JPS6157997B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明はタービン復水器、アンモニア蒸気凝縮
器等の凝縮装置の改良に関する。

従来のこの種凝縮装置は第１図および第２図に
示すように、ほぼ水平に配設された円筒状の胴０
１内に、胴０１の軸線と平行に伸びる冷却管群２
が内蔵され、胴０１の一方の側壁中央に胴０１の
軸線と平行に十分な拡がりを持つ蒸気入口０３が
設けられ、胴０１の他方の側壁には、胴０１内の
その軸線方向に沿つて間隔をおいて並設された管
支持板１３によつて区画された区画毎にあるいは
数区画毎に未凝縮気体出口０４が設けられ、胴０
１の下部壁に１つの凝縮液出口０５が設けられて
いる。

なお、０６はじやま板、１０ａは冷却液入口
室、１０ｂは冷却液出口室、１１ａは冷却液入
口、１１ｂは冷却液出口、１２は管板を示す。

このように構成された凝縮装置において、蒸気
は蒸気入口０３から水平方向に胴０１内に流入
し、例えばａ，ｂ，ｃに示すような流線に沿つて
胴０１内の冷却管群０２域に流れ込み、大部分の
蒸気は冷却管群０２域で凝縮され、凝縮液となつ
て冷却管群０２域を滴下する。蒸気中に含まれる
空気などの不凝縮気体および未凝縮蒸気は未凝縮
気体出口０４を囲むように胴０１の内壁に沿つて
斜下方に伸長せしめられたじやま板０６に導びか
れて未凝縮気体出口０４に達し、ここから胴０１
外に抽出される。

このような従来の凝縮装置では、じやま板０６
が胴０１の内壁に沿つて未凝縮気体出口部０４を
囲むように斜下方に伸長せしめられているため流
線ａあるいは流線ｂに沿つて流れる蒸気に比べ、
流線ｃに沿つて流れる蒸気は、冷却管群２中を流
下する凝縮水の流れに逆らつて上向きに流れると
はいうものの冷却管列数が極端に少ないため流れ
易くなり、未凝縮蒸気として未凝縮気体出口０４
から胴０１外へ抽気される蒸気量が多くなり、本
来凝縮されるべき蒸気が凝縮しないという不具合
があつた。

本発明は上記不具合に鑑み、未凝縮気体として
胴外へ抽出される蒸気量を減らし凝縮効率のよい
凝縮装置を提供しようとするものである。

以下、本発明を第３図に示す１実施例に基づき
説明する。

第３図において、胴１、蒸気入口３、凝縮液出
口５は、第１図に示す従来のものと同様である。

未凝縮気体出口４は第１図に示すものに比べ若
干低く設けられている。７は冷却管群２内に冷却
管の所定数を除去することによつて形成され、胴
１の軸線と平行に伸びる冷却管の無い空間を示
し、この空間７は冷却管群２の中心２ａより若干
の距離だけ下位でかつ、蒸気入口３より遠ざかる
斜下方の位置に設けられている。８ａと８ｂは仕
切板を示し、その一端は夫々胴１に固着されてい
て、空間７より未凝縮気体出口４まで伸びる通路
を形成している。

しかして蒸気は蒸気入口３から水平に胴１内に
流入し、更に例えば流線ｄ，ｅ，ｆに沿つて冷却
管群２内を流れる過程で凝縮され、凝縮液は冷却
管群２内を流下し凝縮液出口５から胴１外へ排出
される。

空気などの不凝縮気体および未凝縮蒸気は、一
旦空間７に集まり次に、仕切板８ａ，８ｂで仕切
られた通路を通つて未凝縮気体出口４から胴１外
に抽出される。

上記装置においては、空間７を冷却管群の中心
より若干の距離だけ下位で、かつ、蒸気入口３よ
り遠ざかる斜下方の位置に配設しているので、各
流線ｄ，ｅ，ｆに沿う蒸気の流量をそれぞれの流
線が通過する冷却管列数に応じて分配することが
できる。つまり、流線ｆに沿う蒸気は冷却管群２
中を流下する凝縮水の流れに逆らつて上向きに流
れて空間７に至るのでその流過抵抗が大きく流線
ｄに沿う蒸気に比べ流れにくくなる。したがつて
流線ｄに沿う蒸気量はその流線が通過する冷却管
列数に応じた程度の少な目の量となる。

一方、流線ｅに沿う蒸気は蒸気入口３からある
速度で流入しその速度の方向に沿つて冷却管群２
を流過して空間７に至るので、流線ｄ，ｆに沿う
蒸気のように胴１内壁と冷却管群２間を経て冷却
管群２へ屈曲して流入する場合に比べ流れ易い。
したがつて流線ｅに沿う蒸気量はその流線が通過
する冷却管列数に応じた程度の多い目の量とな
る。

かくして蒸気入口３から流入した蒸気は例えば
流線ｄ，e.fに沿つて流れるが、それらに限らず
他の全ての流入蒸気の流れについてもその流量は
空間７に向かつて流れる際に通過する冷却管列数
の多少に応じた分配となる。つまり空間７に至つ
た蒸気はどの流線に沿つたものもほぼ均等に凝縮
しており、空間７に特定の流線からのみ未凝縮蒸
気が多量に流れ込むことはない。

さらに、仕切板８ａ，８ｂによつて未凝縮気体
出口４より冷却管の無い空間部７まで伸びる通路
を形成しているので、未凝縮気体出口４よりもた
らされる吸込圧力は、空間７の全周に均一に作用
するので、前述したような蒸気分配を現出するの
に役立つとともに、空間部７から未凝縮気体出口
部に蒸気が流れる際にこの部分に設置された冷却
管群により更に未凝縮蒸気が凝縮される。

したがつて、第２図に示す従来の凝縮装置にお
ける流線ｃに沿つて流れる蒸気のように未凝縮蒸
気として胴０１外へ抽気されることはなく、また
凝縮効率も向上する。

なお、胴１の断面形状は円筒のほか角筒であつ
てもよいとともに冷却管群２の断面形状は胴１の
形状に応じて任意に設定すればよい。

さらに、空間部７の断面形状も任意に設定すれ
ばよい。また、仕切板８ａ，８ｂは未凝縮気体出
口４に向つて上がり気味に固着してもよい。

以上述べたように本発明による凝縮装置は、冷
却管群の中心より若干の距離だけ下位でかつ上気
蒸気入口より遠ざかる斜下方の位置に胴の軸線と
平行に伸びる冷却管の無い空間を設けるとともに
仕切板によつて未凝縮気体出口より該空間まで伸
びる通路を形成したので、蒸気入口より導入され
た蒸気は冷却管群の周囲より冷却管群の空間に向
かつて流れ、その際の蒸気流量は各流線が通過す
る冷却管列数の多少に応じた配分となる。

したがつて、冷却管群の周囲から冷却管群中に
流入した蒸気はその蒸気量に応じた冷却管列と接
触するので、未凝縮蒸気として胴外へ抽気される
蒸気がなくなり、凝縮効率が向上する。

【図面の簡単な説明】

第１図および第２図は従来の凝縮装置を示し、
第１図は１部を切欠いて示す正面図、第２図は第
１図における−矢視に沿う断面図である。第
３図は本発明の一実施例を示す凝縮装置の第２図
に対応する断面図である。 １：胴、２：冷却管群、３：蒸気入口、４：未
凝縮気体出口、５：凝縮液出口、７：空間、８
ａ，８ｂ：仕切板。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ ほぼ水平に配設された筒状の胴内に、該胴の
   軸線と平行に伸びる冷却管群が内蔵され、該胴の
   一方の側壁中央に蒸気入口が設けられ、該胴の他
   方の側壁に未凝縮気体出口が設けられ、該胴の下
   部壁に凝縮液出口が設けられた凝縮装置におい
   て、上記冷却管群の中心より若干の距離だけ下位
   でかつ上記蒸気入口より遠ざかる斜下方の位置に
   上記胴の軸線と平行に伸びる冷却管の無い空間を
   設けるとともに仕切板によつて上記未凝縮気体出
   口より該空間まで伸びる通路を形成したことを特
   徴とする凝縮装置。