JPS6136153B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は金属精錬炉のプローブ押込装置に関
し、詳しくは押込装置内の均圧化の実現とプロー
ブの挿脱駆動手段の改良に関する。

炉内の溶融金属の測温および／または試料採取
に用いられる従来からの転炉のサプランス設備
は、転炉の上方に設けられている長尺物であるの
で転炉上方の建家が高くなること、転炉上方の炉
口フードを貫通して炉内に降下されたサプランス
に地金やスラグが大量に付着すると、上昇時に炉
口フードから抜けなくなり、転炉運転を休止する
必要が生じるとともに、サプランスに付着した地
金やスラグを除去するために非常に困難な作業が
要求されること、操業中の転炉の鉛直炉軸上にあ
るメインランスの位置を避けてその炉軸からはず
れた位置で転炉内に挿入されるので、サプランス
は炉中心側と炉壁側とで異なる熱負荷を受けサプ
ランスが変形すること等の問題がある。

このような欠点を解決するために、第１図に示
すごとく転炉１の炉底１ａまたは側壁に挿入筒２
を設け、その挿入筒２からシールのためのガス１
４を転炉内１に噴入すると同時に、プローブ３を
シリンダ８によつて転炉１内に挿入して転炉内の
溶融金属９の測温および／または試料採取を行な
う技術が提案されている。（特願昭54−25785、す
なわち特開昭55−117963参照）。ここで、前記挿
入筒２には、プローブ３の挿通を許容する開閉弁
が備えられており、前記シールガス１４はその開
閉弁６よりも転炉１寄りで挿入筒２内に供給され
ている。しかもプローブ３は開閉弁６を介して連
結された案内筒１５内に収納されている。そのた
め、シールガスを挿入筒２内に供給しながらプロ
ーブ３を転炉内に挿入するために前記開閉弁６を
開弁すると、シールガスの一部が急激に案内筒１
５内に流入し、開閉弁６よりも転炉１寄りにおけ
る挿入筒２内のシールガスの圧力が一時的に減圧
される。そのため転炉１内の溶融金属９が挿入筒
２に流入して挿入筒２が閉塞する事態が生じるお
それがある。またプローブ３は、シリンダ８によ
つて転炉１内に挿入されるので、プローブ３を押
込む装置が長くなる欠点がある。

本発明は、案内筒内の圧力を予圧することがで
き、しかも全長を短くしたプローブ押込装置を提
供することを目的とする。

本発明は、金属精錬炉の炉底またはその炉底に
近接した側壁に開閉弁を備える挿入筒を設け、そ
の開閉弁よりも金属精錬炉寄りの挿入筒にシール
ガスを送入するとともに挿入筒に連結された案内
筒から測温および／または試料採取用プローブを
押込む装置において、前記案内筒を予圧する手段
と、案内筒内に収納された前記プローブをモータ
の回転駆動を直線運動に変換して挿入筒に挿入す
る挿入駆動手段とを含み、 前記挿入駆動手段は、正逆回転自在のモータ
と、挿入筒の軸線に平行であつて前記モータによ
つて回転駆動されるねじ棒と、そのねじ棒に螺合
され挿入筒の軸線と同心のプローブを支持するナ
ツトと、ねじ棒と平行であつてナツトとねじ棒の
軸線に沿つて案内する案内筒とを含むことを特徴
とする金属精錬炉のプローブ押込装置である。

好ましい実施態様では、前記プローブは前記ナ
ツトまたはブロツク体によつて軸線まわりに回転
自在に支持され、ナツトまたはブロツク体にはプ
ローブを回転駆動する手段が設けられることを特
徴とする。

さらにまた本発明は、金属精錬炉の炉底または
その炉底に近接した側壁に開閉弁を備える挿入筒
を設け、その開閉弁よりも金属精錬炉寄りの挿入
筒にシールガスを送入するとともに挿入筒に連結
された案内筒から測温および／または試料採取用
プローブを押込む装置において、前記案内筒を予
圧する手段と、案内筒内に収納された前記プロー
ブをモータの回転駆動を直線運動に変換して挿入
筒に挿入する挿入駆動手段とを含み、 前記挿入駆動手段は、正逆回転自在のモータと
前記モータによつていずれか一方が回転駆動され
案内筒の軸線に平行に配置された一対のスプロケ
ツトホイルと、両スプロケツトホイル間にかけ渡
されたチエーンと、チエーンに固定された挿入筒
の軸線と同心のプローブを支持するブロツク体と
を含むことを特徴とする金属精錬炉のプローブ押
込装置である。

以下、図面によつて本発明の実施例を説明す
る。第２図は本発明の一実施例の断面図である。
金属精錬炉たとえば転炉１の炉底１ａには挿入筒
２が設けられる。転炉１内の溶融金属９の測温お
よび／または試料採取のためのプローブ３（第３
図参照）は、押込装置４によつて挿入筒２から転
炉１内に挿入される。

第３図は挿入筒２付近の拡大縦断面図である。
挿入筒２は、炉底１ａに形成された羽口１０に連
通し、その羽口１０から転炉１の外方に一直線状
に延びる筒体５と、開閉弁６と、可撓管７とがこ
の順に一体的に連結されて成る。筒体５の一端部
は、炉底１ａにフランジ接合される。筒体５の他
端部に固着された開閉弁６は、たとえば仕切弁の
ごとくであつて、開弁状態において筒体５と通路
１３とが一直線状に連通し、プローブ３の転炉１
内への挿脱を許容する構造を有する。筒体５に
は、半径方向外方に突出したガス導入管１１が接
続される。このガス導入管１１はトラニオン軸７
８に形成されたガス流路８０（第２図参照）を経
てガス供給源（図示せず）に接続される。筒体５
には溶融金属９が炉内から流出することを防いで
シールするためのガス（0.5〜５Kg／cm²ｇ圧）が
転炉１の操業時においてガス供給源から常時噴流
される。

可撓管７の下端部には、外鍔１２ａと、その外
鍔１２ａの周縁部から軸線に沿つて押込装置４側
に向けて延びる筒部１２ｂとから成るソケツト１
２が固着される。なお、挿入筒２は炉軸と角度を
成して傾斜して取付けられていてもよい。

第４図はプローブ３の拡大縦断面であり、参考
までに示す。試料採取室２０を備える試料採取容
器１９は、多重積層紙から成る保護筒１８によつ
て一体的に外囲される。保護筒１８の上端部１８
ｃには、熱電対２４が埋込まれた測温体２５が、
また、下部１９ｂには、熱電対２６が埋込まれた
測温体２７が固着される。プローブ３の上部には
試料流入孔２１が形成される。

再び第３図を参照して、押込装置４の案内筒７
６内にはプローブ３が収納される。このプローブ
３が挿入駆動手段７５によつて駆動されて、挿入
筒２を経て転炉１内に挿入される。案内筒７６
は、両端部が閉塞されており、挿入筒２寄りの端
部には、案内筒７６の軸線と平行な連結管７７が
設けられる。この連結管７７の端部には、ソケツ
ト１２に嵌合する外鍔２８が形成される。

挿入駆動手段７５は、連結管７７の軸線とずれ
た位置で案内筒７６と平行でありかつ両端部が案
内筒７６の両端で回転自在に軸支されたねじ棒２
９と、そのねじ棒２９に連結され案内筒７６に固
定された正逆回転自在のモータ３０と、案内筒７
６内でねじ棒２９に螺合されたナツト３１と、ナ
ツト３１が挿通されナツト３１をねじ棒２９の軸
方向に案内する案内棒３２とを含む。

第５図は第３図の切断面線Ｖ−Ｖから見た断面
図である。ナツト３１において、ねじ棒２９とず
れた位置には支持棒３３の下端部が鉛直軸線まわ
りに回転自在に支持される。この支持棒３３の上
端部にはプローブ３が固定される。支持棒３３の
途中には、歯車３４が固定されており、この歯車
３４はモータ３５に連結される。

案内筒７６の上部には、予圧ガス導入管３６が
接続される。この予圧ガス導入管３６は上下方向
に延び、その上端部には外鍔３７が形成される。
ガス導入管１１の途中において、予圧ガス導入管
３６に対応する位置には、管３８が下方に延びて
接続されており、この管３８には開閉弁３９と可
撓管４０が順に連結されている。可撓管４０の下
端部には、前述のソケツト１２と同様のソケツト
４１が設けられる。ソケツト４１には外鍔３７が
嵌合される。しかも、ソケツト１２および外鍔２
８が嵌合したときに、ソケツト４１および外鍔３
７が嵌合するように、外鍔２８，３７およびソケ
ツト１２，４１は、挿入筒２の軸線に沿つて配置
される。なお、開閉弁３９は、たとえば玉形弁の
ごとくであつて、開閉弁３９を通過して予圧ガス
導入管３６に流れるガス流量を制御できる構造を
有する。

再び第２図を参照して、転炉１の下方にはトラ
ニオン軸７８に直角に延びるピツト４２が形成さ
れ、軌条４３によつて案内される台車４４上に支
持体４６が設けられ、その上には、上下方向に延
びる３つのシリンダ４７が配置される。各シリン
ダ４７を伸縮駆動することによつて案内筒７６の
高さを調節することができ、しかも各シリンダ４
７の伸縮量を変えることによつて案内筒７６の軸
線を挿入筒２に対応して傾斜させることができ
る。

転炉１内の溶融金属９の測温および／または試
料採取にあつては、プローブ３を支持棒３３の上
端部に装着した後、台車４４を転炉１の直下方に
移動させ案内筒７６の連結管７７と挿入筒２とを
連結するとともに、予圧ガス導入管３６と管３８
とを連結する。このとき開閉弁６および３９は閉
弁しており、ガス供給源から挿入筒２内にシール
ガスが噴入されている。開閉弁３９を適度に開弁
することにより、挿入筒２内の圧力を急激に下げ
ることなくガス導入管１１と案内筒７６とを導通
し、案内筒７６内を予圧する。このように案内筒
７６の予圧終了後、開閉弁６を開く。それととも
にモータ３０を駆動することにより、ナツト３１
がねじ棒２９の回転により案内棒３２に案内され
て上方に移動する。それによつて支持棒３３およ
びプローブ３は挿入筒２を経て転炉１内に挿入さ
れる。

このようなプローブ３の挿入操作時において、
案内筒７６は予圧されているので、挿入筒２内の
ガスが案内筒７６内に急激に流入して羽口１０に
おける圧力が低下し、転炉１内の溶融金属が羽口
１０から挿入筒２内に流出することが阻止され
る。

プローブ３によつて溶融金属９の測温および／
または試料採取が終つた後は、モータ３０によつ
てねじ棒２９を前述とは逆に回転駆動する。それ
によつてナツト３１は案内棒３２に案内されて下
方に移動し、プローブ３は転炉１から抜き出され
る。このプローブ３の抜き出し時において、モー
タ３５を駆動し、プローブ３を軸線まわりに回転
する。このプローブ３の回転によりプローブ３の
外周面付近の溶融金属が振り切られ、したがつて
プローブ３の外周面に溶融金属が付着するのを防
止することができる。

第６図は本発明の他の実施例の断面図であり、
第７図は第６図の切断面線−から見た断面図
であり、第２図〜第５図の実施例に対応する部分
には同一の参照符を付す。この実施例では、開閉
弁５０ａを備える予圧ガス導入管５０が、ガス導
入管１１に連結されず、図示しないガス供給源に
接続される。このガス供給源から供給されるガス
は、ガス導入管１１から挿入筒２内に供給される
ガスと同質のものであればよく、若干圧力が高い
方が好ましい。

プローブ３を挿入するための挿入駆動手段５１
は、案内筒７６内の上下にそれぞれ枢支されたス
プロケツトホイル５２，５３と、両スプロケツト
ホイル５２，５３間にかけ渡された無端状チエー
ン５４と、チエーン５４に固定されたブロツク体
５５と、ブロツク体５５を案内する案内棒５６
と、一方のスプロケツトホイル５２に連結された
正逆回転用モータ５７とを含む。両スプロケツト
ホイル５２，５３の軸線は案内筒７６の軸線に直
角であり、スプロケツトホイル５２の回転軸５８
は案内筒７６の側壁を気密に貫通して外方に突出
される。この回転軸５８は案内筒７６の外壁に固
定されたモータ５７に連結される。

このように構成された押込装置によつても、前
述の第１図〜第４図の実施例と同様の効果を奏す
ることができる。

本発明は上述の実施例の転炉だけでなく、脱ガ
ス炉、電気炉、混鋭炉などの金属精錬炉やレード
ルに関連して広く実施することができる。

上述のごとく本発明によれば、案内筒の内圧を
予圧するように構成したので、開閉弁を開いたと
きに挿入筒内圧の急激な低下による溶融金属の流
出が防止される。またモータの回転運動を直線運
動に変換してプローブを挿入するようにしたの
で、押込装置の全長を短くすることができ、した
がつてプローブ押込装置全体の小形化を図ること
ができる。また本発明では、一対のスプロケツト
ホイルとこれらのスプロケツトホイル間にかけ渡
されたチエーンとを含み、これによつて構成を簡
略化することができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は特願昭54−25785（特開昭55−
117963）の技術を説明するための断面図、第２図
は本発明の一実施例の全体断面図、第３図は第２
図の挿入筒２付近の拡大断面図、第４図はプロー
ブ３の拡大断面図、第５図は第３図の切断面線
−から見た断面図、第６図は本発明の他の実施
例の断面図、第７図は第６図の切断面線−か
ら見た断面図である。 １……転炉、１ａ……炉底、２……挿入筒、３
……プローブ、６，３９，５０ａ……開閉弁、５
１，７５……挿入駆動手段、７６……案内筒。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 金属精錬炉の炉底またはその炉底に近接した
   側壁に開閉弁を備える挿入筒を設け、その開閉弁
   よりも金属精錬炉寄りの挿入筒にシールガスを送
   入するとともに挿入筒に連結された案内筒から測
   温および／または試料採取用プローブを押込む装
   置において、／前記案内筒を予圧する手段と、案
   内筒内に収納された前記プローブをモータの回転
   駆動を直線運動に変換して挿入筒に挿入する挿入
   駆動手段とを含み、 前記挿入駆動手段は、正逆回転自在のモータ
   と、挿入筒の軸線に平行であつて前記モータによ
   つて回転駆動されるねじ棒と、そのねじ棒に螺合
   され挿入筒の軸線と同心のプローブを支持するナ
   ツトと、ねじ棒と平行であつてナツトをねじ棒の
   軸線に沿つて案内する案内棒とを含むことを特徴
   とする金属精錬炉のプローブ押込装置。 ２ 前記プローブは前記ナツトまたはブロツク体
   によつて軸線まわりに回転自在に支持され、ナツ
   トまたはブロツク体にはプローブを回転駆動する
   手段が設けられることを特徴とする特許請求の範
   囲第１項記載の金属精錬炉のプローブ押込装置。 ３ 金属精錬炉の炉底またはその炉底に近接した
   側壁に開閉弁を備える挿入筒を設け、その開閉弁
   よりも金属精錬炉寄りの挿入筒にシールガスを送
   入するとともに挿入筒に連結された案内筒から測
   温および／または試料採取用プローブを押込む装
   置において、前記案内筒を予圧する手段と、案内
   筒内に収納された前記プローブをモータの回転駆
   動を直線運動に変換して挿入筒に挿入する挿入駆
   動手段とを含み、 前記挿入駆動手段は、正逆回転自在のモータ
   と、前記モータによつていずれか一方が回転駆動
   され案内筒の軸線に平行に配置された一対のスプ
   ロケツトホイルと、両スプロケツトホイル間にか
   け渡されたチエーンと、チエーンに固定され挿入
   筒の軸線と同心のプローブを支持するブロツク体
   とを含むことを特徴とする金属精錬炉のプローブ
   押込装置。