JPS6138651Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、圧送される複数の液剤を混合できか
つその液圧に応じて液面高さを略一定に保持させ
うる複数液撹拌装置に関する。

ポリエステル、ポリウレタン樹脂塗料など、主
剤、助剤などを混合することによつて固化する各
種の塗料、接着剤などの複数液混合型の液剤は、
その使用に際して均一に混合、撹拌する必要があ
り、滞溜等が生じたときには内部硬化が進行しや
すく、混合した液剤は能率よく使用し切る必要が
ある。また一般にこのような液剤はその洗浄が困
難であることからも、残液を最小限度に抑制しつ
つ、混合、撹拌装置内部への付着をも抑制するこ
とが必要となる。

本考案は、筒状の混合部と、該混合部よりも大
径に貯液部とを具え、前記要請に適合しうる複数
液撹拌装置の提供を目的とし、以下本考案の一実
施例を図面に基づき説明する。

図において複数液撹拌装置１は、筒状の混合部
２の下方に、該混合部２よりも大径の貯液部３を
連設しており、又混合部２には液剤注入口４，５
と撹拌片６…とを設け、又貯液部３の底部には吐
出口７を穿設している。

混合部２は、例えば金属管を用いた円筒状の筒
体９の両端を上のシリンダカバー１０と、中のシ
リンダカバー１１とに螺入している。上のシリン
ダカバー１０は略ブロツク状をなしその下面には
筒体９を螺入するネジ孔を設けるとともに、ネジ
孔の内部には上向きに先細となる内面が設けら
れ、又該内面には、吹出し管１３，１４が、その
先端部を内面から突出して螺合している。該吹出
し管１３，１４は、筒体９の中間高さかつその軸
心上で交わるごとく内向きに傾斜しており、又吹
出し管１３，１４は、筒体９に設けるネジ孔から
なる前記液剤注入口４，５に通じている。液剤注
入口３，４は導管等を介して液剤を圧送する液剤
圧送器Ａ，Ｂを接続する。又液剤注入口４，５に
は、逆止弁１６が螺入される。逆止弁１６は、エ
ルボ状の弁シートニツプル３４を有し、かつ該弁
シートニツプル３４には、液剤注入口４，５に通
じる導孔１９と、該導孔１９に連通しその下面で
開口するネジ孔２０が設けられ、又ネジ孔２０に
は、ニツプル２１が螺入される。なおニツプル２
１には、バネにより下向きに付勢する球弁２２が
当接する上向きの弁座２３に設けられ、該逆止弁
１６は、一方の液剤注入口４又は５からの液剤が
他方から流出するのを防止する。

又上のシリンダカバー１０には、その内面中央
で開口しかつ上のシリンダカバー１０の上面に設
けたネジ孔からなる洗浄液注入口８に通じる小孔
２６が形設され、前記洗浄液注入口８にはコツク
２５が螺入される。

中のシリンダカバー１１は、筒体９を螺入する
ネジ孔を上面に有し、かつ該ネジ孔下方に、上下
に向かい拡巾するテーパ面を具えた導孔２４を透
設する一方、又混合部２は、中のシリンダカバー
１１上面に担持させその下部に前記撹拌片６…が
収容される。撹拌片６…は、筒体９の内径とほぼ
等しい円板部２７の中央部にボス部２９を下設し
かつ中心孔３０を貫設している。又円板部２７に
は複数個の小孔３１…を形成し、前記小孔３１の
位相を違えて中心孔３０を通るボルト３２、先細
のナツト３３を用いて結合され、従つて円板部２
７は、前記ボス部２９の厚さ分間隙Ｇを隔てて取
付けされる。

貯液部３は、中のシリンダカバー１１に上端が
螺合する筒体３５を具え、又筒体３５の下面には
下のシリンダカバー３６が螺合する。又筒体３５
は、筒体９に比べて大径、例えば筒体９に比して
２倍の断面面積を有するごとく設定され、又下の
シリンダカバー３６には、その上面に下方が先細
のロト状部３９を設ける一方、該ロト状部３９に
連通しかつコツク４０をエルボを介して螺着する
前記吐出口７が閉穿され、吐出口７には高圧空気
により液剤を噴霧しうるスプレーガン（図示せ
ず）を接続する。

然して液剤注入口１０，１１に、主剤、助剤な
ど種類の異なる液剤を圧送する液剤圧送器Ａ，Ｂ
を接続しかつ吐出口７には、スプレーガンを接続
する。液剤注入口１０，１１から流下する液剤
は、撹拌片６…の小孔３１をへて間隙Ｇに流入し
かつその小孔から順次折返して流れ落ちる間、液
剤は混合され導孔２４から貯液部３に流入する。
混合部２、貯液部３には、初期空気が存在する一
方、液剤は液圧を有して圧送されることにより、
スプレーガンから順次混合液が貯留したのち、混
合部２、貯液部３の初期空気を圧縮しつつその液
面が上昇する。又液面は、液圧と、残留空気の内
圧とが等しくなつたとき液面の上昇が一定に保持
されつつ、混合した液剤の使用量に応じて液剤が
流下する。又貯液部３は、混合部２よりも大径に
形成され、従つて貯液部３内の液面が上昇するこ
とによつて、混合部２での空気を効率よく圧縮す
る。例えば貯液部３内での所定距離の上昇は、断
面積が混合部２に比べて２倍に設定されているた
め、２倍以下程度で混合部２内部の空気を加圧
し、従つて液面高さの変動の減少に役立つ。

又吹出し管１３，１４を、上のシリンダカバー
１０の下面から突出させており、その結果、該下
面、又は筒体９内面への付着を抑制でき、洗浄の
手間を減じる。

又液剤の送給を停止したときには、内部の残留
空気圧によつて液剤を下方に自動的に押下げ、略
その全量を流下させる。又使用後には、適宜洗浄
液注入口８から溶剤を注入し洗浄できる。

叙上のごとく本考案の複数液撹拌装置は、混合
部と、該混合部よりも大径な貯液部を有し、又混
合部には液剤注入口と撹拌片とを設けているた
め、複数の液剤を効率よく混合、撹拌しうるとと
もに内部の残留圧を利用して液面の高さ変化を抑
制しうる。又液剤の送給を停止したときには自動
的に液剤を流出でき、液剤の使用効率を高めると
ともに残留液を減じ内部での硬化を防いで洗浄等
の手間を減じ作業能率を大幅に向上するなど多く
の効果を奏しうる。

なお本考案の複数液撹拌装置は、さらに多数個
の液剤注入口を設けることができ、又混合部、貯
液部の筒体を透明材を用いて形成し、さらには撹
拌片として、螺旋状のネジ軸、又は特公昭44−
8290号公報が開示する、ねじりを有する板状片を
連結したものを用いるなど、種々な態様のものに
変形できる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の一実施例を示す断面図、第２
図は洗浄液注入口を例示する断面図、第３図は撹
拌片を例示する斜視図である。 ２……混合部、３……貯液部、４，５……液剤
注入口、６……撹拌片、７……吐出口、１６……
逆止弁、３１……小孔、Ａ，Ｂ……液剤圧送器。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 夫々液剤を圧送する液剤圧送器に導通しかつ逆
   止弁を有する複数個の液剤注入口を上部に具える
   とともに、注入された液剤を流過させうる小孔を
   有する複数個の撹拌片が該小孔の位相を違えて収
   納された混合部と、該混合部にその下方で連通す
   るとともに混合部よりも大径かつ底部にスプレー
   ガンに通じる吐出口を設けた貯液部とからなる複
   数液撹拌装置。