JPS6136295Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案はゴルフ練習装置に関するものであり、
更に詳しくは練習者にテイグラウンド又はフエア
ウエイに近似した軟らかな踏圧感乃至はスタンス
感覚並びに水平もしくは傾斜した打球面を与え得
るゴルフ練習装置に関するものである。

ゴルフ練習場に於いてゴム板の上面に人工芝植
設シートを張設した打球マツトが使用されている
ことは周知である。斯かる打球マツトを使用する
ことによつてゴルフボールにテイグラウンド又は
フエアウエイに近似した載置状態を与えることが
できる。

しかしながら、これ迄の練習方法に於いては練
習者自身は土面上又はゴム板上にスタンスをとり
前記打球マツト上に載置されたボールをヒツトす
るので、練習者が実際のテイグラウンド又はフエ
アウエイに類似した軟らかな踏圧感覚乃至はスタ
ンス感覚を感じ取ることは事実上不可能であつ
た。微妙な感覚の差が打球の飛距離及び方向性に
大きな影響を与えるゴルフ競技の特性を考慮した
場合、練習者がボールと同一のかつ実際のゴルフ
コースの芝面と近似した表面特性を有する人工芝
面上にスタンスを取り得ることの利益は極めて大
きい。

また実際のコースの状況を考慮すると、テイグ
ラウンド又はフエアウエイが完全に水平であるこ
とはむしろ稀であり、前後あるいは左右方向に傾
斜している場合が大部分である。従つて前記人工
芝面に所望の複合的な傾斜角を与え得るゴルフ練
習装置を案出する必要性もまた極めて大なるもの
がある。しかしながらこれらの要求を同時に満足
し得るゴルフ練習装置に関してはこれ迄に有効な
知見は何等開示されておらない。

本考案は在来のゴルフ打球練習方法乃至は練習
器具に認められた上記の如き不都合を解消し得る
新規なゴルフ練習装置を提供することをその主要
な目的とするものである。而して本考案の斯かる
目的は、金属板の表面に弾性板と人工芝植設シー
トとを順次積層固着してなるスタンスプレート本
体と、該スタンスプレート本体の周縁に近い前記
金属板の裏面に装着された四個のスタンスプレー
ト本体の支持装置とからなり、軽金属材料製の比
較的厚みの薄い前記金属板は、スタンスプレート
本体の中央部ならびに該スタンスプレート本体の
支持装置の取付座面の形成域を除くプレート面の
全域に亘つて裏面側から上面側に向つて孔径が増
大する多数の小孔を穿設貫通させた衝撃緩和性多
孔プレートを形成してなり、また、前記人工芝植
設シートは、練習者が打球姿勢をとるスタンスプ
レート本体の中央部に比較して予備ボールの載置
部位として機能するその周縁部がさらに長い芝カ
ツト長を持つように少なくとも２種類の人工芝植
設シートを隣接状態で張り合わせた複合張設構造
を有し、且つ、前記支持装置は、その内部に球面
滑り軸受を傾動自在に嵌装し前記金属板裏面の取
付座面に対する固定部位を有する環状部材と、該
環状部材に昇降運動を与える雄ネジ部材、ならび
に該雄ネジ部材と係合する雌ネジ部材から形成さ
れているゴルフ練習装置を使用することによつて
効果的に達成することができる。

以下、添付図面の例示に基いて本考案装置を説
明する。図面に於いて第１図はスタンスプレート
本体の最下層に位置する金属板の上面図であり、
第２図は前記スタンスプレート本体の裏面に装着
するスタンスプレート本体支持装置の一部破断正
面図であり、第３図はスタンスプレート本体の断
面構造並びにスタンスプレート本体に対するツイ
ンテイの取付状態を説明する一部破断縦断面図で
ある。

これらの図面において本考案に係るゴルフ練習
装置は、アルミニユーム鋳物等の軽質金属製の比
較的厚みの薄いプレート１の表面に硬質スポンジ
板のような弾性板２１と人工芝植設シート２２と
を接着あるいは図示しない布製フアスナ等の固着
手段によつて順次に積層固着してなるスタンスプ
レート本体Ａと、該スタンスプレート本体Ａの周
縁に近い前記金属製プレート１の裏面に装着され
た四個のスタンスプレート本体支持装置Ｂから構
成されている。

スタンスプレート本体支持装置Ｂは、その内部
に球面滑り軸受７を傾動自在に嵌装し前記金属プ
レート１の裏面に設けられた取付座面４に対する
固定部位をその表面に有する環状部材８，８′
と、該環状部材８，８′に昇降運動を与える雄ネ
ジ部材９、ならびに該雄ネジ部材と係合する雌ネ
ジ部材１２，１４，１６を有し、四個のプレート
支持装置Ｂの雄ネジ部材９の昇降運動量を選択的
に変化せしめることによつてスタンスプレート本
体Ａに水平状態のほか前後或は左右方向の複合傾
斜を与え得るように構成されている。

さらに詳しく説明すると、例えばアルミニユー
ム鋳物よりなる軽質の金属プレート１は、その中
央部及び前記取付座面４の形成域を除くプレート
面の全域に亘つて裏面側から表面側に向つて孔径
が増大する多数の小孔２を穿設貫通せしめ、金属
プレート１の重量軽減効果と打球時に於ける衝撃
吸収効果の向上を計つている。金属プレート１の
表面端縁部には、高さを異にする二個のゴルフボ
ール載置部位２３及び２３′を有する周知のゴム
製ツインテイを嵌込むためのピン５′の挿入孔５
及びピン挿入孔５に近接して直立するツインテイ
の回動制止用部材６よりなるテイ座が形成されて
いる。このテイ座は一組でもよいが、変形例とし
てツインテイを嵌直さずにほぼ同一の打球位置に
立つて載置高さを異にするボールをヒツトし得る
ように、例えば第１図の左上方及び左下方の金属
プレート１の周縁に設けられたテイ座の如く、飛
球線の方向Ｓに対し左側に位置するテイ座にはド
ライバー用のボール載置高さの比較的大なるツイ
ンテイを嵌込み、飛球線の方向Ｓに対し右側に位
置する第二のテイ座にはスプーン、バツフイー又
はアイアンクラブ用の前者に比較してボール載置
高さの低い第二のツインテイを嵌込み、二個一組
に形成することも可能である。この際使用しない
方のテイ座はピン５′を回転中心として打球動作
を妨げない位置に旋回させ、人工芝植設シート２
２上に使用すべき１個のテイ座のみを位置せしめ
るように構成されている。金属プレート１の周縁
に沿つて左上方及び左下方に二個所上記テイ座を
設けたのは右打者及び左打者用に異なつたテイ座
をそれぞれ用意するためである。また金属プレー
ト１は、中央の非穿孔或から該金属プレート１の
周縁迄ほぼ同一の厚みを持つているが、重量軽減
による取扱いの容易性を考慮して、実用上十分な
強度を保持し得る範囲でその厚みを出来得る限り
薄くすることが望ましい。この肉厚の薄い金属プ
レートは、重量軽減効果と共に打球時の衝撃緩和
機能に対しても効果的に機能する。弾性板２１と
金属プレート１とは接着剤によつて一体構造に固
着されており、該弾性板２１と人工芝植設シート
２２とは周知の布製テープ等によつて着脱自在に
係止されている。人工芝植設シート２２は一種類
でも良いが芝カツト長を異にする二種類以上の人
工芝植設シート２２を用意しておき必要に応じて
交換使用することもできる。また弾性板２１の表
面に二種類以上の芝カツト長を異にする人工芝植
設シート２２を適当な区画に仕切つて同時張設す
ることも可能である。例えば第１図に示す金属プ
レート１上に硬質スポンジ板２１を介して二種類
の人工芝植設シート２２を張設するに際し、その
全幅に対し右方約1/4を占める区域及び該人工芝
植設シートの周縁全周に沿う幅の狭い帯状区域に
は比較的長い芝カツト長を有するラフ状の人工芝
植設シート２２を張設し、残余の区域にはテイグ
ラウンドあるいはフエアウエイに近似した前者に
比較して短い芝カツト長を有する第二の人工芝植
設シート２２を張設することもできる。斯かる人
工芝植設シートの張設条件を採用することによつ
て、スタンスプレート本体Ａが或る程度傾斜した
条件下に於いても前記右方約1/4を占める区域を
予備ボールの置場として使用し、また人工芝植設
シートの周縁全周に沿う幅の狭い帯状区域をスタ
ンスプレート本体Ａからのゴルフボール転落防止
部位として使用することができる。スタンスプレ
ート本体Ａ上には打球動作を妨害しない位置に該
スタンスプレート本体Ａの水平度及び傾斜方向を
表示するための水準器２４が装着されている。

一方、スタンスプレート本体支持装置Ｂは、雄
ネジ部材９の上端に球面滑り軸受７を介して傾動
自在に固着された環状部材８の上面を金属プレー
ト１裏面の座面４に当接せしめ、該環状部材８の
フランジ状部分に穿設されたボルト孔２０に挿通
した締着ボルト２０′によつて金属プレート１に
締着する。

スタンスプレート本体支持装置Ｂは、雄ネジ部
材９に固定リング１０を介して装着されたハンド
ル１１を第２図に於いて雄ネジ部材９の軸線に対
し直交方向に回転することによつて雄ネジ部材９
に昇降運動を与えるものであり、四個の該スタン
スプレート本体支持装置Ｂを上記要領に従つて操
作することによつてスタンスプレート本体Ａを水
平に或いは前後、左右方向に傾いた所定の傾斜角
形成下に支承することができる。雄ネジ部材９と
ネジ係合する雌ネジ部材は、第一の雌ネジ部材１
４、該第一の雌ネジ部材１４と固定リング１０と
の間に位置し雄ネジ部材９に対しガタ付きのない
係止状態を与えるダブルナツト機能を有する第二
の雌ネジ部材１２、並びに第一の雌ネジ部材１４
の下方に位置し雄ネジ部材９の下端に嵌装された
突起付きリング１７の案内溝１６′を有する第三
の雌ネジ部材１６から形成されており、図示する
ように第一の雌ネジ部材１４及び第三の雌ネジ部
材１６はケーシング１５内に嵌装された状態で雄
ネジ部材９とネジ係合している。また第二の雌ネ
ジ部材１２には半径方向に延びる回転ハンドル１
３が設けられており、前記ハンドル１１の回転に
よつて雌ネジ部材に対する雄ネジ部材９の突出量
を変化せしめた後、該回転ハンドルを締着方向に
回動し第一の雌ネジ部材１４に対し第二の雌ネジ
部材１２を圧着し雄ネジ部材９にガタ付きのない
強固な係止状態を付与する。雄ネジ部材９の下端
には遊合状態に嵌装された突起付きリング１７が
設けられており、該突起は雄ネジ部材９が昇降す
るとき第三の雌ネジ部材１６の案内溝１６′内を
非回転状態のまま上下動する。雄ネジ部材９に許
容された最大の上昇変位量が与えられたとき、前
記突起の上面は第一の雌ネジ部材１４の下端面に
当接し、雄ネジ部材９の抜出しを防止する。ケー
シング１５は、スタンスプレート本体Ａ及び該ス
タンスプレート本体Ａ上の練習者の重量を支持す
るのに十分な剛性を有し、その底面開口部は締付
ボルト付きの円板プレート１９によつて閉鎖され
塵埃の侵入から防護されている。

以上の説明に明らかな如く、本考案装置は金属
板、弾性板及び人工芝植設シートを順次積層固着
してなるスタンスプレート本体と、該スタンスプ
レート本体をガタ付きのない状態で水平にもしく
は所望の一方向若しくは前後及び左右方向への複
合傾斜角形成下に支持するスタンスプレート本体
の支持装置から形成されているので、練習者にフ
エアウエイもしくはテイグラウンド上に於けるフ
イーリングに極めて類似した軟らかな踏圧感覚、
スタンス感覚並びに打球感覚を取得せしめること
ができる。従つて本考案装置によつて打球練習を
行なえば、微妙なアンジユレーシヨンを有し芝に
よつて地表面が覆われた実際のゴルフコースに極
めてよく似た打球条件を容易に確保することがで
きるから、在来の練習装置によつて到底達成する
ことのできない練習効果をあげることができる。
本考案装置はまた、本願考案者の出願に係る実願
昭57−54139号（実開昭58−157173号公報）等の
ゴルフ練習装置にも容易に装着することが可能で
あり、その利用分野は極めて広い。

【図面の簡単な説明】

第１図はスタンスプレート本体の最下層に位置
する金属板の上面図であり、第２図は前記スタン
スプレート本体の裏面に装着するスタンスプレー
ト本体支持装置の一部破断正面図であり、第３図
はスタンスプレート本体の断面構造並びにスタン
スプレート本体に対するツインテイの取付状態を
説明する一部破断縦断面図である。 １……金属プレート、２１……弾性板、２２…
…人工芝植設シート、Ａ……スタンスプレート本
体、７……球面滑り軸受、８，８′……環状部
材、９……雄ネジ部材、１２，１４，１６……雌
ネジ部材、Ｂ……スタンスプレート本体の支持装
置。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 金属板の表面に弾性板と人工芝植設シートとを
   順次積層固着してなるスタンスプレート本体と、
   該スタンスプレート本体の周縁に近い前記金属板
   の裏面に装着された四個のスタンスプレート本体
   の支持装置とからなり、軽金属材料製の比較的厚
   みの薄い前記金属板は、スタンスプレート本体の
   中央部ならびに該スタンスプレート本体の支持装
   置の取付座面の形成域を除くプレート面の全域に
   亘つて裏面側から上面側に向つて孔径が増大する
   多数の小孔を穿設貫通させた衝撃緩和性多孔プレ
   ートを形成してなり、また、前記人工芝植設シー
   トは、練習者が打球姿勢をとるスタンスプレート
   本体の中央部に比較して予備ボールの載置部位と
   して機能するその周縁部がさらに長い芝カツト長
   を持つように少なくとも２種類の人工芝植設シー
   トを隣接状態で張り合わせた複合張設構造を有
   し、且つ、前記支持装置は、その内部に球面滑り
   軸受を傾動自在に嵌装し前記金属板裏面の取付座
   面に対する固定部位を有する環状部材と、該環状
   部材に昇降運動を与える雄ネジ部材、ならびに該
   雄ネジ部材と係合する雌ネジ部材から形成されて
   いることを特徴とするゴルフ練習装置。