JPS6142906Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は洗浄液を循環使用するスプレー式金属
表面洗浄装置に関する。更に詳しくは、被処理物
に付着していてその表面洗浄によつて洗浄液に混
入するスラツジ、鉄粉、ゴミ等夾雑物を該洗浄液
から効率よく除去せしめることを可能ならしめ、
これによつて洗浄装置のメインテナンス性を向上
せしめることができる改良に関する。

従来、金属を表面処理する場合、その最初の工
程としては一般に湯洗または脱脂処理が採用され
ていて、被処理物に付着する夾雑物を洗い落すこ
とが行われている。ところで、従来の循環スプレ
ー式金属表面洗浄装置の洗浄液槽にあつては、そ
の槽底構造において平形、傾斜形、ホツパー形と
各種採用されているが、いずれの場合にあつて
も、夾雑物混入洗浄液の回収部とスプレーノズル
に洗浄液を圧送するためのポンプの吸引側とは一
般に同一槽に設けられており、且つ両者間にはポ
ンプのサクシヨンフイルターが設置されているに
すぎない。そのため槽内洗浄液中の夾雑物によつ
て上記フイルターが早期に目詰りを起こし、その
過効率の底下によつて、フイルターの交換また
は清掃を頻繁に行わざるを得ず、装置のメインテ
ナンス性において改良の余地があつた。

本考案は以上の観点の下に案出されたものであ
り、その要旨は、洗浄液を循環使用するスプレー
式金属表面洗浄装置において、洗浄液の槽を２つ
の室に分けて両者を第１の室から第２の室への洗
浄液のオーバーフローにて接続し、第１の室はス
プレー室に接続して該室に噴霧された洗浄液を回
収し、この第１の室には回収洗浄液中の重い夾雑
物を分離除去する手段を付設して該手段にて処理
された洗浄液は該室に返送し、第２の室には軽い
夾雑物の分離除去手段を設けて該手段に第１の室
よりオーバーフローしてくる洗浄液を通過させ、
通過洗浄液は第２の室に導入して該室に接続する
スプレー室への洗浄液噴霧手段に供給することを
特徴とするスプレー式金属表面洗浄装置に存す
る。

次に添付図面を参照して本考案の具体例を説明
する。１はスプレー室であつて、その内部をコン
ベア搬送される被処理物２に対して洗浄液を噴霧
するためのスプレーノズル３が内設されている。
４は洗浄液槽であつて、オーバーフロー床５によ
つて２つの室６，７に分けられている。第１の室
６はスプレー室１の洗浄液戻し口８に接続されて
おり、第２の室７は上記スプレーノズル３に洗浄
液を圧送するためのポンプ９付き管１０に接続さ
れている。第１の室６は洗浄液の循環量が１分間
以上滞留する程度の容量を有していることが好ま
しく、第２の室７は洗浄液の循環量が30秒間以上
滞留する程度の容量を有していることが好まし
く、後者の室７には液面を一定に保つためのオー
バーフローせき１１が設けられている。なお、第
１の室６の槽底は平形、傾斜形、ホツパー形のい
ずれであつてもよいが、混入夾雑物の分離除去の
観点からはホツパー形が有利である。

第１の室６の槽底にはポンプ１２付き管１３が
接続されており、その他端は夾雑物分離除去手段
（例：液体サイクロン）１４に接続されており、
該手段１４によつて夾雑物を除去された洗浄液は
管１５を通じて第１の室６に返送される。該管１
５の室内先端部は槽底付近に配置され、洗浄液を
噴出して槽底の夾雑物が管１３に吸引され易くな
るようライザー１６とされていることが好まし
い。しかし、該室の槽底構造によつては、例えば
ホツパー形である場合には、上記ライザー１６は
不要である。第２の室７には、オーバーフロー床
５に接続して第２の夾雑物分離除去手段（例：袋
状フイルター）１７が取外し可能に設けられてい
る。

従つて、スプレー室１における被処理物２の洗
浄によつて夾雑物が混入した洗浄液は第１の室６
に回収され、ここで重い夾雑物（例：鉄粉、土
砂）は重力沈降し、沈降物は手段１４によつて系
外に分離除去される。他方、軽い夾雑物（例：毛
ゴミ、紙クズ）はオーバーフロー液と共に第１の
室６から第２の室７に供給され、その間に第２の
手段１７を通過して該手段によつて洗浄液から分
離除去される。

以上の構成から成る本考案装置と上述の従来技
術とを比較すると、ポンプ９のサクシヨンフイル
ターの目の大きさを８〜10メツシユとした場合、
自動車製造実ラインにおいて、従来技術では４時
間程度毎に上記フイルターの交換が必要であり、
夾雑物の多いラインでは２時間毎に交換が必要で
あるのに対し、本考案では週１回毎の交換で充分
である。勿論、上記フイルターの目を粗にすると
スプレーノズルの目詰まりを起こして、この方が
装置のメインテナンスをフイルター交換よりも不
利とする。また、重い夾雑物は第１の手段１４に
よつて系外に除去され、第２の手段１７が取外し
可能であれば、槽内での夾雑物の蓄積防止は簡易
に実施できて、槽内清掃の頻度も少なくなり、こ
の点においても本考案は装置のメインテナンス上
有利である。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の一具体例を示す簡略断面図で
あつて、１はスプレー室、２は被処理物、３はス
プレーノズル、４は洗浄液槽、５はオーバーフロ
ー床、６は第１の室、７は第２の室、１４は液体
サイクロン、１７は袋状フイルターを示す。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 洗浄液を循環使用するスプレー式金属表面洗浄
   装置において、洗浄液の槽を２つの室に分けて両
   者を第１の室から第２の室への洗浄液のオーバー
   フローにて接続し、第１の室はスプレー室に接続
   して該室に噴霧された洗浄液を回収し、この第１
   の室には回収洗浄液中の重い夾雑物を分離除去す
   る手段を付設して該手段にて処理された洗浄液は
   該室に返送し、第２の室には軽い夾雑物の分離除
   去手段を設けて該手段に第１の室よりオーバーフ
   ローしてくる洗浄液を通過させ、通過洗浄液は第
   ２の室に導入して該室に接続するスプレー室への
   洗浄液噴霧手段に供給することを特徴とするスプ
   レー式金属表面洗浄装置。