JPS6154436B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は、被縫製生地における側辺に所要の曲
線状縫製を自動的に行なうための新しい方法の提
供に関する。

縫製生地に対する縫製として、例えば筒状生地
乃至は１枚物の生地における両側辺に対し、ミシ
ン付属のメスによつて生地一部を切除しながら、
曲線状の縫製を行なうものがある。従来はこのよ
うな縫着に当り、その両側辺を個別に縫製する手
段を用いているので、手間と労力が掛つて能率的
に好ましくなく、その曲線状の縫製を自動的に行
なうことが要求されている。

本発明は、このような要求に応えるためになさ
れたものであつて、その特徴とする処は、被縫製
生地を一方向に搬送すると共に、搬送方向と平行
する被縫製側辺に所要の曲線状縫製を行なうに当
り、前記生地の被縫製側辺を除く主体部分はエア
吸引小孔を全面に有する吸着ベルトにより搬送す
るとともに縫製地点においては前記吸着ベルトと
生地押えベルトによつて挟持搬送し、被縫製側辺
はミシン配設位置を除く前後２段の細巾ベルトの
かつ支承板に支持される搬送面により搬送し、前
記ミシン配設位置において被縫製側辺に向つて直
交状に進退可能な架台上に水平旋回可能に枢支し
た縫製ミシンを用い、被縫製生地の前記搬送手段
による定速進行、前記架台の進退およびミシンの
水平旋回による縫製部押え金の変向を介し、曲線
状縫製を行なう点にある。

以下、図示の実施例について本発明を詳述する
と、第１図は本発明の対象とする被縫製生地の１
例を示したものであり、編・織布帛による被縫製
生地１は筒状の二重生地あるいは一重の平板な生
地であり、その両側辺１ａ，１ａの全長もしくは
一部に曲線状の縫着部２，２を形成するものであ
り、図例のものでは既知のように縫製ミシンに付
属するメスによつて、切除部分３，３で示したよ
うに側辺一部を切除しつつ、その縫着部２を形成
するものである。実施例の対象としてはかかる被
縫製生地１を例示したが、本発明方法は生地１の
側辺１ａの一方のみ、あるいは切除部分３を有し
ない単なる曲線状縫製そのものに対しても、同様
の適用乃至利用できるものである。

第２，３，４図は、本発明方法を実施するため
に必要な、被縫製生地１の搬送手段の１例を示し
たものであつて、被縫製生地１の主体部分の載置
される循環回走自在な吸着ベルト４と、吸着ベル
ト４の両側に並置されて被縫製側辺１ａ，１ａの
載置される同じく循環回走自在な、前後２段の各
ベルト５ａ，５ａ組とによつて搬送ベルトが構成
されるのであり、前後２段の各ベルト５ａ，５ａ
の間には第３図に示すように縫製ミシン６，６の
進退出入するための空所７，７がある。吸着ベル
ト４における搬送面下位には吸引ボツクス８が配
設され、ベルト４の小孔４ａ群を介して吸着が行
なわれるようにし、またベルト５ａ，５ａの搬送
面下位には支承プレート９が配設され、１０は吸
引ボツクス８におけるエア吸引パイプを示してい
る。また吸着ベルト４の前記空所７，７と対応す
る搬送経路の中途上面には生地押えベルト１１，
１１が循環回走自在に配置され、吸着ベルト４の
上方一部には被縫製生地１の進行方向前端の感知
部材１２が配置されると共に、縫製ミシン６，６
には被縫製側辺１ａ，１ａの感知部材１３，１３
が付設され、第４図において１４はミシン６にお
ける縫製面、１５はミシン針、１６は押え金、１
７は切除用メス（カツター）をそれぞれ示してい
る。

前記縫製ミシン６，６の詳細は、第７，８図に
例示する通りであつて、即ちミシン６は架台１８
上に立設した支軸１９上に、該支軸１９の回動を
介して水平旋回自在に一端を枢支され、ミシン６
の他端には架台１８上面に変向自在に接支するキ
ヤスター脚２０が設けられることにより、同架台
１８上において指向自在であり、これによつてそ
の縫製面１４、ミシン針１５、押え金１６及びメ
ス１７による縫製部全体が生地１の被縫製側辺１
ａに対して任意に指向されるのであり、その旋回
駆動源として、図例ではステツピングモータ２１
を用い、ミシン６のベツド２２側にピン２３長孔
２４を介してラツク２５を設け、ステツピングモ
ータ２１の駆動ピニオン２６を前記ラツク２５に
噛合させて、水平旋回を行なわせるようにしてあ
り、またミシン６の一部には先に述べた被縫製側
辺１ａの感知部材１３の他に、実際に縫製を行な
うべき側辺位置の感知部材２７が設けられる。更
に前記架台１８は、被縫製側辺１ａに向つて直交
状に後退自在であるようにガイドバー２８上に摺
動自在に架装され、その進退駆動源としてはステ
ツピングモータ２９を用い、架台１８側のラツク
３１に前記モータ２９の駆動ピニオン３０を噛合
させることによつて、直進移動可能とされてい
る。但し上記の各運動機構はもとより設計１例で
あつて、縫製ミシン６の水平旋回、架台１８の進
退には各種の運動機構を自由に採用できる。

本発明による自動縫製は以下のようにして行な
われる。但し実施例として第１図に示したように
被縫製側辺１ａ，１ａの途中から、曲線状の縫着
部２を生地一部の切除と共に行なう場合である。

第２図、第３図に示されるように、被縫製生地
１をその被縫製側辺１ａ，１ａが搬送方向と平行
する姿勢のもとに、吸着ベルト４ベルト５ａ，５
ａ上に載置して図向つて左側から右側に向つて搬
送するのであり、このさい縫製ミシン６，６は第
３図示のＸ位置にある。こうして生地１の進行方
向前端が感知部材１２によつて検出されると共
に、縫製ミシン６，６を、その架台１８，１８に
おけるステツピングモータ２９ピニオン３０ラツ
ク３１による運動機構を介して側辺１ａ，１ａに
向つて直交状に前進させ、ミシン６に付設した感
知部材１３により側辺１ａ，１ａを検出すると共
に、架台１８従つてミシン６を停止させるのであ
り、縫製ミシン６，６は空所７，７内に入つてＹ
位置において停止することになる。このさいＸ→
Ｙ位置への移動停止に当り、吸着ベルト４におけ
る駆動ローラに設けた既知のカウンターを用い、
感知部材１２により生地前端を検出するととも
に、カウンターによるパルスカウントを行ない、
所要のカウント数に達した時、ステツピングモー
タ２９を停止させてＸ→Ｙの前進運動をコントロ
ールするようにしても同効である。このＹ位置停
止の状態は第５図および第６図に示す通りであつ
て、この時前記縫製ミシン６における縫製面１４
は生地１の被縫製側辺１ａの下面に位置するが、
同縫製面１４上の押え金１６の指向方向は、第９
図に示すように目的の曲線状縫着部２を得るため
の縫着曲線２ａの接線方向と一致するように、ま
た押え金１５上のミシン針１５が丁度Ｙ位置にあ
るように、予じめ架台１８上のミシン６を、ステ
ツピングモータ２１ピニオン２６ラツク２５によ
る運動機構を介し、支軸１９を支点として旋回さ
せることにより調定して置くのである。また第９
図及び第１０図に示すように、ミシン６の前記停
止位置Ｙ、即ちミシン針１５の位置Ｙから、生地
１の進行方向前端１ｂが長さｌだけ進行したこと
を、先に述べたカウンターによるカウント数その
他によつて検出した時、ステツピングモータ２
１，２９が駆動を開始し、縫製ミシン６の旋回、
側辺１ａに向つての直進前後運動を、予じめ所定
の運動軌跡に従つて作動するように、例えばコン
ピユータ等を利用して設定して置くことにより、
ミシン６の旋回、前後運動と吸着ベルト４側によ
る搬送速度の合成によつて、第１０図に示すよう
なＹ→Ａ→Ｂ→Ｃに亘る処の、縫着曲線２ａに沿
つた運動が得られるようにするのである。即ち第
１０図において、前記運動軌跡に従つてミシン６
がその停止位置Ｙから移動し（同時にミシンを駆
動させ空縫させてもよい）、位置ＹからＡ地点に
来た時（ミシン針１５がＹからＡにくることを意
味する）、感知部材２７によつて側辺１ａを検出
した時、上昇位置における押え金１５が下降して
側辺１ａを縫製面１４上に押支し、同時にメス１
７によつて側辺１ａを切除を行ないつつ、ミシン
針１５によるＡ→Ｂ→Ｃに亘る縫着運動が、生地
１の進行と共に行なわれることになるのであり、
これによつて縫着曲線２ａに沿つた第１図示のよ
うな縫着部２が自動的に得られることになり、第
１１図はその各位置関係を示している。このよう
にして所要の曲線状縫着部２が得られた縫着終了
後は、Ｙ位置からＸ位置までミシン６を後退さ
せ、押え金１６を上昇させると共に、このさい縫
着終了時において、押え金１６の向きは縫始め時
と変つているために、ミシン６の旋回により当初
のＹ→Ａの接線方向と一致するように修正して、
次の縫製に備えるものである。

即ち曲線状の縫製部２の曲線形状は、予じめ判
明しているので、その縫着曲線２ａに沿つた縫着
ミシン６の運動は、Ｙ地点におけるミシン６の前
後進退運動によつて容易に得られ、縫始めにおけ
るミシン縫製部の押え金１６の方向さえ、正しく
設定しておくことにより、後はコンピユータによ
るプログラム作成によつて、その縫製は全く自動
的に得られるのである。

本発明は以上の通りであるから、従来のように
かかる曲線状の縫着部２，２を得るに当つて、１
枚宛個々のミシンによつて縫製する必要なく、き
わめて能率的に処理できるのである。また本発明
によれば、切除付き縫着のみでなく、単純な曲線
縫着のみにも利用できるし、一側辺のみの曲線縫
着にも利用できるのであり、被縫製生地の所要側
辺に各種の曲線状縫製を行なう場合にきわめて便
利なものとして利用価値大である。

特に本発明の特徴は、前記縫着に当つてその生
地搬送に留意し、生地の揺動、浮上、停滞等のト
ラブルをなくし、正確かつ円滑で均一な縫製が得
られるようにした点にある。即ち、従来のように
単に搬送ベルトにより搬送するものでは、生地の
揺動、浮上、停滞等のトラブルが生じ易く、縫製
部分が側辺の場合、生地の僅かな歪みや変向も正
確な縫製を困難とする。本発明では生地の搬送に
当つて、縫製の行なわれない中央の主体部分は吸
着ベルト４を用いて、エア吸着により生地の浮上
を防止して確実に平坦な姿勢で送るようにし、更
にミシンによる縫製地点においては、前記ベルト
４と生地押えベルト１１によつて揺動、変向を生
じないようにして生地の正しい搬送姿勢を維持す
るのであり、このさい被縫製側辺側はベルト４と
分離したかつミシン縫製位置を挟んで前後２段に
分割し、搬送面を支承板９により水平に支承する
細巾ベルト５ａ，５ａにより搬送することによつ
て、ミシン縫製に支障を生じないよう、生地主体
側と同行姿勢を維持するとともに、両ベルト５
ａ，５ａ間に進退兼水平旋回可能な縫製ミシン６
を配置することによつて、被縫製側辺はミシン縫
製部における縫製台と押え金との間隙に円滑かつ
確実に挿入され、かつ押え金により押支された押
え金の変向に追随し、その曲線状縫着はきわめて
正確に遂行され、生地の定速進行と共に所要全長
に亘る曲線状縫着が全く無人下に正しく遂行され
るのであり、ミスのない自動縫製が高精度に得ら
れるのである。

【図面の簡単な説明】

第１図は曲線状縫製内容１例の説明図、第２図
は本発明における生地搬送ベルト実施例の側面
図、第３図は同平面図、第４図は同横断側面図、
第５，６図は本発明によるミシン進退運動を示す
説明図、第７図は同縫製ミシンの斜面図、第８図
は同側面図、第９，１０図は本発明方法実施例の
運動説明図、第１１図は同縫製要部の位置関係図
である。 １……被縫製生地、１ａ……被縫製側辺、２…
…曲線状縫着部、４……吸着ベルト、５ａ……ベ
ルト、６……縫製ミシン、１４……ミシン縫製
面、１５……ミシン針、１６……押え金、１２，
１３，２７……感知部材、１８……架台、１９…
…旋回支軸。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ 被縫製生地を一方向に搬送すると共に、搬送
   方向と平行する被縫製側辺に所要の曲線状縫製を
   行なうに当り、前記生地の被縫製側辺を除く主体
   部分はエア吸引小孔を全面に有する吸着ベルトに
   より搬送するとともに縫製地点においては前記吸
   着ベルトと生地押えベルトによつて挟持搬送し、
   被縫製側辺はミシン配設位置を除く前後２段の細
   巾ベルトのかつ支承板に支持される搬送面により
   搬送し、前記ミシン配設位置において被縫製側辺
   に向つて直交状に進退可能な架台上に水平旋回可
   能に枢支した縫製ミシンを用い、被縫製生地の前
   記搬送手段による定速進行、前記架台の進退およ
   びミシンの水平旋回による縫製部押え金の変向を
   介し、曲線状縫製を行なうことを特徴とする自動
   縫製方法。