JPS6138306Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は複数の陰極線管を同一の映像信号で駆
動する陰極線管駆動装置に関し、特に各陰極線管
の駆動特性の不均一をなくす装置を提供するもの
である。以下には投写型カラーテレビジヨン受像
機を例にあげて説明する。

第１図は赤、緑、青色発光の３本の陰極線管
１，２，３を各映像出力回路４，５，６の電圧で
駆動し、投写スクリーン上で色の合成を行ないカ
ラー拡大投写画像を得る従来の投写型カラーテレ
ビジヨン受像機の一例を示したものである。第１
図に示した構成により陰極線管の画像をスクリー
ン上に写し出した場合、拡大レンズでの光利用率
の低下と拡大率等の要因によりスクリーン上の輝
度は劣化する。そこで明るい拡大画像を得るため
第２図に示す構成が考えられる。第２図の構成で
は赤、緑、青色発光の陰極線管１，１′，２，
２′，３，３′を各映像出力回路４，５，６で並列
に駆動を行なう。そして投写スクリーン上で色の
合成を行ないカラー拡大投写画像を得る。

かかる駆動装置では次の様な欠点が起る。第３
図で、陰極線管のカツトオフ電圧を基準にしてバ
イアスの浅くなる方向に向つてとつたカソード電
圧を駆動電圧といいEdで表わす。又その時流れ
る電流をカソード電流といいIkで表わす。前記駆
動電圧Edを横軸にとり、カソード電流Ikを縦軸
にとると、曲線で示したように、陰極線管により
その駆動特性にばらつきがあるのが普通である。

ここで赤色発光の陰極線管１，１′について考
える。そこで映像出力回路４の同一電圧でカソー
ドを駆動した場合、各陰極線間のカソード電流Ik
が異なり各陰極線管に輝度差が発生する。又カソ
ード電流Ikに差があれば、陰極線管の電子銃、螢
光体の劣化に差が生じ陰極線管の寿命に大きな差
が出るという問題が発生する。

次に第４図について説明する。第２図で説明し
た陰極線管１，２，３の１組を水平方向にインラ
イン配列とし、又陰極線管１′，２′，３′の他の
１組も同様に水平方向にインライン配列とする。
そして前記２組のインライン配列をたとえば、
Ｒ，Ｇ，Ｂ、Ｂ，Ｇ，Ｒというように左右の陰極
線管を垂直方向に赤、青色発光の陰極線管が１対
となるよう配置した構成としたものである。

第４図に示す陰極線管の配置で指向性のあるス
クリーン上に投写した場合、陰極線管１，１′，
３，３′によりスクリーン上に第１図で示した３
陰極線管時に発生したカーラーシエーデイングは
原理的には起こらない。ところが実際には前述し
たように陰極線管１，１′，３，３′の駆動特性が
異なることによりスクリーン上に輝度差が発生す
ればカラーシエーデイングが起こる。すなわちそ
れぞれの陰極線管の駆動特性のばらつきにより同
色の陰極線管に寿命の差が起り、かつスクリーン
上の色彩画像が劣化するという欠点があつた。

そこで本考案は、それぞれの陰極線管のカソー
ドに負帰還抵抗を挿入するというより駆動特性を
均一化しようとするものである。

第５図に本考案に一実施例の要部を示す。ここ
では赤色発光陰極線管１，１′についてのみ説明
するが、緑、青色発光陰極線管についても同様な
事がいえる。

映像出力回路４と陰極線管１のカソード間に可
変抵抗８を挿入し、又前記映像出力回路４と陰極
線管１′のカソード間に固定抵抗９を挿入する。
上記負帰還抵抗８，９により駆動特性を一致させ
るものである。

第６図に前記負帰還抵抗８，９により駆動特性
を一致させる為の必要変化量を示す。ここで陰極
線管の駆動特性のバラツキが特性１０を増大、１
１を最小とする。今、固定抵抗９に接続している
陰極線管１′が上記駆動特性１０とすれば、固定
抵抗９により駆動特性１１に一致させるか、駆動
特性１２の方向になる様に固定抵抗９の値を決定
する。今固定抵抗９の値を特性１２になる様決定
したとする。

次に可変抵抗８に接続している陰極線管１を駆
動特性が１１とすれば、可変抵抗８により駆動特
性１２が得られる。以上より可変抵抗８の変化範
囲上記調整された可変抵抗８の値を最小とし、前
記固定抵抗９の値を最大とした値を選べば良い。
なお簡単のため可変抵抗８は零から前記固定抵抗
９の値を最大としたものでも良い。

第７図に本考案の他の一実施例を示す。映像出
力回路４からの駆動電圧を可変抵抗１３の可動子
へ供給し可変抵抗１３の一端を陰極線管１のカソ
ードへ接続し、他の一端を陰極線管１′のカソー
ドへ接続する。可変抵抗１３の可動子を可変する
事により、陰極線管１，１′のカソードと映像出
力回路４との間に挿入する負帰還抵抗の値が変化
する。可変抵抗の値としては、前述した陰極線管
の駆動特性の条件をみたすように設定すれば良い
事になる。

上記のように陰極線管１と１′の駆動特性を一
致させることができる。また陰極線管１，１′の
カソード電流が同一となり、螢光体等の劣化も同
一となり、陰極線管による寿命のばらつきもなく
なる。さらにスクリーン上で発生するカラーシエ
ーデイングによる白バランスのみだれ等色彩の劣
化も改善できる。

以上のように本考案によれば、同一原色発光の
各陰極線管のカソードに夫々負帰還抵抗を設け、
この負帰還抵抗を調整して前記同一原色発光の各
陰極線管のカソード電圧−電流特性を同一にする
ように構成したものであるから、同一原色発光用
の各陰極線管の発光特性が同一となり、白バラン
スが良好に実現できる。さらに螢光体の劣化も同
一となるため、経年的にも白バランスの劣化が少
なくなるという優れた効果を奏するものである。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来の駆動装置を備えた投写型カラー
テレビジヨン受像機の要部構成図、第２図は６管
式投写型カラーテレビジヨン受像機の要部構成
図、第３図は各陰極線管の駆動特性を示す特性線
図、第４図は６管式投写型テレビの陰極線管の配
置を示す正面図、第５図は本考案の陰極線管駆動
装置の一実施例を示す要部構成図、第６図は陰極
線管の駆動特性の変化量を示す特性線図、第７図
は他の実施例を示す要部構成図である。 １，１′，２，２′，３，３′……陰極線管、
４，５，６……映像出力回路、８……可変抵抗、
９……固定抵抗、１３……可変抵抗。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 複数の陰極線管を同一の映像信号で駆動する陰
   極線管駆動装置において、前記同一原色発光用の
   各陰極線管のカソードに夫々負帰還抵抗を設け、
   この負帰還抵抗値を調整して同一原色発光用の各
   陰極線管のカソード電圧−電流特性を同一にする
   ことを特徴とする陰極線管駆動装置。