JPS6149010B2 - - Google Patents
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- JPS6149010B2 JPS6149010B2 JP10359676A JP10359676A JPS6149010B2 JP S6149010 B2 JPS6149010 B2 JP S6149010B2 JP 10359676 A JP10359676 A JP 10359676A JP 10359676 A JP10359676 A JP 10359676A JP S6149010 B2 JPS6149010 B2 JP S6149010B2
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- straightening
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Landscapes
- Metal Rolling (AREA)
- Straightening Metal Sheet-Like Bodies (AREA)
Description
本発明は清涼飲料缶、ビール缶、ジユース缶等
に使用される製缶用高張力鋼板の製造方法に係る
ものである。 従来、製缶用鋼板としてブリキやテインフリー
スチール等が使用されているが、現在まで製缶コ
スト低減のため使用鋼板の重量節減の努力がなさ
れてきており、例えばスリーピース缶の缶胴に使
用されている鋼板の板厚は漸次薄くなると共に、
それによる缶強度の低下を防ぐため、より強度の
大きい高張力鋼板が使用されるようになつてき
た。 このような製缶用高張力鋼板の製造は、従来主
に次の例に述べるような2回冷間圧延法によつて
行なわれている。 例 1 板厚約2.0mmの熱間圧延鋼ストリツプを5スタ
ンドタンデム冷間ストリツプミルで冷間圧延して
板厚0.20mmの冷延鋼ストリツプとする。 次に中間焼鈍工程を経てさらに2スタンドタン
デム冷間ストリツプミルで再冷間圧延を行ない、
最終的に0.17mmの板厚にする(再圧延率15%)。 例 2 板厚約2.0mmの熱間圧延鋼ストリツプを5スタ
ンドタンデム冷間ストリツプミルで冷間圧延して
板厚0.4mmの冷延鋼ストリツプとする。 次に中間焼鈍工程を経てさらに2スタンドタン
デム冷間ストリツプミルで再冷間圧延を行ない、
最終的に0.26mmの板厚にする(再圧延率35%)。 このような製造方法は多くの熱エネルギーを消
費する中間焼鈍工程と再冷間圧延工程を伴うた
め、必ずしも経済的な製缶用高張力鋼板の製造法
ではないので、より合理的な製造方法が求められ
ている。 その1つの解決方法として、中間焼鈍を施すこ
となく、熱間圧延鋼ストリツプを製缶用鋼板の最
終板厚まで1度に冷間圧延する試みがある。しか
しこのような方法によつて製造された冷延鋼板
は、冷間圧延率が非常に大きいため強度は大であ
るが延性が極めて小さいので、製缶工程でフラン
ジ割れを起こし易く、また形状性と平坦性が悪い
ので印刷等の製缶工程でトラブルを起こし易く、
したがつて製缶用鋼板としては使用することので
きないものであつた。 他に高圧延率の冷間圧延を施こした冷延鋼板に
対し、焼鈍以外の手段によつて延性を与える方法
としては、特開昭48−9221号において、冷間圧延
後再結晶温度より低い温度で歪取り熱処理し、し
かる後調質圧延を行なう方法が開示されている
が、この方法も従来法と同様にかなりの設備コス
トおよび熱エネルギーを要するため、製缶用鋼板
製造コストの低減には余り有効でない。 本発明は、形状性と平坦性が良好でしかも十分
な延性を有する高張力鋼板の経済的な製造を目的
とするものであり、かかる目的を1回圧延法と極
小曲げ半径での曲げによる形状矯正法(レベリン
グ)によつて達成しようとするものである。 冷間圧延された鋼板の形状性と平坦性を向上さ
せる方法としては、通常はローラレベラ、テンシ
ヨンレベラ等のレベラ類が使用されるのであるが
製缶用高張力鋼板のように板厚が通常0.4mm以下
と薄く、圧延率が15〜95%と高く、抗張力がほぼ
50〜90Kg/mm2に及ぶ強度の大きい鋼板に対して
は、従来型式のレベラで通常採用されている最小
ワークロール径は約20mmであるため、これらのレ
ベラは矯正効果はほとんど得られなかつた。 また製缶用鋼板の製造コスト低減のため、冷間
圧延機とレベラを直結して工程の省略化を図るこ
とも考えられたが、冷間圧延機の圧延速度は例え
ば2000m/min.と速いのに対し、従来のレベラの
矯正可能最大速度は400m/min.と遅いため、生
産性のよい冷間圧延機とレベラの直結ラインは実
現されないままであつた。 このような形状性と平坦性がよい製缶用高張力
鋼板製造上の難点を解決するため、本願の発明者
は種々の研究を行なつた結果、熱間圧延鋼ストリ
ツプを冷間圧延した後、引張られた状態で曲げ半
径と板厚の比が50以下の曲げ半径で、鋼ストリツ
プに対して少なくとも1回以上の曲げを、その曲
げの方向が順次反対になるように与えることによ
つて、形状の良好な、すなわちウエーブや中延び
のない、しかも延性の十分な製缶用高張力鋼板を
経済的に製造することができることを見出した。 また、熱間圧延鋼ストリツプを冷間圧延した
後、引張られた状態で曲げ半径と板厚の比が50以
下の曲げ半径で、該鋼ストリツプに対して少なく
とも1回以上の曲げを与えたのち、さらに、上記
曲げ半径の2倍以下の曲げ半径と2倍から6倍の
曲げ半径で、該鋼ストリツプに対して、それぞれ
少なくとも1回以上の曲げを、各々の曲げの方向
が順次反対になるように与えることによつて、形
状性と平坦性のすぐれた、すなわち形状が良好で
あつて、かつそりがなく、かつ延性の十分な製缶
用鋼板を製造することができることを見出した。 このような小さな曲げ半径を鋼ストリツプに与
え、かつ高速矯正を可能ならしめる方法として
は、例えば本願発明者の1人が先に発明したとこ
ろの加圧流体を利用した形状矯正用工具を用いて
金属ストリツプの形状を矯正する技術(特公昭50
−28386号、特公昭51−15831号および特公昭50−
35904号)を採用することができる。 またこのように引張られた状態で鋼ストリツプ
が小さな曲げ半径で曲げられた場合、特開昭50−
9564号に開示されているように延性回復の効果も
あることが明らかである。 以下に実施例によつて本発明を説明する。 板厚2.0mmの熱間圧延鋼ストリツプを5スタン
ドタンデム冷間ストリツプミル3で板厚0.17mmま
で中間焼鈍を行なうことなく冷間圧延を行なつ
た。圧延後鋼ストリツプの抗張力は81.3Kg/mm2
で、中延びの高さは平均5mmであつて形状が悪
く、かつそりも大きく、延性も伸びて0.5%と小
さく、このままでは製缶用鋼板としては不適格で
あつた。これに対し第1図に示すように5スタン
ドタンデム冷間ストリツプミル3の直後に矯正装
置24(特公昭51−15831号の原理にもとづく)
を設置し、1000m/min.の速度で鋼ストリツプ1
を通過せしめ、熱間圧延鋼ストリツプを2.0mm厚
より0.17mm厚まで冷間圧延した後、直ちに2個の
形状矯正用工具4で曲げ半径4mm、そり矯正用工
具5で曲げ半径4mm、そり矯正用工具6で曲げ半
径12mmの曲げを、その曲げ方向が順次反対になる
ように与えたところ、中延びおよびそりの量は実
質的に0となり、かつ延性は伸び6%と向上し、
製缶用鋼板として適格品を得ることができた。 したがつて従来の2回冷間圧延と中間焼鈍、あ
るいは歪取り熱処理と調質圧延などの工程を、冷
間圧延と直結された高速矯正工程に置換えること
ができ、工程が大きく省略化された。 第1図に示すように熱間圧延鋼ストリツプは巻
戻しリール2のコイルから供給され、5スタンド
タンデム冷間ストリツプミル3により圧延された
後、2個の形状矯正用工具4およびそり矯正用工
具5,6によつて曲げを、その曲げの方向が順次
反対になるように与えられてから、出口側ブライ
ドル7を通り、巻取りリール8によつて巻取られ
る。 ここに形状矯正用工具4はウエーブ、中延びな
どの形状不良を矯正するものであり、そり矯正用
工具5は主に直角ぞりを、そり矯正用工具6は平
行ぞりを矯正する目的で設けられている。本実施
例においては、形状矯正用工具4によつて2回の
曲げが、また引続いてそり矯正用工具5および6
によつてそれぞれ1回の曲げが、鋼ストリツプ1
に対して、その曲げの方向が順次反対になるよう
に与えられ、平坦性を得るものである。 なお鋼ストリツプ1の張力は出口側ブライドル
7によつて一定に保持される。 第2図は形状矯正用工具4の断面図を示したも
のであつて、本工具の長さ方向(すなわち鋼スト
リツプの巾方向)にわたつて一定の間隔に設けら
れた細孔11を通つて、加圧流体(水、圧延油エ
マルジヨン等)がポケツト12より噴出して鋼ス
トリツプ1を曲げながら浮上せしめる。本実施例
では、細孔11は巾方向に5mm間隔に配置され、
加圧流体としては圧延油の10%エマルジヨンを使
用し、流体圧力は90Kg/cm2であつた。鋼ストリツ
プに与える曲げ半径は本工具先端13の形状およ
び寸法によつて定められる。形状矯正用工具4の
先端13の形状はほぼ円筒面に近く、その曲げ半
径と板厚の比が50以下になるように先端曲げ半径
が定められる。 そり矯正用具5,6に関しては、その工具先端
の曲げ半径が異なるだけで、他の構造などは形状
矯正用工具4と同じでさしつかえない。 直角ぞり矯正のためのそり矯正用工具5の先端
の曲げ半径は、形状矯正用工具4のそれの2倍以
下に選ばれ、また平行ぞり矯正のためのそり矯正
用工具6の先端の曲げ半径は、形状矯正用工具の
それの2倍から6倍に選ばれる。 形状矯正用工具およびそり矯正用工具として
は、特公昭50−28386号に記載された、巾方向全
長にわたつて加圧流体により浮上せしめられる極
小径ロールを使用しても同様の効果をあげること
ができる。 また第3図に示すように冷間圧延工程と直結せ
ずに、これとは別ラインに矯正装置を設けて製缶
用鋼板を製造することもできる。 第3図の矯正装置25において、鋼ストリツプ
14は巻戻しリール15のコイルから供給され、
入口側ブライドル21を通つてから、2個の形状
矯正用工具16によつて2回の曲げを、また直角
ぞりを主に矯正するそり矯正用工具17および主
に平行ぞりを矯正するそり矯正用工具18によつ
てそれぞれ1回の曲げを、その曲げの方向が順次
反対になるように与えられる。しかる後鋼ストリ
ツプ14は出口側ブライドル19を通つて巻取り
リール20によつて巻取られる。 以上のような製缶用高張力鋼板として適格であ
る形状を得るためには、第1表の実験例に示すよ
うに形状矯正用工具4による鋼ストリツプ曲げ半
径と板厚の比が50以下でなければならない。 また直角ぞりを矯正するためのそり矯正用工具
に関しては、第2表に示すごとくそり矯正用工具
5の先端曲げ半径が形状矯正用工具4のそれの2
倍以下の場合に直角ぞり矯正効果が顕著であり、
2倍より大きくなるとその効果が減少する。 さらに平行ぞりを矯正するためのそり矯正用工
具に関して、第3表に示すように、そり矯正用工
具6の先端曲げ半径が形状矯正用工具4のそれの
2倍から6倍である場合が有効である。 2倍より小さい場合、平行ぞり矯正用工具を鋼
ストリツプ14が通過する時新たに直角ぞりが生
じ、また6倍より大きい場合、平行ぞり矯正効果
自体が期待できない。 また延性回復に関しては、以上の実験例におい
て、いづれの場合も、矯正後の鋼ストリツプの伸
びは製缶作業に必要な6%前後が得られた。 以上のことが種々の実験の結果判明した。 以上述べたように本発明により、冷間圧延後、
中間焼鈍、調質圧延あるいは再冷間圧延工程を含
まない製造工程によつて形状性と平坦性が良好で
延性の十分な製缶用高張力鋼板を製造することが
できるようになり、従来法に比して工程の省略が
大巾に行なわれるため、製造コストの低減が可能
となつた。 なお、以上の説明および図面は、発明の原理を
十分に理解しうるために示されたものであり、決
して本発明を限定するものではなく、特許請求の
範囲内で本発明は、多くの変更や修正を行なうこ
とが可能である。
に使用される製缶用高張力鋼板の製造方法に係る
ものである。 従来、製缶用鋼板としてブリキやテインフリー
スチール等が使用されているが、現在まで製缶コ
スト低減のため使用鋼板の重量節減の努力がなさ
れてきており、例えばスリーピース缶の缶胴に使
用されている鋼板の板厚は漸次薄くなると共に、
それによる缶強度の低下を防ぐため、より強度の
大きい高張力鋼板が使用されるようになつてき
た。 このような製缶用高張力鋼板の製造は、従来主
に次の例に述べるような2回冷間圧延法によつて
行なわれている。 例 1 板厚約2.0mmの熱間圧延鋼ストリツプを5スタ
ンドタンデム冷間ストリツプミルで冷間圧延して
板厚0.20mmの冷延鋼ストリツプとする。 次に中間焼鈍工程を経てさらに2スタンドタン
デム冷間ストリツプミルで再冷間圧延を行ない、
最終的に0.17mmの板厚にする(再圧延率15%)。 例 2 板厚約2.0mmの熱間圧延鋼ストリツプを5スタ
ンドタンデム冷間ストリツプミルで冷間圧延して
板厚0.4mmの冷延鋼ストリツプとする。 次に中間焼鈍工程を経てさらに2スタンドタン
デム冷間ストリツプミルで再冷間圧延を行ない、
最終的に0.26mmの板厚にする(再圧延率35%)。 このような製造方法は多くの熱エネルギーを消
費する中間焼鈍工程と再冷間圧延工程を伴うた
め、必ずしも経済的な製缶用高張力鋼板の製造法
ではないので、より合理的な製造方法が求められ
ている。 その1つの解決方法として、中間焼鈍を施すこ
となく、熱間圧延鋼ストリツプを製缶用鋼板の最
終板厚まで1度に冷間圧延する試みがある。しか
しこのような方法によつて製造された冷延鋼板
は、冷間圧延率が非常に大きいため強度は大であ
るが延性が極めて小さいので、製缶工程でフラン
ジ割れを起こし易く、また形状性と平坦性が悪い
ので印刷等の製缶工程でトラブルを起こし易く、
したがつて製缶用鋼板としては使用することので
きないものであつた。 他に高圧延率の冷間圧延を施こした冷延鋼板に
対し、焼鈍以外の手段によつて延性を与える方法
としては、特開昭48−9221号において、冷間圧延
後再結晶温度より低い温度で歪取り熱処理し、し
かる後調質圧延を行なう方法が開示されている
が、この方法も従来法と同様にかなりの設備コス
トおよび熱エネルギーを要するため、製缶用鋼板
製造コストの低減には余り有効でない。 本発明は、形状性と平坦性が良好でしかも十分
な延性を有する高張力鋼板の経済的な製造を目的
とするものであり、かかる目的を1回圧延法と極
小曲げ半径での曲げによる形状矯正法(レベリン
グ)によつて達成しようとするものである。 冷間圧延された鋼板の形状性と平坦性を向上さ
せる方法としては、通常はローラレベラ、テンシ
ヨンレベラ等のレベラ類が使用されるのであるが
製缶用高張力鋼板のように板厚が通常0.4mm以下
と薄く、圧延率が15〜95%と高く、抗張力がほぼ
50〜90Kg/mm2に及ぶ強度の大きい鋼板に対して
は、従来型式のレベラで通常採用されている最小
ワークロール径は約20mmであるため、これらのレ
ベラは矯正効果はほとんど得られなかつた。 また製缶用鋼板の製造コスト低減のため、冷間
圧延機とレベラを直結して工程の省略化を図るこ
とも考えられたが、冷間圧延機の圧延速度は例え
ば2000m/min.と速いのに対し、従来のレベラの
矯正可能最大速度は400m/min.と遅いため、生
産性のよい冷間圧延機とレベラの直結ラインは実
現されないままであつた。 このような形状性と平坦性がよい製缶用高張力
鋼板製造上の難点を解決するため、本願の発明者
は種々の研究を行なつた結果、熱間圧延鋼ストリ
ツプを冷間圧延した後、引張られた状態で曲げ半
径と板厚の比が50以下の曲げ半径で、鋼ストリツ
プに対して少なくとも1回以上の曲げを、その曲
げの方向が順次反対になるように与えることによ
つて、形状の良好な、すなわちウエーブや中延び
のない、しかも延性の十分な製缶用高張力鋼板を
経済的に製造することができることを見出した。 また、熱間圧延鋼ストリツプを冷間圧延した
後、引張られた状態で曲げ半径と板厚の比が50以
下の曲げ半径で、該鋼ストリツプに対して少なく
とも1回以上の曲げを与えたのち、さらに、上記
曲げ半径の2倍以下の曲げ半径と2倍から6倍の
曲げ半径で、該鋼ストリツプに対して、それぞれ
少なくとも1回以上の曲げを、各々の曲げの方向
が順次反対になるように与えることによつて、形
状性と平坦性のすぐれた、すなわち形状が良好で
あつて、かつそりがなく、かつ延性の十分な製缶
用鋼板を製造することができることを見出した。 このような小さな曲げ半径を鋼ストリツプに与
え、かつ高速矯正を可能ならしめる方法として
は、例えば本願発明者の1人が先に発明したとこ
ろの加圧流体を利用した形状矯正用工具を用いて
金属ストリツプの形状を矯正する技術(特公昭50
−28386号、特公昭51−15831号および特公昭50−
35904号)を採用することができる。 またこのように引張られた状態で鋼ストリツプ
が小さな曲げ半径で曲げられた場合、特開昭50−
9564号に開示されているように延性回復の効果も
あることが明らかである。 以下に実施例によつて本発明を説明する。 板厚2.0mmの熱間圧延鋼ストリツプを5スタン
ドタンデム冷間ストリツプミル3で板厚0.17mmま
で中間焼鈍を行なうことなく冷間圧延を行なつ
た。圧延後鋼ストリツプの抗張力は81.3Kg/mm2
で、中延びの高さは平均5mmであつて形状が悪
く、かつそりも大きく、延性も伸びて0.5%と小
さく、このままでは製缶用鋼板としては不適格で
あつた。これに対し第1図に示すように5スタン
ドタンデム冷間ストリツプミル3の直後に矯正装
置24(特公昭51−15831号の原理にもとづく)
を設置し、1000m/min.の速度で鋼ストリツプ1
を通過せしめ、熱間圧延鋼ストリツプを2.0mm厚
より0.17mm厚まで冷間圧延した後、直ちに2個の
形状矯正用工具4で曲げ半径4mm、そり矯正用工
具5で曲げ半径4mm、そり矯正用工具6で曲げ半
径12mmの曲げを、その曲げ方向が順次反対になる
ように与えたところ、中延びおよびそりの量は実
質的に0となり、かつ延性は伸び6%と向上し、
製缶用鋼板として適格品を得ることができた。 したがつて従来の2回冷間圧延と中間焼鈍、あ
るいは歪取り熱処理と調質圧延などの工程を、冷
間圧延と直結された高速矯正工程に置換えること
ができ、工程が大きく省略化された。 第1図に示すように熱間圧延鋼ストリツプは巻
戻しリール2のコイルから供給され、5スタンド
タンデム冷間ストリツプミル3により圧延された
後、2個の形状矯正用工具4およびそり矯正用工
具5,6によつて曲げを、その曲げの方向が順次
反対になるように与えられてから、出口側ブライ
ドル7を通り、巻取りリール8によつて巻取られ
る。 ここに形状矯正用工具4はウエーブ、中延びな
どの形状不良を矯正するものであり、そり矯正用
工具5は主に直角ぞりを、そり矯正用工具6は平
行ぞりを矯正する目的で設けられている。本実施
例においては、形状矯正用工具4によつて2回の
曲げが、また引続いてそり矯正用工具5および6
によつてそれぞれ1回の曲げが、鋼ストリツプ1
に対して、その曲げの方向が順次反対になるよう
に与えられ、平坦性を得るものである。 なお鋼ストリツプ1の張力は出口側ブライドル
7によつて一定に保持される。 第2図は形状矯正用工具4の断面図を示したも
のであつて、本工具の長さ方向(すなわち鋼スト
リツプの巾方向)にわたつて一定の間隔に設けら
れた細孔11を通つて、加圧流体(水、圧延油エ
マルジヨン等)がポケツト12より噴出して鋼ス
トリツプ1を曲げながら浮上せしめる。本実施例
では、細孔11は巾方向に5mm間隔に配置され、
加圧流体としては圧延油の10%エマルジヨンを使
用し、流体圧力は90Kg/cm2であつた。鋼ストリツ
プに与える曲げ半径は本工具先端13の形状およ
び寸法によつて定められる。形状矯正用工具4の
先端13の形状はほぼ円筒面に近く、その曲げ半
径と板厚の比が50以下になるように先端曲げ半径
が定められる。 そり矯正用具5,6に関しては、その工具先端
の曲げ半径が異なるだけで、他の構造などは形状
矯正用工具4と同じでさしつかえない。 直角ぞり矯正のためのそり矯正用工具5の先端
の曲げ半径は、形状矯正用工具4のそれの2倍以
下に選ばれ、また平行ぞり矯正のためのそり矯正
用工具6の先端の曲げ半径は、形状矯正用工具の
それの2倍から6倍に選ばれる。 形状矯正用工具およびそり矯正用工具として
は、特公昭50−28386号に記載された、巾方向全
長にわたつて加圧流体により浮上せしめられる極
小径ロールを使用しても同様の効果をあげること
ができる。 また第3図に示すように冷間圧延工程と直結せ
ずに、これとは別ラインに矯正装置を設けて製缶
用鋼板を製造することもできる。 第3図の矯正装置25において、鋼ストリツプ
14は巻戻しリール15のコイルから供給され、
入口側ブライドル21を通つてから、2個の形状
矯正用工具16によつて2回の曲げを、また直角
ぞりを主に矯正するそり矯正用工具17および主
に平行ぞりを矯正するそり矯正用工具18によつ
てそれぞれ1回の曲げを、その曲げの方向が順次
反対になるように与えられる。しかる後鋼ストリ
ツプ14は出口側ブライドル19を通つて巻取り
リール20によつて巻取られる。 以上のような製缶用高張力鋼板として適格であ
る形状を得るためには、第1表の実験例に示すよ
うに形状矯正用工具4による鋼ストリツプ曲げ半
径と板厚の比が50以下でなければならない。 また直角ぞりを矯正するためのそり矯正用工具
に関しては、第2表に示すごとくそり矯正用工具
5の先端曲げ半径が形状矯正用工具4のそれの2
倍以下の場合に直角ぞり矯正効果が顕著であり、
2倍より大きくなるとその効果が減少する。 さらに平行ぞりを矯正するためのそり矯正用工
具に関して、第3表に示すように、そり矯正用工
具6の先端曲げ半径が形状矯正用工具4のそれの
2倍から6倍である場合が有効である。 2倍より小さい場合、平行ぞり矯正用工具を鋼
ストリツプ14が通過する時新たに直角ぞりが生
じ、また6倍より大きい場合、平行ぞり矯正効果
自体が期待できない。 また延性回復に関しては、以上の実験例におい
て、いづれの場合も、矯正後の鋼ストリツプの伸
びは製缶作業に必要な6%前後が得られた。 以上のことが種々の実験の結果判明した。 以上述べたように本発明により、冷間圧延後、
中間焼鈍、調質圧延あるいは再冷間圧延工程を含
まない製造工程によつて形状性と平坦性が良好で
延性の十分な製缶用高張力鋼板を製造することが
できるようになり、従来法に比して工程の省略が
大巾に行なわれるため、製造コストの低減が可能
となつた。 なお、以上の説明および図面は、発明の原理を
十分に理解しうるために示されたものであり、決
して本発明を限定するものではなく、特許請求の
範囲内で本発明は、多くの変更や修正を行なうこ
とが可能である。
【表】
【表】
第1図は本発明の実施例を示す概略図、第2図
は第1図の実施例に用いられる形状矯正用工具4
の断面図、第3図は本発明の第2の実施例を示す
概略図である。 1……鋼ストリツプ、2……巻戻しリール、3
……5スタンドタンデム冷間ストリツプミル、4
……形状矯正用工具、5,6……そり矯正用工
具、7……出口側ブライドル、8……巻取りリー
ル、9,10……デフレクタロール、11……細
孔、12……ポケツト、13……形状矯正用工具
の先端、14……鋼ストリツプ、15……巻戻し
リール、16……形状矯正用工具、17,18…
…そり矯正用工具、19……出口側ブライドル、
20……巻取りリール、21……入口側ブライド
ル、22,23……デフレクタロール、24,2
5……矯正装置。
は第1図の実施例に用いられる形状矯正用工具4
の断面図、第3図は本発明の第2の実施例を示す
概略図である。 1……鋼ストリツプ、2……巻戻しリール、3
……5スタンドタンデム冷間ストリツプミル、4
……形状矯正用工具、5,6……そり矯正用工
具、7……出口側ブライドル、8……巻取りリー
ル、9,10……デフレクタロール、11……細
孔、12……ポケツト、13……形状矯正用工具
の先端、14……鋼ストリツプ、15……巻戻し
リール、16……形状矯正用工具、17,18…
…そり矯正用工具、19……出口側ブライドル、
20……巻取りリール、21……入口側ブライド
ル、22,23……デフレクタロール、24,2
5……矯正装置。
Claims (1)
- 【特許請求の範囲】 1 熱間圧延鋼ストリツプ、あるいは、焼鈍後の
鋼ストリツプから90%以上の圧延率で中間焼鈍す
ることなく板厚0.17mm以下に冷間圧延された当該
ストリツプを張力を加えながら少なくとも1回以
上の曲げを加圧流体を利用した曲げ半径8mm以下
の形状矯正工具によつて与える第1工程と、 前記形状矯正工具の曲げ半径の2倍以下の曲げ
半径をもつ、加圧流体を利用した直角ぞり矯正工
具によつて少なくとも1回以上の曲げを前記第1
工程の後のストリツプに与える第2工程と、 前記形状矯正工具の曲げ半径の2〜6倍の曲げ
半径をもつ加圧流体を利用した平行ぞり矯正工具
によつて少なくとも1回以上の曲げを前記第2工
程後のストリツプに与える第3工程と からなることを特徴とする製缶用高張力鋼板の製
造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP10359676A JPS5329259A (en) | 1976-09-01 | 1976-09-01 | Method of fabricating high tension steel plate for manufacturing cans |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP10359676A JPS5329259A (en) | 1976-09-01 | 1976-09-01 | Method of fabricating high tension steel plate for manufacturing cans |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPS5329259A JPS5329259A (en) | 1978-03-18 |
JPS6149010B2 true JPS6149010B2 (ja) | 1986-10-27 |
Family
ID=14358137
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP10359676A Granted JPS5329259A (en) | 1976-09-01 | 1976-09-01 | Method of fabricating high tension steel plate for manufacturing cans |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPS5329259A (ja) |
Families Citing this family (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS6056402A (ja) * | 1983-09-07 | 1985-04-02 | Mitsubishi Heavy Ind Ltd | 冷間圧延のライン配列 |
-
1976
- 1976-09-01 JP JP10359676A patent/JPS5329259A/ja active Granted
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPS5329259A (en) | 1978-03-18 |
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