JPS6151791B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は静電写真複写機に係り、更に具体的に
は機械部品、特に帯電用コロナ発生器に付着する
トナー及びキヤリア・ビーズを防ぐことに係る。

転写形式の静電写真複写機において、光導電体
を取付ける為の回転ドラムあるいはベルトのよう
な支持表面を用いることが一般的であり、この上
に原稿の像が形成される。この処理は、原稿から
反射された光線によつてこの光導電体を露光する
前に、比較的高い電圧レベルにこの光導電体を帯
電することが必要になる。これによつて、この光
導電体は、受光した光線の強度に基づく電荷に放
電され、原稿の静電像を帯びる。代表的に、現像
はトナーと称される黒粉物質を用いることによつ
てなされ、このトナーは放電領域より高い電荷の
未放電領域に被着される。この黒粉のトナーがコ
ピー用紙に転写され、このコピー用紙は原稿の像
を帯びる。次にトナーは完成されたコピーを形成
する為にコピー用紙に融着される。

原稿から反射された光線によつてこの光導電体
を露光する前にこの光導電体上に置かれた一様な
静電電荷は、代表的に帯電用コロナ発生器によつ
て形成される。この帯電用コロナ発生器は、放射
ワイヤーのまわりの空気をイオン化しそしてこの
光導電体表面に帯電流を形成するように高い電圧
レベルに上げられた必要数量の放射ワイヤーから
なる。このようなコロナ発生器は先行技術で公知
であり、米国特許第3736424号によつて開示され
ている。

最近のもつとも代表的な現像機構は、米国特許
第3999514号によつて開示された磁気ブラシ現像
装置である。この形式の現像装置は、基本的にシ
エル内部の永久磁石をとりまいている中空の回転
する導体のシエルからなる。この永久磁石は、容
器から現像領域へ磁性材を運ぶ為に回転シエルの
表面に磁性材を吸引するように作用する。いくつ
かのケースにおいて、この磁性材はトナーでもよ
く、他のケースにおいては非磁性トナーで覆われ
た小さな鉄製のキヤリア・ビーズを用いることが
所望されてもよい。このように、この鉄製のビー
ズはこのシエル内の永久磁石によつてこの回転シ
エルに吸引され容器から現像領域へこのシエル表
面を回転される。この現像領域で、このトナーは
この鉄製のキヤリア・ビーズから離されそして原
稿の像の上に被着される。この時に、この鉄製の
キヤリア・ビーズと余分なトナーは現像領域から
容器へ落下され且つ戻される。

このトナー粒子はたとえば正電荷でよい静電荷
すなわち摩擦電荷を帯びる。この鉄製のビーズは
負の摩擦電荷を帯びるテフロンのような材料で被
覆されてもよい。従つて、この正電荷のトナーは
負電荷のキヤリア・ビーズに吸引され、この結果
このキヤリア・ビーズが磁気的にこの磁気ブラシ
ロールの表面に吸引されて現像領域へ運ばれる。
この現像領域での動揺作用によつて、このトナー
はこのキヤリア・ビーズから離されそしてもしも
このトナーが正電荷であるならば高い負電荷の光
導電体の表面に吸引される。かくして、前述の構
成において、この帯電用コロナ発生器は、この光
導電体の上に負電荷を置く負のコロナ発生器でな
ければならない。この帯電用コロナ発生器の構造
は光導電体の形式にもとづいて逆にでき、即ちこ
の帯電用コロナ発生器は正電荷を置くことができ
そしてこのトナー材が負の摩擦電荷を帯びること
ができる。

正反対に帯電された光導電体への静電吸引作用
にかかわらず、任意のトナー粒子がこの光導電体
表面からにげ且つこの機械本体へ移動する傾向が
あることがわかつた。トナー付着による汚染の大
部分は、転写動作の結果として光導電体から解放
されたトナー粒子がコピー用紙の表面に捕獲され
なかつた場合に生じると信じられる。

このはぐれたトナーのほとんどは、回転型光導
電体とともに回転する空気の境界層内に捕獲され
且つ乗せられる。トナーのような黒い、粉体の如
き物質が、機械に付着することは通常問題を起
し、特に負のコロナ発生器に付着物を生じること
は面倒である。例えば、負の帯電用コロナ発生器
が用いられると仮定する。もしも正に帯電された
トナーがこの帯電用コロナ発生器のハウジングに
被着したならば、このトナーは恐らくこの負の放
射ワイヤーに当り且つこのワイヤーに付着するこ
とになる。時間が経過するにつれ、この放射ワイ
ヤー上への堆積は、この付着物によつて生じた節
即ち熱点を形成する為に、形成されたコピー上に
しまを生じる。正の帯電用コロナ発生器が用いら
れた時には、負のプレクリーン用コロナ発生器が
用いられなければならずそして類似した問題がプ
レクリーン用コロナ発生器に生じる。更に、コロ
ナ発生器にトナー付着物をもたらすハウジング内
の渦及び境界層の乱れを発生する低圧力領域がコ
ロナ・ハウジングに存在することがわかつた。そ
れ故に、一般的な本発明の目的は、このコロナ・
ハウジングへの通路にみられるトナーの量を減少
することによつて静電写真複写機のコロナ発生器
内への付着物を減少することである。

トナー付着物に加えて、鉄製のキヤリア・ビー
ズは時おりこの磁気ブラシ現像装置からにげそし
てこの光導電体表面からはこび出される。これら
のはぐれた鉄製のキヤリア・ビーズは、光導電体
の高い電荷領域と放電された領域との境界に設定
された縁静電界（fringe electrostatic fields）
（以下縁電界という）によつて回転表面上に保持
される。もしも何かがこの縁電界に干渉するなら
ば、このはぐれたキヤリア・ビーズはこの光導電
体からゆるめられそしてこの機械へとにげる。も
しもこれらのビーズがコロナ・ハウジングへ拡散
されるならば、コロナ発生器にアーク放電が起
る。それ故に、一般的な本発明の目的ははぐれた
キヤリア・ビーズをこの光導電体表面から除去す
ることであり、これらのキヤリア・ビーズをほと
んど影響しない領域へ沈積することである。

コロナ発生器へのトナー付着物が、この光導電
体とともに移動する空気の境界層内にトナー粒子
を乗せていること及びこのコロナ・ハウジングに
よりこの境界層からこれらのトナー粒子を離すこ
とにほとんど依存することがわかつた。従つて、
排気室は、トナーがコロナ・ハウジングに達する
前にこの境界層から除去する為に設けられた。こ
のことは、トナー粒子を乗せたこの境界層が排気
室に引き込まれそして真空力によつてそこから除
去される為にこの境界層に関してベンチユリ管を
形成するようにこの排気室に曲率を有した先縁を
提供することによつて達成される。この排気室の
曲率を有した先縁の構造は又、はぐれたキヤリ
ア・ビーズをドラムの表面に保持している縁電界
を干渉する作用を有する。即ち、はぐれたキヤリ
ア・ビーズをこのドラムの表面からゆるめ且つこ
れらのビーズを排気室へ取り除く。

更に、もしも正のプレクリーン用コロナ発生器
が用いられるならば、縁電界を除去するように光
導電電荷を中性化する為に、このプレクリーン用
コロナ発生器がこの排気室内に含まれてもよいこ
とがわかつた。縁電界を除去することによつて、
はぐれたビーズはこの排気室へ落下しそしてこれ
らのビーズがコロナ性能にほとんど影響しないあ
る領域に集収される。

本発明の主要な要素は、ドラム表面から離され
たキヤリア・ビーズを排気室に落下させ且つ可能
なかぎりこの境界層のほとんどをはがす為に、こ
のドラム表面に接近してこの排気室の後縁を配置
することである。しかしながら、この後縁がこの
ドラム表面に接近して配置されると、この後縁は
曲率を有した先縁に用いられたのと同様に残留し
ている縁電界に干渉し、キヤリア・ビーズをゆる
める。このゆるめ作用は、はぐれたキヤリア・ビ
ーズをこの光導電体から排気室の外部へ回動させ
る。これを防ぐ為に、この後縁は光導電体上に残
留している縁電界及びビーズを干渉しないように
鋭い縁のような形状にされる。

本発明の他の主要な要素は、空気の回転してい
る境界層を干渉しないようにこのコロナ発生器の
先縁をこのドラムの表面から十分な距離を保つて
配置することによりコロナ・ハウジング内の渦形
成を防ぐことである。又このコロナ発生器の後縁
はこのドラムの表面からわずかに離してありそし
て曲率を有した形成にされる。このようにして、
この境界層はこのコロナ・ハウジング内に広がら
ずそして縁電界との干渉がほとんどない。

第１図は本発明に関する周辺装置を示し且つ転
写形式の代表的な静電写真複写機を示す。静電写
真ドラム１０が示され且つその上に光導電性（以
下光導電体と称す）表面１１が設けられている。
帯電用コロナ発生器１２が静電荷を発生させそし
てこの静電荷は光導電体１１の表面を横切つて一
様に置かれる。このドラムがＡ方向に回転する
と、この帯電された光導電体は露光ステーシヨン
１３を通過されそしてそこで原稿の像がこの光導
電体表面の上に結像される。原稿はガラス・プラ
テン１４の上に置かれそして光学系モジユール１
５の中に配置された光学系機構（図示せず）によ
つて結像される。

この像が光導電体上に結像されてしまうと、こ
の光導電体は現像機構１６を通過して回転し続
け、この現像機構でこの像は、この静電像の上に
トナーを降り注ぐことによつて現像される。先行
技術で公知であるように、原稿が露光ステーシヨ
ン１３で結像される時に、原稿の白色部分は大き
な光量を反射し、この光量に相当して光導電体表
面１１を放電させる。他方、原稿の黒色部分は小
さな光量を反射しそしてそれ故に光導電体はこれ
らの領域の電荷のほとんどを残す。原稿のカラー
部分の反射光は、トナーが像の上にかぶされる時
に、高い電位の黒色領域が多量のトナー材を保持
し、カラー領域が少しのトナー材を保持しそして
白色領域がトナーをほとんど被着しないようにこ
の光導電体を種々の電位に放電させる。

現像後、ドラム１０は現像済み像を転写ステー
シヨン付近へ運ぶように回転し続け、この転写ス
テーシヨンでこの像は転写用コロナ発生器１７の
作用下に来る。この地点で、コピー受容媒体、通
常コピー用紙は電荷がコロナ発生器１７によつて
コピー用紙の背面にかけられるように回転型光導
電体表面に対して並置される。この後、このコピ
ー用紙はこの光導電体表面からはがされそしてコ
ピー用紙がはがされる時に、この用紙上の電荷は
この光導電体からトナーを取り除くように作用
し、かくしてこの像を光導電体からコピー用紙へ
転写する。転写後、ドラム１０は、光導電体が帯
電用コロナ発生器１２に対して反対極性のプレク
リーン用コロナ発生器の作用下にもち込まれるよ
うに回転し続ける。プレクリーン用コロナ発生器
１８の作用は、任意の残留トナーが光導電体から
除去されるようにこの光導電体表面上の全ての残
留トナーを中性化することである。

第１図に示され且つ２サイクル処理を示すこの
静電写真処理において、このドラムは、光導電体
表面から残留トナーを除去する為に今やプレクリ
ーン用コロナ発生器１８を通過して滅勢された帯
電用コロナ発生器１２の下へそしてクリーナのよ
うに作用する現像機構１６へ回転し続ける。この
光導電体は、再度付勢された帯電用コロナ発生器
１２に再び達するまで回転し続けそしてこの処理
は繰り返される。

コピー用紙は、ピン１９及び２０の中に貯蔵さ
れており、コピー用紙をコピー用紙通路２１に沿
つて転写ステーシヨンへ移動し且つ転写像を受容
した後、融着ロール２２及び２３によつて示され
る融着機構へ移動する適当な用紙給送機構によつ
て移動される。この融着機構は、コピー用紙上に
トナーを融着させそして原稿の永久像をこのコピ
ー用紙上に形成する。コピー用紙はコレクタ２４
へ移動する。

第１図に関して述べた複写機のような代表的な
静電写真複写機において、この光導電体は、かな
り速い速度で回転するドラム１０のような支持表
面上に含まれる。移動物体がこの移動物体の表面
まわりに空気の境界層を形成する傾向があり、こ
の結果空気のこの境界層がこの移動物体と同じ速
度で移動する傾向があることが公知である。第２
図は、第１図に示すドラム１０に類似した回転し
ている静電写真ドラムのまわりに存在することが
発見された境界層流の図表を示す。第２図に示す
曲線を形成する為に、このドラムが回転した時の
この特定な周速度は、345.5mm／秒であつた。こ
のドラムの表面に隣接してもつとも近い空気の境
界層は、点３０で示すようにドラムの速度で回転
する。曲線３１は、このドラム表面からの距離が
増加するにつれ、ドラムとともに回転する空気の
速度が小さな値に降下することを示す。ここにお
いて、第２図に示す空気の境界層が、離れたトナ
ー粒子、特に転写ステーシヨン付近の離れたトナ
ー粒子を捕獲し且つこの境界層が乱されると結局
静電写真機のコロナ・ハウジング及び他の領域に
これらの離れたトナー粒子を付着させることがわ
かつた。テストは、多量のトナーが転写形式の複
写機の境界層内に乗せられていることを示してい
る。

第３図は、この境界層内に乗せられた１つのト
ナー粒子に作用する力の関係図である。力３２
は、境界層内にトナーを保持する力であるから特
に関係がある。力３２は、第２図に最もよく示さ
れるベルヌイ効果によつて発生される。第２図に
おいて、寸法を拡大して示したトナー粒子は３３
で示される。このドラム表面に一番近いトナー粒
子の表面が線３４によつて示され、このドラム表
面から一番遠いこの粒子の側面である表面３５に
隣接した空気速度よりもこの一番近い表面に隣接
した空気速度が幾分速いことをこの線３４が示し
ている。この速度差の結果、ベルヌイの力３２が
発生されそしてトナー粒子３３をドラム表面に向
つて引つぱる傾向にあることがわかる。

第３図は、この境界層から引きはなす傾向にあ
る遠心力３６、トナー粒子の質量に作用する重力
である力３７、空気流体中のこのトナー粒子の浮
力である力３８、トナー粒子が移動する時にこの
トナー粒子上を流れる空気の種々の抗力の合力で
ある力３９及びトナー粒子がこの空気の粘性抗力
とトナー粒子が空気中を移動する時にトナー粒子
の前面に作用する空気の反力との合成力を示す。

第３図からわかるように、もしもベルヌイ効果
によつて発生された力３２が十分大きいならば、
このトナー粒子はこの境界層内に乗せられてい
る。もしも力３６，３７及び３９が力３２にまさ
り十分大きいならば、このトナー粒子はこの境界
層から回りながら離れ且つ機械の方へ流れ出る。
そしてそこでこのトナー粒子は機械部品に付着す
る可能性がある。力３８は無視できる。

コロナ発生器への付着物は、このような付着物
がコピー製品に重大な品質欠陥をもたらすから特
に大きな問題となる。負のコロナ発生器がトナー
付着物に非常に敏感であるが正のコロナ発生器は
比較的影響されない。従つて、負のコロナ発生器
が用いられる所では、付着物防止の為に特別な注
意が必要になる。このことに関して負及び正のコ
ロナ発生器の相異は十分理解されてない。

コロナ発生器上で行なわれたテストは、第３図
に示される渦４０のように渦がコロナ発生器ハウ
ジング内に発生されるような傾向があることを示
す。この渦は、一般に、４１で示されている領域
に低圧力の領域がつくられて境界層の一部をコロ
ナ発生器ハウジングの中に吸込み、回動する流れ
即ち舞つた流れを発生するために生じる。ここに
おいて、第４図のコロナ発生器の構造によつて示
されるように渦発生を防止することにより、渦発
生の問題及び放射ワイヤへの付着物の問題が解決
された。

第４図を参照するに、このハウジングの先縁４
２がドラム表面から十分な距離を保つて配置さ
れ、この結果空気の境界層４４が乱されずにこの
先縁４２の下を通過することがわかる。もしもこ
の先縁４２が通常の形式のようにドラム表面に近
接して配置されたならば、この境界層は乱されそ
して渦が上述のようにこのコロナ発生器ハウジン
グ内に発生される。

コロナ発生器ハウジングの後縁４３が曲げら
れ、この結果この曲形表面がこの境界層をこのコ
ロナ発生器ハウジングの領域の外へ層流状に移動
させる傾向があるからこのドラム表面から外側へ
のこの境界層の放射方向の任意の膨張がこの境界
層に乱れを起さないこともわかる。しかしなが
ら、重要なことに、この後縁４３の曲形表面はこ
の後縁４３のすぐ後ろに低圧力の領域を形成する
ことを防止する。この後縁４３が第３図に示すよ
うにこの境界層へ鋭い形状で延びている先行技術
の設計においては、低圧力の領域４５が形成さ
れ、トナーを含む境界層の一部が低圧領域４５へ
移動し、最終的に機械の他の部品へ移動してい
た。かくして、この後縁４３のこの設計は、この
機械のコロナ発生器及び他の部分へ付着する付着
物を最小化することを助け、先縁４２はコロナ発
生器内に渦を発生することを防止することによつ
てコロナ発生器への付着物を防止する傾向があ
る。ドラムと後縁４３のこの部分の間の距離がド
ラムと先縁４２の間の距離より大きくしなければ
ならないことがわかる。実験的に、ドラムが
345.5mm／秒で移動している所で、有効な境界層
はドラム表面から約６mmである。それ故に、この
コロナ発生器の先縁４２はこのドラム表面から６
mmの所に接近して配置されてはならず且つこの後
縁４３はわずかに離して配置されなければならな
い。

上述のコロナ発生器ハウジングの構造はコロナ
発生器への付着物を防ぐ為に重要であるが、この
境界層内に捕獲されたトナーを除去する基本的問
題はいまだ解決されていない。

ここにおいて、転写後に境界層内に捕獲された
多量のトナーが可能なかぎり除去されるように転
写装置のすぐ後にクリーニング手段を配置するこ
とにより空気の境界層を浄化する手段が提供され
た。このクリーニング手段は第５図に示され、こ
の境界層を真空室４７の中へすなわちＢ方向へ導
く為の手段を具備した排気室である。後者の手段
はこの手段とドラム表面の間にベンチユリ管４８
を形成するように曲形である排気室の先縁４６か
らなる。ベンチユリ管４８の作用は、先縁４６の
前方に低圧力の領域が形成されないようにそして
この境界層がこのベンチユリ管を通過するまでに
の境界層内に乗せられたトナー粒子がその中に保
持されるようにこの境界層を互いに圧迫した層流
を形成することである。更に、この境界層が先縁
４６を通過するや否や公知のベンチユリ効果は、
この境界層を排気室内で膨張させることであり、
かくしてこの真空はトナー粒子を乗せた空気を除
くことができる。排気室の後縁４９は、可能なか
ぎり多量の境界層がこのドラム表面からはくりさ
れるようにこの回転ドラム表面に可能なかぎり接
近して配置される。内部調節壁５６は、下方の室
４７の長手方向に更に一様な流れを確立するよう
に、空気流を制限する為に用いられる。かくし
て、トナーを乗せた粒子を含んだこの境界層が除
去されるように排気室４７が設けられた。

種々の機械部品に付着する多量のトナー付着物
を可能なかぎり防ぐことは良好な機械動作の為に
絶対必要であるが、機械本体の中へうしなわれる
キヤリア・ビーズの損失を防止することも又重要
である。あいにく、全てのキヤリア・ビーズを現
像装置内に完全に保持する成功裡な設計の現像装
置がなかつた。常に、微少割合のキヤリア・ビー
ズが現像装置から光導電体表面に運び出される。
第６図は、光導電体の露光されなかつた領域と露
光された領域の間に確立される縁電界５４によつ
てキヤリア・ビーズがドラム１０の表面上に保持
されることを示す。光導電体の露光されなかつた
領域において、電圧は極端に高く、例えば−
800Vであるが、光導電体の露光された領域にお
いては放電が起り、−150V内の電圧になる。従つ
て、縁電界５４はこれらの２つの異なる電圧レベ
ルの境界に確立されそしてキヤリア・ビーズはこ
の縁電界内に捕獲され、それによつてドラム表面
に保持される。例えば、第６図において、高い負
の電荷の露光されなかつた領域が一般的に５１で
示され、他方低い負の電荷の露光された領域が５
２に配置されている。キヤリア・ビーズ５３は、
縁電界５４の影響によつて光導電体表面上に定住
され且つそこに保持されて示されている。コロナ
発生器の壁であつてもよい壁４２は縁電界を干渉
するように示されている。

再び第１図を参照するに、プレクリーン用コロ
ナ発生器１８は正のコロナ発生器であり、このコ
ロナ発生器は光導電体上の負の電荷を中性化す
る。従つて、この光導電体がプレクリーン用コロ
ナ発生器１８の下を回転する時に、高い負の電荷
５１と低い負の電荷５２の両者は除去される。こ
の結果、縁電界５４がなくなり、キヤリア・ビー
ズ５３が遠心力の影響によつてドラム表面から回
動され、かくしてこのプレクリーン用コロナ発生
器を通過後キヤリア・ビーズはこの機械内へ失な
われそしてこの機械においてキヤリア・ビーズは
多数の問題を発生する。例えば、１つの問題は、
キヤリア・ビーズがコロナ発生器ハウジングへ回
動され、これらのハウジングに堆積されそして結
局はアーク放電を起すことである。

再び第５図を参照するに、排気室の先縁４６
が、導電平面として作用し、それによつて縁電界
をさまたげキヤリア・ビーズを追い出しそしてこ
れらのキヤリア・ビーズを排気室４７へ回動させ
る為に、ドラム表面に十分接近して配置され且つ
ドラム表面に沿つて十分な長さの外周長を必要と
することがわかつた。後縁４９は、このドラム表
面から追い出されたキヤリア・ビーズを受けとめ
そしてこれらのキヤリア・ビーズを排気室４７へ
はね返す為に、ドラム表面に接近して配置され
る。この方法において、キヤリア・ビーズは排気
室即ち空洞領域５５内に集められ、この空洞領域
でキヤリア・ビーズは保守要員によつて周期的に
除去される。

もしも排気室４７内にプレクリーン用コロナ発
生器１８を配置したならば、プレクリーン用コロ
ナ発生器の中性化効果とともに排気室４６の先縁
の縁電界阻止効果がほとんど全てのキヤリア・ビ
ーズをドラム表面から除去させそして排気室４７
へ回動させることが発見された。しかしながら、
もしもこのプレクリーン用コロナ発生器が排気室
内に配置されたならば、このプレクリーン用コロ
ナ発生器が正のコロナ発生器であることがわか
る。もしも特定な機械に用いられた特定な静電写
真処理が負のプレクリーン用コロナ発生器を必要
とするならば、このプレクリーン用コロナ発生器
はトナーによつて被着されるからこの排気室内に
配置できない。

この後縁４９が鋭い縁のような形状にされる方
が好ましいことが発見された。このことに関する
理由は、万一任意の縁電界が、それによつて保持
されたキヤリア・ビーズといつしよに残つた場
合、広い後縁４９がこれらの縁電界を干渉しそし
て先縁４６の設計において所望されたのと同様に
キヤリア・ビーズをゆるめることが起るからであ
る。かくして、広い後縁４９がキヤリア・ビーズ
を離脱させ、これらのビーズをこの機械へ即ち第
５図に示した構造の場合に帯電用コロナへ回動さ
せる。このことを防ぐ為に、鋭い縁は、これらの
縁電界が乱されず且つキヤリア・ビーズが光導電
体の表面上を回転し続けるように排気室の後縁４
９の為に用いられる。

ベンチユリ管を形成する先縁４６がこのドラム
表面に非常に接近して配置されず、なぜならばも
し接近して配置されたならば非常に強いベンチユ
リ効果が起り、トナーが光導電体表面及び境界層
から離脱されることがわかつた。このドラムが
345.5mm／秒で回転する機械に関して、ドラム表
面から約2.3乃至2.6mmの所にこの排気室の先縁を
配置することが望ましいことがわかつた。

第５図に示した実施例において、帯電用コロナ
が排気室に隣接して配置されることもわかる。こ
の帯電用コロナの先縁４２はこのドラム表面から
かなり離して配置されそして後縁４３は凸面の形
状をとり且つドラム表面からかなり離して配置さ
れる。放射線６０，６１及びグリツド線６２が示
されている。第７図は、排気室４７の先縁４６を
ちようど越えたドラム表面上の地点で計測された
測定値に関する境界層７０上のベンチユリ効果４
８を示す第２図に類似した図表である。第７図に
よつて示された膨張した境界層の為に、境界層内
に粒子３３をあらかじめ保持するベルヌイ力３３
は逆にされ、トナー粒子を排気室４７へにがす。

かくして、コロナ・ハウジング内の渦発生を防
止し、この境界層からトナーを除去し、光導電体
表面からキヤリア・ビーズを除去しそしてほとん
ど影響のない領域にこれらを堆積させるように設
計された付着物防止装置が以上のように説明され
た。これらの目的を達成する為に開発された本装
置は、効果的な境界層の外側に先縁を有し、少な
くともこの光導電体からかなり離され且つ等価な
形状である後縁を有したコロナ・ハウジングと、
ベンチユリ効果を発生するように構成された先縁
を有し、ドラム表面に接近して配置され且つ鋭い
縁のような形状にされた後縁を有した排気室とか
らなる。

【図面の簡単な説明】

第１図は転写形式の静電写真複写機の図、第２
図は境界層流の外形を示した図表、第３図は境界
層内に乗せられたトナー粒子に作用する種々の力
を示した図、第４図はハウジング内の渦を最小化
するように設計したコロナ・ハウジングの図、第
５図は、プレクリーン用コロナが中に配置された
本発明の排気室の図、第６図は光導電体表面にキ
ヤリア・ビーズを保持している縁電界の図、第７
図は第２図に類似し、排気室のベンチユリ型先縁
の効果を示す図表である。 ４２，４６……先縁、１８……プレクリーン用
コロナ発生器、４９，４３……後縁、４７……排
気室、１１……光導電体、１２……帯電用コロナ
発生器、１６……現像機構、１０……ドラム、１
７……転写用コロナ発生器。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 移動する光導電体の表面と共に空気の境界層
   が移動する転写形式の静電写真複写機であつて、
   下記の(イ)乃至(ト)を備える静電写真複写機。 (イ) 上記移動する光導電体を保持する為の保持表
   面体。 (ロ) 上記光電体上に比較的一様な電荷を与える帯
   電手段。 (ハ) 複写される対象物の暗度に従つて上記帯電さ
   れた光導電体を放電し、上記光導電体上に上記
   対象物の静電像を形成する為の露光手段。 (ニ) トナー粒を上記静電像上に被着させる為の現
   像手段。 (ホ) 上記光導電体からコピー受容媒体へ上記トナ
   ー粒を転写させる転写手段。 (ヘ) 上記転写手段の下流であつて上記帯電手段の
   上流に上記移動する光導電体に沿つて配置され
   た室であつて、上記室は境界層内に入り込むよ
   うに位置決めされた先縁を有し、上記先縁は上
   記境界層を実質的に乱すことなく上記境界層を
   圧縮された層流として上記室内へ導き上記室内
   で上記境界層を膨張させるように、上記光導電
   体の表面と共にベンチユリ作用を行なう曲面形
   状を有し且つ上記光導電体の表面に対して所定
   の間隔で配置されているもの。 (ト) 上記室に接続された排気手段。 ２ 上記室は、上記光導電体の表面から上記境界
   層をはぎ取つて上記室内へ導くために上記表面に
   近接して位置決めされた後縁を有することを特徴
   とする特許請求の範囲第１項記載の静電写真複写
   機。 ３ 上記トナー粒は上記現像手段において磁性キ
   ヤリア・ビーズによつて現像領域に運ばれ、上記
   室の上記先縁は導電性を有して上記静電像による
   縁電界と干渉し、この縁電界により上記光導電体
   の表面に保持されているキヤリア・ビーズを上記
   光導電体の表面から解放して上記室内へ取り込ま
   せるようにすることを特徴とする特許請求の範囲
   第１項又は第２項記載の静電写真複写機。