JPS6143467Y2

JPS6143467Y2 -

Info

Publication number: JPS6143467Y2
Application number: JP1982178070U
Authority: JP
Priority date: 1982-11-25
Filing date: 1982-11-25
Publication date: 1986-12-09
Also published as: US4575337A; JPS5982013U

Description

【考案の詳細な説明】本考案は歯の不正咬合の治療に用いられる歯科
矯正装置に係り、特に歯の内側に取付けた場合に
おいても、矯正用アーチワイヤの挿着作業を容易
にした歯科矯正装置に関するものである。

歯の不正咬合の治療を主たる目的とした歯科医
療において、最も新しい高度な方法は、第１図に
示すように、ワイヤ保持装置としてのブラケツト
１…を各歯２…に固着し、このブラケツト１…に
１本の矯正用ワイヤ３を順次嵌め込んで固定し、
ワイヤ３の弾性で歯２を矯正する方法である。例
えば第２図に示すように、上顎の中切歯２₁₁が実
線のように異常に外方に突出しているのを鎖線の
ように正常咬合に矯正する場合、まず各歯２₁₁…
に帯環４を嵌め、この帯環４の外側面にブラケツ
ト１を接着する。つぎに、これらのブラケツト１
…に、彎曲した１本の矯正用ワイヤ３を順次固定
し、ワイヤ３の弾性で矯正する。

以上の方法の最大の欠点は、ブラケツト１…が
歯２₁₁…の外側に接着されているため、口を開く
とブラケツト１…が外部に露出し、審美感に欠け
ていることである。これを解決するため、本出願
人は、第３図に示すようにブラケツト１をすべて
の歯の内側に取付けて治療するための装置をすで
に提案した（実公昭57−44967号）。その結果、口
を開いてもブラケツト等が他人の目に触れること
がなく、審美的であり、かつ患者の精神的負担も
軽減するという効果が得られた。このような第１
図および第３図の方法において、歯の外側面又は
内側面を結ぶ包絡線は略半楕円形をなしている。

ところが、従来のブラケツト１は第４図に示す
ようにワイヤ挿入溝５が直線的であつたために、
予め彎曲したアーチワイヤ３を挿入するのが面倒
で、１個毎に屈曲して調整しなければならず、術
者（矯正医師）による操作が面倒であるばかりか
矯正のために彎曲しておいたワイヤが変形してし
まうなどの問題があつた。一方、歯の内側にブラ
ケツト１を取付て矯正を行う場合には、術者の操
作出来る範囲がきわめて挟くなり、矯正作業が困
難となるため、よりアーチワイヤ３の形状に沿
い、挿入の容易なワイヤ挿入溝が必要とされる。

本考案はこのような問題点を解決するためにな
されたもので、ワイヤ保持装置のワイヤ挿入溝を
予め彎曲して形成してなるものである。同時に、
歯の内側面にワイヤ保持装置を取付けた場合にお
いても、矯正用アーチワイヤを容易にワイヤ挿入
溝に挿入できるように、ワイヤ挿入溝が各歯にお
けるワイヤ保持装置の接着面に対して略平行乃至
ある程度傾斜した挿入方向を有した歯科矯正装置
を提供する。彎曲の曲率半径は、使用目的、すな
わち歯の外側に接着するものか内側面に接着する
か、さらには、どの歯に使用するかなどによつて
種々に決定される。

以下、本考案の一実施例を第５図以下の図面に
ついて説明する。第５図(a)、(b)において、６は、
歯に直接接着される固定基板としての接着板であ
る。この固定基板６は第１図に示すような帯環４
であつてもよいし、また固定基板６とブラケツト
本体７の基部（歯面側）とが一体であつてもよ
い。以下は接着板６を用いた場合について説明す
る。この固定基板６にはワイヤ保持装置としての
ブラケツト７が固着されている。このブラケツト
７の上面にはワイヤ挿入溝８が所定の曲率半径
（Ｒ）をもつて予め彎曲して形成されている。こ
のときの曲率半径（Ｒ）は、使用目的、すなわち
歯の外側に接着して使用するか内側に接着して使
用するか、いずれの歯に接着するか、上顎か、下
顎か、大きな顎か、歯並びの状態はどうかなどに
よつて使い分けできるように、例えば５mmから無
限大に近い大きさまで種々形成される。なお、第
５図ａ、ｂにおいてブラケツト７の下部突出部９
と、内側の縦孔１０とは、ワイヤ、ゴム輪、結さ
つ線を引掛けるものである。

前記ワイヤ挿入溝８の彎曲方向は、第５図のよ
うに内側に彎曲した場合だけでなく、第６図ａ、
ｂのように外側に彎曲していてもよい。

第７図は、前記下部突出部９にくびれ１１を形
成し、ゴム輪をより引掛け易くしている。

第８図ａ〜ｄは、それぞれブラケツト７の他の
形状の実施例を示している。すなわち、第７図ａ
は、ワイヤ挿入溝８が傾斜し、かつ上部突出部９
ａを有している。また第８図ｂはワイヤ挿入溝８
が単に傾斜しているものを示し、第８図ｃの上面
の垂直なワイヤ挿入溝８と、側面の水平なワイヤ
挿入溝８とを有し、かつ上部突出部９ａを有して
いるものを示し、この場合は水平なワイヤ挿入溝
８も底部を彎曲せしめてもよい。第８図ｄは上面
のワイヤ挿入溝８の他に、側面のワイヤ挿入溝８
を有しているものを示し、この場合も側面のワイ
ヤ挿入溝８も彎曲せしめてもよいし、また、側面
のワイヤ挿入溝８は、水平、上向きに傾斜、下向
きに傾斜などであつてもよい。第８図ｅは下面に
ワイヤ挿入溝８を形成したものである。

第９図ａ、ｂおよび第１０図ａ、ｂはそれぞれ
固定基板６の他の実施例を示すもので、このう
ち、第９図ａ、ｂは側面からみて外側または内側
に彎曲しているものを示し、第１０図ａ、ｂは平
面からみて外側または内側に彎曲しているものを
示している。さらに、第９図ａ、ｂと第１０図
ａ、ｂを組合わせて３次元的に彎曲させてもよ
く、各歯の形状、使用目的等によつて種々変化で
きる。

その他ブラケツト７および固定基板６の形状は
実施例に限定されるものではない。

本考案は上述のように、ワイヤ保持装置として
のブラケツトのワイヤ挿入溝をアーチワイヤに合
わせて所定の曲率半径をもつて形成したから、ア
ーチワイヤがワイヤ挿入溝にスムーズに挿入さ
れ、アーチワイヤの変形がなく、屈曲操作も容易
で、正確な矯正ができる。また、ワイヤ挿入溝が
各歯におけるワイヤ保持装置の接着面に対して略
平行乃至ある程度傾斜した挿入方向を有するた
め、特にワイヤ保持装置を歯の内側に取付ける、
いわゆる藤田法の場合、矯正用アーチワイヤの挿
入がきわめて容易となり、矯正用アーチワイヤの
変形を招かず、理想的な矯正力をもたらすことが
できる。

【図面の簡単な説明】

第１図はワイヤ保持装置としてのブラケツトを
歯の外側面に接着して矯正する方法の説明図、第
２図は矯正前と矯正後の歯の状態の説明図、第３
図はワイヤ保持装置としてのブラケツトを歯の内
側面に接着して矯正する方法の説明図、第４図は
従来のブラケツトの斜視図、第５図ａ、ｂはそれ
ぞれ本考案によるワイヤ保持装置の斜視図と平面
図、第６図ａ、ｂは本考案の他の例の平面図と側
面図、第７図は本考案のさらに他の実施例の斜視
図、第８図ａ、ｂ、ｃ、ｄ、ｅはそれぞれワイヤ
保持装置のさらに他の実施例の側面図、第９図
ａ、ｂ、第１０図ａ、ｂはそれぞれ本考案の固定
基板の他の実施例の側面図と平面図である。６……固定基板、７……ワイヤ保持装置として
のブラケツト本体、８……ワイヤ挿入溝、９，９
ａ……突出部、１０……縦孔、１１……くびれ。

Claims

【実用新案登録請求の範囲】 (1) 各歯の側面にワイヤ保持装置を固着し、これ
らのワイヤ保持装置に１本以上の矯正用アーチ
ワイヤを順次係合して歯列を矯正する装置にお
いて、前記ワイヤ保持装置が、前記矯正用アーチワ
イヤの形状に合う所定の曲率半径を有し、かつ
各歯における前記ワイヤ保持装置の接着面に対
して略平行乃至ある程度傾斜したワイヤ挿入方
向を持つワイヤ挿入溝を形成させることを特徴
とする歯科矯正装置。 (2) アーチワイヤ挿入溝の曲率半径は５mm以上と
した実用新案登録請求の範囲第１項記載の歯科
矯正装置。 (3) 前記ワイヤ保持装置が各歯における前記ワイ
ヤ保持装置の接着面に対して略直角なワイヤ挿
入溝方向を持つ第二のワイヤ挿入溝を有する実
用新案登録請求の範囲第１項記載の歯科矯正装
置。