて各サイドバー部材５６又は５
８の端部を除去し、ストラツプ３２の端部６０を
受容する空間を設ける。外部のサイドバー部材５
６の外面６２は外部プレート１８に連続して当接
しているのでサイドバー部材５６の一側のみが端
部６０を受容するよう除去される。内部のサイド
バー部材５８は両側を除去しストラツプ３２の端
部６０を収容し得るよう設けられる。従つてスト
ラツプ３２はその両端部が熱交換器基体１０の補
強帯板に連結される。また前記端部６０は第８図
に示すようにサイドバー部材５６，５８の割愛部
に接合される。ストラツプ３２の反対端５２（第
６図参照）は隣接する補強帯板３４に当接されて
いる。いずれの場合にも、サイドバー部材５６，
５８および補強帯板３０，３４のストラツプ３２
の端部での当接部を溶接して強固な補強構造体を
形成し、プレート１２とストラツプ３２接合部を
補強する。上述したように、各マニホルド流路は
補強帯板３０，３４がプレート１２および補強サ
イドプレート１８に溶接されることにより充分補
強される。又アーチ状のマニホルド流路の外周部
はフインが多数配設された中央の熱交換部より熱
変形しやすいが、ストラツプ３２によりマニホル
ド流路の周囲が熱膨脹により変形されることを抑
止し得る。

補強サイドプレート１８、補強帯板３０および
サイドバー部材５６間に、帯板３４、ストラツプ
３２およびサイドバー部材５８を交互にかつプレ
ート１２、空気フイン１４およびガスフイン１６
を重ねた上、溶接して熱交換器基体を構成する。
各補強サイドプレート１８は例えば押出成形によ
り各マニホルド流路の開口部を囲繞する外向きに
膨出された環状部を有するよう平シート材から成
形される。一方プレート１２は上述と同様に例え
ば押出成形によりマニホルド流路の開口部を囲繞
し、前記プレートの平面に対し隆起されたＵ形の
環状部を有するよう平シート材から成形される。
プレート１２，１８の環状部は実質的にガスフイ
ンの巾の約半分だけ膨出されている。またプレー
ト１２にはフランジが具備されており、マニホル
ド流路の開口部の周囲に沿つて延びる。前記フラ
ンジは空気フインの厚さの約半分だけＵ形にプレ
ート平面から膨出せしめて環状部が設けられてい
る。熱交換器基体を構成する各プレートは対をな
すプレートのフランジが接合されると共に互いに
Ｕ形の環状部が当接せしめられ空気フイン、ガス
フイン、補強帯板、ストラツプおよびサイドバー
部材が包有される。

熱交換器基体の構成素体を組み立てる際、補強
サイドプレート１８は膨出部を上向きにして置か
れる。次に外側の補強帯板３０が各マニホルド流
路の開口部の周囲に置かれ、ガスフイン１６およ
び外側のサイドバー部材５６が第３図、第７図お
よび第８図に示すように配設される。更にストラ
ツプ３２が補強帯板３０およびバー部材５６に対
し、ガスフイン１６に沿つて延びるように嵌入さ
れる。次いでプレート１２が環状部を補強サイド
プレート１８に当接させて配設される。空気フイ
ン１４が前記プレート１２に対し配列され、別の
プレート１２が前置したプレート１２のフランジ
にそのフランジを当接して配設される。加えてガ
スフイン、内側の補強帯板、ストラツプ、および
内部サイドバー部材並びにプレートが所望段重ね
られた上、外部側の補強帯板、サイドバー部材お
よびプレートが最終的に積み重ねられ組立てられ
る。しかる後加熱炉に入れられ全体がろう付けさ
れ溶接されて一の熱交換器基体が完成される。こ
の場合、ろう付用の化合物は加熱炉に入れる前に
各構成素体の隣接面に塗布されている。組立時に
各構成素体を強固に固定すべく適宜スポツト溶接
を施すことが好ましい。

熱交換器基体内のサイドバー部材と共に別体に
形成され組立後ろう付けされる素体としてマニホ
ルド流路強化用の補強帯板およびストラツプを用
いるので、各構成部材を適宜補強でき、更に所望
の個所に強化材を用いることもできる。また補強
体により実質的にプレートの厚さを必要に応じて
増大せしめるよう構成することから、熱交換器基
体の所望の個所を補強できる。ストラツプは、マ
ニホルド流路を囲繞する補強帯板とサイドバー部
材との間を橋架するビーム部をなしており、熱交
換器基体の少なくとも排出ガス導入側において、
タービンの停止時にプレートの先縁が受ける熱衝
撃を低減する放熱器として機能する利点もある。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明による熱交換器基体の斜視図、
第２図は第１図の線２−２に沿つて切断した部分
正面図、第３図は第２図の線３−３に沿つて切断
した断面図、第４図は同部分正面図、第５図は第
４図の線５−５に沿つて切断した断面図、第６図
は第２図の線６−６に沿つて切断した部分断面
図、第７図は第２図の線７−７に沿つて切断した
部分断面図、第８図は第２図の線８−８に沿つて
切断した部分正面図である。 １０……熱交換器基体、１２……プレート、１
４……空気フイン、１６……ガスフイン、１８…
…補強サイドプレート、２０……熱交換部、２２
ａ，２２ｂ，２２……マニホルド流路、３０……
補強帯板、３２……ストラツプ、３４……補強帯
板、３６……フランジ、３８……環状部、３９…
…底部、５２……端部、５５……付設体、５６，
５８……サイドバー部材、６０……端部、６２…
…外面。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ プレート並びにフインを具備し、熱交換可能
   に複数の流路が区画された熱交換部と、前記熱交
   換部を形成するプレートの一部によつて区画され
   且熱交換部の一の流体を流動させる流路に連通す
   る複数のマニホルド流路と、前記プレートと一体
   の薄手の材により前記マニホルド流路の周部に前
   記マニホルド流路から区画して設けられた、マニ
   ホルド流路内の流体の一部を流通させる環状部
   と、前記環状部の周部に連設され、前記プレート
   と協働して前記マニホルド流路並びに環状部を補
   強する補強体とを備えてなることを特徴とする熱
   交換装置。 ２ 多数の環状部がマニホルド流路の周囲におい
   てマニホルド流路の軸線方向に連設され、補強体
   が互いに隣接する環状部に跨つて付設されてなる
   特許請求の範囲第１項記載の熱交換装置。 ３ 熱交換部の最外側に厚手の補強サイドプレー
   トが付設され、補強体が前記補強サイドプレート
   と前記補強サイドプレートに隣接する環状部との
   間に跨つて付設されてなる特許請求の範囲第２項
   記載の熱交換装置。 ４ 補強体が断面がＵ字状をなしてなる特許請求
   の範囲第３項記載の熱交換装置。