JPS6144656Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 この考案は、各種の用途に供し得る構成とした
人形劇簡易舞台等の折畳式構造体に関する。

〔従来の技術〕

従来のこの種の折畳式構造体として、例えば大
正15年実用新案出願公告第28190号公報に記載の
折畳食卓がある。

この折畳食卓は、中央に焜炉用の円形透孔が設
けられた函体の上部一側に中継天板を折畳展開自
在に蝶着し、該中継天板の一側に正面逆Ｌ字状の
脚板を蝶着し、前記円形透孔に円盤を嵌合して該
円盤裏面には中継天板の裏面に一端が枢着されて
平行する一対の桟稈（以下、脚稈という）を固着
すると共に、該脚稈の中腹部には棚板用の鉤具を
設け、かつ函体の一側壁中腹部に二つ折可能な棚
板の基端を枢着し、その先端に懸鉤を設けた構成
になつている。

このような従来の折畳食卓においては、函体の
一側方に中継天板と脚板のそれぞれが展開され、
該展開状態において脚稈が垂下接地するように枢
動展開されたのち、棚板が水平方向に展開されそ
の自由端側の懸鉤を脚稈中腹部の鉤具に掛止する
ことによつて使用に供させられる。

また、その使用後においては、棚板、脚稈およ
び中継天板と脚板のそのぞれが函体に対して順次
折畳まれる。

〔考案が解決しようとする問題点〕

上記従来の折畳食卓では、その展開使用時にお
いて函体の一側面と中継天板および脚板それぞれ
で囲繞された食卓下部の空間部が前後開通状態と
なるため、脚稈や棚板等が前方に露出する結果と
なつて非常に体裁が悪く、しかも、それぞれが折
畳展開自在な前記脚稈と棚板を備えているため、
食卓全体の折畳展開工程が増え、その作業が煩雑
化するという問題点がある。

特に、前述のごとく、中継天板の一側に正面逆
Ｌ字の脚板が蝶着されている構造では、それらの
全体の持ち上げて折畳展開しなければならないた
め、相当な労力を要して折畳展開が一層遂行し難
くなるという問題点がある。

この考案は上記問題点を解決するためになされ
たもので、折畳展開操作を頗る手軽に遂行でき、
かつ展開使用時に舞台裏が見えることのない人形
劇簡易舞台等の折畳式構造体を提供することを課
題とする。

〔問題点を解決するための手段〕

この考案は上記課題を達成するために、 主天板を有して少なくとも前面が覆われた台
本体の一側前面側に、その前面を覆う位置に折
り畳まれ且つ該前面の側方延長方向へ同一面状
に展開される補助前面板を蝶着する。

補助前面板の一側端部には、該補助前面板を
介して台本体前面を覆い且つ台本体の一側壁に
沿う位置に折り畳まれると共に、台本体前面の
側方延長方向に展開される平面アングル状の起
立構体を蝶着する。

主天板の一側端には、この主天板上に折り畳
まれかつ展開状態にある補助前面板と起立構体
の各上端に展開支承される少なくとも二つ折構
成の補助天板を蝶着する。

補助前面板及び又は起立構体の上端と補助天
板の裏面側とに設けられる一対の係合突起と係
合孔との組合わせからなる係合部材を設ける。

という技術手段を講じたものである。

〔作用〕

これにより、台本体の一側方に折畳状態の起立
構体を引き出すと、該起立構体と共に補助前面板
が同一面状に展開させられる。

この状態において、台本体上に折り畳まれてい
る補助天板を前記補助前面板と起立構体の各上端
部に展開させて支承させる。

この場合、補助前面板及び又は起立構体の上端
と補助天板の相互を係合部材で係合させる。これ
によつて、補助前面板および起立構体と補助天板
の相互が展開位置で固定され、もつて、この考案
の折畳式構造体が使用に供せられる。

この折畳式構造体は不使用時において、補助天
板を台本体の主天板上に折畳み、ついでその台本
体に対し補助前面板と共に起立構体を折り畳むこ
とによいコンパクト化されて保管される。

〔実施例〕

以下、この考案の好適実施例を図面に基づいて
説明する。

図示例の台本体１は、主天板２を一体に有し且
つ少なくとも前面が化粧面となつた収納庫構成に
なつている。

このため、台本体１は後面側が開口したボツク
ス構成とされ、該開口部に設けた開閉扉３，４を
備えている。

かかる台本体１の一側端前面寄りには、該本体
の前面を覆う位置に折り畳まれ且つ該折畳位置か
ら本体前面の一側延長位置に展開される中間部の
補助前面板５が蝶着されている。

この補助前面板５の反対側の側端部には起立構
体６が蝶着してある。

この起立構体６は、補助前面板５を介して台本
体１の前面を覆う位置に折り畳まれ且つ補助前面
板５の側方延長位置に展開される前面板部６ａ
と、その反対側端部に一体成形されて折畳時に台
本体１の一側面に沿う側板部６ｂとからなつて、
平面アングル状に形成されている。

そして、前述の補助前面板５と起立構体６の蝶
着は、それら相互の被接続端部内側に一体連設さ
れた縦補強部材７，８を介して行われている。

また、補助前面板５の台本体１側と、起立構体
６の側板部６ｂとにおけるそれぞれの内側面に
も、前記縦補強部材７，８と略等厚の縦補強部材
９，９′が一体連設してある。

更に、補助前面板５の内側面には、後述の補助
天板１２を展開い位置にて下側から支持するため
の補助支持具１０が軸受１０′を介して回動自在
に軸支してある。

その補助支持具１０は、補助前面板５の直交方
向に展開され且つ該補助前面板５の内側面に沿つ
た位置に折畳まれるようになつている。

補助前面板５および起立構体６のそれぞれの上
端には、補助天板１２を係脱させるための係合突
起１１が任意の個所に一体突設してある。

一方、前記主天板２の一側端には、該天板上に
折畳まれ且つ主天板２と同一水平面状に展開され
て補助前面板５と起立構体６のそれぞれの上端に
支承される補助天板１２が蝶着されている。

該補助天板１２は、図示例の場合、それ自体が
略中間部から二つ折状態に折畳まれ且つ展開され
る二枚の天板１２Ａ，１２ｂからなつている。

かかる補助天板１２は、前記係合突起１１に係
脱させるための係合孔１３（第３図参照）を有し
ている。

以上の如き構成の折畳式構造体は、図示例の場
合、幼児等を対象とした人形劇等の簡易舞台装置
として供せられる。

このため、台本体１の図中左側面部と起立構体
６の側板部６ｂには、幕柱サポート部材１４，１
５のそれぞれが一体形成されている。

しかして、上記折畳式構造体の使用に際して
は、まず、起立構体６を台本体１の一側方に引き
出すことにより、該起立構体と補助前面板５のそ
れぞれを、それらの前面と台本体１の前面とが同
一面となる位置まで展開させる。

次いで、台本体１上、所謂、主天板２上に折畳
まれた状態の補助天板１２を前記補助前面板５お
よび起立構体６のそれぞれの上端位置に展開させ
て支承させる。

この場合、補助天板１２の係合孔１３を前記係
合突起１１に嵌込み、かつ補助天板１２の中途部
下面を補助支持具１０で支承させることにより、
補助天板１２は補助前面板５および起立構体６の
それぞれの上端にて確実堅固な展開状態に保持さ
れる。

その状態において、幕柱サポート部材１４，１
５のそれぞれに幕柱１６，１７が挿脱自在に差込
みセツトされる。

次いで、幕柱１６，１７の上端間に相互が脱着
自在に連結された垂れ幕支持用の横枠部材１８，
１９を挿脱自在に嵌込みセツトすることにより、
人形劇の舞台装置が完成して使用に供される。

該舞台装置は使用後において、幕柱１６，１７
が抜き取られたのち、まず、補助天板１２が主天
板２上に折畳まれ且つ補助前面板５と起立構体６
のそれぞれが台本体１の前面側に折畳まれること
によつて、恰も台本体そのものだけのごときコン
パクトな折畳状態となつて保管される。

この場合、人形やその他の小道具および幕柱１
６，１７、横枠部材１８，１９等を台本体１の収
納室内に収められることによつて保管される。

なお、上記実施例では人形劇用の舞台装置とし
て説明したが、この考案の折畳式構造体はその他
の例えば簡易据付用のカウンターや屋台など、
種々の用途に供し得る。

〔考案の効果〕

以上、この考案は、台本体の一側前面側に蝶着
された補助前面板と、該補助前面板の一側端に蝶
着された平面アングル状の起立構体と、台本体上
の主天板の一側端に蝶着された少なくとも二つ折
の補助天板とを有する構成にしたので、函体の一
側上部に中継天板を介して平面アングル状の脚板
を蝶着した従来の折畳食卓の場合と異なり、展開
された補助前面板と起立構体とにより、それらの
上端に展開支承された補助天板の下方に形成され
る空間部の前面側を覆うことができ、このため舞
台裏が前方から見えることのない頗る体裁の良い
状態で使用に供し得る。

また、補助前面板および起立構体と補助天板は
展開時にそれらの係合突起と係合孔が嵌込み係合
されて相互が固定されることにより使用時の安定
性が得られる。

更に、この考案の折畳式構造体では、補助前面
板および起立構造体と補助天板とを別々に折畳展
開し、特にその折畳展開時において従来の折畳食
卓の棚板のごとく大きく持ち上げる必要がないの
で、折畳展開操作を手軽に遂行できる。

【図面の簡単な説明】

図面はこの考案の好適実施例を示すもので、第
１図は一部を展開した折畳式構造体の斜視図、第
２図は同構造体の平面図、第３図は同構造体を人
形劇舞台装置とした場合の使用状態を示す一部破
断正面図である。 １は台本体、２は主天板、６は起立構体、１２
は補助天板である。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 (1) 主天板を有して少なくとも前面が覆われた台
   本体と、該台本体の一側前面側に蝶着されて該
   前面を覆う位置に折り畳まれかつ該前面の側方
   延長方向に同一面状に展開される補助前面板
   と、該補助前面板の側端部に蝶着され該補助前
   面板を介して台本体の前面を覆い且つ台本体の
   一側壁に沿う位置に折り畳まれると共に、台本
   体前面の側方延長方向に前記補助前面板を介し
   て展開される平面アングル状の起立構体と、前
   記主天板の一側端に蝶着され少なくとも二つ折
   りされて該主天板上に折り畳まれ且つ展開状態
   にある補助前面板と前記起立構体のそれぞれの
   上端に展開支承される補助天板と、前記補助前
   面板及び又は起立構体の上端と前記補助天板の
   裏面側とに設けられる一対の係合突起と係合孔
   との組合わせからなる係合部材とを備えた構成
   を特徴とする人形劇簡易舞台等の折畳式構造
   体。 (2) 実用新案登録請求の範囲第１項記載の折畳構
   造体において、起立構体及び又は補助前面板の
   内側には、展開状態の補助天板を下側から支持
   するための補助支持具が折畳展開自在に設けら
   れていることを特徴とする人形劇簡易舞台等の
   折畳式構造体。 (3) 実用新案登録請求の範囲第１項記載の折畳構
   造体において、台本体は開閉扉を有する収納庫
   構成になつていることを特徴とする人形劇簡易
   舞台等の折畳式構造体。