JPS6142918Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案はフイルタープレス型電解槽に用いる新
規なパツキングに関する。詳しくは、中央に欠損
部を有する額縁状のパツキングであつて、該欠損
部を形成するパツキング内周から可撓性シートを
突出させたフイルタープレス型電解槽用パツキン
グである。

従来、陽イオン交換膜と極室枠とを交互に配列
して締付けてなる。所謂フイルタープレス型電解
槽において、該電解槽外部に電解液が漏れるのを
防止するため陽イオン交換膜と極室枠との接触部
分にパツキングを介在させている。

例えば、陽極と陰極とを隔壁を介して電気的に
接続して構成された極室枠を用いた複極式のフイ
ルタープレス型電解槽では第１図に示すように陽
イオン交換膜４と極室枠２との接触部分全周にわ
たつてパツキング１が介在されている。該パツキ
ングは通電部を確保するため通常中央に欠損部を
有する額縁状をしている。上記フイルタープレス
型電解槽において、陽イオン交換膜は両端に存在
する陽極室及び陰極室の室液の比重差、運転条件
等によつて陰、陽極のいずれかの側、通常陽極側
に押付けられるのが一般的である。そのため、第
１図に示すように陽イオン交換膜４が電極面（図
においては陽極３面）に押付けられ、該電極周辺
においては電極とパツキング１との間隙、或いは
該電極と極室枠２との間隙に陽イオン交換膜４が
陥没するという現象が起こる。そして、該間隙に
陥没した部分の陽イオン交換膜に亀裂が入つた
り、ピンホールが生じ陽イオン交換膜の寿命を短
縮するという問題を生じる。

本考案は、上記問題を解消することを目的とし
たもので、前記パツキングの内周に可撓性シート
を突出させることによつて前記間隙部に押付けら
れる陽イオン交換膜を支持し、該間隙への陽イオ
ン交換膜の陥没を防止し、該目的を達成したもの
である。

即ち、本考案は中央に欠損部を有する額縁状の
パツキングであつて、該欠損部を形成するパツキ
ング内周から可撓性シートを突出させたフイルタ
ープレス型電解槽用パツキングである。

以下、本考案を添付図面に準じて詳細に説明す
るが、本考案はこれらの添付図面に限定されるも
のではない。第２図は本考案のパツキングの代表
的な態様を示す斜視図である。第２図においてパ
ツキング１は中央に欠損部６を有する額縁状を成
している。該パツキングの外形、欠損部の形状、
及び大きさは電解槽を形成する極室枠２の形状、
大きさに応じて適宜決定すればよい。また、該パ
ツキングの厚みは電解槽の大きさ、締付圧、パツ
キングの材質等によつて多少異なり一概に限定す
ることはできないが、１〜５mmの範囲が一般的で
ある。更に、パツキングの材質は公知の材質が特
に制限なく採用される。例えば、クロロプレンゴ
ム、エチレン−プロピレンゴム、フツ素ゴム等の
合成ゴム、軟質ポリ塩化ビニル、四フツ化エチレ
ン等が好適に使用される。

本考案の特徴は上述したパツキング１において
欠損部６を形成するパツキング内周から可撓性シ
ート７を突出させたことにある。該パツキング内
周から突出させた可撓性シート７は、該パツキン
グを用いて電解槽を構成したとき、その先端が陽
極３と陽イオン交換膜４との間で保持されて陽極
３周辺とパツキング１内周との間隙部を覆い、該
部分への陽イオン交換膜４の陥没を効果的に防止
できる。また、本考案のパツキングは、該可撓性
シートが後述する方法によつてパツキング本体に
固定されているので、電解槽の組立時における取
扱いが容易である他、締付時における可撓性シー
トの変形も防止される。該パツキング内周への可
撓性シートの取付位置は電解槽を構成したとき、
該可撓性シートによつて陽イオン交換膜に接する
パツキング面と電極面とをできるだけ滑らかに連
結するため該陽イオン交換膜に接するパツキング
面にできるだけ近い位置に該可撓性シートを突出
させることが好ましい。また、パツキング内周か
ら可撓性シートを突出させる態様は特に制限され
ない。例えば、第４図及び第５図は第２図のＡ−
A′断面の代表的な態様を示すものであるが、第
４図に示すようにパツキング１がライナー部材８
を介在している場合は該ライナー部材をパツキン
グ内周から突出させる態様、第５図に示すように
パツキング１に可撓性シート７を貼着してパツキ
ング内周から突出させる態様がある。また、図に
示されていないがパツキング内周から突出させる
可撓性シートをパツキングと一体に成形すること
も可能である。更に、パツキング内周から突出さ
せる可撓性シートの突出長さは電解槽を構成した
とき、該可撓性シートの先端が電極面に届く程度
で十分であり、あまり長くすると通電面積の減少
を招くので好ましくない。一般に、可撓性シート
の突出長さは、該突出長さ方向のパツキングの中
央欠損部長さの0.5〜1.0％とするのがよい。更に
また、可撓性シートは第２図に示すようにパツキ
ング内周に連続して突出させてもよいし、第２図
のＢ部分の他の態様を示す第６図のようにパツキ
ング内周に不連続に突出させてもよい。本考案に
おいて可撓性シートは極室内に存在する物質に対
して安定で、且つ可撓性を有するシートであれば
特に制限されない。例えば、ポリ四フツ化エチレ
ン、四フツ化エチレン−六フツ化プロピレン共重
合樹脂、四フツ化エチレン−パーフロロアルキル
ビニルエーテル共重合樹脂等のフツ素系樹脂のシ
ートが好適に使用できる。また、該シートの厚み
は0.5〜1.5mmが一般的である。

以上の説明より理解される如く、本考案のパツ
キングを用いることにより、陽イオン交換膜が電
極とパツキングとの間隙、或いは該電極と極室枠
との間隙に陥没するのを防止し、該陽イオン交換
膜への亀裂、ピンホール等の発生を効果的に防ぐ
ことができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来のパツキングを用いたフイルター
プレス型電解槽の部分断面図、第２図は本考案の
パツキングの代表的な態様の斜視図、第３図は本
考案のパツキングを用たフイルタープレス型電解
槽の部分断面図、第４図、第５図は第２図のＡ−
A′断面の代表的な態様、第６図は第２図のＢ部
分の他の態様を示す斜視図を夫々示す。 また、図において、１はパツキング、２は極室
枠、３は陽極、４は陽イオン交換膜、５は陰極、
６は欠損部、７は可撓性シート、８はライナー部
材を夫々示す。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 中央に欠損部を有する額縁状のパツキングであ
   つて、該欠損部を形成するパツキング内周から可
   撓性シートを突出させたフイルタープレス型電解
   槽用パツキング。