JPS6154110B2 - - Google Patents

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JPS6154110B2
JPS6154110B2 JP16155882A JP16155882A JPS6154110B2 JP S6154110 B2 JPS6154110 B2 JP S6154110B2 JP 16155882 A JP16155882 A JP 16155882A JP 16155882 A JP16155882 A JP 16155882A JP S6154110 B2 JPS6154110 B2 JP S6154110B2
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cathode
anode
arc
cathodes
plasma
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Uashirieuitsuchi Kuryuuchiko Gennadei
Gureboitsuchi Padoruka Barenchin
Pafuroitsuchi Saburefu Reonido
Iwanofuna Suteyupaku Rimuma
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Description

【発明の詳細な説明】 本発明は、プラズマスプレープロセスに係り、
特に、種々の形状の被加工片特に細長い被加工片
に主として金属の被膜を塗布するためのプラズマ
アーク装置に係る。
本発明は、工具製造工業や、医薬品や、宝石
や、その他の分野において、強化被膜、装飾被膜
及びその他の被膜を塗布するのに最も便利に利用
される。
被膜塗布用のプラズマアーク装置を開発する際
に当業者が直面する重大な問題は、スプレープロ
セスを施した部品に所要の物理的及び機械的特性
を確保するようにこの部品の表面の質を良くする
ことである。この問題の解決を妨げる主な原因
は、電気的に中性の巨大粒子が存在することであ
り、即ちカソードの蒸発物質によつて形成された
プラズマ流の中にこの物質の小滴や固体片が存在
することである。これらの巨大粒子は被加工部品
の表面の質を低下させる。これを防ぐために、磁
気による分離作用を用いて、プラズマ流を中性粒
子と荷電粒子とに分け、荷電粒子のみによつて部
品を処理することができる。
磁気系が設けられた曲つたプラズマガイド内を
プラズマ流が進む時にプラズマ流を分離するよう
なプラズマアーク装置が知られている(1978年、
“Pribory i tekhnika eksper imeuta”第5
号、第236−237頁に掲載されたI.I.Aksenov、V.
A.Belous氏等のUstroystvo dly ochistki
plasmy vakuumnoi dugi ot makrochastitsを参
照されたい)。この装置を用いた時には、中性の
粒子はプラズマガイドの壁に付着するが、荷電粒
子(正イオン)は磁気系によつて向きが変えら
れ、プラズマガイドを通して被加工片へと向けら
れる。
この装置の実質的な欠点は、プラズマガイドの
長さが長く然も荷電粒子のエネルギ損失があるた
めに、荷電粒子がプラズマガイドの壁に付着して
荷電粒子が相当に失なわれることである。
又、アノードを構成する非磁性金属の加工室
と、この室内に配置されて、蒸発面がアノードに
向けられた消耗性カソードと、このカソードに接
触したアーク開始電極と、アークを維持する直流
電源と、アークを開始させるパルス電源と、アノ
ードに取り付けられた磁気系とを備えた被膜塗布
用の別のプラズマアーク装置も知られている
(1978年、“Pribory i tekhnika
eksperimenta”第6号、第173−175頁に掲載さ
れたV.A.Osipov、V.G.Padalka氏等のUstanovka
dly nanesenia pokryty osazhdeniem ionov、
izvlekavemykh iz plazmy vakuumnoi dugiを
参照されたい)。
この装置では、アークを維持する直流電源がカ
ソード及びアノードに接続され、そしてアークを
開始させるパルス電源がカソード及びアーク開始
電極に接続される。上記の磁気系は、荷電プラズ
マ粒子をアノードの面から被加工片の方向へと向
きを変える。カソードの当接端面は蒸発面であ
る。この装置には、カソードスポツトをカソード
の当接端面に維持する更に別の磁気系が設けられ
ている(この磁気系は1979年のソ連発明者証第
307666号に詳しく説明されている)。この装置の
アノードを構成する加工室は円錐形にされ、その
当接端には蓋が設けられている。この蓋の内面に
被加工片が設置される。蓋の中心部の付近にはカ
ツプも配置されている。このカツプ内には、比較
的短い円筒の形態に作られたカソードがロツドと
共に配置される。カソードの当接端は蓋の内面と
実際上一平面になるように配置される。
この装置の作動中には、カソード物質の蒸気を
含むプラズマ流がアノードに向けられる。この装
置では、プラズマ流に含まれた正のイオンが、ア
ノードの円錐面の領域内の磁界の作用下で、プラ
ズマ中の電界によつて向きが変えられて、蓋の方
向へ向けられるように、装置の作動条件が選択さ
れる。上記の正イオンは被加工片に付着するが、
中性の巨大粒子はアノードの内面に付着する。
この装置の作動中には幾つかの問題が生じ、こ
の装置の広範な利用を妨げている。従つて、この
装置によつて実施されるプラズマスプレープロセ
スは被加工片の片面の処理にしか使用できない。
被加工片の他面を処理するためには、装置をオフ
にし、手又は特殊な用具の助けによつて被加工片
をひつくり返すことが必要である。このため、回
転体形態の被加工片の処理が困難である。
更に、蓋の作用面の面積が小さいために、ロツ
ドやストリツプやコアやバンドといつた細長い被
加工片を処理できない。
又、この装置では、カソードの蒸発面がその当
接端であつてその面積は通常200cm2以下であるか
ら、装置の効率が実質的に低く、従つて、電気エ
ネルギの消費量を増加することが必要となること
にも注意されたい。これは当然カソード物質の蒸
発プロセスに悪影響を及ぼし、ひいては、カソー
ドの急速な消耗、カソードの頻繁な交換、更に
は、プラズマスプレープロセスを受けた面の質の
低下を招く。
本発明の目的は、以上の欠点を解消することで
ある。
本発明の目的は、カソード及びアノードの形状
並びにその相互の配置構成を変えることにより、
被加工片をめぐるようにプラズマ流を回転させる
ことができ、これにより、被加工片の全ての面に
対する連続的な処理を確保すると共に、スプレー
プロセスによつて得られる被加工片の面の質を高
くし、更には、細長い被加工片も処理できるよう
にするような被膜塗布用のプラズマアーク装置を
提供することである。
これらの目的は、アノードを構成する非磁性金
属の加工室と、この室内に配置され、蒸発面がア
ノードに向けられた消耗性カソードと、このカソ
ードに接触するアーク開始電極と、アノード及び
カソードに接続されていてアークを維持する直流
電源と、カソード及びアーク開始電極に接続され
ていてアークを開始させるパルス電源と、アノー
ドに取り付けられていて、荷電プラズマ粒子をア
ノードの面から被加工片へと向きを変える磁気系
とを備えた被膜塗布用のプラズマアーク装置にお
いて、アノードを構成する加工室は均一断面のパ
イプの形状を有し、その外面に上記の磁気系が取
り付けられ、カソードの断面形状はパイプの断面
形状と実質的に一致し、カソードには、被加工片
を加工位置に設置するための開口が設けられ、カ
ソードはその側面が蒸発面を形成するように上記
パイプと軸方向に整列され、上記側面の巾はアノ
ードの長さより短いようなプラズマアーク装置を
提供することによつて達成される。
“均一断面のパイプ”という語は、全長にわた
つて同じ断面積を有するパイプを表現するための
一般的な幾何学上の語として用いられる。パイプ
の断面形状は円であるだけでなく、橢円、四角、
多角形等々であつてもよい。
プラズマアーク装置のこのような構成では、包
囲体(管)形態のアノードによりプラズマ流が磁
界の作用を受けて被加工片の軸に垂直な平面内で
被加工片をめぐるように回転するので、被加工片
をカソードの開口に設置して被加工片の全ての面
をプラズマ流(プラズマ雲)で処理することがで
きる。この場合は、カソードの側面が蒸発面であ
るから、カソード物質の蒸発条件及びプラズマ分
割プロセスの条件が改善され、これはプラズマス
プレープロセスを受けた被加工片の面の質に良好
な作用を及ぼす。
ここに提案するプラズマアーク装置を製造する
上で最も簡単な装置の態様は、アノードを構成す
る加工室が円筒パイプの形状を有するものであ
る。この装置の態様に用いた時には、アークが非
常に安定で、プラズマスプレープロセスの良好で
ある。
ここに提案する装置では、カソードの側面の巾
がアノードの長さの0.05ないし0.5であるのが好
ましい。これは被加工片を処理する最良の条件を
確保する。カソードの側面の巾がアノードの長さ
の0.05より短いと、一連の製品を製造するという
条件においては、プラズマスプレープロセスに所
要の効率を割保することができない。一方、カソ
ードの側面の巾がアノードの長さの0.5より大き
いと、ここに提案する装置の加工ゾーンを有効に
利用できず、蒸発される物質の損失が大きなもの
となる。
ここに提案する装置の円筒形アノードの態様を
用いた時には、カソードの側面が円筒形又は多角
形であるのが好ましい。技術的な見地からみれ
ば、円筒形のカソードが最も適当であるが、或る
長さのストリツプ物質からカソードを形成するに
は別の形状が適当である。
カソードの蒸発面以外の全ての面はスクリーン
で覆われるのが好ましい。これは、装置の信頼性
を高めると共に、プラズマスプレープロセスを受
けた被加工片の品質も高める。
アノードを構成する加工室内に、上記のカソー
ドと同様の、アーク開始電極付きのカソードがも
う1つ配置されていて、これらの両カソードが上
記室の周囲に対して軸方向に整列されそして互い
に電気的に絶縁されるような装置の態様が更に有
用であると分つている。最初に述べた装置の態様
(カソードが1つ)と比べると、この後者の態様
においては、更に短い時間内に更に均一な被膜を
得ることができる。
アーク開始電極を有する多数(3個以上)の同
様のカソードが加工室内に軸方向に整列されて、
共通の電流ロツドによつてそれら自体の間が電気
的に接続され、そして更に、これらのカソードを
順次にオン及びオフに切換える制御ユニツトが各
カソードのアーク開始電極に接続されるような別
の態様も考えられる。この装置の態様は、細長い
被加工片の処理に特に適している。
細長い被加工片を処理する時には、アノードを
構成する加工室が互いに電気絶縁された個々のア
ノード区分に分割されていて、上記のカソードと
同様の、アーク開始電極付きのカソードが、上記
アノード区分の個数と同数だけ設けられ、これら
のカソードは共通の電流ロツドによつてそれら自
体の間が電気的に接続されていて、各カソードが
各アノード区分において軸方向に整列されている
ような更に別の装置の態様を用いることもでき
る。この装置の態様では、細長い被加工片を処理
する場合、“アノード区分−カソード”の全ての
電気的な群を同時に作動することにより最も高い
効率を得ることができる。各々の群ごとに、回転
するプラズマ雲が形成される。
以下、添付図面を参照して本発明の実施例を詳
細に説明する。
本発明による被膜塗布用のプラズマアーク装置
は、第1図を参照すれば、アノードを構成する非
磁性金属の室1と、消耗性カソード2と、アーク
開始電極3と、カソード2とアノード1との間に
アークを維持する直流電源4と、カソード2とア
ノード1との間にアークを開始させるパルス電源
5とを備えている。
アノードを構成する加工室1は、均一断面のパ
イプの形状、特に円筒形状を有している。このパ
イプは、その当接端が蓋6及び7で閉ざされてお
り、これらの蓋は絶縁パツキン8によつて室1か
ら絶縁される。蓋6は処理されるべき被加工片1
0を室1内へ装填するための入口9を有し、蓋7
は室1が真空形成装置(簡略化のため図示してな
いが、室1からのガスの排気は矢印で示してあ
る)に連通するところのパイプ連結部11を有し
ている。
カソード2は、蓋6に固定された絶縁ブツシン
グ13に取り付けられた電流ロツド12の助けに
より室1内に設置される。直流電源4はアノード
1とロツド12の片方とに接続され、パルス電源
5は他方のロツド12とアーク開始電極3とに接
続される。アーク開始電極3はセラミツクで作ら
れ、カソード2に接触され、蓋7に固定された絶
縁ブツシング14に通される。
カソード2の断面形状はアノードを構成する室
1の断面形状に実質的に一致し、カソード2には
第1図に示されたように被加工片10を加工位置
に設置するための開口2aが設けられている。カ
ソード2はその側面2bが蒸発面となるようにア
ノード1と軸方向に整列される。この側面2bの
巾“t”はアノードを構成する室1の長さ“l”
よりも小さい。“t”がアノード1の長さ“l”
の0.05ないし0.5であれば最良の結果が得られる
ことが実験で分つた。アノードと、カソード2の
他の面との間に偶発的にアークが確立されるのを
防止するため、カソード2はスクリーン15で覆
われている。
装置には、アノードを構成する室1の外面に取
り付けられて直流電源(図示せず)に接続された
ソレノイド16である磁気系も設けられている。
この磁気系は、アノードを構成する室1内に磁
界を形成するためのものであり、この磁界はプラ
ズマの荷電粒子をアノード1の面から被加工片1
0の方向へと向きを変えるように働く。この磁気
系は例えば永久磁石(図示せず)の形態で構成さ
れてもよいことを理解されたい。
カソード2の作動状態を良くするためには、例
えば電流ロツド12を介してカソードを水で冷却
するのが好ましく、このため電流ロツドは中空に
される(水の供給及び回収は矢印で示す)。
アノードを構成する室1が上記したように円筒
状パイプの形状を有する場合には、カソード2の
側面2bが円筒形(第2図)又は多角形(第3
図)のいずれかであるのが好ましい。多角形の場
合、カソード2は、永久的な枠組2cと、消耗性
物質で作られてこの枠組に固定された消耗性スト
リツプ2dとの形態で構成される。
円筒形のカソード2は最も簡単なものであり、
一方、多角形のカソード2はそのコストを実質的
に低減するようにストリツプ物質の断片からカソ
ードを形成する場合に適している。アノードを構
成する室1(第1図)が橢円又は四角形のような
別の形状のパイプである場合には、カソード2は
それと同じ形状にすべきであることを理解された
い。
この装置は次のように作動する。
被加工片10(第1図)をホルダ10aに固定
し、入口9を通して室1内に入れ、図示されたよ
うにカソード2の開口2aに通し、この時にホル
ダ10aを入口9に固定する。次いで、アノード
を構成する室1内に所要の真空を形成した後、直
流電源からアノード1及びカソード2へ作動電圧
を供給し、この際にソレノイド16をオンにす
る。次いで、パルス電源5からカソード2及びア
ーク開始電極3へアーク開始電圧を供給する。こ
の場合、カソード2とアノード1との間に電気ア
ークが形成され、そのカソードスポツトはソレノ
イド16の磁界の作用下でカソード2の側面2b
上を回転する。このカソードスポツトによりカソ
ード2の物質が蒸発されると共に、実線の矢印で
概略的に示されたように室1の軸に垂直な平面内
で回転するプラズマ雲17が形成される(第4
図)。この場合、プラズマ流17の中性の巨大粒
子はアノードを構成する室1の内面に付着する
が、正のイオンは磁界の作用を受けて、プラズマ
中の電界により形成された電位障壁からそらさ
れ、第4図に点線で示したように被加工片10の
面に付着する。プラズマ雲の回転により、被加工
片10はその全周にわたつて処理される。カソー
ド2の側面2bからアノードを構成する室1の内
面までの距離“S”(第1図)は、被加工片10
をその全長“l1”にわたつて処理するように選択
される。
第5図は本発明の装置の別の態様を示してい
る。この態様においては、上記カソードと同様の
2個のカソード2がアノード室1の両端に配置さ
れる。これらカソード2の各々には、アーク開始
電極3が設けられており、これらカソード2の
各々は互いに電気絶縁されており、また、これら
カソード2の各々は、電源4及び5を含むそれ自
体の電源ユニツトを有している。
この装置の作動は前記したものと本質的に同じ
である。この別の態様においては、被加工片の処
理がその両端から同時に行なわれるので、すばや
く然も均一に被加工片10に被膜を塗布すること
ができる。更に、この場合は、処理ゾーンが広く
なつたことにより、第1図の態様の作動に比べ
て、装置の大きさを実際上増加しなくても、1.5
ないし2倍の長さの被加工片10を処理できる。
第1図及び第5図に示された装置の態様を用い
た時には、プラズマ流に対してロツド12の影に
ならないような被加工片10の部分に最も均一な
被膜が形成されることに注意されたい。プラズマ
のイオンの1部分はこれらのロツドに付着する。
これは、第1に、ロツド12の下の被加工片10
上の被膜の厚みを薄くし、そして第2に、カソー
ド2の物質の付着の比率を或る程度下げる。カソ
ード2の個数を増加すべき場合には(これは例え
ば比較的長い被加工片の処理効率を高くする必要
性によつて生じる)、ロツド12の本数も増加す
べきであるが、このようにすると、被加工片10
に付着さるべき物質の損失が更に大きくなると共
に、被膜の均一性も悪くなることを理解された
い。
比較的に長い(1mより長い)被加工片、特
に、断面の変化するような被加工片を効率良く処
理する場合においてこれらの損失を減少させるた
めには、第6図及び第7図に示された変形例を利
用するのが望ましい。電流ロツド18は、前述の
ロツド12(第1図、第5図参照)と原理的には
異ならないが、すべてのカソード2に対して共通
なものとされている。その結果、カソード2は、
一緒に結合されている。この装置には、カソード
2も連続的にオン、オフするための制御ユニツト
19も設けられている。この制御ユニツト19
は、1つのアーク開始電極3のみについて点線で
示されたように、各カソード2のアーク開始電極
3に接続される。第6図は、アノードを構成する
室1内で多数(この場合は4個)の同様のカソー
ドが電流ロツド18に対して軸方向に整列されそ
してこれらのカソードにアーク開始電極3が設け
られたようなプラズマアーク装置の更に別の態様
を示している。
この場合には、電流ロツド18の本数がカソー
ド2の個数の増加と共に増えないので、カソード
物質の損失はあまり多くはなく、被膜の均一性は
更に良くなる。
第6図に示された装置の作動中には、制御ユニ
ツト19の助けによりアークが或るカソード2か
ら別のカソードへと連続的に移行され、従つて被
加工片10はその全長にわたり区分ごとに連続的
に処理される。制御ユニツトの構造は当業者に明
らかであり、具体的な条件に基いてたの種の多数
の制御ユニツトから選択される。
第7図に示された装置の態様は第6図に示され
たものと実質的に同様であるが、両者の相違点
は、第7図の場合には制御ユニツト19がなく、
そして更にアノードを構成する室1が個々のアノ
ード区分1a……………1dに分割されていて、
これら区分が絶縁パツキン8によつて互いに電気
的に絶縁されていることである。これらアノード
区分の各々には、磁気系16と、アークを維持す
る直流電源4とが設けられている。アークを開始
させるパルス電源5が1つだけ設けられている
が、アノード区分の数に応じてこのような電源を
多数設けてもよいことが明らかであろう。カソー
ド2の全個数はアノード区分1a……………1d
の個数に等しく、各々のカソードはアノード区分
1a……………1dの各々において軸方向に整列
される。電源4及び5の働きは第7図から明らか
であり、詳細な説明は不要であろう。
このような態様において被加工片10を処理す
る時には、多数のアークが“アノード区分−カソ
ード”の各電気的な群に同時に発生される。従つ
て、被加工片10は多数(この場合は4個)のプ
ラズマ流によつて処理され、これはプラズマスプ
レープロセスを相当強力なものにすると共に、特
に細長い被加工片を処理する時にはプラズマスプ
レープロセスを受けた被加工片の面の質を向上さ
せる。
第6図及び第7図に示された装置の態様におい
て全てのカソード2に電流を供給するように働く
電流ロツド18は、例えば第6図に示されたよう
に一体的なロツドであつてもよいし、第7図に示
されたように個々の区分18a……………18e
で構成されてもよいことに注意されたい。第7図
の態様のカソード電極の方が製造し易いことが明
らかであろう。
カソード2及びロツド18の影になるところの
被加工片10の表面に形成される被膜の非均一さ
を少なくするためには、処理中に被加工片をカソ
ード2の巾より小さくない程度で軸方向に動かす
と共にその軸のまわりで周期的に回転させるのが
望ましい。
被加工片10がその全長にわたつて均一な断面
を有しそしてその全長が相当に長い場合には(長
いシヤフト、ストリツプ、ワイヤ、バンド等)、
第8図に示された本発明の装置の更に別の態様を
用いるのが好ましく、この装置は寸法は比較的小
さいが非常に効率の良い連続作動型の装置であ
る。この更に別の態様によれば、アノードを構成
する室1に入口9a及び出口9bが設けられ、こ
れらの入口及び出口にはパツキン部材20が設け
られる。この装置の作動中には、被加工片10が
矢印で示された軸方向に室1を通して移動され、
連続的なプラズマスプレープロセスを受ける。
本発明の装置の上記態様のいずれにおいても、
1つ又は多数の被加工片10を同時に処理できる
ことに注意されたい。多数の被加工片を処理する
場合には、被加工片が互いに平行関係に配置さ
れ、そして処理中は被加工片を動かないようにす
ることもできるし、或いは例えば遊星ギヤのよう
な一般の駆動装置によつて軸のまわりで回転させ
ることもできる。
本発明の特定の実施例について説明したが、
色々な変更が当業者に明らかであろうから、本発
明はここに開示した実施例又はその細部に限定さ
れるものではなく、特許請求の範囲に限定された
本発明の精神及び範囲内で、本発明を別のやり方
で実施することもできる。
【図面の簡単な説明】
第1図はカソードが1つの場合の本発明による
被膜塗布用のプラズマアーク装置を示す縦断面
図、第2図及び第3図はアノードを構成する室が
円筒パイプの形状を有する場合に本発明装置に使
用するカソードの形状を示したカソードの端面
図、第4図は第1図の−線に沿つた断面図で
あつて、本発明装置の作動を示す概略図、第5図
は、カソードが2つの場合の本発明装置の別の態
様を示す縦断面図、第6図は4つのカソードを有
する本発明装置の更に別の態様であつて一体的な
アノードを有する装置を示す断面図、第7図は4
つのカソードを有する本発明装置の更に別の態様
であつて区分化されたアノードを有する装置を示
す断面図、そして第8図は第5図と同様の図であ
るが、本発明のプラズマアーク装置が連続作業に
用いられるような更に別の態様を示す図である。 1……アノードを構成する加工室、1a………
……1d……アノード区分、2……カソード、2
a……カソードの開口、2b……カソードの側
面、3……アーク開始電極、4,5……電源、1
0……被加工片、16……磁気系、18……電流
ロツド、19……制御ユニツト。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1 アノードを構成する非磁性金属の加工室1
    と、この室1内に配置されていて、蒸発面がアノ
    ード1に向けられた消耗性カソード2と、このカ
    ソード2に接触したアーク開始電極3と、上記ア
    ノード1及びカソード2に接続されていてアーク
    を維持する直流電源4と、上記カソード2及びア
    ーク開始電極3に接続されていてアークを開始さ
    せるパルス電源5と、上記アノード1に取り付け
    られていて、アノード1の面から被加工片10へ
    と荷電プラズマ粒子の向きを変える磁気系16と
    を備えた被膜塗布用のプラズマアーク装置におい
    て、アノードを構成する加工室1は均一断面のパ
    イプであつて、その外面に上記磁気系16が取り
    付けられ、カソード2の断面形状は上記パイプの
    断面形状と実質的に一致し、カソード2には被加
    工片10を加工位置に設置するための開口2aが
    設けられており、カソード2は上記パイプと軸方
    向に整列されて、カソードの側面2bが蒸発面と
    なり、この側面2bの巾はアノード1の長さより
    短いことを特徴とするプラズマアーク装置。 2 カソード2の側面2bの巾はアノード1の長
    さの0.05ないし0.5である特許請求の範囲第1項
    に記載の装置。 3 加工室1は円筒パイプの形状に作られる特許
    請求の範囲第1項又は第2項に記載の装置。 4 カソード2の側面2bは円筒形状にされる特
    許請求の範囲第3項に記載の装置。 5 カソード2の側面2bは多角形状にされる特
    許請求の範囲第3項に記載の装置。 6 カソード2の蒸発面2b以外の全ての面はス
    クリーンで覆われる特許請求の範囲第1項ないし
    第5項のいずれかに記載の装置。 7 アノードを構成する加工室1内には、上記カ
    ソード2と同様の、アーク開始電極3付きのカソ
    ード2がもう1つ配置されており、これらの両カ
    ソード2は上記室1の周囲に対して軸方向に整列
    され、互いに電気的に絶縁される特許請求の範囲
    第1項ないし第6項のいずれかに記載の装置。 8 アノードを構成する加工室1内には、上記カ
    ソード2と同様のアーク開始電極3付きのカソー
    ド2が多数配置されており、全てのカソード2は
    共通の電流ロツド18によつてそれら自体の間が
    接続されていると共に軸方向に整列され、更に、
    カソード2を順次にオン及びオフに切換えるよう
    に各カソード2のアーク開始電極3には制御ユニ
    ツト19が接続されている特許請求の範囲第1項
    ないし第6項のいずれかに記載の装置。 9 アノードを構成する加工室1は互いに電気的
    に絶縁された個々のアノード区分1a……………
    1dに分割され、上記装置は、更に、上記のカソ
    ード2と同様の、アーク開始電極3付きのカソー
    ド2を多数備え、これらカソード2の全個数は上
    記のアノード区分1a……………1dの個数に等
    しく、上記カソード2は共通の電流ロツド18に
    よつてそれら自体の間が電気的に接続されてお
    り、そして各カソード2は各々のアノード区分1
    a……………1dにおいて軸方向に整列される特
    許請求の範囲第1項ないし第6項のいずれかに記
    載の装置。
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