JPS6144536B2 - - Google Patents

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JPS6144536B2
JPS6144536B2 JP57183608A JP18360882A JPS6144536B2 JP S6144536 B2 JPS6144536 B2 JP S6144536B2 JP 57183608 A JP57183608 A JP 57183608A JP 18360882 A JP18360882 A JP 18360882A JP S6144536 B2 JPS6144536 B2 JP S6144536B2
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JP
Japan
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binder resin
microfibers
polymer
resin
filter
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JP57183608A
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JPS5879543A (ja
Inventor
Borisu Hooru Debitsudo
Chaaruzu Guseru Toomasu
Mason Fuosu Uooren
Buraian Jofuii Aabingu
Jon Degen Piitaa
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Pall Corp
Original Assignee
Pall Corp
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Publication date
Application filed by Pall Corp filed Critical Pall Corp
Publication of JPS5879543A publication Critical patent/JPS5879543A/ja
Publication of JPS6144536B2 publication Critical patent/JPS6144536B2/ja
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    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B01PHYSICAL OR CHEMICAL PROCESSES OR APPARATUS IN GENERAL
    • B01DSEPARATION
    • B01D39/00Filtering material for liquid or gaseous fluids
    • B01D39/14Other self-supporting filtering material ; Other filtering material
    • B01D39/20Other self-supporting filtering material ; Other filtering material of inorganic material, e.g. asbestos paper, metallic filtering material of non-woven wires
    • B01D39/2003Glass or glassy material
    • B01D39/2017Glass or glassy material the material being filamentary or fibrous
    • B01D39/2024Glass or glassy material the material being filamentary or fibrous otherwise bonded, e.g. by resins
    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B01PHYSICAL OR CHEMICAL PROCESSES OR APPARATUS IN GENERAL
    • B01DSEPARATION
    • B01D2239/00Aspects relating to filtering material for liquid or gaseous fluids
    • B01D2239/04Additives and treatments of the filtering material
    • B01D2239/0471Surface coating material

Landscapes

  • Life Sciences & Earth Sciences (AREA)
  • Geology (AREA)
  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Chemical Kinetics & Catalysis (AREA)
  • Filtering Materials (AREA)
  • Paper (AREA)
  • Solid-Sorbent Or Filter-Aiding Compositions (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
本発明は材についての発明である。フイルタ
ーの機能は懸濁微粒物質を除去し、清浄化された
流体媒質を通過させることである。種々の機構に
よつてフイルターは流体の清浄化を達成する。微
粒物質は機械的な篩別によつて除かれ、フイルタ
ーの細孔直径をこえるすべての粒子が流体から除
去される。 またフイルターはフイルター表面への吸着によ
つても懸濁微粒物質を除去する。この機構による
微粒物質除去は、(1)懸濁微粒物質、及び(2)の材
の表面特性によつて調節される。普通過によつ
て除かれる大低の懸濁固形分は、中性のPHに近い
水性系であつては負に帯電している。この特徴は
水処理法において古くから認められており、逆の
電荷を有するカチオン性の凝集剤を用いて浄水作
業の沈殿効果を高めることが行なわれた。 コロイド安定性についての論理を用いることに
より、静電気を帯びた粒子と表面との間の相互作
用を予想できる。もし、粒子とフイルターシート
の表面との電荷が同じ記号であつてゼータ電位が
約20mV以上であれば、相互の反発力が強すぎて
吸着によつては捕捉されにくくなる。もし懸濁粒
子及びフイルター表面のゼータ電位が小である
か、又はより好ましくは逆の記号があるならば、
粒子は高捕捉効率でフイルターの細孔表面に付着
しやすくなるであろう。従つて、正のゼータ電位
によつて特徴づけられるフイルターシート又は隔
膜は、フイルターの細孔よりはるかに小さな粒子
をも静電気的捕捉によつて除去することが可能で
ある。 通常は負のゼータ電位を有するガラスのミクロ
繊維をセルロース繊維の力を借りて電荷変性処理
し、材に変えようにする試みがすでになされて
いる。これらの電荷変性処理したガラスのミクロ
繊維を含むフイルターシートは改良された過特
性を示したものの、これらのフイルターシート及
びその製造方法には望ましくない点がいくつかあ
る。これらの従来の方法による電荷変性法のなか
には、コロイド状の樹脂を用いる場合がある。こ
の形態の樹脂を用いると、製造に慎重を期さなけ
ればならないし、使用前のエージングが必要とさ
れる。また処理溶液のコロイド粒子寸法が不定で
あるため、ガラスのミクロ繊維を一定条件で処理
することが難しい。さらにまた、コロイド状態の
樹脂による電荷変性は、ガラスのミクロ繊維表面
上に沈積させうる樹脂の量が限定されるという点
でも制約をうける。このことは、コロイド粒子の
相互電荷反発に起因し、ガラス表面上に単分子層
のコロイド被覆が生じた段階でコロイドが沈積が
停止するというコロイドの本質によるものであろ
うと考察される。 良好な粒子捕捉特性に加え、フイルターシート
は機械的強度を有することにより、高度の圧力差
に耐えて破砕その他の機械的故障を起こさないこ
とが必要である。 表面電荷変性ガラスミクロ繊維の材の従来の
製法は、電荷変性処理したガラスミクロ繊維用の
マトリツクスとして粘着性のセルロース繊維を高
配合率で用いた。機械的強度を得るためには直径
の大きなこれらの繊維の実質量を存在させること
が必要であるが、そのための静電捕捉効率及び容
量が低下すると共に、材の細孔直径の分布が広
くばらつくので、フイルターシートの特性がそこ
なわれることになる。セルロース繊維は中空であ
り、乾燥中に崩壊して平らなリボン状の構造にな
りやすく、その幅は約60〜100μにも達する。従
つて、液体の流れが妨げられることになり、良好
な機械的特性を得るのに充分な量のセルロース繊
維を含むフイルターシートは、きわめて粗いフイ
ルター、例えば約10μ以上のものにしか用いるこ
とができない。 ガラスのミクロ繊維を基剤とする材を製造す
るための少なくとも一つの試みにおいては、2種
の異なる樹脂を用いて行う二段階処理が試みられ
た。その場合であつても、材の成分としてセル
ロース系の繊維が含まれるので、セルロース繊維
を用いることによる問題の解決は得られない。 従つて、本発明によつて解決すべき問題点は、
前述したごとき望ましくない点が実質的に改善さ
れた、電荷変性された無機のミクロ繊維を含む
材、特定的にはフイルターシートを製造及び利用
することである。 本発明により、通常では負のゼータ電位を有す
る無機のミクロ繊維と、水溶性で非コロイド性で
カチオン性の熱硬化性バインダー樹脂又はポリマ
ーの水溶液とを混合してミクロ繊維の分散液を形
成し、そして該分散液に沈殿剤を加えることによ
り、該バインダー樹脂又はポリマーを沈殿させ、
かつ、該バインダー樹脂又はポリマーで該ミクロ
繊維を被覆する方法でこの問題が解決される。 得られた被覆ずみのミクロ繊維は、アルカリ性
の媒質中、すなわち、PH7以上で正のゼータ電位
を有し、分散又は懸濁した形で過助剤として利
用できる。被覆されたミクロ繊維からフイルター
シートを形成し、それを次に乾燥及び硬化させる
のが望ましい。本発明のフイルターシート製品
は、その細孔寸法の分布が狭いし、細孔寸法は
0.5μ程度に小さく、機械的強度がすぐれている
し、アルカリ性の媒質中で正のゼータ電位を有す
る。正のゼータ電位を有するが故に、微粒物質の
除去効率が高く、細菌及び内生毒素などのきわめ
て微細な粒子を高水準で除去しなくてはならない
ような用途にも利用できる。 本発明の方法による好ましい製品は、アニオン
性の沈殿剤、ナルコライト(Nalcolyte)7763を
用いて水溶液から沈殿させたR4308と称するポリ
アミン−エピクロロヒドリン樹脂で被覆処理した
ガラスのミクロ繊維からなるフイルターシートで
ある。 本発明によるフイルター要素の製法は前記のと
おりであるが、このようにして製造されたフイル
ターシートは約3ないし約10の広範囲のPHに亘つ
て正のゼータ電位を示す。 沈殿剤添加後の生成物、すなわち、水性媒質内
の被覆ずみミクロ繊維の分散液又は懸濁液は、フ
イルタープレコートのような過助剤としてそれ
自体利用できる。しかし、一般にはミクロ繊維の
分散液からフイルターシートを形成する。 本発明の無機ミクロ繊維によるフイルターシー
トは、フイルターシートを構成するミクロ繊維を
カチオン性の熱硬化性バインダー樹脂によつて変
性することにより、薬品製造、水の精製、液体食
料品の製造等における水の過作業による懸濁微
粒子、細菌及び内生毒素の除去性能が高められ
る。 このような性能が、水溶性で非コロイド性でカ
チオン性の熱硬化性樹脂を用いることによつて達
成され、しかも本発明の樹脂を少量用いたときで
も、フイルターシートにすぐれた機械的強度及び
安定性が付与されることは驚くべきことである。
水溶液からミクロ繊維上に沈積させるカチオン性
の熱硬化性樹脂の量は、ある種のポリマー性沈殿
剤の添加量を調節することによつて効率的に調節
することができる。 典型的には、約5重量%(ミクロ繊維の重量基
準で)以下の樹脂を用いるだけで、他の樹脂、特
にアニオン性樹脂を実質的に大量に用いて得られ
るのと同じ機械的強度が得られる。このことは、
ミクロ繊維上の樹脂の被覆が実質的に均一かつ連
続的であることによるものと考察される。従つ
て、本発明によるフイルターシートはセルロース
繊維のような機械的補強マトリツクスを用いる必
要がない。このようなマトリツクスは、フイルタ
ーの性能を劣化させやすい。例えば、(1)圧力降下
度が著るしく高められ、また(2)本来流体が通過で
きるフイルター部分が閉鎖され、その結果大量の
固体夾雑物を回収すべきフイルターの能力が低下
するし、実用寿命が短縮される。本発明では、約
0.5ないし約50μ、好ましくは20μ以下の有効細
孔寸法が得られるし、実際の細孔寸法度を実質的
に下まわる大きさの微粒物質でも有効に除去する
ことができる。 多くのポリマー又はバインダー樹脂物質が製造
元から容易に入手でき、それらは湿潤強化剤とし
て製紙工業で広く利用されている。これらの物質
についての一般的特性及び用途は、例えば、
Amino Resins(J.J.Blair、Rheinhold
Publishing Co.、New York、1959)、Wet
Strength in Paper and Paper Board(Tappi
Monograph Series No.29、1965)及び
Polymeric Amines and Ammonium Salts(E.J.
Goethals、Pergamon Press、New York、
1980)に記載されている。エポキシド系の水溶性
樹脂が好ましい。市販品として入手できる好適な
エポキシド系の水溶性でカチオン性の熱硬化性ポ
リマーには、ポリアミド/ポリアミノ−エピクロ
ロヒドリン樹脂とポリアミン−エピクロロヒドリ
ン樹脂との両者が包含される。 原料のバインダー樹脂は、未硬化の状態では真
の水溶液を形成しうるものでなくてはならない。
この点から、有用な部類に属するポリマー又はバ
インダー樹脂は水溶性であつて非コロイド性のも
のである。このことは、フイルターシートを製造
するために無機のミクロ繊維を処理する過程にお
いて、非コロイド状態のポリマー又はバインダー
樹脂の溶液でミクロ繊維が処理されることを意味
する。ポリマー又はバインダー樹脂が適当な条件
下でコロイドを形成することが不能であるという
ことを意味しているのではなく、本発明の目的に
は、コロイド状となることがポリマー又はバイン
ダー樹脂にとつて望ましくないというだけのこと
である。 時間、温度、及び場合によつては触媒のみを包
含する簡単な転化法により、ポリマー又はバイン
ダー樹脂が硬化されて架橋状態になるということ
が第二の所望される特徴である。 バインダー樹脂の別の望ましい特徴は、カチオ
ン性の電荷が高比率で含まれることであり、それ
によつて最も望ましい性状を有するフイルター隔
膜が製造できる。また、カチオン性の電荷が単に
プロトン化に依存するものでないことも望まし
い。むしろ、これらの電荷は、カチオン性がPHと
無関係な四級化されたアンモニウム基から生じた
ものであるべきである。 バインダー樹脂のさらに別の望ましい特徴は、
吸水膨潤に対する相対的不感性である。水で膨潤
するポリマーは膨潤時に機械的強度を失う。ポリ
マーが架橋結合すると膨潤しにくくなり、そのよ
うなポリマーを含む構造体の保全度はそれだけ高
められることになる。 特に好ましいポリマー又はバインダー樹脂は、
完全に四級化された適当な脂肪族アミンから誘導
された、実質的な数の四級アンモニウム基を含む
化合物である。このようなバインダー樹脂を用い
ると、高度のカチオン電荷を有する隔膜又はフイ
ルターシートが得られ、PH約3ないし約10の広い
領域に亘つて水性液から驚異的な高効率で粒子を
除去することができる。この能力は、該PH域にお
いてゼータ電位が正であることに起因するもので
あり、本発明の好ましいバインダー樹脂を用い、
そして本発明の方法によつて製造されたフイルタ
ーシートのましい特徴でもある。 本発明による隔膜の製造に用いうる水溶性で、
非コロイド性のカチオン性熱硬化性ポリマー又は
バインダー樹脂の代表的なものは、本明細書の一
部として参照すべき米国特許第2926154号、第
332901号、第3224986号及び第3855158号に開示さ
れている。ポリアミド/ポリアミノ−エピクロロ
ヒドリンの部類に属する水溶性、非コロイド性、
カチオン性熱硬化性バインダー樹脂で市販されて
いる好ましいものは、ハーキユレス社
(Hercules Inc.)製のカイメン(Kymene)
557及びポリカツプ(Polycup)系樹脂であ
る。 特に好ましい樹脂は、四級アンモニウム基を含
むポリアミン−エピクロロヒドリン樹脂である。
このタイプの樹脂は、ポリアミンとエピクロロヒ
ドリンとを反応させて製造され、いくつかの点で
ポリアミド/ポリアミノ−エピクロロヒドリン樹
脂と異なつている。このタイプのものはその構造
中にアミド結合を含まず、そして市販のポリアミ
ド/ポリアミノ−エピクロロヒドリン樹脂と異な
り、実質的程度のカチオン性が四級アンモニウム
基の存在によつて誘導される。このタイプの市販
組成物は、エピクロロヒドリンをポリアルキレン
ポリアミンとエチレンジクロライドとの縮合生成
物と反応させて製造される。このタイプの組成物
は米国特許第3885188号に開示されており、その
代表例はモンサント(Monsanto Inc.)製のサン
トレス(Santo−res)31である。 このバインダー樹脂の別の形態のものは、エピ
クロロヒドリンとポリジアリルメチルアミンとを
反応させて製造するエポキシド官能性の四級アン
モニウム樹脂である。この種類の組成物は米国特
許第3700623号に開示され、代表的なものはハー
キユレス社のレジン(Resin)R4308である。米
国特許第3885158号及び第3700623号の記載は、本
明細書の一部として参照すべきものとする。 これらの2種類の好ましい部類に属する樹脂
は、エポキシ官能基を有するカチオン性の熱硬化
性樹脂であつて、実質的なカチオン性が四級アン
モニウム基から誘導され、そしてアルカリ性のPH
域において正のゼータ電位を示す。 ポリマー又はバインダー樹脂の多くは活性化を
必要とする。これらの樹脂の保存寿命をのばし、
又は貯蔵安定性を高める目的で、エポキシド基を
化学的に不活性化して樹脂の早期架橋を防止して
いる。従つて、これらの樹脂を用いる前に、エポ
キシド基の再生を行つて樹脂を活性化し、反応性
で熱硬化性の状態に変える。典型的には、不活性
なクロロヒドリン形を架橋性のエポキシド形に化
学的に変換させるに充分な量の苛性アルカリ水溶
液を不活性樹脂の水溶液に加えて活性化を行う。
樹脂に加えるべき苛性アルカリ水溶液の割合は製
品ごとに変わり、各製造元で指定した配合比によ
つて加える。活性化の工程は効率的であり、約30
分で完全に活性化され、樹脂溶液は使用に適した
状態となる。 無機のミクロ繊維によるフイルターシート又は
隔膜は、当業者に公知である任意の好適な無機ミ
クロ繊維性のフイルター材料から製造することが
できる。好ましい物質は、約0.1μから最高約10
μまでの平均繊維直径を有するガラス及びチタネ
ートのミクロ繊維であるが、上記範囲外の直径を
有するものも用いることができる。ガラスミクロ
繊維の長さ対直径の平均比率は一般に500〜1000
の範囲内である。そのタイプのガラスミクロ繊維
は市販されており、PPGインダストリーズ、ジヨ
ーンズ・マンスヴイル社(Johns−Mansville
Inc.)、オーエンス・コーニング・フアイバーグ
ラス社(Owens−Corning Fiberglass Corp.)
をはじめ各社で製造している。チタネート繊維の
供給元としては、大塚化学(株)(日本)及びE.I.デ
ユポン社がある。 沈殿剤の用い方により、ミクロ繊維の表面に沈
積するカチオン性のバインダー樹脂の量を、制御
された状態で広範囲に変動させることができる。
それによつて自立性であり、すぐれた機械的強度
を有する、ミクロ繊維からなるフイルターシート
その他のフイルター要素を得ることができる。予
想外であるが、広い範囲のバインダー樹脂含有量
に亘つてこれらミクロ繊維フイルターシートは高
カチオン電荷を示し、静電効果によつて高除去効
率で機能することが認められた。 シートの形成は常法によつて達成される。代表
的な方法には、有孔質の表面上に分散液の層又は
マツトを形成し、有孔面を通して減圧吸引するこ
とによつて層又はマツトから水を除去し、層又は
マツトをさらに乾燥したうえ、バインダー樹脂又
はポリマーを硬化することにより、仕上りフイル
ターシートを形成する方法が包含される。 本発明の工程(1)は、乾燥ミクロ繊維と、バイン
ダー樹脂又はポリマーの水溶液とを混合して分散
液を形成する方法で実施できるが、ミクロ繊維の
第1水分散液に対してバインダー樹脂又はポリマ
ーの水溶液を加えることにより、ミクロ繊維及び
バインダー樹脂の両者が水中に含まれている第2
分散液を形成する方が望ましい。また、得られた
混合物のPHをアルカリ性の値、すなわち、7以
上、好ましくは約8ないし約10に調節するのが望
ましい。別法として、ミクロ繊維分散液のPH調節
を、バインダー樹脂溶液との混合以前に行うこと
もできる。 アニオン性及び非イオン性の種々の沈殿剤が実
用に適する。沈殿剤は水に溶解又は分散するもの
でなければならないし、水溶液からカチオン性の
バインダー樹脂を沈殿させうるものでなくてはな
らない。天然又は合成ポリマーから誘導された水
に溶解又は分散性の合成沈殿剤が好ましい。これ
らの沈殿剤は多くの製造元から入手することがで
き、それらの製法及び組成については、例えば
Index of Commercial Flocculants(H.A.Hamza
及びJ.L.Picard、1974Canmet Report77〜78、
Canada Centre for Mineral and Energy
Technology、Canada、1975)及びInd.Min.J.
(別冊)(R.D.Booth、J.E.Carpenter及びH.
Hartjens、335、1957)に記載されている。アニ
オン性の電荷を有する高分子量のポリマーを加え
ることにより、懸濁ミクロ繊維上にカチオン性の
バインダー樹脂を沈殿させるのが特に有効である
と認められた。 ミクロ繊維の水性媒質中において、バインダー
樹脂と沈殿剤とを組合せによつて安定な系が得ら
れなくてはならない。すなわち、ミクロ繊維/バ
インダー樹脂の水性系に沈殿剤を添加した際に高
度に凝集した生成物が生じるような製合せは避け
るべきである。さらにまた、組合せたままある期
間放置した場合に凝集が限定されることが望まし
く、放置した場合にミクロ繊維の凝集が起きるよ
うであれば、撹拌によつて系を容易に再分散させ
うるものであることが望ましい。 本明細書に記載するような条件下において、カ
チオン性のバインダー樹脂水溶液に対して、水に
溶解又は分散しうるアニオン性の沈殿剤を加える
ことにより、沈殿した形のカチオン性バインダー
樹脂が形成され、それが懸濁ミクロ繊維に効率的
に接着するのであると考察される。バインダー樹
脂又はポリマーと沈殿剤とを相互作用により、バ
インダー樹脂と共に沈殿剤が沈殿するのであろ
う。従つて、繊維状の被覆組成物には、ある割合
で沈殿剤が含まれうることを理解すべきである。 また、沈殿法によつて分散ミクロ繊維上に沈積
されるカチオン性バインダー樹脂の量が調節でき
る顕著な能力は、一部にはカチオン性バインダー
樹脂の沈殿とミクロ繊維の表面との間における好
ましいゼータ電位の相互作用の結果であろうと考
察される。このような相互作用は複雑であるとい
うことが知られており、静電結合、水素結合又は
他の物理化学的相互作用といつた種々の他の機構
もきわめて好ましい結果が得られた原因の全部又
は一部をなすのであろう。 使用されるアニオン性の沈殿剤はカルボキシル
基又は他のイオン化しうる酸性基を含むので、そ
れらの沈殿効率はPHの関数である。従つて、フイ
ルターシート又は隔膜の製造に用いる樹脂で被覆
されたミクロ繊維を製造するには、アニオン性の
基が実質的に完全にイオン化され、最高の沈殿効
率が得られるようなPH条件でこれを行うのが最も
効果的である。アルカリ性の条件下で沈殿工程を
実施することにより、最も良好な結果が得られる
ことがわかつた。アルカリ性のPH、好ましくは約
8ないし約10のPHのときに、選択されたアニオン
性の沈殿剤は最高の効率を示す。 好ましい沈殿剤は、カルボキシレート又はスル
ホネートのようなアニオン性の基を含む、水に溶
解又は分散性の合成ポリマーの群から選ぶことが
できる。効率、入手しやすさ及び低価格という点
で、カルボキシレート含有ポリマー、例えばアク
リル酸のコポリマーが特に好ましい。適当な沈殿
剤にはアニオン性のもの、例えばハーキユレス社
製品のヘルコフロツク(Hercoflocs)、ダウ・
ケミカル社製のプリフロツク(Puriflocs)及
びナルコ・ケミカル社(Nalco Chemical Co.)
製のナルコライト(Nalcolyte)系のアニオン
性凝集剤が包含されるる。好適な市販の沈殿剤に
は、ナルコライト7763、7766及び7173、プロダク
ト(Product)18、127−7〔アルドリツヒ・ケ
ミカル社(Aldrich Chemical Co.)〕ならびにカ
ルボセツト(Carboset)531〔B.F.グツドリツチ
社(B.F.Goodrich Co.)〕が包含される。ナルコ
ライト7766及び7173は、アクリルアミドとアクリ
ル酸ナトリウムとの高分子量(100万以上)コポ
リマーである。ナルコライト7763は、約35%のア
クリル酸と約65%のアクリルアミドとを反応させ
て得られた約500万ないし1000万の分子量を有す
るコポリマーである。これらの物質一般構造は米
国特許第3549527号、第3617542号及び第3673083
号に記載されている。これらはイオン性の凝集剤
であつて、そのイオン性の程度はポリマーに含ま
れるアクリル酸ナトリウムの相対的比率によつて
きまる。これらの化合物は、ポリアクリルアミド
の制御された加水分解によつてポリアクリルアミ
ド−共−アクリレートとするか、又はアクリルア
ミドとアクリル酸ナトリウムとを直接共重合させ
ることによつて得られる。プロダクト18−127−
7は、5〜6百万の分子量を有するポリアクリル
アミドである。カルボセツト531は、約100万の分
子量を有する水溶性の自触媒熱硬化性アクリル樹
脂である。このものはN−メチロールアクリルア
ミド基とアクリル酸とを含み、それによつて架橋
反応が起こるものと考察される。 本発明によつてフイルター隔膜を製造する好ま
しい方法は次のとおりである:例えばカウルスミ
キサーのような高性能ミキサーを用いる。当業者
にとつて周知の方法でミクロ繊維を水中に分散さ
せる。必要に応じて苛性アルカリのような塩基又
はくえん酸のような酸を加えてスラリーのPHを8
〜10の好ましい範囲に調節する。均質なミクロ繊
維分散液が得られるのに充分な撹拌を続けなが
ら、所望量のカチオン性の熱硬化性ポリマー又は
バインダー樹脂の水溶液を添加する。次にミクロ
繊維の分散液を烈しく撹拌しながらアニオン性沈
殿剤の水溶液又は水分散液を加える。 これらの工程が完了した後、樹脂で被覆された
ミクロ繊維の分散液を当業者にとつて公知の方
法、例えば長網抄紙機等による方法でミクロ繊維
のフイルターシート又は隔膜に変換する。 多孔質のシート、例えば不織ポリエステルマツ
トを鋼性針金の篩支持体の上にのせ、その上に鋼
製シリンダーを置き、被覆ずみミクロ繊維の分散
液をマツト上に注ぐ(鋼製シリンダーの開口末端
部をマツトの上面に合わせ、分散液が外にはみ出
さないようにして)ことにより、被覆ミクロ繊維
の水分に富んだ層又はマツトを形成すると、良好
なフイルターシートを製造することができる。次
に鋼製シリンダーの底部に接続させた真空ポンプ
を用い、マツトを通して減圧吸引することによつ
て被覆ミクロ繊維の分散液から水分を除去する。
実施例に記載のフイルターシートはこの方法で形
成したものである。形成後、材を乾燥し、その
後で好ましくは高められた温度で硬化させ、カチ
オン性のバインダー樹脂を架橋結合させると、本
発明の強力で自立性のフイルターシート又は隔膜
が得られる。乾燥中に多少硬化もするので、乾燥
と硬化とが同時に起こると見なすこともできる。 1当り約2gないし最高50g、好ましくは1
当り約2ないし約10gの濃度の均質スラリーが
得られるように、ガラスその他のミクロ繊維を水
中に分散させるのが好都合である。機械的撹拌に
よつて均質分散液が得られる限りは、実際のミク
ロ繊維の濃度を広範囲に変動させることができ
る。しかし余り濃度が低すぎると作業経費がかさ
むし、又濃度が高すぎてもミクロ繊維を分散させ
るのが容易でなくなる。 ミクロ繊維の重量を基準にして、カチオン性バ
インダー樹脂の合計添加固形分の重量が約1重量
%から最高約40重量%まで、すなわち、バインダ
ー樹脂対ミクロ繊維の重量比率が1:100ないし
約40:100、好ましくは約5ないし約30重量%、
すなわち、重量比率で5:100ないし約30:100と
なるような量のカチオン性バインダー樹脂を水溶
液の形でミクロ繊維の分散液に加えのが望まし
い。バインダー樹脂は約1ないし約10重量%、好
ましくは約5重量%の水溶液としてミクロ繊維に
加えるのが望ましい。 ミクロ繊維の表面にカチオン性のバインダー樹
脂又はポリマーを沈殿させるのに必要な沈殿剤の
量は、1重量%という低さから100重量%という
高さまで(ミクロ繊維分散液に含まれるカチオン
性バインダー樹脂の乾燥重量を基準とした沈殿剤
の乾燥重量において)変動させることができる。
添加割合は、カチオン性の熱硬化性バインダー樹
脂の特定的な性質及びアニオン性沈殿剤との組合
せいかんによつて変わる。しかしながら、本発明
のフイルターシート又は隔膜についてのすべての
所望の性状を得るためには、アニオン性の沈殿剤
の添加量をカチオン性の熱硬化性バインダー樹脂
の添加量以下に保つことが必要である。 好ましいカチオン性バインダー樹脂のR−4308
と、好ましい沈殿剤のナルコライト7763とを用い
てミクロ繊維のフイルターシート又は隔膜を製造
するためのバインダー樹脂対沈殿剤の好ましい重
量比率は、約50:1ないし約1:1の範囲内であ
る。バインダー樹脂と沈殿剤との組合せにおける
特に好ましい範囲は約10:1から約1:1までで
ある。 沈殿剤を稀釈水溶液又は水分散液として添加す
ると最善の結果が得られることが認められた。約
4重量%をこえる沈殿剤の水性溶液又は分散液を
用いることは、沈殿剤の供給速度を極端に遅くし
なくてはならないこと、及び均質性の劣る隔膜が
できやすいことを理由として望ましくない。水性
溶液又は分散液中の沈殿剤の濃度は約0.01ないし
約1重量%であり、約0.16重量%とするのが特に
好ましい。 沈殿工程は複雑であつてなかなか理解しにくい
工程であると認識されており、最適条件を確立す
るには試行錯誤によるほかない。従つて、本発明
の隔膜を製造するための沈殿剤の添加速度やミク
ロ繊維分散液についての混合条件は、個々の場合
について試行錯誤を繰返して最適なものとすべき
である。しかしながら、フイルターシートの強度
を低下させ、微粒物質除去能率を悪化させる原因
となる分散特性の損失又はミクロ繊維の凝集を防
止するのに充分な程度に沈殿剤溶液の添加速度を
遅くし、かつ、ミクロ繊維分散液の撹拌を烈しく
行うことが一般に必要であることが見いだされ
た。ミクロ繊維分散液の品質を観察し、そして繊
維分散液の品質劣化、すなわち、凝集現象が回避
される最大供給速度を確立することにより、最適
な供給速度(処理時間を最も短縮させる観点に立
つて)をきめることができる。 カチオン性のバインダー樹脂で被覆されたミク
ロ繊維を水溶液中に分散させたものは、懸濁液又
は分散液の形で過助剤として用いることができ
る。その場合には、プレコートとして用いるか、
又は過すべき液体と混合されたプレコート及び
ボデイーフイードとして用いるかのいずれかによ
る。しかし、周知の方法を用いてフイルターシー
トに変える方が好ましい。その一例は前記の方法
であつて、実施例のフイルターシートは該方法に
よつた。別法として長網抄紙機を用いてもよい。
仕上り製品中の被覆の含有量は、典型的には約1
ないし約40重量%(ミクロ繊維の重量基準で)で
あり、好ましくは約5ないし約30重量%の範囲内
である。 乾燥が終つた後、形成されたミクロ繊維のシー
トを硬化させることにより、バインダー樹脂がミ
クロ繊維間に強力に結合されて架橋された、機械
的に強力な不溶性のポリマーに変換する。硬化は
長時間に亘る周囲温度の下で実施できる。しか
し、50゜〜200℃の高められた温度で最長数日、
最短数分で有効な硬化を行うことができる。1時
間以内の硬化時間と約75゜〜125℃の硬化温度の
組合せが一般に望ましい硬化条件である。 典型的にはフイルターシートは約7Kg/mない
し約50Kg/mの乾燥引張り強度を有する。フイル
ターシートは平なシートとしてももちろん使用で
きるが、機械的に加工してアコーデイオン形に
し、工業界で周知のタイプのフイルター要素構造
体に組込むこともできる。 また、フイルターシートを多孔質の基体又は芯
に結合させることにより、さらに強度が要求され
る場合にも適したシートにすることができる。こ
の場合には、乾燥及び硬化の後で、その場で形成
されたフイルターシートが基体ウエブに緊密に接
着されるように、沈殿させた接着剤樹脂で予備処
理された基本ウエブの上に直接沈積させることに
より、樹脂で被覆されたミクロ繊維と沈殿剤との
分散液からフイルターシートを形成すればよい。 好適なフイルターシート用の基本は、開放性の
繊維ウエブ、例えばセルロース繊維(紙)、ガラ
ス繊維織布、及びポリマーフイラメントから製造
された織物又は不織物質である。好ましいウエブ
は、ポリエステル、ポリプロピレン、ポリアミド
その他の熱可塑性合成樹脂繊維の不織又は織ウエ
ブである。本発明にとつて特に好ましいものは、
リーメイ(Reemay)の商標で売出されてい
る、シート重量が約3ないし約300g/m2である不
織ポリエステルウエブである。 基本ウエブを製造するには、ミクロ繊維を被覆
しているバインダー樹脂に対して相容性の接着剤
樹脂の水溶液で最初にウエブを処理し、次に沈殿
剤の水性溶液又は分散液で処理する。沈殿剤の作
用で接着剤樹脂の沈殿が起こり、基本ウエブの織
維が被覆される。次にこの接着剤樹脂により、後
から沈積する無機のミクロ繊維のフイルターシー
トのきわめて強固な接着が得られる。 基本ウエブの処理に用いる接着剤樹脂及び沈殿
剤は、ミクロ繊維を被覆するのに用いたものと同
じであるのが望ましい。しかし、この接着剤樹脂
を選ぶ唯一の基準は、接着剤樹脂とミクロ繊維上
のバインダー樹脂とが相容性であつて、フイルタ
ーシートと基本ウエブとの間に良好な接着をもた
らすものでなくてはならないということにつき
る。 ウエブの処理は、約1ないし約10、好ましくは
約2ないし約5重量%の濃度の接着剤樹脂の水溶
液を最初にウエブに施すことによつて行うのが望
ましい。次いで約0.01ないし約5重量%の重量濃
度における沈殿剤、好ましくはナルコライト7763
又はカルボセツト531の水性溶液又は分散液をウ
エブに施して、基体ウエブの繊維性マトリツクス
内に沈殿剤を導入して接着剤樹脂と混合すること
によつて樹脂をウエブの繊維上に沈殿させる。沈
殿剤の好ましい濃度は約0.1ないし約3重量%で
ある。典型的には、処理溶液の合計容量(樹脂と
沈殿剤)は、基本ウエブ1m2に対し108〜538(概
略110〜540)mlの範囲内であると思う。 基本ウエブに対する樹脂溶液は塗布は、浸漬塗
布、転写式塗布その他の当業界で公知の方法で行
うことができる。本発明の方法では、厚さ0.013
〜0.025cmの転写式塗膜とするのが接着剤樹脂溶
液及び沈殿剤溶液の両者についての好ましい塗布
法である。次に接着剤による処理の終つた基体ウ
エブを適当な装置の上に載せる。この装置は、処
理された無機のミクロ繊維が含まれている水性ス
ラリーを基体ウエブの表面上に沈積させることが
でき、しかも基体ウエブを通してスラリーに含ま
れる水を除去することができ、それによつて基体
ウエブに緊密に接触したミクロ繊維のフイルター
シートが形成されるものである限り任意のもので
あつてよい。次に、処理された基体ウエブ上に形
成されたミクロ繊維のフイルターシートを乾燥及
び硬化させる。 基体に支持されたこれらのフイルターシート
は、緊密に基体に結合したフイルターの形をな
し、きわめてすぐれた機械的強度と剛性とを有し
ている。このようなフイルターシートは、高度の
圧力差にさらされ、しかも破砕しにくい隔膜が要
求される過に特に有用である。また、この種の
シートは当業界で公知の方法により、フイルター
要素に好都合に変えることができる。別の方法と
して、フイルターシートを別に形成し、その後で
相容性の接着剤樹脂を用いて基体ウエブ支持体に
固定させてもよい。 隔膜の示す機械的強度、所要樹脂の低濃度、微
細細孔度、きわめて狭い細孔分布度及び高度の微
粒物質除去効率は、従来技術の過隔膜を実質的
に改善するものである。これらの特徴を以下の実
施例によつて説明する。 下記実施例のフイルターシート又は隔膜の試験方
法 (a) 引張り強度 引張り強度はASTM D882の方法に従いイン
ストロン・ユニバーサル試験機1130型で測定し
た。 (b) ゼータ電位 ミクロ繊維フイルターシートのゼータ電位
は、フイルターシート又は隔膜保持器内に固定
した数層の膜を通して0.001重量%のKClの蒸
留水溶液を流したときに生じる流れ電位の測定
値から計算した。ゼータ電位は、流体にさらさ
れた隔膜表面上の正味の不動静電荷の尺度であ
る。該流体が膜内を流れるときに生じる流れ電
位とゼータ電位との間には、下記の式で示され
る関係が成立つ(J.T.Davisら:Interfacial
Phenomena、Academic Press New York、
1963): ゼータ電位(ミリボルト)=4πη/D・Eλ/P 式中、ηは流動溶液の粘度であり、Dは該溶
液の誘電率であり、λはその誘電率であり、E
Sは流れ電位であり、そしてPは流動時におけ
る隔膜の前後における圧力降下度である。 次の式において、Pは流動時における隔膜の
前後における圧力降下度をポンド/平方インチ
で表わしたものであり、 4πη/D は2.052×10-2の定数(ただし、Kg/m2に換算し
たときは、この定数に703.1を乗じるものとす
る)であるので、ゼータ電位は次のように表わ
すことができる: ゼータ電位(ミリボルト)=14.43・E(ボルト)・λ(ミクロモー/cm)/P(Kg/cm2) (c) 水性微粒物質除去効率 水性媒質を過するときのフイルターの除去
度をきめる方法は、工業界で広く用いられてい
るOSU(オクラホマ州大学)のF−2フイル
ター性能試験法である。使用装置は、カリホル
ニア州メンロ・パークのHiac−Royco
Instrument社から入手した自動粒子計算機PC
−320型である。この装置は上流にCMB−60検
知器、下流にCM−60検知器を具えており、粒
子直径が0.1〜40μの珪質試験ダクトの水性懸
濁液を用いて供試隔膜の過能力を迅速に測定
することができる。この装置は6チヤンネルの
粒子計算機を2組有し、任意の前もつて選択さ
れた範囲内に粒径に合うようにセツトし、フイ
ルターへの流入液の粒子濃度と、流出液の粒子
濃度とを自動的に記録できる。またこの装置
は、選択された6種の粒子直径範囲の各各につ
いて、流入粒子数対流出粒子数の比率である、
ベータ(β)として公知の比率も自動的に記録
する。ベータは次式に示すとおり、%除去で表
わされる除去効率と関係がある: %除去=β−1/β×100 (d) 細菌力価の低減 ミクロ繊維供試フイルターシート又は膜を、
直径14.2cm、有効過面積92.9cm2の滅菌隔膜ホ
ルダーに組込んだ。組合せた装置にアルコール
を満たして消毒し、約15分間放置した。次に約
2の殺菌脱イオン水でフラツシングしてアル
コールを除去した。1当り細菌103〜107の濃
度で殺菌脱イオン水に含まれるプソイドモナ
ス・ジミヌタ(Pseudomonus diminuta;Ps.
d;ATCC19146)又はセラチア−マルセツセ
ンス(Serratia marcescens;SM;
ATCC14756)の懸濁液を加圧容器内で調製し
た。約100ml/分の流速で水性細菌懸濁液をフ
イルター隔膜に通し、10進式増加水準で流出液
を集めた。この流出液に含まれる細菌濃度の分
析を行うには、滅菌0.2μの分析用隔膜に該流
出液を適当に希釈したものを通した後、ミユラ
ー・ヒントン培養基(Mueller−Hinton
Agar;BBL)を用いて32℃において48時間
(Ps.d)及び24時間(SM)培養を行つた。流入
液の細菌数対流出液の細菌数の比率として定義
される力価低減をそれから計算した。 (e) 内生毒素の力価低減 ミクロ繊維の供試フイルターシート又は隔膜
をイソプロパノールであらかじめ湿潤し、直径
47mm、有効過面積9.29cm2の脱ピロゲンずみの
円板ホルダー内に置いた。ピロゲンを含んでい
ない約50mlをその円に通し、最後の3〜4mlを
系についてのネガチブな対照として集めた。精
製した大腸菌(E.Coli)の内生毒素(055.B5)
を1ml当り約1ngの濃度において、約5ml/分
の流速で試験隔膜に合計10ml通した。この10ml
試験を反復し、内生毒素の濃度を10進式に高く
し、最高濃度を1ml当り100ngとした。各増分
試験の最後の3〜4mlを集めて内生毒素の濃度
について分析した。U.S.P.細菌内生毒素試験
(Bacterial Endotoxins Test)によるリムラ
ス・アメーボサイト・リサーテ(Limulus
Amoebocyte Lysate;LAL)法で流入液及び
流出液の各試料についての内生毒素の濃度を分
析した。 (f) フイルター膜の被覆含有量 各実施例のミクロ繊維フイルター隔膜はミク
ロ繊維材及び被覆物質のみで構成されている
ので、隔膜に含まれている被覆物質の量は簡単
な方法で測定できた。隔膜の適当な大きさの試
料を慎重に秤量した後、被覆物質がすべて気体
成分に変換されることによつて除去されるま
で、ブンゼンバーナーのような高温酸化焔で処
理する。極端にもろくなつてはいるが、残留ミ
クロ繊維を細心の注意をもつて秤量し、被覆物
質の消失による重量減少を測定した。下記実施
例の隔膜のすべてについての被覆物質含有量
は、この方法を用いて測定したものである。 (g) ラテツクス粒子の除去 トラトイン(Triton)X−100(ノニルフエ
ノールと約10モルのエチレンオキサイドとの付
加物)を0.1%含む脱イオン水中約0.1重量%の
溶液として、粒径が判然としているポリスチレ
ンラテツクス〔ダウ・ダイアグノスチツクス社
(Dow Diagnostics Inc.)製のもの〕の単分散
懸濁液を調製した。適当な隔膜保持器内の供試
隔膜にラテツクス懸濁液を強制的に通し、光散
乱測光器〔フエニツクス・プレシジヨン・イン
スツルメント社(Phoenix Precision
Instrument Inc.)製の2000D型〕内の光学的
フロー・セルに流出液を通した。各寸法のラテ
ツクスごとに経験的に求めたラテツクスビース
の濃度と、光散乱強度との間の相互関係を利用
し、90°で測定して537nmの光線が示す散乱
度をラテツクス粒子の濃度に換算した。ラテツ
クスビーズ除去能力は、測定された効率及び供
試ラテツクスビーズの全容量から導き出した。 下記実施例のフイルターシート又は隔膜の一般的
製法 ワーリング・ブレンダーのような高剪断ミキサ
ーを用い、市販のミクロ繊維、例えばガラス又は
繊維性チタネートを約1ないし約10g/の量で
水中に分散させた。大体15〜30分撹拌を続け、完
全に分散した均質の繊維分散液を得た。撹拌下
に、ミクロ繊維の重量基準で3〜30重量%の活性
化したレジンR−4308(又は実施例に述べる他の
バインダー樹脂)を5重量%の水溶液として前記
の分散液に加えた。カチオン性のバインダー樹脂
の溶液を添加後、苛性アルカリ水溶液で溶液のPH
を8〜10の範囲に調節した。バインダー樹脂を加
える前にPHを調節した場合もある。さらに機械的
撹拌を続けながら、ミクロ繊維の凝集が観察され
ることのないような遅い添加速度でナルコライト
7763の0.16%水性分散液を加えた。ナルコライト
7763(又は他の沈殿剤)の添加容量は、カチオン
性のバインダー樹脂対アニオン性の沈殿剤の重量
比率が好ましい範囲の10:1から1:1までとな
るようにした。 バインダー樹脂対沈殿剤の最適比率は、ミクロ
繊維の特殊性状、その化学的組成及び平均繊維直
径によつて多少変るものではあるが、一般的には
10:1ないし1:1である。大抵のガラスミクロ
繊維によるフイルターシートを製造するに当つて
は、カチオン性のバインダー樹脂対沈殿剤の重量
比率を約4:1〜1:1とするのが望ましい。 次にカチオン性バインダー樹脂で被覆されたミ
クロ繊維の均質分散液から、前掲の多孔質水抜き
用支持体及び常法を用いた減圧吸引によつてフイ
ルターシートを形成した。10g/m2以下から約100
g/m2までの任意の所望シートの重量のものを製
造した。次いでフイルターシートを乾燥し、約
100〜150℃で約15〜30分間硬化した。硬化後のフ
イルターシートはそのまま過用に用いることが
できたし、あるいは下記に示すような試験を施す
こともできた。 例 1〜4 4種のフイルター隔膜を製造した。各例とも下
記の工程(A)から工程(F)に到る手順によつた: (A) 平均繊維直径が0.35μのガラスミクロ繊維6
gを1の水に分散させた。ワーリング・ブレ
ンダー内で分散液を15分間混合した。 (B) 混合を続けながら、表に記載した量の活性
化したバインダー樹脂R−4308を分散液に加え
た(水中5重量%の溶液として、又ミクロ繊維
の重量基準において)。 (C) さらに5分間混合物を撹拌した後、苛性アル
カリPHを10に調節した。 (D) 混合を続けながら、30ml/分の速度で適当容
量(下記の表参照)のナルコライト7763を
0.16重量%水溶液として加えた。 (E) さらに15分間混合を続けた。 (F) 2.7g/929cm2においてフイルターシートを減
圧注型し、150℃で10分間硬化した。
【表】 形成されたフイルターシートの性状を下記の表
に示す。
【表】 これらの例は、バインダー樹脂の添加量が低く
ても本発明の材が有用であることを示し、ガラ
ス繊維の表面に完全に樹脂が効率よくゆきわたつ
ていることを物語つている。被覆含有量1.8%に
おいては、被覆の厚さはわずか10〜15Åと計算さ
れ、これは樹脂の分子の大きさと同じ程度であ
る。 例 5 前記と同じようにして、0.58μの繊維直径を有
するガラスのミクロ繊維を4g/の濃度で水中
に分散させた。0.1Nの水酸化ナトリウムで繊維
分散液のPHを約9に調節し、撹拌下に5重量%
(ミクロ繊維の重量を基準にして)の活性化した
レジンR−4308を5重量%の水溶液として加え
た。撹拌を続けながら、レジンR−4308対ナルコ
ライト7763の重量比が2:1となるような量のナ
ルコライト7763の0.16重量%水溶液を用いて、レ
ジンR−4308が含まれているミクロ繊維分散液を
処理した。3.2g/平方フイートのフイルターシ
ートをカチオン性バインダー樹脂で被覆されたガ
ラススミクロ繊維分散液から形成し、130℃で5
分間硬化した。 例 6 繊維分散液に20重量%の活性化したレジンR−
4308(ガラスミクロ繊維の重量に対し)を加えた
以外は例5の方法を繰返してフイルターシートを
製造した。レジンR−4308対ナルコライト7763の
重量比を2:1に保つため、0.16重量%のナルコ
ライト7763溶液の添加容量を4倍にした。樹脂で
被覆されたガラスのミクロ繊維分散液から2.2
g/929cm2のフイルターシートを形成し、130℃で
5分間硬化した。 例 7 活性化したレジンR−4308を30重量%加え、ナ
ルコライト7763の0.16重量%溶液の容量を多くし
てレジンR−4308対ナルコライト7763の重量比を
2:1に保つた以外は例6の手法を繰返した。次
に樹脂で被覆された繊維分散液から2.1g/929cm2
のフイルターシートを形成し、130℃で5分間硬
化した。 例 8 平均繊維直径が3.2μのガラスミクロ繊維を水
に分散させたこと、及び25重量%の活性化したレ
ジンR−4308を分散液のPH約10において加えたこ
とを除いて例7の手法を繰返した。レジンR−
4308対ナルコライト7763の重量比が2:1となる
容量の0.16%のナルコライト7763を加えた。シー
ト重量2g/929cm2のフイルターシートを形成
し、125℃で30分間硬化した。 例5〜8の隔膜の性状を次の表に示す。
【表】 例5〜8の隔膜及びその性状は、新規かつ予想
外の結果を示すものである。 従来の研究では、隔膜の望ましい性状を保ちな
がらバインダー樹脂の量を思い通りに調節するこ
とは概して不可能であつた。従来技法では、おお
むねバインダー樹脂が分散繊維の中にまじつて別
のきわめて微細な懸濁物として沈殿し、繊維の上
に沈積することはなかつた。このような分散液か
ら隔膜を形成すると、減圧吸引中にバインダー樹
脂の実質的な損失が起こり、製品隔膜の強度が劣
ることにつながる。また、従来技術ではバインダ
ー樹脂のきわめて大きな凝集塊が形成されやす
く、樹脂の不均質分布に起因して強度及び外観が
劣る隔膜が生成されやすい。意外なことに、上記
諸例の方法では、バインダー樹脂を意のままに添
加でき、しかも機械的強度にすぐれ、正のゼータ
電位を有し、そして均一な外観を有する隔膜が得
られるのである。 例 9 0.3μの平均繊維直径を有するガラスミクロ繊
維を4g/で水中に分散させ、PHを約9に調節
した後、例5に記載したように活性化したレジン
R−4308の5重量%水溶液で処理した。次にレジ
ンR−4308対ナルコライト7173の重量比が2:1
となる容量の0.16重量%のナルコライト7173で繊
維分散液を処理した。カチオン性のバインダー樹
脂で被覆された繊維から2g/929cm2のフイルタ
ーシートを形成し、130℃で5分間硬化した。 例 10 アルドリツヒ・ケミカル社の製品番号18127−
7をナルコライト7173の代りに用いた以外は例9
の手法を繰返した。 例 11 (a) 0.9μの平均繊維直径を有するガラスミク
ロ繊維を用い、(b) レジンR−4308に代えて活性
化したサントレス31を18重量%(ミクロ繊維の重
量基準)加えた以外は例5に記したフイルターシ
ートの製法を繰返した。サントレス31対ナルコラ
イト7763の重量比が3.3:1となるに充分なナル
コライト7763の0.16重量%溶液を加えた。この材
料から2.0g/929cm2のフイルターシートを製造
し、120℃で30分硬化した。 例 12 サントレス31対ナルコライト7763の重量比を
2:1に調節した以外は例11のフイルターシート
製造方法を繰返した。この材料から2.0g/929cm2
のフイルターシートを製造し、120℃で30分硬化
した。 例 13 ナルコライト7173の代りにカルボセツト531を
用いた以外は例9の手順を繰返した。 例9〜13のフイルターシートの性状を表に示
す。
【表】 例9〜13によるフイルターシートの製法では、
種々の沈殿剤とカチオン性で水溶性の熱硬化性バ
インダー樹脂とが用いられることを示している。 例 14 (a) 0.3μの平均繊維直径を有するガラスミク
ロ繊維4重量部と、(b) 約0.1μの平均繊維直径
を有するチタネートミクロ繊維6重量部との混合
物を用いた以外は例5の一般的フイルターシート
製造方法を繰返した。4g/の濃度でガラスミ
クロ繊維を別個に水中に分散させ、分散液のPHを
9に調節してから15重量%の活性化したレジンR
−4308(ガラスミクロ繊維基準)を5重量%の水
溶液として前記の分散液に加えた。適量のナルコ
ライト7763(0.16水溶液)を加えてレジンR−
4308対ナルコライト7763の比率を2:1とした。
同様にして、チタネートミクロ繊維を別個に20重
量%の活性化したレジンR−4308で処理した後、
レジンR−4308対ナルコライト7763の比が10:1
となるような量のナルコライト7763を加えた。次
にカチオン性のバインダー樹脂で被覆されたミク
ロ繊維の各分散液を、ガラスミクロ繊維4重量部
対チタネートミクロ繊維6重量部となるように混
合し、2g/929cm2のフイルターシートを形成し
てから硬化した。ラテツクス粒子除去試験では
0.6μの絶対除去度を示した。 例 15 バインダー樹脂で被覆されたミクロ繊維から
3.1g/929cm2のフイルターシートを形成して130
℃で10分間硬化した以外は例5の一般的なフイル
ターシート製造方法を繰返した。 フイルターシートのPH環境の関数としての例14
及び15のゼータ電位の測定結果を表に示す。
【表】 例 16〜20 下記の例16〜20においては、種々の平均繊維直
径を有するガラスミクロ繊維を用い、例5の一般
方法に従つてミクロ繊維フイルターシートを製造
した。レジンR−4308の添加量をミクロ繊維の重
量に対して約5重量%に保つた。レジンR−4308
対ナルコライト7763の重量比を約2:1に保つ
た。これらの例におけるフイルターシート重量及
び隔膜の性状を表に示す。
【表】 前記のOSU F−2フイルター性能試験によ
り、ほぼ中性PHの水性媒質中における珪質懸濁液
に対する例16〜20のフイルターシートの除去効率
を評価した。比較のため、同じ平均繊維直径を有
するガラスミクロ繊維を用いて製造されたガラス
ミクロ繊維のフイルターシート(ただし、本発明
の方法に従つて製造しなかつたもの)についても
同時に試験した。各比較フイルターシートはウル
チポール(Ultipor)GFの商標でポール社(Pall
Corp.)から製造販売されているフイルターシー
トである。表においては、これらの比較用隔膜
を「対照」という用語を用い表わした。いずれの
場合においても、使用されたバインダー樹脂の関
係でウルチポールGFフイルターシートが−30な
いし−70ミリボルト(mV)の負のゼータ電位を
有することを除いては、物理的構成状態、単位面
積当りのガラス重量及び繊維の沈積量はいずれも
同一条件であつた。
【表】 例16〜20のフイルターシートは可能である細孔
直径の選択を示している。従つて、1μ以下から
10μ以上までの細孔除去度(pore removal
rating;OSU F−2試験で測定される)を有
し、高効率で微粒物を除去できる隔膜が本発明の
方法で製造可能であることがわかる。直径が大き
いセルロース補強マトリツクスを含む従来技術の
フイルターシートでは、このような予備選択され
た細孔度及びこのような高除去効率を達成するこ
とが不可能である。 表に記載された効率から明らかなとおり、例
16〜20のフイルターシートは、従来技術のフイル
ターシートに較べ、珪質試験ダストの水性懸濁液
についてのダスト除去効率が改善されている。 例20及び対応する対照例のフイルターシートの
ゼータ電位を種々のPHで測定した。その結果は図
に示すとおりである。 例 21〜28 例5の一般方法を用いて本発明によるミクロ繊
維のフイルターシートを製造したが、例外として
例21は例14におけると同じように、ガラスのミク
ロ繊維とチタネートミクロ繊維との混合物を用
い、例14の方法でフイルターシートを作つた。例
22〜28の場合には、表に示すような種種の平均
繊維直径を有するガラスミクロ繊維を用いた。こ
れらの例におけるフイルターシート重量及びフイ
ルターシートの性状を表に示す。
【表】 さきに記載したラテツクス粒子除去試験法によ
り、例21〜28のフイルターシートによる単分散ラ
テツクス粒子の水性懸濁液に対する過効率を調
べた。比較のため、平均繊維直径が同一のミクロ
繊維を原料に用いてはいるが、本発明の方法によ
らないで製造されたフイルターシートについても
同じ試験を施し、各例ごとにそれらを「対照」と
して表示した。比較用のフイルターシートはポー
ル社で製造され、ウルチポールGFの商標で販売
されている製品である。これらの試験で得られた
結果を表に示す。
【表】 例21〜28で製造したフイルターシートのラテツ
クスビーズ除去能力及び効率は、平均繊維直径が
実質的に同じである従来技術のフイルターシート
よりも明らかにすぐれている。また表の結果か
ら、種々の平均直径を有するミクロ繊維を材料に
用いても、カチオン性のバインダー樹脂を含むミ
クロ繊維のフイルターシートがラテツクス粒子の
除去効率においてすぐれていることも明らかにわ
かる。さらにまた、比較的大きな平均繊維直径を
有するガラスミクロ繊維で製造したフイルターシ
ートが、市販のガラスミクロ繊維フイルターに較
べ、大形ラテツクス粒子の過効率において著る
しくまさつていることも明らかである。 例 28a 例23の隔膜と、20重量%のガラスミクロ繊維及
び80重量%のセルローセ繊維で構成される市販の
隔膜〔ニユーヨーク州ウオータータウンのイート
ン・ダイクマン社(Eaton Dikeman、Inc.)の製
品番号OS−81−2630〕とについて、それらのフ
イルター寿命又はダート保持容量を比較した。両
方の隔膜に対し、さきに記載した水性液中の微粒
物質除去効率試験を施した。供試隔膜のダート保
持容量は、フイルターの有用寿命のつきたことを
示す隔膜の前後における圧力降下度が2.81Kg/cm2
に達するまで、珪質試験ダストの懸濁液を過さ
せ続けることによつて測定した。試験の継続時
間、珪質試験ダストの濃度及び試験ダスト懸濁の
流速から各供試隔膜についての見掛けのダート保
持容量を計算した。また、前記のように99.95%
の効率における各隔膜についての絶対粒子除去度
も測定した。これらの試験で得られた結果を次の
表−aに示す。
【表】 ロース繊維フ
イルター
上記の表に示す結果から、補強剤としてセルロ
ース繊維を含む従来技術の隔膜が較べ、本発明に
よる隔膜のダート過容量がはるかにすぐれてい
ることがわかる。これらのデータは、本発明のガ
ラスミクロ繊維フイルターシートに較べ、実質的
に同じ粒子除去度を有するセルロース含有隔膜の
有するダート捕集容量が低く、フイルターの寿命
が短いことを示すものである。 例 28b 例22及び23のフイルターシートと、本例での対
照隔膜とに対し、工業界で周知の泡立ち点試験を
施した。この試験では、液体で湿潤させたフイル
ターシート又は隔膜を通る空気の流速を測定し、
フイルターシート又は隔膜の孔径特性についての
有用な情報を得る。湿潤化したフイルターシート
又は隔膜を通過する、適用圧力の単位ごとの空気
の流れをプロツトすると、最初の流量はきわめて
少なく、しかもコンスタントであるが、フイルタ
ーシート又は隔膜の細孔から湿潤剤、例えば水を
排除するのに必要な圧力が施された時点で流量が
急速に増加する。この転移が起こつた時の圧力
は、フイルターシート又は隔膜の孔径分布の尺度
であつて、公知の毛管上昇方程式で求めることが
できる。均一細孔を有する媒質であれば、毛管排
除圧力(capillary displacement pressure)に
おいて勾配にきわめて鋭い変化が起きることを特
徴とするのに対し、ばらつきの広い細孔分布を有
するフイルターシートであれば、勾配の変化率は
低く、広い直径範囲に含まれる細孔が存在してい
ることを示す。この毛管排除圧力範囲を利用する
ことにより、毛管上昇方程式によつて孔径分布状
態を評価することができる。 これらの試験で得られた結果を次の表−bに
示す。
【表】 イルター
上記の表から、セルロース繊維で補強された従
来技術によるガラスフイルターシート又は隔膜に
較べ、本発明によるフイルターシート又は隔膜の
孔径分布が狭い範囲に集中していることがよく判
る。 例 29 例5の方法を用い、0.3μの平均繊維直径を有
するガラスミクロ繊維をカチオン性のバインダー
樹脂で被覆されたミクロ繊維分散液に変換した。
次に0.3g/929cm2のシート重量のフイルターシー
トをこの分散液から形成した後硬化した。 例 30 例5の方法を用い、0.3μの平均繊維直径を有
するガラスミクロ繊維をカチオン性のバインダー
樹脂で被覆された繊維の分散液に変えた。次にこ
の繊維分散液から1.4g/929cm2のシート重量のフ
イルターシートを形成して硬化した。 水性懸濁液から細菌を過する能力に関して例
29及び30のフイルターシートの試験を行つた。前
に記載した細菌力価除去試験法に従い、ほぼ中性
PHの水性懸濁液の状態で細菌プソイドモナス・ジ
ミヌク(直径0.3μ、長さ1μの桿状菌である)
をフイルターシートに通した。比較のため、実質
的に同一の平均直径を有するガラスミクロ繊維を
材料としているが本発明の方法を用いないで製造
されたフイルターシートに対しても同じ試験を行
つた。このフイルターシートはポール社で製造さ
れ、ウルチポールGFの商標で販売されているも
のである。この試験では、該比較用フイルターシ
ートを「対照」として表示した。これらの試験結
果を表に示す。
【表】 さきに述べた細菌力価除去法により、例30のフ
イルターシートについて、直径0.45μのバクテリ
ア、セラチア・マルセツセンスを中性水性懸濁液
から除去する効率を試験した。比較のため、上記
の表で「対照」として示した従来技法によるフ
イルターシートについても同様の試験を行つた。
これらの試験結果を表XIに示す。
【表】 例 31 0.61μの平均繊維直径を有するガラスミクロ繊
維を例5の方法によつて、カチオン性のバインダ
ー樹脂で被覆された繊維の分散液に変換した。次
にこの分散液からシート重量2.1g/929cm2のフイ
ルターシートを形成して硬化した。この隔膜につ
いて、中性PHにおける水性懸濁液からのバクテリ
ア、セラチア・マルセツセンス除去効率を試験し
た。比較のため、実質的に同じ平均繊維直径を有
するガラスミクロ繊維から作られた従来技術のフ
イルターシートについても試験を行つた。表XIIに
「対照」として示したがそれである。
【表】 さきに記載した内生毒素力価低減試験法を用
い、種々のフイルターシートについて、中性PHに
近い水性懸濁液から内生毒素を除去する能力を調
べた。水溶液中の大腸菌内生毒素を用いて例23、
29及び30の隔膜を試験した。大腸菌内生毒素は分
子大の寸法を有し、直径約0.001μの桿状形をな
すものと考察されている。比較のため、表XIにお
いて「対照」として示した従来技法によるフイル
ターシートについても内生毒素除去効率試験を行
つた。これらの試験結果を下記の表Xに示す。
【表】 例 32 ドクターブレードを使つて被膜をのばすことに
より、活性化したレジンR−4308の5重量%水溶
液を厚さ0.127〜0.254mmの被膜としてガラス板の
上に沈積させた。別の同じようなガラス板の上に
は、0.18重量%のナルコライト7763による厚さ
0.127〜0.254mmの被膜を展着した。30g/m2のシ
ート重量を有する不織ポリエステルウエブ、リー
メイ2114の面積929cm2の1片を被覆ガラス面に敷
いて樹脂をウエブに塗布した。ガラス面からウエ
ブを取除いてから次に同じように沈殿剤被覆の上
にのせ、手で軽く押しつけて処理溶液とウエブと
が一様に接触するようにして、沈殿剤をウエブに
塗布した。次にバインダー樹脂で被覆されたウエ
ブを前記の真空フイルター形成装置に入れ、2
g/929cm2のミクロ繊維シート重量において例4
のガラスミクロ繊維懸濁液で処理した。このよう
に形成したフイルターシートを乾燥してから125
℃で15分間硬化し、下記の試験に供した。 例 33〜37 例4のバインダー樹脂で被覆された繊維懸濁液
を用い、例32に記載した方法で種々の基体で支持
されたフイルターシートを製造した。基体ウエブ
に塗布した溶液の接着剤樹脂の濃度及び沈殿剤の
濃度は表に示すとおりである。接着界面を手で
引離すことにより、これらの例における硬化フイ
ルターシートについてのミクロ繊維フイルターシ
ートの基体ウエブに対する接着力を調べた。層を
分離した後、ガラスミクロ繊維が基体ウエブ及び
界面に接着していることによつて立証される凝集
破壊は、許容しうる接着と見なしてこれを良ない
し優とした。ミクロ繊維の接着量が多ければ多い
ほど評価点は上である。基体ウエブに実質的に結
合したミクロ繊維が認められない状態で層の分離
がなされた場合には接着不良とし、接着層破壊と
呼んだ。
【表】 表の結果から、本発明の方法により、基体
に対する接着性のすぐれた、該基材で支持された
ガラスミクロ繊維のフイルター隔膜を製造できる
ことが明らかである。 例 38〜41 例5におけるバインダー樹脂で処理されたガラ
スミクロ繊維分散液を用いたこと、及び基本ウエ
ブ処理工程でナルコライト7763の代りにカルボセ
ツト531を用いたことを除いては例32の方法を繰
返した。例32のようなフイルターシートを硬化し
てから層の接着性について試験を行つた。結果を
次の表に示す。
【表】 表の結果から、本発明の方法においてカル
ボセツト531を沈殿剤に用いると、二層間の接着
がきわめて良好な、基体に支持されたガラスミク
ロ繊維フイルターシートの得られることが明らか
である。これらの例によつて示される優秀な接着
性に照らし、これらのフイルターシートを慣用の
装置によつて波形化することによりアコーデイオ
ン形となし、破砕その他によつて過性能を失う
ことなしにフイルターカートリツジに組込むこと
が可能である。また、これらの基体で支持された
ミクロ繊維フイルターシートは、別段の加工を施
さなくとも、極端な機械的強度及び破砕抵抗性が
要求される過作業にそのまま使うことができ
る。 工業的用途 前記の実施例により、従来技術によるフイルタ
ーシートに較べ、本発明のフイルターシートによ
る細菌及び内生毒素の除去効率はきわめてすぐれ
ていることが明らかである。また本発明のフイル
ターシートによる水性懸濁液からの微粒物質及び
ある種の大形分子の除去効率がきわめて良好であ
ること、樹脂含有量が低くても強度が強いこと、
及び製造が比較的容易であることが実証された。
これらのフイルターシートは工業及び医薬の面に
おける臨界的用途に用いられる原料水の処理に有
用である。例えば、ヒトに注射するための水の処
理、超小形電子機器の製造に用いられる水の処
理、血清を滅菌するための過、非経口投与医薬
液の過をはじめとし、アニオン含有液を過し
て高度に清浄化することが必要な場合に用いるの
に有用である。 上記の例で製造した。ガラス繊維、カチオン性
バインダー樹脂及び沈殿剤を含む懸濁液はきわめ
て安定であり、過助剤としてそれを用いること
もできる。その場合にはプレコートとして用いる
か、又は過すべき液体と混ぜ合せたプレコート
及びボデイーフイードとして用いるかのいずれか
による。
【図面の簡単な説明】
図は(a)PH約9において本発明の方法で製造した
フイルターシート(例20のもの)、及び(b)例20に
おいて「対照」として示した従来技法によるフイ
ルターシートについてのPHに対してプロツトした
ゼータ電位を示すグラフである。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1 バインダー樹脂又はポリマーの助けを借りて
    アルカリ性媒質中で正のゼータ電位を示す繊維質
    の濾材を形成する方法であつて、 (i) 通常では負のゼータ電位を有する無機のミク
    ロ繊維と、水溶性で非コロイド性でカチオン性
    の熱硬化性バインダー樹脂又はポリマーの水溶
    液とを混合してミクロ繊維の分散液を形成し、
    そして、 (ii) 該分散液に沈殿剤を加えることにより、該バ
    インダー樹脂又はポリマーを沈殿させ、かつ、
    該バインダー樹脂又はポリマーで該ミクロ繊維
    を被覆する諸工程からなることを特徴とする方
    法。 2 ミクロ繊維がガラス、チタネート又はそれら
    の混合物であることを特徴とする特許請求の範囲
    1の方法。 3 該バインダー樹脂又はポリマーがエポキシド
    を基剤とした水溶性樹脂、例えばポリアミド/ポ
    リアミノ−エピクロロヒドリン樹脂又はポリアミ
    ン−エピクロロヒドリン樹脂であることを特徴と
    する特許請求の範囲1の方法。 4 該バインダー樹脂又はポリマーに実質的な数
    の四級アンモニウム基が含まれていることを特徴
    とする特許請求の範囲1〜3のいずれか1項の方
    法。 5 該沈殿剤を加える前の該分散液のPHがアルカ
    リ性であることを特徴とする特許請求の範囲1の
    方法。 6 該分散液内における該バインダー樹脂又はポ
    リマー対該ミクロ繊維の重量比率が1:100〜
    40:100の範囲内であることを特徴とする特許請
    求の範囲1〜5のいずれか1項の方法。 7 該バインダー樹脂又はポリマー対該沈殿剤の
    重量比率が100:1〜1:1、好ましくは10:1
    〜1:1であることを特徴とする特許請求の範囲
    1〜6のいずれか1項の方法。 8 該ミクロ繊維と混合する前の水溶性で非コロ
    イド性でカチオン性の熱硬化性バインダー樹脂又
    はポリマーの該水溶液の該バインダー樹脂又はポ
    リマーの濃度が約1〜約10重量%であることを特
    徴とする特許請求の範囲1〜7のいずれか1項の
    方法。 9 0.01〜4.00重量%の範囲内の濃度を有する水
    溶液又は水分散液として沈殿剤を該分散液に加え
    ることを特徴とする特許請求の範囲1〜8のいず
    れか1項の方法。 10 該沈殿剤が、アニオン基を含む水溶性又は
    水分散性の合成ポリマーであることを特徴とする
    特許請求の範囲1〜9のいずれか1項の方法。 11 バインダー樹脂又はポリマーの水溶液と混
    合する前に、無機のミクロ繊維を水と混合して最
    初の分散液を形成することを特徴とする特許請求
    の範囲1〜10のいずれか1項の方法。 12 被覆されたミクロ繊維からフイルターシー
    トを形成することを特徴とする特許請求の範囲1
    〜11のいずれか1項の方法。 13 有孔性の表面上に被覆ずみミクロ繊維の層
    又はマツトを形成し、該表面を通して減圧吸引す
    ることによつて該マツトから水を除去し、該マツ
    トを乾燥し、そしてバインダー樹脂又はポリマー
    を硬化させて自立シートを形成することによりシ
    ート形成を行うことを特徴とする特許請求の範囲
    12の方法。 14 沈殿して硬化したカチオン性で非コロイド
    性の熱硬化バインダー樹脂又はポリマーで実質的
    に均一に被覆された、通常では負のゼータ電位を
    有する無機のミクロ繊維からなり、該バインダー
    樹脂又はポリマーが濾材に対して正のゼータ電位
    を付与し、かつ、該ミクロ繊維を相互に接着する
    のに充分な量で含まれていることを特徴とする、
    正のゼータ電位を示し、そしてバインダー樹脂又
    はポリマーで被覆された繊維質の濾材。 15 該ミクロ繊維がガラス、チタネート又はガ
    ラスとチタネートとの混合物であることを特徴と
    する特許請求の範囲14の濾材。 16 該バインダー樹脂又はポリマーがエポキシ
    ドを基剤とした樹脂、例えばポリアミド/ポリア
    ミノ−エピクロロヒドリン樹脂又はポリアミン−
    エピクロロヒドリン樹脂であることを特徴とする
    特許請求の範囲14又は15の濾材。 17 該バインダー樹脂又はポリマー対該ミクロ
    繊維の重量比率が1:100〜40:100、好ましくは
    5:100〜30:100の範囲内であることを特徴とす
    る特許請求の範囲14、15又は16の濾材。 18 該濾過シートが約0.5〜50μ、好ましくは
    20μ又はそれ以下の有効細孔寸法を有することを
    特徴とする特許請求の範囲14〜17のいずれか
    1項の濾材。 19 該ミクロ繊維がステープルフアイバーであ
    り、そして0.1〜約10μの範囲内の平均直径を有
    することを特徴とする特許請求の範囲14〜18
    のいずれか1項の濾材。 20 濾材が実際の隔膜細孔寸法よりも小さい微
    粒物質を有効に除去する能力を有していることを
    特徴とする特許請求の範囲14〜19のいずれか
    1項の濾材。
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