JPS6152215B2 - - Google Patents
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- JPS6152215B2 JPS6152215B2 JP6014581A JP6014581A JPS6152215B2 JP S6152215 B2 JPS6152215 B2 JP S6152215B2 JP 6014581 A JP6014581 A JP 6014581A JP 6014581 A JP6014581 A JP 6014581A JP S6152215 B2 JPS6152215 B2 JP S6152215B2
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Classifications
-
- C—CHEMISTRY; METALLURGY
- C21—METALLURGY OF IRON
- C21D—MODIFYING THE PHYSICAL STRUCTURE OF FERROUS METALS; GENERAL DEVICES FOR HEAT TREATMENT OF FERROUS OR NON-FERROUS METALS OR ALLOYS; MAKING METAL MALLEABLE, e.g. BY DECARBURISATION OR TEMPERING
- C21D9/00—Heat treatment, e.g. annealing, hardening, quenching or tempering, adapted for particular articles; Furnaces therefor
- C21D9/40—Heat treatment, e.g. annealing, hardening, quenching or tempering, adapted for particular articles; Furnaces therefor for rings; for bearing races
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- Chemical & Material Sciences (AREA)
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- Heat Treatment Of Articles (AREA)
- Forklifts And Lifting Vehicles (AREA)
Description
この発明は、ローラ兼用軸受の外輪、殊にフオ
ークリフトのマストローラ兼用軸受の外輪や搬送
装置に使用されるローラ兼用軸受の外輪等の如
く、内径側を部分焼入れして所要の軌動面かたさ
を有し、外周面側を非焼入れ部として例えば材料
の調質かたさとし、相手部材との硬度差を小さく
するようにし、外輪外周面と相手部材との間でコ
ロガリ接触を行なう軸受の外輪に関する。 例えばフオークリフトにおいて、そのマストレ
ールには、S45C等の一般機械構造用鋼材が使用
され、そのマストローラ兼用軸受として、外輪が
全体的に焼入れ硬化された一般のころがり軸受を
使用すると、軸受外輪とマストレールとの硬度差
が著るしく大きくなつて、レール面が極度に摩耗
するという不都合がある。またこの摩耗粉が周辺
に飛散して、運転者或は周辺で作業する作業者の
目に入る等の危険があり、さらにこれらの外輪
は、全体が高硬度であるために、衝撃荷重、大荷
重により破壊してその破片が周辺に飛散し、作業
者に危害を及ぼすような事故が発生している。 このような摩耗および危険等を防止するため
に、第1図に示すように、外輪1に浸炭材を使用
し、外周面部に防浸炭処理を施した後、内周面及
び両端面部に浸炭焼入れによる焼入れ層2を形成
させたものが提供されているが、これは防浸炭処
理が甚だ面倒であると共に、材料が高価なために
コスト高となる欠点がある。また軸受外輪として
の強度を持たせるには、浸炭深さを充分に深くす
る必要があるが、これに要する作業時間とエネル
ギが著るしく多くなり、それでも充分な浸炭深さ
を得ることが困難であつて充分な強度が得られな
い等の不都合を生じ易いという欠点がある。ま
た、特開昭54−163706号公報にはSUJ−2(軸受
鋼)を用いて、外周側を低硬度にすると共に内周
側を高硬度にすることについても提案されている
が、この公報記載のものでは、SUJ−2製の製品
型番に応じて予じめ温度−時間冷却曲線を求めて
おく必要があり、しかも、1秒以下の単位で焼入
れ時間を設定しなければならない欠点がある。 この発明は以上のようなマストローラ兼用軸受
の外輪、或は搬送装置に使用されるローラ兼用軸
受の外輪等において、転動体軌動面側が充分な焼
入れかたさを有し、外周面部が相手部材との間に
大きな硬度差を生ずることのないかたさとされ、
しかもマストレール等とすべり接触する端面にお
けるすべり摩耗を低減でき、さらに、軸受の外輪
として充分の強度と、耐衝撃性を具備し、かつ熱
処理がきわめて容易な軸受の外輪を提供すること
を目的とする。 実施例について説明すれば、第2図において、
外輪10としてS55C等の調質かたさが例えばHR
C30程度となる一般構造用炭素鋼鋼材を使用し、
内径側の焼入れ硬化部11の焼入れ深さを、軸受
の放射方向外方に中心点を持つ曲率半径Rの凹曲
線にほゞ近似して連続する焼入れ境界部12を形
成する如く、外輪の軸方向の中心部(V−V線)
から両端面13,14に至るに従つて漸増させた
ものである。すなわち、前記中心部(V−V線)
における焼入れ深さt1に対し、軸受の軸方向両端
面部における焼入れ深さt2,t3が深くなるように
形成し、焼入れ深さt1からt2,t3に至るに従つて
焼入れ境界部12が凹曲線状に連続するように構
成する。 第2図は外輪10の一方の肩部のアール状面取
り部15の曲率半径を他方の肩部より大きくした
マストローラ兼用軸受の外輪を示すものである
が、これは第3図のように両肩部の面取りが左右
対称の外輪10′とすることもでき、外輪形状に
ついては、前記各例の他、任意の形状とすること
ができる。また外輪材料としては、S55C等さら
に厳密にはS40C〜S60C程度の一般構造用炭素鋼
を使用してもよい。 このような外輪10を得るための焼入れ方法を
以下に説明する。例えば第4図に示すような外輪
10に対する外径案内の段部21を有する回転支
台20を設けて、段部21に端面14の焼入れ深
さt3を形成させるための直径D2の支持周縁22を
形成する。そして回転支台20の中心を貫通する
冷却水路23に、外輪10の内周面に対向する多
数の冷却液噴出孔24を設け、該水路23の上端
に着脱可能な蓋部材25を設けて、該部材25に
外輪10の他端面13に密接し、該端面13の焼
入れ深さt2を得るための内径D1の周縁部26を形
成する。外輪10の外周にはさらに環状の圧縮空
気噴出管27を配置し、その内径に外輪外周面に
向つて圧縮空気を噴射する多数の噴出孔28を設
ける。 すなわち回転する回転支台20の段部21上
に、旋削等により所要形状に形成し所定焼入れ温
度に加熱した外輪10を載置して、蓋部材25を
装着しその周縁部26を端面13に密着させ、外
輪10を焼入れ装置にセツトする。(回転支台の
回転は焼入れ装置に外輪をセツトした後でもよ
い。) 而して冷却水路23の噴出孔24から冷却液を
外輪10の内径面に向つて噴射すると同時に、圧
縮空気噴出管27の噴出孔28から外輪10の外
径面に向つて圧縮空気を噴射する。冷却液の噴射
により外輪10の内径面は勿論のこと、回転支台
20の段部内周縁部22の内径側における外輪端
面14および蓋部材25の周縁部26の内径側に
おける外輪端面13が急冷され、一方圧縮空気を
噴射される外輪10の外径面の冷却速度は焼入れ
速度よりも遅くなる。 すなわち冷却液で内径側を急冷し、外径側を圧
縮空気により焼入れ速度以下に放冷することによ
り、内径側における焼入れ効果が促進され、内径
側の両端面部においては、内径面と両端面との双
方から急冷されるためにその焼入れ硬化部11は
図に濃いハツチングで示すように、軸受の軸方向
中心部の焼入れ深さt1に対して両端面側に至る程
焼入れ深さが漸増し、両端面では、蓋部材25の
周縁部26及び回転支台20の段部内周縁部22
で仕切られた範囲D1,D2よりも外径側に焼入れ
硬化部11が拡がりt2,t3の焼入れ深さが得ら
れ、その焼入れ境界部12がほゞ凹曲線状に連続
した形となる。 第5図はこのようにして焼入れを行つた外輪1
0の軸方向中心部(第2図V−V線)断面におけ
る焼入れ深さを横軸に、かたさ(ビツカース硬さ
HV,ロツクウエル硬さHRC)を縦軸に示したも
ので、使用材料はS55C、外輪厚み(放射方向寸
法)は11mmである。これによれば、軌道面側にお
いてHRC60以上の焼入れ深さがほゞ3mmであり、
屈折点が7mm付近であつて、それより外径側は、
S55Cの調質かたさとほゞ同等のかたさHRC30と
なつている。なお以上の焼入れ境界部とは、HRC
60程度の焼入れ深さからそれ以下にかたさが低下
する境界部である。 なお冷却液としては、水、油その他任意の冷却
液を、使用鋼種、目的のかたさ、焼入れ深さ等に
合わせて適宜選択すればよく、同様に冷却速度も
適宜調整すればよい。 次に、本発明に係る外輪の特性を調べるために
行つた試験結果について説明する。 (1) 破壊強度試験 フオークリフトマストローラ用軸受の外輪に
ついて、以下の試料を用いて耐圧試験機により
それぞれの破壊強度を調べた。 (A) 試料(第6図参照(斜線は硬化部を示
す)) 試料1:S55C製の本発明品 (硬化層パターンは第6図a) 試料2:SAE8620製の浸炭製品(従来品) (硬化層パターンは第6図b) 試料3:SUJ2製のズブ焼き製品(従来品) (硬化層パターンは第6図c) 試料4:S55C製の軌道高周波製品(従来
品) (硬化層パターンは第6図d) (B) 試験方法 第7図に示すように、上記試料を外輪aと
して使用した軸受bにラジアル方向の負荷を
加えたときの破壊値を測定する。 (C) 試験装置 東京衡機製CM−100C型耐圧試験機 (D) 試験条件 負荷速度 200Kg/sec 試験結果を第1表に示すとともに、この試験
結果から求めた破壊値比を第2表に示す。な
お、破壊値比は次の式で求められる。 破壊値比=試料の破壊値/試料3の平均破壊値
ークリフトのマストローラ兼用軸受の外輪や搬送
装置に使用されるローラ兼用軸受の外輪等の如
く、内径側を部分焼入れして所要の軌動面かたさ
を有し、外周面側を非焼入れ部として例えば材料
の調質かたさとし、相手部材との硬度差を小さく
するようにし、外輪外周面と相手部材との間でコ
ロガリ接触を行なう軸受の外輪に関する。 例えばフオークリフトにおいて、そのマストレ
ールには、S45C等の一般機械構造用鋼材が使用
され、そのマストローラ兼用軸受として、外輪が
全体的に焼入れ硬化された一般のころがり軸受を
使用すると、軸受外輪とマストレールとの硬度差
が著るしく大きくなつて、レール面が極度に摩耗
するという不都合がある。またこの摩耗粉が周辺
に飛散して、運転者或は周辺で作業する作業者の
目に入る等の危険があり、さらにこれらの外輪
は、全体が高硬度であるために、衝撃荷重、大荷
重により破壊してその破片が周辺に飛散し、作業
者に危害を及ぼすような事故が発生している。 このような摩耗および危険等を防止するため
に、第1図に示すように、外輪1に浸炭材を使用
し、外周面部に防浸炭処理を施した後、内周面及
び両端面部に浸炭焼入れによる焼入れ層2を形成
させたものが提供されているが、これは防浸炭処
理が甚だ面倒であると共に、材料が高価なために
コスト高となる欠点がある。また軸受外輪として
の強度を持たせるには、浸炭深さを充分に深くす
る必要があるが、これに要する作業時間とエネル
ギが著るしく多くなり、それでも充分な浸炭深さ
を得ることが困難であつて充分な強度が得られな
い等の不都合を生じ易いという欠点がある。ま
た、特開昭54−163706号公報にはSUJ−2(軸受
鋼)を用いて、外周側を低硬度にすると共に内周
側を高硬度にすることについても提案されている
が、この公報記載のものでは、SUJ−2製の製品
型番に応じて予じめ温度−時間冷却曲線を求めて
おく必要があり、しかも、1秒以下の単位で焼入
れ時間を設定しなければならない欠点がある。 この発明は以上のようなマストローラ兼用軸受
の外輪、或は搬送装置に使用されるローラ兼用軸
受の外輪等において、転動体軌動面側が充分な焼
入れかたさを有し、外周面部が相手部材との間に
大きな硬度差を生ずることのないかたさとされ、
しかもマストレール等とすべり接触する端面にお
けるすべり摩耗を低減でき、さらに、軸受の外輪
として充分の強度と、耐衝撃性を具備し、かつ熱
処理がきわめて容易な軸受の外輪を提供すること
を目的とする。 実施例について説明すれば、第2図において、
外輪10としてS55C等の調質かたさが例えばHR
C30程度となる一般構造用炭素鋼鋼材を使用し、
内径側の焼入れ硬化部11の焼入れ深さを、軸受
の放射方向外方に中心点を持つ曲率半径Rの凹曲
線にほゞ近似して連続する焼入れ境界部12を形
成する如く、外輪の軸方向の中心部(V−V線)
から両端面13,14に至るに従つて漸増させた
ものである。すなわち、前記中心部(V−V線)
における焼入れ深さt1に対し、軸受の軸方向両端
面部における焼入れ深さt2,t3が深くなるように
形成し、焼入れ深さt1からt2,t3に至るに従つて
焼入れ境界部12が凹曲線状に連続するように構
成する。 第2図は外輪10の一方の肩部のアール状面取
り部15の曲率半径を他方の肩部より大きくした
マストローラ兼用軸受の外輪を示すものである
が、これは第3図のように両肩部の面取りが左右
対称の外輪10′とすることもでき、外輪形状に
ついては、前記各例の他、任意の形状とすること
ができる。また外輪材料としては、S55C等さら
に厳密にはS40C〜S60C程度の一般構造用炭素鋼
を使用してもよい。 このような外輪10を得るための焼入れ方法を
以下に説明する。例えば第4図に示すような外輪
10に対する外径案内の段部21を有する回転支
台20を設けて、段部21に端面14の焼入れ深
さt3を形成させるための直径D2の支持周縁22を
形成する。そして回転支台20の中心を貫通する
冷却水路23に、外輪10の内周面に対向する多
数の冷却液噴出孔24を設け、該水路23の上端
に着脱可能な蓋部材25を設けて、該部材25に
外輪10の他端面13に密接し、該端面13の焼
入れ深さt2を得るための内径D1の周縁部26を形
成する。外輪10の外周にはさらに環状の圧縮空
気噴出管27を配置し、その内径に外輪外周面に
向つて圧縮空気を噴射する多数の噴出孔28を設
ける。 すなわち回転する回転支台20の段部21上
に、旋削等により所要形状に形成し所定焼入れ温
度に加熱した外輪10を載置して、蓋部材25を
装着しその周縁部26を端面13に密着させ、外
輪10を焼入れ装置にセツトする。(回転支台の
回転は焼入れ装置に外輪をセツトした後でもよ
い。) 而して冷却水路23の噴出孔24から冷却液を
外輪10の内径面に向つて噴射すると同時に、圧
縮空気噴出管27の噴出孔28から外輪10の外
径面に向つて圧縮空気を噴射する。冷却液の噴射
により外輪10の内径面は勿論のこと、回転支台
20の段部内周縁部22の内径側における外輪端
面14および蓋部材25の周縁部26の内径側に
おける外輪端面13が急冷され、一方圧縮空気を
噴射される外輪10の外径面の冷却速度は焼入れ
速度よりも遅くなる。 すなわち冷却液で内径側を急冷し、外径側を圧
縮空気により焼入れ速度以下に放冷することによ
り、内径側における焼入れ効果が促進され、内径
側の両端面部においては、内径面と両端面との双
方から急冷されるためにその焼入れ硬化部11は
図に濃いハツチングで示すように、軸受の軸方向
中心部の焼入れ深さt1に対して両端面側に至る程
焼入れ深さが漸増し、両端面では、蓋部材25の
周縁部26及び回転支台20の段部内周縁部22
で仕切られた範囲D1,D2よりも外径側に焼入れ
硬化部11が拡がりt2,t3の焼入れ深さが得ら
れ、その焼入れ境界部12がほゞ凹曲線状に連続
した形となる。 第5図はこのようにして焼入れを行つた外輪1
0の軸方向中心部(第2図V−V線)断面におけ
る焼入れ深さを横軸に、かたさ(ビツカース硬さ
HV,ロツクウエル硬さHRC)を縦軸に示したも
ので、使用材料はS55C、外輪厚み(放射方向寸
法)は11mmである。これによれば、軌道面側にお
いてHRC60以上の焼入れ深さがほゞ3mmであり、
屈折点が7mm付近であつて、それより外径側は、
S55Cの調質かたさとほゞ同等のかたさHRC30と
なつている。なお以上の焼入れ境界部とは、HRC
60程度の焼入れ深さからそれ以下にかたさが低下
する境界部である。 なお冷却液としては、水、油その他任意の冷却
液を、使用鋼種、目的のかたさ、焼入れ深さ等に
合わせて適宜選択すればよく、同様に冷却速度も
適宜調整すればよい。 次に、本発明に係る外輪の特性を調べるために
行つた試験結果について説明する。 (1) 破壊強度試験 フオークリフトマストローラ用軸受の外輪に
ついて、以下の試料を用いて耐圧試験機により
それぞれの破壊強度を調べた。 (A) 試料(第6図参照(斜線は硬化部を示
す)) 試料1:S55C製の本発明品 (硬化層パターンは第6図a) 試料2:SAE8620製の浸炭製品(従来品) (硬化層パターンは第6図b) 試料3:SUJ2製のズブ焼き製品(従来品) (硬化層パターンは第6図c) 試料4:S55C製の軌道高周波製品(従来
品) (硬化層パターンは第6図d) (B) 試験方法 第7図に示すように、上記試料を外輪aと
して使用した軸受bにラジアル方向の負荷を
加えたときの破壊値を測定する。 (C) 試験装置 東京衡機製CM−100C型耐圧試験機 (D) 試験条件 負荷速度 200Kg/sec 試験結果を第1表に示すとともに、この試験
結果から求めた破壊値比を第2表に示す。な
お、破壊値比は次の式で求められる。 破壊値比=試料の破壊値/試料3の平均破壊値
【表】
【表】
上記試験結果より、本発明品(試料1)は耐
強度が従来品(試料2〜4)に比較してはるか
に優れていることが判明した。 (2) 摩耗試験 フオークリフトマストローラ用軸受の外輪に
ついて、以下の試料を用いて回転試験を行い、
該試料とマストレールとの接触部分の摩耗状況
を調べる。 (A) 試料 試料5:S55C製の本発明品 (硬化層パターンは第6図a) 試料6:SUJ2製のズブ焼き製品(従来品) (硬化層パターンは第6図c) (B) 試験方法 第8図に示すように、上記試料を外輪とし
て使用した軸受cに、マストレール相当の材
質からなるタイヤdを接触させた状態で該タ
イヤdを回転させ、このときの摩耗量を測定
する。 (C) 試料条件 第3表に示す。
強度が従来品(試料2〜4)に比較してはるか
に優れていることが判明した。 (2) 摩耗試験 フオークリフトマストローラ用軸受の外輪に
ついて、以下の試料を用いて回転試験を行い、
該試料とマストレールとの接触部分の摩耗状況
を調べる。 (A) 試料 試料5:S55C製の本発明品 (硬化層パターンは第6図a) 試料6:SUJ2製のズブ焼き製品(従来品) (硬化層パターンは第6図c) (B) 試験方法 第8図に示すように、上記試料を外輪とし
て使用した軸受cに、マストレール相当の材
質からなるタイヤdを接触させた状態で該タ
イヤdを回転させ、このときの摩耗量を測定
する。 (C) 試料条件 第3表に示す。
【表】
試験結果を第9図および第10図に示す。この
試験結果より、軸受外輪の回転数が0.72×106回
転(実車使用3年分に相当)となつたとき、本発
明品(試料5)はある程度摩耗しているのに対し
て従来品(試料6)はほとんど摩耗せず、逆に本
発明品に対応するタイヤは従来品に対応するタイ
ヤよりも摩耗量が1/3程度であることが判明し
た。これは、本発明品の方が従来品よりも、マス
トレールのレール面摩耗防止用製品としてはるか
に優れていることを示している。ちなみに、マス
トレールはマストローラ用軸受に比較してはるか
に製品コストが高い。また、本発明品の摩耗の程
度は実用上支障のない範囲内にある。 この発明は以上のように内径側の焼入れ硬化部
の焼入れ深さが、断面においてみると軸受の放射
方向外方に中心点を持つ曲率半径Rの凹曲線に
ほゞ近似して連続する焼入れ境界部が形成される
如く軸受の軸方向の中心部から両端面に至るに従
つて漸増されているので、軌道面に剥離のおそれ
がなく、かつ、軸受の外輪としての破壊強度が高
く、しかも、材料が一般構造用鋼材からなり、外
周面側が材料の調質かたさとほゞ同等のかたさの
非焼入れ硬化部となされているので、大荷重、衝
撃力に対しても強いじん性を有すると共に外周面
と接触する相手側レール面の摩耗がほとんどな
い。 さらに一般構造用鋼材からなり、内径側の焼入
れ硬化部の焼入れ深さが、軸受の軸方向の中心部
から両端面に至るに従つて漸増され、端面のほゞ
外周面近くまで焼入れされているので、端面と、
該端面と接触するレールとの間のすべり接触に対
する耐摩耗性を具備し、しかも1回の焼入れ処理
で、内径面及び端面を焼入れでき、焼入れ時間の
好適時間幅が大きく、焼入れ時間の設定が極めて
容易であつた。
試験結果より、軸受外輪の回転数が0.72×106回
転(実車使用3年分に相当)となつたとき、本発
明品(試料5)はある程度摩耗しているのに対し
て従来品(試料6)はほとんど摩耗せず、逆に本
発明品に対応するタイヤは従来品に対応するタイ
ヤよりも摩耗量が1/3程度であることが判明し
た。これは、本発明品の方が従来品よりも、マス
トレールのレール面摩耗防止用製品としてはるか
に優れていることを示している。ちなみに、マス
トレールはマストローラ用軸受に比較してはるか
に製品コストが高い。また、本発明品の摩耗の程
度は実用上支障のない範囲内にある。 この発明は以上のように内径側の焼入れ硬化部
の焼入れ深さが、断面においてみると軸受の放射
方向外方に中心点を持つ曲率半径Rの凹曲線に
ほゞ近似して連続する焼入れ境界部が形成される
如く軸受の軸方向の中心部から両端面に至るに従
つて漸増されているので、軌道面に剥離のおそれ
がなく、かつ、軸受の外輪としての破壊強度が高
く、しかも、材料が一般構造用鋼材からなり、外
周面側が材料の調質かたさとほゞ同等のかたさの
非焼入れ硬化部となされているので、大荷重、衝
撃力に対しても強いじん性を有すると共に外周面
と接触する相手側レール面の摩耗がほとんどな
い。 さらに一般構造用鋼材からなり、内径側の焼入
れ硬化部の焼入れ深さが、軸受の軸方向の中心部
から両端面に至るに従つて漸増され、端面のほゞ
外周面近くまで焼入れされているので、端面と、
該端面と接触するレールとの間のすべり接触に対
する耐摩耗性を具備し、しかも1回の焼入れ処理
で、内径面及び端面を焼入れでき、焼入れ時間の
好適時間幅が大きく、焼入れ時間の設定が極めて
容易であつた。
第1図は従来の外輪を示す縦断面図、第2図,
第3図はそれぞれこの発明の実施例を示す縦断面
図、第4図はこの発明に係る焼入れ装置の一例を
示す縦断面図、第5図はかたさ分布を示す図、第
6図は外輪の硬化層パターンを示す断面図、第7
図は破壊強度試験の試験方法説明図、第8図は摩
耗試験の試験方法説明図、第9図および第10図
は同摩耗試験の試験結果を示す線図である。 10,10′……外輪、11……焼入れ硬化
部、12……焼入れ境界部、13,14……端
面。
第3図はそれぞれこの発明の実施例を示す縦断面
図、第4図はこの発明に係る焼入れ装置の一例を
示す縦断面図、第5図はかたさ分布を示す図、第
6図は外輪の硬化層パターンを示す断面図、第7
図は破壊強度試験の試験方法説明図、第8図は摩
耗試験の試験方法説明図、第9図および第10図
は同摩耗試験の試験結果を示す線図である。 10,10′……外輪、11……焼入れ硬化
部、12……焼入れ境界部、13,14……端
面。
Claims (1)
- 【特許請求の範囲】 1 内径側を部分焼入れして所要の焼入れかたさ
となし、外周面側を材料の調質かたさとほゞ同等
のかたさの非焼入れ硬化部となす軸受の外輪であ
つて、 材料が一般構造用鋼材からなり、 内径側の焼入れ硬化部の焼入れ深さが、断面に
おいてみると軸受の放射方向外方に中心点を持つ
曲率半径Rの凹曲線にほゞ近似して連続する焼入
れ境界部が形成される如く軸受の軸方向の中心部
から両端面に至るに従つて漸増され、 端面のほゞ外周面近くまで焼入れされているこ
とを特徴とする ローラ兼用軸受の外輪。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP6014581A JPS57174414A (en) | 1981-04-21 | 1981-04-21 | Outer ring of roller and bearing in one |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP6014581A JPS57174414A (en) | 1981-04-21 | 1981-04-21 | Outer ring of roller and bearing in one |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPS57174414A JPS57174414A (en) | 1982-10-27 |
JPS6152215B2 true JPS6152215B2 (ja) | 1986-11-12 |
Family
ID=13133678
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP6014581A Granted JPS57174414A (en) | 1981-04-21 | 1981-04-21 | Outer ring of roller and bearing in one |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPS57174414A (ja) |
Families Citing this family (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2010025311A (ja) * | 2008-07-24 | 2010-02-04 | Nsk Ltd | 転がり軸受及びその製造方法 |
JP5298683B2 (ja) * | 2008-07-24 | 2013-09-25 | 日本精工株式会社 | 転がり軸受及びその製造方法 |
-
1981
- 1981-04-21 JP JP6014581A patent/JPS57174414A/ja active Granted
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPS57174414A (en) | 1982-10-27 |
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