JPS6138058Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 太陽熱集熱発生器は、太陽熱を集熱し、その熱
によつて管路内を流れる溶液を加熱して沸騰、蒸
発させ、その気体と液体の混合物を集熱発生管の
上部に設置した気液分離ヘツダーで分離するよう
構成され、複数の太陽熱集熱管は本管から分岐し
た溶液を沸騰させながら気液分離ヘツダーへ導
く。

このような並列流路内に液を沸騰させつつ強制
循環させると、各管路内に液流動に不安定現象が
生じ、流量の不均一を生じる。このような不安定
現象は、特に溶液が太陽のような非定常熱源から
熱を得て管路内で蒸発する系において顕著であ
り、太陽熱集熱発生器の表面温度にむらを生じさ
せて、太陽熱の集熱効率を低下させる。

集熱効率を悪化させるこのような不安定現象を
防止するための最も単純な方法は、本管と本管か
ら分岐する太陽熱集熱管との間に、同じ大きさを
もつ十分大きな抵抗をつけることであるが、比較
的低流量で各太陽熱集熱管に溶液を分岐する場合
には、太陽熱集熱管入口に十分な抵抗をつけ、し
かもその抵抗の大きさをそろえることは難しい。
価格の面からみても、製作時の精度上の問題と工
数の増加を考えると、安価に製作することは不可
能である。

本考案は、上に示したようないくつかの問題点
に対して価格上、製作上有用な手段を提供するも
のである。すなわち、複数の太陽熱集熱管と溶液
を分岐すべき本管とをキヤピラリーによつて連絡
することを特徴とする。

図面は本考案による集熱発生器の例を示したも
のである。１は本管、２は適切な長さを有するキ
ヤピラリーチユーブである。このキヤピラリーチ
ユーブは、長さが500mmから1500mmで、内径が1.2
mmから1.8mmのものが適切であつた。しかしこの
値は分岐する量によつて変わる。３は太陽熱集熱
管、４は気液分離用のヘツダ、５は気体の吐出
管、６は液体の吐出管である。本管１を流れてき
た溶液はキヤピラリー２で等量ずつ複数本の太陽
熱集熱管３へ入り、沸騰し、気液分離ヘツダー４
で気体と液体に分離される。

キヤピラリーは、内径をかなり正確に製作する
ことが容易であるので、長ささえ同じに取れば、
各キヤピラリーの抵抗を合わせることは簡単であ
る。もしこの抵抗を得るために、通常行われるよ
うな、管路の狭窄またはオリフイス等の手法を用
いれば、その抵抗値を各管で一致させることは技
術的に難しく、工数も増加する。しかし、本考案
ではキヤピラリーを管の外部に取り付けているた
め、作業性は非常によく、液の漏れ等の事故も少
ない。また、たとえそのような事故が起きても補
修は容易である。

このように、本考案によれば、溶液の各集熱管
へ分岐を容易にかつ廉価に行うことができる。ま
た、各集熱発生管への液分配は安定し、集熱効率
は増加するとともに、液の漏れ事故等の発生率も
減少し、作業性の向上と集熱発生器の価格低減を
図ることができる。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案による集熱発生器の構成を示す図
である。 １……本管、２……キヤピラリー、３……集熱
発生管、４……気液分離用ヘツダ。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 上部にヘツダーを有し、前記ヘツダーへの複数
   の太陽熱集熱管を連結し、しかも前記太陽熱集熱
   管内部を通過する溶液が沸騰し蒸発するような太
   陽熱集熱発生器において、前記複数の太陽熱集熱
   管の下部と溶液を分岐すべき本管とを連絡するキ
   ヤピラリーを、前記太陽熱集熱管の外部に設けた
   太陽熱集熱発生器。