JPS6137033B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は、下水あるいは河川等において除塵機
にて回収された浮遊物や夾雑物等の脱水あるいは
一般的の脱水を行なうための脱水装置に関する。

この種の脱水装置は、一般に上部ローラと下部
ローラとが近接して回転しており、これらの両ロ
ーラ間に浮遊物や夾雑物等の被脱水物を供給して
通過させることにより被脱水物の脱水を行なうよ
うに構成されている。

然し乍ら、異形物や固形物等が供給された場合
はスリツプして両ローラ間を通過することができ
ないため、両ローラの前段において被脱水物が詰
つてしまうという欠点があつた。

本発明は上記従来の欠点に鑑みてなされたもの
で、異形物や固形物等が供給されても詰りが発生
することなく、両ローラ間を円滑に通過させるこ
とができる脱水装置を提供することを目的とす
る。

本発明においては、上部ローラと下部ローラの
うち少なくとも一方のローラ側に所要数のスクレ
ーパーを設けて被脱水物を強制的に両ローラ間に
搬送する構成とすることによつて上記目的を達成
している。

以下、図面を参照して本発明の実施例について
詳述する。

第１図、第２図において、回転軸１に固定させ
た上部ローラ２と回転軸３に固定された下部ロー
ラ４は、図示しない駆動源によつて夫々矢印Ａ，
Ｂ方向（第１図）に回転駆動されている。また、
これらの上部ローラ２と下部ローラ４とは浮遊物
や夾雑物等からなる被脱水物Ｍを挾んで脱水し得
る様に互いに対向した状態で近接している。

そして、第３図に示される如く上記した上部ロ
ーラ２の対向する二個所には、軸方向に沿つて溝
状に形成された保持部５，６が設けられている。
この各保持部５，６には夫々スクレーパー７，８
が上部ローラ２の遠心方向Ｃおよび軸心方向Ｄに
摺動自在に収容保持されている。

上記各々のスクレーパー７，８は、被脱水物Ｍ
を上部ローラ２と下部ローラ４との間に搬送する
時上記ローラ２の遠心方向Ｃに変位し、かつ下部
ローラ４と対向する時上部ローラ２の軸心方向Ｄ
に変位する如く案内手段１０によつて案内される
ように構成されている。スクレーパー７，８を案
内する案内手段１０は、各スクレーパー７，８に
固定されている軸１１，１２の両端に設けられた
コロ１３，１４，１５，１６と、これらのコロ１
３，１４，１５，１６を案内する如く大小のリン
グ状部材１７，１８および１９，２０にて構成さ
れた案内溝２１，２２とからなつている。

なお、参照番号の２３は被脱水物Ｍが通過する
ケーシングであり、また２４は脱水済の被脱水物
を排出するシユートである。

次に上記構成よりなる脱水装置の作用について
説明する。

まず、図示しない除塵機にて回収された浮遊物
や夾雑物等の被脱水物Ｍがケーシング２３に供給
される。そして、ケーシング２３に供給された被
脱水物一は夫々矢印Ａ，Ｂ方向（第１図）に回転
する上部ローラ２と下部ローラ４との対向位置付
近まで移動する。

一方、上部ローラ２側に設けられた二個のスク
レーパー７，８は案内溝２１，２２内を転動する
コロ１３，１４，１５，１６によつて案内され
る。すなわち、上記被脱水物Ｍを両ローラ２，４
間に搬送する時は上部ローラ２の外周面より突出
する如く遠心方向Ｃに変位し、下部ローラ４と対
向する時は上部ローラ２の外周面と面一となるよ
うに上部ローラ２の軸心方向Ｄに変位する。

したがつて、被脱水物Ｍの中に異形物や固型物
が存在してをスクレーパー７，８によつて両ロー
ラ２，４間に強制的に移送される。

また、上記スクレーパー７，８が、上記した如
く下部ローラ４と対向する時に上部ローラ２の外
周面と面一となる様に変位した際、上部ローラ２
におけるスクレーパー７，８部分の外周面は凹凸
のない自然な曲面となる。これにより、両ローラ
２，４の回転が極めて円滑になり、また、この状
態の時に両ローラ２，４間を通過する被脱水物
は、スクレーパー７，８の先端面と下部ローラ４
の外周面に挾まれて、スクレーパー７，８部以外
で脱水された場合と同様に脱水される。更に、同
状態における両ローラ２，４の接触部における水
密性も保たれるものである。

なお、上記実施例においてスクレーパー７，８
は上部ローラ２側に設けたものを例示したが、下
部ローラ４側に設けてもあるいは上部ローラ２お
よび下部ローラ４の両方の側に設けてもよい。ま
た、このスクレーパー７，８は二個に限られるこ
となく一個または三個以上とすることも可能であ
る。

上述の如く本発明による脱水装置は、上部ロー
ラと下部ローラのうち少なくとも一方のローラ側
に所要数のスクレーパーを設けて被脱水物を強制
的に両ローラ間に搬送するように構成されている
ので、被脱水物が両ローラの前段でスリツプする
ことなく、詰りの発生も全くない。また、スクレ
ーパーは被脱水物の搬送時に一方のローラの遠心
方向に変位し、他方のローラとの対向時に一方の
ローラの軸心方向に変位させて、スクレーパー先
端をローラ外周面と面一にさせるスクレーパーの
案内手段を備えた構成であるため、被脱水物の両
ローラ間への搬送、及び両ローラによる脱水作用
が極めて円滑に行ない得る。

【図面の簡単な説明】

各図面は本発明による脱水装置を示すもので、
第１図は一部切欠側面図、第２図は第１図の−
′線に沿う断面図、第３図は要部の斜視図であ
る。 図面中 ２……上部ローラ、４……下部ロー
ラ、７，８……スクレーパー、１０……案内手
段、１３，１４，１５，１６……コロ、２１，２
２……案内溝、Ｍ……被脱水物。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ 対向状態で近接した一対のローラと、これら
   のローラのうち少なくとも一方のローラ側に設け
   られてこのローラと共に回転する所要数のスクレ
   ーパーと、このスクレーパーが被脱水物を前記一
   対のローラ間に搬送する時一方のローラの遠心方
   向に変位させ、且つ同スクレーパーが他方のロー
   ラと対向する時一方のローラの軸心方向に変位さ
   せて、スクレーパー先端をローラ外周面と面一に
   させるスクレーパーの案内手段とを備えた脱水装
   置。