JPS6156011B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は少くとも２種の異なつた相の状態にあ
る物質を接触させる新規な装置に関するものであ
る。

フランス特許第2257326号明細書（特開昭50−
27770号公報）には対称的な螺旋―穴型流れを形
成し、少くとも１種の相を回転軸に沿つて前記螺
旋―穴型流れで生じた減圧部に導入し、その軸方
向の相の速度は毎秒0.03〜3mで、前記螺旋―穴
型流れのモーメントは軸方向相のモーメントの少
くとも100倍（好ましくは1000〜10000）で、軸方
向相は崩壊して、螺旋―穴型流れ中に分散するよ
うになつている、２種の異なつた相の状態にある
物質の接触方法が記載されている。

この方法では組織立つた分散ができる大きな長
所であるが、この方法では２相間の接触は不規則
型であり、処理の上で差が生じ、これは熱的及び
化学的見地からみて不利益である。

この方法を実施するため、該フランス特許第
2257326号（特開昭50−27770号）には少くとも一
部が円筒形でその下流部に拘束部がある外側ケー
シングから成り、内部に有孔スリーブが設けてあ
つて前記ケーシングと前記有孔スリーブ間に環状
空間を定め、少くとも１箇の接線方向入口がこの
環状空間に開口していて螺旋―穴型対称流れを形
成する装置の態様が記載されている。

しかし、このような装置で特に充分に安定な対
称流れを形成させることができるとすれば、この
装置は特に高温操作の可能性の点で限定されてし
まう。

このような欠点を解決するため、耐火材料を用
いたり、液循環の２重ケーシングがある系を用い
ることが検討されてきたが、熱的耐久性の問題、
或る種の材料での摩耗性の問題、熱衝撃の問題が
あり、また系の形状と肉厚を厚くすることとが互
に相容れないという問題もある。

更にこのような装置では対称流れを形成する働
きのあるガス分配部材は全体の剛性に寄与するこ
とにより機械的機能を果すものである。すなわ
ち、この部材を簡単、かつ効率よく冷却すること
はむづかしい。

最後に高周辺速度を得るため運動モーメントを
最大にすることが有効である。

本発明の目的は正確にいうとこれらの欠点を解
決することである。本発明は異なつた相として生
ずる物質を接触させる新規な装置に関するもので
あり、下流部に狭くなつた流路を有する少くとも
１つの回転対称部材、該狭くなつた流路の所に該
狭くなつた流路の半径にほぼ等しい距離範囲内に
口が開いている少くとも１つの軸方向導管、該軸
方向導管と同じ対称軸をもつ回転対称の一部材で
ある分配部材、狭くなつた流路を有する回転対称
部材によつて定まる空間に接線方向に導入するた
めの少くとも１つの接線方向入口とから成る装置
において、上記狭くなつた流路をもつ回転対称部
材がその下流部を除き密閉され、上記分配部材に
より２分されている環状空間を定める、軸に対称
な剛性連続部材から成り、前記分配部材は前記剛
性部材とは機械的に独立していることを特徴とす
る装置に関するものである。

ここで「狭くなつた流路の半径とほぼ等しい距
離を隔てた空間部」とは、第４図に示す如く、狭
くなつた流路の半径をＲとして、その狭くなつた
流路の面からの距離をｄとすると、ｄ＝Ｒで上下
2dの間をいう。このような空間部を通る軸方向
の流れとして液体を導入するとき、その周囲から
渦巻き状に入る気体の流れによつて、実際上その
気体の流れ成分とは区別できなくなるような形に
液体が取り込まれてしまう。一方、従来の系で
は、混合が始まつた直後の液体の挙動は完全に液
体の噴霧系に依存している。

前記分配部材は系の回転対称軸に一番近い壁部
上で分配剛性部材に交るのが有利である。

本発明による分配部材は機械的な機能を果して
いない。このことは、その分配部材が堅固な他の
部材の組立体と機械的に独立していることによ
り、高温ガスを用いることを可能にしている。分
配部材は最も大きな角運動量が得られるようにす
る剛性部材１の設計ができるようにしている。又
分配部材は一層高い温度を用いることを可能にし
ている。

ケーシング、剛性部材に対する分配部材の配置
は従来技術に対して新規な点であり、特にその分
配部材がケーシングに取り外し可能に取り付けら
れている点は新しい点である。

分配部材の機能は、接線方向の導管８によつて
導入された非対称的螺旋状の流れを、対称的な螺
旋状の流れに変えることにある。これはガスの基
本的な接線方向の多数の入口として働く分配部材
の多数の孔によつて可能になり、得られた総体的
な流れは対称的になる。もしこの螺旋状の流れが
非対称的であれば、軸方向の導管９によつて導入
された流体の分散は不規則で、予測しにくくな
る。換言すれば、ガス相と液体相との間の接触は
適切ではなくなるであろう。

本発明では剛性ケーシングは回転対称性で２重
壁を有する本体部分により、前記接線方向入口、
またはその複数の入口が開口している環状空間
と、軸方向空洞とを与えるように形成されてお
り、その軸方向空洞には、剛性ケーシングの下流
開口部の水準で前記開口部の半径にほぼ等しい距
離で開口している円筒管、または円錐台形部材の
如き軸対称導管が配置されているのが有利であ
る。

好ましくは、前記環状空間は接線方向に導入さ
れた相の流れの方向に減少する断面を有し、前記
相は一般にガスであつて、ガスは混合物でもよ
い。

簡単な態様として、剛性ケーシングの下流部末
端は軸方向相導入用導管を取囲む２箇の収斂する
同心円錐台部材となつて終つており、有孔性分配
部材は少くとも１つの円錐台部材を切る回転対称
円筒から成る。

実用上、前記分配部材は脱着自在である。

本発明の部材、すなわち、固体、液状、または
半液状相を導入するための軸方向導管、狭くなつ
た開口部が末端にある環状空間、それと交る脱着
可能な分配部材の配置により、初期運動モーメン
ト、従つて周辺噴出速度が増加し、循環液で簡単
に壁冷却ができる形状を与える結果になる。

第１の条件は、環状空間、例えば円環体空間を
囲む単純な回転対称の幾何形状をした２重壁を用
いることで満足させることができ、この円環体空
間は下方へ伸びて２重円錐台部で生じたガス流の
ために用いられる環状空間となり、それら二つの
装置部分は分配部材自体により実質的に分けられ
ており、分配部材は環状空間と同じ対称軸をもつ
回転対称部材である。

第２の条件は、２重ケーシングの外部を例えば
水の如き冷却液を循環させる通常の冷却系を設け
ることにより満足させることができる。この場合
分配部材を冷却する必要はない。

前記の如く、本発明の新規の装置はモーメント
移動で噴霧滴を形成させてフランス特許第
2257326号明細書の方法を実施することができ
る。

また、複数の相を同軸的に、複数のらせん相を
導入させることもできる。いずれの場合でも本発
明の接触反応装置は濃度の観点からは系の進行に
ついてはピストン型、温度については均質型と考
えられる。

本発明の装置の利点の一つは軸方向相の体積の
成分を有するらせん相から出る軌道群によつて形
成される広がりをもつ双曲面の漸近線で示される
円錐の頂点の角を増加できることである。

本発明の装置は揮発性化合物の急速蒸発、懸濁
状、または水性エマルジヨン状物質の乾燥、溶液
の濃縮、等の多数の用途に実施できる。

フランス特許第2257326号明細書に記載の如
く、乾式混合即ち乾式ブレンド操作、粒子を固化
して小球化すること、及びその粒子の表面構造を
変えることを行うこともできる。また、反応器、
または噴霧器で行うような通常の化学反応を行う
こともできる。従つて、水酸化ナトリウムを炭酸
ガス含有ガスで処理して直接炭酸塩化を有利に行
うことができる。

別の用途としては1977年７月１日出願のフラン
ス特許第2396754号明細書に記載の感熱性物質の
処理がある。

本装置は1977年９月27日出願のフランス特許第
2404173号明細書に記載の気相熱処理でのベンチ
ユリー出口管と組合せて用いることもできる。

軸方向相は一般に液相から成り、混合相でも半
液状でも、ペースト状でもよい。

特に２種の液状、または半液状の軸方向相を導
入し、螺旋―穴型流れにより両者の接触を行うこ
とができる。このように同時噴霧化が行える。

この場合、らせん相は化学的見地から活性で
も、不活性でもよい。このような用途は同時反応
の場合、例えば本出願人による米国特許第
4185001号明細書に記載のラテツクス溶液とシリ
カとの共沈では特に有効である。しかし本発明の
特に大事な用途は、廃水処理と環境汚染に含まれ
る問題に関して与えられる解決のための用途であ
る。

スプレーと酸化処理とを同時に行う廃水処理の
ための一般的な方法での用途は1977年10月20日出
願のフランス特許第2406610号明細書で既に特許
請求されている。本発明の装置はこの方法にも用
いられることはあきらかであるが、特に汚染をな
くす場合は充分な有効性を得るために、極めて高
い温度で操作することが必要であり、これはこれ
までの在来の装置では不可能であつた。

従つて、本発明の長所の一つは、長い間痛感さ
れてきたこの必要性を満たすことにある。

本発明は以下の図面を用いて説明する実施態様
により一層容易に理解できるであろうが、この実
施態様は本発明を限定するものではない。

第１図にはらせん相が中に形成される剛性部材
は剛性２重ケーシング１，２から成り、下方に伸
びて接触室である二重円錐体につながつている。
その二重円錐体は最上流部４のみしか図示されて
いない。

この連続ケーシングはその最上流部に断面が大
きい環状空洞があり、下流部に向つて収斂する２
箇の円錐台部材６，７で定まる環状空間へとのび
ている。

らせん相は接線方向導管８を通つて導入され
る。対称ならせん流は剛性部材１とは機械的に独
立した脱着自在な分配部材３によつて形成され
る。円錐台部材７と導管９間に別の冷却ケーシン
グ１２、及びもう１つの冷却ケーシング１１が２
箇設けられている。

軸方向流相は管状導管９を通つて導入される。
この実施態様では棒１０が導管９の内部に設けら
れている。

第１図に示す装置は総直径が1210mmであり、分
配円筒は直径が20mmの36個の開口を５列有してい
る。

温度800゜〜900℃で毎時10〜11トンの空気流量
では開口部の速度は100〜120m／秒である。

第２図は別の実施態様を示すもので、剛性部材
はケーシング１３から成り、そのケーシングは分
配部材１５で切断された連続曲面によつて形成さ
れた下流部１４でのみ開口している。

本発明のもう一つの大事な用途は特に4A型の
結晶性ケイ・アルミン酸アルカリの乾燥である。

この用途では乾燥すべき懸濁液を軸方向で導入
し、乾燥空気を接線方向で導入し、温度は数百
度、例えば500゜〜700℃であるが、この範囲に限
定されるものではない。

ケイアルミン酸塩懸濁液は任意の公知の方法で
調製できる。特にフランス特許第2392932号明細
書、またはフランス特許第2384716号明細書の方
法を用いることができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は断面の半分だけを示す本発明の装置の
断面図であり、第２図はもう１つの本発明の実施
態様を示す。第３図は本発明の装置における液体
の流れを示す概略図である。第４図は狭くなつた
流路と、軸方向の流れを導入する空間部の距離と
の関係を示す図である。１，２は剛性２重ケーシ
ング；３は分配部材；４は二重円錐体（接触室）
の上流部；６，７は円錐台部材；８は接線方向導
管；９は導管；１１，１２は冷却ケーシング；１
３はケーシング；１４は下流部；１５は分配部材
である。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ (1) 下流部分で狭くなつた流路を有する少く
   とも一つの環状部材と、この狭くなつた流路の
   高さで開口し、この開口を通して少くとも一つ
   の相を、前記狭くなつた流路の半径とほぼ等し
   い距離を隔てた空間部を通る軸方向の流れとし
   て導入させる少くとも一つの軸方向導管と、前
   記環状部材で区画された空間内に軸と平行に延
   びる孔明き分配部材と、前記環状部材で区画さ
   れた空間中に前記分配部材の下流側に向けて一
   つまたはそれ以上の相を接線方向に導入するた
   めの少くとも一つの供給手段とからなり、前記
   狭くなつた流路を有する環状部材は前記分配部
   材で２分されている下流部分を除いて密閉され
   た環状空間を軸対称に区画する連続的剛性部材
   で構成されており、前記分配部材は該剛性部材
   とは機械的に独立しておりしかも取りはずし可
   能である剛性ケーシング、および (2) 前記ケーシングの下流にある接触室 とからなる相異なる相で存在する物質の接触装
   置。 ２ 剛性部材が、接線方向入口が開口している環
   状空間と軸方向の空洞を定める２重壁構造体から
   なり、その空洞には前記剛性ケーシングの下流の
   開口の位置に前記開口半径にほぼ等しい距離の所
   に開口している軸対称の導管が配置されているこ
   とを特徴とする前記第１項に記載の装置。 ３ 剛性部材の下流部末端が軸方向相導入用導管
   を取囲む２箇の同軸収斂状円錐台部材から成り、
   分配部材が少くとも１つの円錐部台部材を切る回
   転対称有孔円筒から成ることを特徴とする前記第
   １項及び第２項のいづれか１項に記載の装置。 ４ 剛性部材が冷却液が循環する２重ケーシング
   を有することを特徴とする前記第１項〜第３項の
   いずれか１項に記載の装置。 ５ 出口にベンチユリ管が配置されていることを
   特徴とする前記第１項〜第４項のいずれか１項に
   記載の装置。