JPS6139481B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 産業上の利用分野 本発明は、不動の内歯リングと主軸に相対回転
可能に結合されている回転歯車とが互いにかみ合
つていて、それらの間に複数の押しのけ室を形成
している回転ピストン機械であつて、主軸に剛性
的に結合されている回転滑り弁が、ケーシング孔
内で支承されていて、２群の縦みぞと軸方向で互
いにずらされている２つのリングみぞとを有して
おり、これらのリングみぞは、回転ピストン機械
の両方の液体接続口の１つにそれぞれ接続されて
おり、一方の縦みぞ群と他方の縦みぞ群とは両方
のリングみぞから交互に延びていて、両方のリン
グみぞの中間に配置されている複数の制御開口の
ところにまで達しており、これらの制御開口はそ
れぞれ１つの押しのけ室と接続されている形式の
ものに関する。

従来の技術 このような形式の公知の回転ピストン機械（ド
イツ連邦共和国特許出願公開第2606172号明細
書）においては、主軸と回転滑り弁とが剛性的に
結合されているために主軸の軸受装置を特に簡単
に構成することができる。回転滑り弁の両端部に
ある軸受区分は、主軸に横方向力が作用した場合
に申し分のない支持作用が生ずるような軸方向相
互間隔を有している。これにより数千時間にも達
する耐用寿命を達成することができる。驚くべき
ことは多くの回転ピストン機械は約1500時間にも
達しない運転時間で損傷する。

またこのような形式の回転ピストン機械におい
て、液体接続口をケーシング外周でなしにケーシ
ング端壁に設け、軸方向通路を介して所属のリン
グみぞに接続しておくことも既に提案されている
（ドイツ国特許第2910831号明細書）。この提案に
よれば、コツプ形のケーシングが複数の軸方向通
路を有しており、これらの軸方向通路は両方のリ
ングみぞ及び複数の制御開口に接続されている。
これらの軸方向通路は製作を簡単にするために同
じ長さを有しており、回転滑り弁のほとんど全長
にわたつて延びており、透孔を有するスリーブに
よつて内側から被われている。そしてこのスリー
ブの内周面はケーシング孔を形成している。

本発明が解決しようとする問題 従来この種の回転ピストン機械では、構造が旧
式であるために、タンク圧によつて負荷されるリ
ングみぞに隣合つた軸受区分の潤滑にしばしば困
難が生じる。

そこで本発明の課題は、回転方向を切換えて回
転ピストン機械を使用しても、タンク圧によつて
負荷されるリングみぞに隣合つた軸受区分が常に
圧力油によつて潤滑できるようにすることにあ
る。

問題点を解決するための手段 上記課題を解決する本発明の要旨は、冒頭に述
べた形式の回転ピストン機械において、回転ピス
トン機械の回転方向に依存して高圧に負荷される
リングみぞと、タンク圧に負荷されるリングみぞ
に隣合つた軸受区分とを接続する接続通路が設け
られていることにある。

本発明の根底をなす認識は、耐用寿命は回転方
向によつて著しく左右されるということである。
すなわち回転滑り弁の主軸に近い方の軸受区分は
運転中もつとも強く負荷されるが、この軸受区分
はそれに近い方のリングみぞが高圧側である場合
にだけ十分に潤滑される。しかしこの軸受区分に
近い方のリングみぞが低圧側である場合、つまり
モータの吐出し側又はポンプの吸込み側である場
合には十分に潤滑されない。これに対し本発明に
よる接続通路を設けておくと、前記の軸受区分は
回転方向に無関係に圧力油で潤滑され、所望の耐
用寿命が保証されるのである。

本発明の有利な実施態様では、接続通路は、軸
方向通路区分とこれから分岐している半径方向通
路区分とによつて形成されている。これによつて
製作が簡単になる。それは、軸方向通路及び半径
方向通路はもともと形成しなければならないから
である。

前記の軸方向通路区分は、主軸から離れている
方のリングみぞを所属の液体接続口と接続してい
る軸方向通路の延長部とすることができる。この
ようにすると、半径方向孔だけが付加的に必要に
なるに過ぎない。

以下においては、図面に示した実施例に基づい
て本発明の構成を具体的に説明する。

図示の回転ピストン機械のケーシングはコツプ
形の主部分１と、中間板２と、内歯リング３とし
て構成されているステータと、別の中間板４と、
弁板５と、端板６とを図示されていないねじによ
つて結合して構成されている。回転滑り弁７が主
軸８と一体的に結合されており、かつ自在軸９を
介して、歯車１０として構成されたロータに結合
されている。回転滑り弁は内室１１を有してお
り、この内室の一方の端部は壁面１２によつて閉
じられている。更に回転滑り弁７は端面１３を有
しており、この端面は、軌道輪１５ところ１６と
より成るスラスト軸受１４によつて支えられてい
る。軌道輪１５が仕切つているみぞ内には主軸シ
ール装置１７が配置されている。

主部分１は内側にスリーブ１８を備えている。
このスリーブは、軸方向通路２０に接続されてい
る開口１９と、図平面外にある別の軸方向通路に
接続されている別の開口２１と、これらの開口の
中間にあつて制御通路２３に接続されている複数
の制御開口２２とを有している。制御通路は、内
歯リング３の歯と歯車１０の歯との間に形成され
る押しのけ室に通じており、軸方向通路２０は一
方の液体接続口２４に通じており、図示されてい
ない軸方向通路は他方の液体接続口２５に通じて
いる。

回転滑り弁７は、開口１９に接続されているリ
ングみぞ２６と、開口２１に接続されているリン
グみぞ２７とを有している。これらのリングみぞ
２６，２７から交互に縦みぞ２８及び２９が中間
の制御開口２２のところまで延びている。リング
みぞ２６，２７の軸方向で外側の端部範囲に形成
されている軸受区分３０及び３１によつて、回転
滑り弁７だけではなしに主軸８もケーシング内で
軸受けされている。

回転滑り弁７の内室１１は通路３２を介してス
ラスト軸受１４に接続されており、また内室１１
内にたまつた漏えい油は排出ねじ３３をねじ外す
ことによつて排出することができる。更に内室１
１内に生じた過度に大きな圧力を低圧側の液体接
続口２４又は２５内に逃がすために、弁板５に逆
止め弁装置３４が設けられている。この場合弁板
５には内室１１と液体接続口２４，２５とを接続
する通路（被線で概略的に示す）が形成されてお
り、これらの通路の液体接続口２４，２５への開
口部は、各液体接続口に設けられたＯリング状の
弾性的な弁部材３５によつて閉じられている。こ
れにより内室１１内に生じた過度に大きな圧力は
高圧側の液体接続口には逃げることができない
が、低圧側の液体接続口内には逃げることができ
る。他面において液体接続口２４，２５から油が
直接に内室１１に達することは弁部材３５によつ
て阻止される。

図示の実施例では接続通路３６が、主軸８から
離れた方のリングみぞ２６と主軸８に近い方の軸
受区分３０との間に、軸方向通路２０の延長部と
しての軸方向通路区分３７と、孔としての半径方
向通路区分３８とによつて形成されている。これ
によつて軸受区分３０は回転ピストン機械の回転
方向が変つても常に圧力軸で潤滑される。すなわ
ちリングみぞ２７が高圧側である場合、圧力油は
軸受区分３０に沿つてスラスト軸受１４の範囲に
浸入し、次いで低圧の内室１１内に達する。これ
に対しリングみぞ２６が高圧側である場合には圧
力油は開口１９、接続通路３６及び半径方向通路
区分３８から一部はスラスト軸１４をを径て内室
１１に達し、別の一部は低圧側のリングみぞ２７
に達する。このようにして回転方向に無関係に軸
受区分３０が確実に潤滑され、これによつて長い
耐用寿命が保証される。

同じようにして軸受区分３１も半径方向の接続
通路３９を介して、液体接続口２５からリングみ
ぞ２７に通じている図示していない軸方向通路に
接続される。これにより軸受区分３１にも回転方
向に無関係にリングみぞ２６又は接続通路３９か
ら圧力油が供給される。

このような接続通路は、液体接続口がケーシン
グの外周に設けられている場合にも使用すること
ができる。本発明は油圧モータ特に主軸の横方向
荷重が軸受面に比して比較的に大きい小型モータ
に適用すると特に有利である。

本発明の効果 本発明によれば高圧によつて負荷されるリング
みぞと、低圧に負荷されるリングみぞに隣合つた
軸受区分とを接続する接続通路を設けたことによ
つて、高圧によつて負荷されるリングみぞに隣合
つた軸受区分は勿論のこと、低圧に負荷されるリ
ングみぞに隣合つた軸受区分も高圧によつて潤滑
され、従つて回転方向が切換えられても、常に軸
受区分が潤滑されるため、回転ピストン機械の耐
用寿命が著しく増大する。

【図面の簡単な説明】

図面は本発明による回転ピストン機械の縦断面
図である。 １……主部分、２……中間板、３……内歯リン
グ、４……中間板、５……弁板、６……端板、７
……回転滑り弁、８……主軸、９……自在軸、１
０……歯車、１１……内室、１２……壁面、１３
……端面、１４……スラスト軸受、１５……軌道
輪、１６……ころ、１７……主軸シール装置、１
８……スリーブ、１９……開口、２０……軸方向
通路、２１……開口、２２……制御開口、２３…
…制御通路、２４及び２５……液体接続口、２６
及び２７……リングみぞ、２８及び２９……縦み
ぞ、３０及び３１……軸受区分、３２……通路、
３３……排出ねじ、３４……逆止め弁装置、３５
……弁部材、３６……接続通路、３７……軸方向
通路区分、３８……半径方向通路区分、３９……
接続通路。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 不動の内歯リングと主軸に相対回転可能に結
   合されている回転歯車とが互いにかみ合つてい
   て、それらの間に複数の押しのけ室を形成してい
   る回転ピストン機械であつて、主軸に剛性的に結
   合されている回転滑り弁が、ケーシング孔内で支
   承されていて、２群の縦みぞと軸方向で互いにず
   らされている２つのリングみぞとを有しており、
   これらのリングみぞは、回転ピストン機械の両方
   の液体接続口の１つにそれぞれ接続されており、
   一方の縦みぞ群と他方の縦みぞ群とは両方のリン
   グみぞから交互に延びていて、両方のリングみぞ
   の中間に配置されている複数の制御開口のところ
   にまで達しており、これらの制御開口はそれぞれ
   １つの押しのけ室と接続されている形式のものに
   おいて、回転ピストン機械の回転方向に依存して
   高圧に負荷されるリングみぞ２６若しくは２７
   と、タンク圧に負荷されるリングみぞに隣合つた
   軸受区分３０若しくは３１とを接続する接続通路
   ３６が設けられていることを特徴とする回転ピス
   トン機械。 ２ 接続通路３６が、軸方向通路区分３７とこれ
   から分岐している半径方向通路区分３８とによつ
   て形成されている特許請求の範囲第１項記載の回
   転ピストン機械。 ３ 軸方向通路区分３７が、主軸８から離れてい
   る方のリングみぞ２６を所属の液体接続口２４と
   接続している軸方向通路２０の延長部である特許
   請求の範囲第２項記載の回転ピストン機械。