JPS6142362Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 この考案は牧草などを堆積して貯えるサイロに
関するものであつて、さらに具体的にいうと、横
置型サイロに関するものである。

牛馬などの家畜に与える葉茎類は、これを常時
生の状態で与えることができないため、サイロな
どに一旦貯えておき、随時ここから取出して給餌
するという方法が採用されている。堆積された葉
茎類では酪酸菌などの嫌気性微生物が発生し、こ
れによつて発酵が行われ、家畜がこれを好んで食
べることから、サイロの内部は外気が侵入しない
よう気密性が保持できるような構造となつてい
る。

従来のサイロは練瓦やコンクリートなどで造ら
れた縦形円筒形のもので、その上から葉茎類を投
入して堆積し、下部から取出す方式となつてい
る。しかしこの種従来のものでは、高い位置から
葉茎類を投入しなければならないことから、その
投入に手数を要すると共に、堆積状態の葉茎類を
その下部から取出すため、取出しにも手数と労力
を必要とする。また、発酵に必要な葉茎類の堆積
圧力も、殆ど葉茎類の自重に依存していることか
ら、少量の葉茎類では充分な発酵が行われず、好
気性バクテリアなどによる腐敗、分解を進行させ
ることになる。

この考案は従来におけるこのような問題点を解
消すべくなされたもので、投入、取出しが楽に行
え、しかも少量でも完全な保存機能を備えること
ができるようにしたものである。

以下この考案の構成を図示の実施例に基き詳細
に説明する。

第１図で示すようにこの考案によるサイロは、
横置に設置した筒形のハウジング１とこのハウジ
ング１内に配置された押圧板１０、このハウジン
グの取出側の開口部に設けられたロータリプレー
ト１１とからなつている。

ハウジング１は亜鉛引き鋼板など、炭酸に対し
て耐久力のある材料で形成した内フレーム４をコ
ンクリートなどの外壁５で囲んだもので、全体と
して気密性が保持できる構造となつている。この
ハウジング１は地上等に設置することもできる
が、地下に埋設することも可能である。このハウ
ジング１の一端寄りには投入口６が設けられ、こ
の投入口６には上方に開口するホツパ７と、同口
６を気密に閉じるシヤツタ８が設けられており、
図示の場合はハウジング１の外部から操作できる
スライド式のシヤツタ８が設けられている。

押圧板１０はハウジング１内にあつて、背後に
連結した油圧シリンダ９により、第１図中実線と
二点鎖線で示す位置の間を前後するもので、上記
油圧シリンダ９には油圧ポンプ（図示せず）が連
結され、その作動によつて押圧板１０を上記のよ
うに作動させると共に、アキユムレータ（図示せ
ず）から受ける油圧により、同図中二点鎖線の位
置において押圧板１０にその背後から一定圧力を
加えるようになつている。

一方、ロータリプレート１１はハウジング１の
他端側、つまりその取出側の端部に設けられた円
板状のもので、２図乃至第４図で示すように、ハ
ウジング１に対して回転自在に嵌込まれ、かつ減
速モータ１２によつて回転されるようになつてい
る。即ち、減速モータ１２の回転軸１２ａはロー
タリプレート１１に軸支されていると共に、この
回転軸１２ａにはスプロケツトホイル１３が固定
され、上記モータ１２の回転によつて同ホイル１
３が回転させられる。一方ハウジング１側にはロ
ータリプレート１１の周囲に亘つて等間隔にスプ
ロケツトバー１４，１４…が設けられ、これが上
記スプロケツトホイル１３と噛合うようになつて
いる。このため上記スプロケツトホイル１３が回
転するとこれに伴いロータリプレート１１がハウ
ジング１に対して回転する。

このロータリプレート１１には開閉自在な取出
口１５，１５が開設しており、同プレート１１が
回転するに伴い、背後から圧力を受けている葉茎
類がここから外部へと取出される。さらに第２図
及び第３図の場合は、この取出口１５，１５にガ
イドブレード１６，１６が設けられている。第２
図や第３図で示した取出口１５，１５は、ロータ
リープレート１１のほゞ径方向に沿うよう開設さ
れた矩形のものであるが、上記ガイドブレード１
６，１６は、ロータリプレート１１の内側へ開口
するよう、一方の長辺がこの取出口１５，１５の
縁に連結されている。また、ガイドブレード１
６，１６の他方の長辺の外側には、傾斜面１６
ａ，１６ａが設けられている。

ロータリープレート１１が第２図や第３図にお
いて矢印で示す方向に回転しているとき、閉じた
ガイドブレード１６，１６を、その背後から加わ
つている葉茎類の圧力に抗して僅かに内側へ押し
込むと、上記傾斜面１６ａ，１６ａに加わる葉茎
類の圧力によつてガイドプレード１６，１６が押
し開かれる。これによつて、葉茎類を取出口１
５，１５から取り出すことができる。そして、ロ
ータリプレート１１を少しの角度だけ上記と逆方
向に回転することによつて、葉茎類の圧力によ
り、上記ガイドプレード１６，１６がまた閉じら
れる。

他方、第５図及び第６図は上記ガイドブレード
１６，１６の代りに取出口１５，１５に取出ロー
タ１７，１７が設けられている。ここでモータ１
２の回転軸１２ａ、これを軸支するロータリプレ
ート１１、ベベルギヤ１８，１９，１９、スプロ
ケツトホイル１３並びにスプロケツトバー１４，
１４…を介して同ホイルに噛合うハウジング１と
により、ハウジング１を固定節とする遊星歯車列
が構成されており、このためモータ１２の回転に
伴い、ロータリプレート１１が取出ロータ１７と
共に回転し、同時に取出ロータ１７が自らその回
転軸の回りに回転する。取出ロータ１７の周面に
は多数の爪が突設してあり、その回転により周囲
にある葉茎類が取出口１５，１５からその外部へ
と引出される。この場合取出ロータ１７の回転速
度はその径にもよるが、直径２ｍ程度のものゝ場
合、毎分30〜50回転が適当であり、他方ロータリ
プレート１１は直径２ｍ前後の場合、毎分1/4回
転前後が適当である。

このサイロを使用する場合は、先ず押圧板１０
を第１図中実線で示す位置に戻しておくと共に、
シヤツタ８を開きホツパ７から牧草などの葉茎類
をハウジング１内へ投入してゆく。入口に葉茎類
が溜つたならば押圧板を一旦二点鎖線の位置まで
作動させて葉茎類を奥へ押込み、また再び実線の
位置へ戻し、さらに葉茎類とホツパ７から投入す
る。これを繰返してゆくことにより、ハウジング
１内に適当な量の葉茎類が溜つたならば、押圧板
１０を二点鎖線で示す位置に進め、その背後から
一定の圧力を加える。このようにして貯えた葉茎
類はロータリプレート１１側から取出すが、この
ときは既に述べたように取出口１５，１５を開い
て同プレート１１を回転させることにより取出
す。

この考案によるサイロでは、牧草等の葉茎類を
比較的低い位置から投入できるので、その投入が
楽に行えると共に、取出側においてもロータリプ
レート１１を回転することによつてハウジング１
の端面側からムラなく、しかも楽に取出すことが
できる。また比較的少量の葉茎類でも押圧板によ
つて所定の堆積状態が得られるので、良好な保存
が行えると共に、投入から取出しに至るまでの一
連の操作を外部から行えるので、サイロの中に人
が入つて作業をする必要が無くなる。このため、
発生した炭酸ガスによつて作業中サイロの中で酸
欠状態を引起すなどの事故も無くなり、安全性の
向上を図ることができる。

【図面の簡単な説明】

第１図はこの考案の一実施例を示す略示縦断側
面図、第２図は同正面図、第３図は第２図のＡ−
Ａ線断面図、第４図は一部切欠の要部正面図、第
５図は他の実施態様を示す要部縦断側面図、第６
図は第５図のＢ−Ｂ線断面図である。 １……ハウジング、６……投入口、７……ホツ
パ、１０……押圧板、１１……ロータリプレー
ト、１５……取出口、１６……ガイドブレード、
１７……取出ロータ。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 筒形のハウジングを横置に設置し、このハウジ
   ングの投入口側には上方に開口するホツパと、こ
   のホツパから投入した葉茎類を取出側へ向けて押
   圧する押圧板を設け、ハウジングの取出側を動力
   によつて回転するロータリプレートで閉じ、この
   ロータリプレートにはその回転によつてハウジン
   グ内の葉茎類を取出す開閉自在な取出口を開設し
   た横置型サイロ。